ウマ娘2X21 【王の銘は唯一人】取得√実況プレイ───があったなら 作:一般へっぽこヒト息子
from:【β_Orionis】
三伏*1の侯、
北の大地、北海道は函館レース場。
其処に或る1人のウマ娘がいる。
少女は唯、座して待っていた。
己が
「……居たか」
ふと、少女に声がかかる。
見やれば彼女もまたウマ娘。其れも少女が所属しているチームの先輩にしてトレセン学園の生徒副会長。
少女がメイクデビューを終えたばかりのウマ娘である事を考えるなら、本来であればこうして余暇に顔を合わせる事はまずあり得ないだろうビッグネーム。
そんな彼女が少女の背後に立った。
「───先輩。いらっしゃっていたんですか?」
「ああ。暇してるなら後輩の様子でも見て来いってどやされてな…」
「そうでしたか。其れは御足労を…」
「別に良い。第一、見ると言っても目的はもう一つある」
「と仰いますと?」
「お前と同じだ」
「成程」
どうやら2人は同じ目的の元、此処に居るらしい。
「メインのジュニアのレース、ともなれば敵情視察…にしてはアレが随分騒いでいたが」
「……申し訳ありません。キツく言っておきますので…尤も、流石に調整を投げてこっちに来させる訳にもいかないでしょうから」
「そうか。然し…“踊る栄光”、“勇者”の子、か」
其の言葉に、少女の耳が跳ねる。
「…御存知なのですか?」
「又聞きだ……だがそんな下バ評なんぞ知らん。大事なのは奴自体が強いかどうか、其れだけだ」
「……ええ。私もそう思います。ですが、懸念は其れこそ不要かと」
「?」
目線をコースに移した少女は静かに、然し確かな口調で断ずる。
「あの子はあの子として強いんです───己の出生など関係ないと言い張る様に」
「ほぉ…随分買っているな」
「昔からの付き合いですし…何れは越えなければならないと思っていますから」
「ならどう見る?今日の此れは」
「あぁ、其れは勿論───圧倒的な大本命。贔屓目が入ってる事は否定出来ないにせよ、勝つのは彼女でしょうね」
「…そうか。覚えておく」
「えぇ。是非に」
其の会話を最後に、2人の心はターフへと移る。
(そう。今現在迄でジュニア期をスタートさせた者の中では、貴女が群を抜いている。とても、とても悔しいですが…私を含めて)
視詰める少女の瞳から窺えたのは、慙悔。
(ですが…ずっと遠い其の背、必ず差し切って見せます。エルよりも、スカイちゃんよりも、私が先に)
そして、其の念を塗り潰さんと燃える、闘志。
今はまだ遠く、永い冬の中だろうとも。
「故に見せてもらいますよ、キングちゃん。今日の私が貴女から学べる───その全てを」
冬来たりなば、春遠からじ。
夏の暑さでも溶けない氷河を溶かさんと1人の少女、
◇◇◇◇◇◇◇
from:King_Halo
『残り800mを通過して、先頭は5番ナルキッソス更には4番ドミツィアーナ9番サドンアタック前3人の競り合いを起点として、かなりのハイペースで進んでいます』
やはりと言うべきか、先団勝負は熾烈を極めている。
本来温存しておくべき差し脚を少し出して着いて行かなければ、離されすぎて差せないかも…?というくらいにはハイペースな展開で登り坂を駆けて行く。
私のいる位置は最後方から3番目…と言っても先団は団子状態と言っていいくらいに固まっていて、其処から離されすぎない位置である。つまりは前の子を風除けに使えるくらいの距離感だ。
まぁそうなった一助としてスタートを上手く飛び出して釣り上げたからと言うのも多少はあるでしょうけど…ハナを奪われると見た子達が掛かり気味に上がって其処に皆が追随した形になるわね。なら原因は私になるのかしら…?
…何時ぞやのオープンキャンパス然り入試然りでもう御家芸と化してるのかしらねスタート勝負。逃げ策を取らされない程度かつ前目の子達を煽る…其のバランスは記憶の集積体にあるレースを通じて少しずつ自分の経験に変わっている気がする。
《『ゲート◯』のヒントレベルが上がりました》
《『スタートドレッサー』のヒントレベルが上がりました》
……
………ん?
待って何か聴こえたのだけれど!?ヒントレベルって言ったわね?其れって確かスキルに使う物だってあの存在が言ってた様な…
って違う!なんでレース中に其れが聴こえて来るのよ!?どう言う事…!?
『おっとキングヘイロー、やや位置を下げました』
っ…!不味い考えてる場合じゃないわね…!前の子から大体3バ身を越えるのは厳しい。此の件は後で問い正すとして、そろそろコーナーにかかる。なら此処から上げて捕らえに行く…!!
『間もなく第3コーナー!先頭は4番ドミツィアーナから9番サドンアタックに替わりまして各バ坂の最後を登ります!』
前も大分慌ただしい。流石にあのこんがらがった中から内を突くのは無理ね…幾ら集団の大半が消耗していて押し通れば罷り通れるとしても、そんな橋を渡る必要はないでしょうに。
やはり予定通り、ターフも整った外から行かせてもらう!
『2番アグネスワールド抜け出すか!?集団からアグネスワールドが出ました!差は2バ身から半分、開いていく、然し8番キングヘイローが外を回って上がって来た!』
登り坂を抜けた、なら後は降りと直線だけ!
そして此の距離なら間違いなく届く……いける!!
《『#ウマ細胞#トップギア!』の発動条件を満たしました》
来た。入試、メイクデビュー、そして先日の
此方に干渉こそしないものの、状況を知らせる者。
…思えば、さっきのヒントレベルのメッセージも同じ声だった。成程、ならばあれはレース中だろうが発生してリアルタイムで聴こえて来ると言う事か。
だがあの気の抜ける声とは違い、唯の場況だ。実況が増えたのと此方は変わらない。
最終コーナー、スタミナ量は充分。
想起するは愛国の王者。3歩を踏めば最高速に至る程の爆発力を、此の脚に。
視界良好。阻む物は莫し。
深く青い芝を、一杯に踏み込め。
『キングヘイローが上がって来るか!?残り400第4コーナーを回って直線に向かいます!然しまだ先頭はアグネスワールド!!』
「負けて……たまるかぁ!!」
猛りを上げて皆が進む。前の子も後ろの子も、其の誰もが。
……なんて気迫。世代最初の重賞戦、其処に掛ける思いもまた、誰1人の例外無く熱く燃えたぎるものだと身に染みる。
だが其れは、私とて同じ事。
後は自力だ。気合を絞り、喝を入れろ。
「……おおおっっ!!」
『キングヘイロー此処で躱す!此れは決まりだ!今ゴールイン!!』
たった1分と9秒の熱戦、勝者は───私だ。
◇◇◇◇◇◇◇
from:adults
「───ま、大方の予想通りって感じかな?おハナさん?」
「入って来るなりウチの資料に手を出さないでくれるかしら?」
うひー、厳しいねぇ。と手にした新聞を置いて男は諸手を上げる。尤も、人様が纏め上げたデータにおいそれと手を付ける程男は節操無しではない…余程の事が無い場合限りは。今回のは男が既に確認したのと同じ新聞だからやった迄であり、女も其れを分かっていて激しく咎めはしないのだ。
「…で、実際どうよ?」
「全く以て恐れ入ったわね。今年入学から直行しただけはある。いやあの地力ならば其れ以上とも言えるわ…今年のクラシック、ウチからしてみれば大きな壁になったわね」
女が漏らしたのは嘆息。
それはそうだろう。彼女は今年デビューのウマ娘を抱えたチームのトレーナー。ならば鬨の声を挙げた存在を無視出来るかと言われれば、否だろう。
「おぉ…其処まで言わせるか…」
「で?差し金の主としてはどう見るわけ?」
「差し金ぇ?」
「あの子を嗾しかけたのは貴方でしょう?」
「……バレてた?」
「分からないとでも?」
「たはは、まぁそうさな…うん、欲を言えば!………俺が観たかったなぁ〜…」
飛び出したのは、なんとも女々しい発言。
「……貴方ねぇ…」
「だっておハナさんも観ただろ〜?函館を苦ともせず追えるキレ味!コース取りや走行フォームも悪くない。メイクデビューでは府中の1800を4と半バ身!2000は苦にしないだろうし間違いなくGⅠにも…ダービーにだって届きうる!そんなの…何処迄も夢があるじゃあないか」
思ったよりは纏めがついてるなと感じたが、然し女には今の話に1つ気になる箇所があった。
「…ちょっと待ちなさい。やたら詳しいけど、貴方確か其の時別件で外してたんじゃなかった?」
「あぁうん…カニ漁に出てたアイツが動画送ってきてな…」
カニ漁て。
予想だにしない発言に正気を疑ったが、そう言えば男の担当はそういう輩だったのを思い出し納得させる。己を、納得、させた。半ば無理やり。
どうして
「……………担当ウマ娘の手綱くらい握ってなさい」
「返す言葉もないな…まあ欲だ欲。其れよか、アレも少しは吹っ切れてくれるのを期待だな」
「そうね……あの子も少しは前を向ければ良いのだけれど。其れより」
「ん?」
「貴方は結局、どうするの?」
質問に今度は、男が固まる。
「…どうするって、何を?」
「今年デビュー、或いは新入生。貴方だって目をつけてない訳がないでしょう?」
「……むぅ」
「どうするのも貴方の自由だとは思うけれど、チームに居てくれる…信じてくれるウマ娘にはちゃんと報いなさいな」
「……あぁ、分かってるさ」
誤魔化す様に吐かれた言葉を、女は其れ以上追求しなかった。
男が沈みかけの船を見捨てられなかった様に、女もまた、男の内情を知っていたからだ。
「…難儀なものね。誰も彼も」
独りごちた言の葉は誰かにとって微かに重かった。
其れでもきっと───運命の日はそう遠くない。
(問題は山積みにしろ…ただ今回の件、ウチの子達の刺激になったのは、一応プラス要素にはなるのかしらね)
LANEのトークルーム、更なるトレーニングの強化を望む声を見届ければ多少の笑みは浮かぶと言うもの。
結局のところ、女もまた、ウマ娘の成長を見る事を歓びとするタチである事に変わりはない。トレーナーとはそういう類なのだから。
(メニューとローテーションの組み直しね…そして最初の激突は朝日杯かホープフルか…何れにせよ)
かの存在のデータは順調に集積されている。
思えば女のチームは近年、追われる者の立場であった事が常であった。其れは紛れもなく才覚と生まれ持った物を驕らない努力、此等を持つウマ娘達に恵まれたからである。
故に、久方ぶりに追う者として挑もう。
王者の栄光、何するものぞ。
(何れにせよ───最後に差すのは私達よ。例え今直ぐには届かないとしても、ね)
凄い悔しい競馬ですが……ウゥッ……うぅっ………
いつもは嬉しい筈だし普通によくやったって褒めたい速報がこんなに苦しいなんておれはつらいたえられない…このパイオツは、このパイオツだけは見とうなかった……泣かないで私の馬心(哀叫)
色々あったっちゃあそうなんだけどあまりに悔しい…それ以上にタイホくんを悠々一人旅させての強い競馬をさせたとかスパート直前にヨレられて初動潰されたとか色々あったけども……人馬一体オペトーレしたのにぃぃぃ(ダバダバ)
ですが起こる場況もまたレースの常。勝者には礼賛を健闘には拍手をの心で皆にお疲れ様をしなければ無礼千万ですね。皆様方長丁場の闘い見事でした!ええいこうなればプボくんは宝塚からのメルボルンですよ!!(!掛かり)
タイホくんはこれで長距離GⅠを2勝で名実共に21世代最高のステイヤーですね!やっぱつえぇぜ…タイトルホルダー…!
というかあの鞍上一家3代天皇賞春制覇ってマジですか!?春の盾に強すぎるだろ…そう言う意味でも一族の悲願だったんですね…ウマのメジロ家みたいだぁ……タイホくんはマックちゃんだった…!?
レーンちゃんも着外とはいえ16人気から9着と頑張っていましたね!牝馬ながらこの距離を走り切れるのは本当に立派です…ちっこい(目を疑うレベル)ステイヤーいいよね…ねっ、ライスシャワー!
後はオープンでの勝ち鞍があれば何も文句は無い…繁殖に上がってつけるならサンデーフリーで長い所を使えるミスプロ系…
それかサンデー4×4にサドラーのクロスもある
そして銀音速くんは人馬ともに無事である事を祈ります…まさか落馬からの走り終えてから†ダークエクリプス†するとは…いや状況とかはまるで違うしどちらも全く笑い事では無いんですけど…一応自分で立ったらしいですが……大きな怪我はないらしいとの情報はあるのでまた元気な姿を観たいですね…
ウ、ウワーッ!!!コパノリッキー!?!?
JpnⅠ含めGⅠを11勝のヤベー奴ですよ!!?なんならつい最近(2017)まで走ってましたよ!!こんな近年の馬のウマ娘実装はもう嬉しくって感動で…!
ライバルのホッコータルマエも来ないかなぁ…来ないかなぁ!!
ウワーッ!!!!!ボリクリに親父!!!!!!
いや馬主的に殆ど内定してるようなもんだし絶対来るだろうなって分かってたけど!!!にしたってこれはめっちゃ嬉しい…02世代ではファインモーション、またスマートファルコンやコパノリッキーの父であるゴールドアリュールと同期でこの層が厚くなるのはウレシイ……ウレシイ……(ニチニチ)
この流れでクーちゃん…クーリンガーくんも出たまえ!!!!!02
…馬主的な内定で考えるならパッと浮かぶだけでもダイワメジャー、テイエムオーシャン、メイショウサムソン、メジロラモーヌ、メジロティターン、サクラスターオー、ヒシミラクル、アドマイヤグルーヴ、サトノクラウンも控えてるんだよね。凄くない?
特にヒシミラクルはもろ02世代だしこれは期待の実装待ちだ゜ぁ゜^゜〜゜
Q.ところでこの1k超のクソ長無関係な後書きは日記帳じゃあるまいし活動報告にでも投げるべきでは?
A.んふぅ(ナック要素回収)
大体1週間で投げたの偉すぎ謙信なので初投稿です(激遅挨拶)
次回はほんへに帰ります…大体半年後ォ…
ところでこのSS擬きって何が望まれてるんですかね(市場調査)
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もうちょいゲームっぽく淡々とIKEA
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互いに話せるなら方針とかは2人で立てろ
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薄味でも大事なのは超スピード!?(レ)
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え!?また6k字越えの閑話を?
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君もう帰っていいよ!(失踪)