ホロライブラバーズ『幸福論者』獲得RTA なんでもありチャート   作:かとしょう

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 投稿ペースが上がらないので初投稿です


.mp10/過去と怨

 奥義を習得するRTAはーじまーるよー!

 視聴者の皆さんお久しぶりでございます。走者でございます。

 前回はデュラハンを卑遁・落し蓋の術でサヨナラバイバイしたところで終わりました。あれからとんでもない投稿スペースが開きましたが大丈夫だ問題ない。

 

 世間ではなんかバージョン6.0が正式リリースされてキャラや武器やらがめちゃめちゃ増えましたが本動画では扱いません。チャートが崩れちゃうからね、しょうがないね。

 

 さて、そんななか動画では日課の散歩が終わり一日の始まりです。その前に颯太君のステータスチェック!

 

 ふむふむ、敏捷は十分。短刀の熟練度もデュラハンを倒したことで予想以上に上がっていますね。武器個別の習得度も規定値以内です。これはそろそろ始めてもいいかもしれません。

 

 颯太君強化週間を。

 

 説明しよう颯太君強化週間とは!来るラスボス討伐のために必要な技を習得しておこうというチャート通りの動きなのだ!

 短刀には奥義と呼ばれる特殊イベントを終えることで手に入るぶっ壊れ技があります。本来糞雑魚ナメクジ森のおやつレベルの短刀を選んでいるのはこれ目的です。ちょっと運営さんテコ入れ雑すぎんよ~。

 

 短刀の奥義は全4つあり、『春』の巻、『夏』の巻、『秋』の巻、『冬』の巻で分けられています。一応全部奥義書を集めて習得するつもりですが、最悪『春』と『冬』の巻さえあればあとはいりません。

 

 『夏』、『秋』のどちらも強いのですがそれ以上に『春』と『冬』が強すぎます。もうあいつらだけでいいんじゃないかなって感じで。

 

 もちろんリスクや習得難易度など無視できない事項も多いです。

 特に『冬』の奥義は瞬間火力だけなら全武器トップクラスです。

 ……が、奥義書を読むだけで狂気度が上がる。

 技を習得すると狂気度が上がる。

 技を打つと狂気度が上がる。

 

 と深刻なデメリットが付きまといます。狂気度は上がるとホロメンからの好感度低下、被ダメージ率アップ等デバフが付きまといます。ロックマンエ〇ゼのダークチップみてぇだなお前。

 

 しかし読むだけ発狂モノとかなにが書かれているんでしょうか?神話的生物について詳しく書かれていたのかな?

 

 とゆうわけで奥義書を集める旅に出るぞー!イクゾー!

 

 まずは古物商へオッスお邪魔しまーす。

 ここで短刀の習得度と使っている武器の熟練度がある一定以上だと────

 

 >坊主。いい武器を使っているじゃねぇか。なかなかの実力者みてぇだが……。知っているか?短刀使いの身に揺らされた『奥義』って奴を?

 

 >この町に奥義書が4つ眠っているって噂だ。まぁ探してみな。

 

 はいイベントフラグが立ちました。サブクエスト「眠る奥義」、早速進めてみましょう。

 といいながらその一つはここにあるんですけどね。商売上手なじいさんです。

 

 と、さっそく『夏』の奥義書を買ってGETだぜ。さぁ火の中水の中草の中あの子のスカートの中に探しに行きましょう。

 

 『秋』の奥義書は町の古本屋に確率で追加されます。店の入り口で反復横跳びを繰り返しては店員に話しかけるムーブを繰り返して運を収束させます。

 

 まぁ走者たるもの一発で出しますがネ。

 

 2倍速…………4倍速…………8倍速…………16倍速…………32倍速…………

 

 来た!『秋』の奥義書やっときました!かかった時間は36分……普通だな!

 

 さてお次は『冬』の奥義書なのですが……これが鬼門です。というのも本来このゲーム内の時期ではまだ手に入れられないんですよね。というのもこの『冬』の奥義書はあるホロメンの家に保管されており、その部屋に入りブツを預かるには相当な好感度が必要なのですが……。

 

 その好感度なんと95%以上。ふざけるな!(声だけ迫真)

 そんなの一点に絞って3年間好感度上げに努めなきゃ無理だわ。短刀使いが強くてニューゲーム勢を抱えている理由はこれが大きいかもしれません。後人気ね。

 

 とゆうわけで外法(バグ)使いましょう。

 やってまいりましたはちょこ先生の診療所。この家の三階の角部屋に奥義書は安置されています。

 

 玄関から入っても部屋には鍵が入っていては入れません。ちょこ先生も好感度が足りなくて部屋を空けてくれません。

 

 なので不法侵入します。

 

 まずは壁と密接しているこの大きな木の箱の前に立ちます。位置を調整したら箱にダッシュをします。スタミナが切れる瞬間に箱に上る動作をすると…………。

 はい壁の中にいる状態になりましたね。

 何かを上る動作中にスタミナが切れると一部オブジェクトの中に入る「オブジェクト透過バグ」完了です。

 

 今度は壁の中から外の箱の中に打ち上げ花火を設置。体半分を壁の中、もう半分を外に出している状態のギリギリで箱の上に立ちます。

 

 ドッ!パーン!

 

 フワーッ!

 浮遊感与えちゃったかな?

 

 オブジェクトの内部で打ち上げ花火などの爆発物を起動させると真上に飛び上がる「打ち上げ花火、下から見るか?俺がなるか?」バグです。

 お目当ての部屋の高度になったら壁中に侵入。そのままお目当ての部屋に入り机の上の奥義書をカ借りパクしていきましょう。死ぬまで借りていくぜ!

 

 残るは『春』の巻だけですね。『春』の巻だけは手に入れ方が少し特殊で『夏』『秋』『冬』の3つを所有した状態でイベントを行うことで手に入ります。ということでイベントを行い…………ました。(ました工法)

 やることはお墓を掘り起こすガチ犯罪なんでね。しょうがないね。

 

 これで春夏秋冬すべての奥義書をそろえることができました。後はパパっと読み込んで……終わり!

 うわぁ……『冬』を読んだ瞬間色々とステータスが下がりましたね。こんな危ないものは焚書だ焚書。

 

 とゆうわけで本日はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて、と……」

 

 空が赤く染まる夕日の中、リビング中央で4冊の古びた紙の束を前に唸る。

 これこそが現代では失われた「短刀」使いにのみ許された奥義だというのだが……。

 

 「何が書かれているんだろうか……」

 

 本当にすごい技が書かれているのだろうか?本の見た目は経年劣化が激しく時の流れを実感する。虫食いではなく時間の流れだけがこの本を傷めつけたのが分かる。

 故にこそ怪しく思う。

 

 技術とは重ねた時間の重みで研磨される。10年後より20年後、20年後より30年後と多くの時間と人が知恵を絞ることで完成に近づく。いや完成が更新されていくと言ったほうが正しいか。

 

 つまりここまで昔の本から学べることはあるのだろうか?

 

 もちろんせっかく探し出したものだ。読んで何か不利益があるわけでもないし、昔の奥義書というだけで男心魅かれるものがある。しっかりと目を通すつもりだ。

 

 「どれから読もうかな。順番に春から……、いや苦労したものは後にするか。手に入れた物から読もう」

 

 まずは簡単に手に入った『夏』から読もう。

 ざらりとした手触りの表紙をめくって1ページ目から読んでみる。

 

 「……………………!」

 

 結果から言おう。すごかった。

 書かれていた技は一つだけだった。が、その使い方、練習方法、どこで使うかいつ使うかが膨大な文字量で分かりやすく書かれている。なにより新しい。

 思想、考察方法などは古臭く現代とは遠く離れていた。しかし技そのものは新しい。どうしようもなく理知的で尖っているが優しい。

 

 「何よりも簡単だ」

 

 すごい。相手を倒すためではなく自身の身を守るためにあるような業だ。それなのに大の男でもなく扱える利便性。

 

 食い気味に俺は『秋』の奥義書を開く。

 中身を流し読みしながらある核心に至る。

 

 「やっぱりそうだ。どれも相手を傷つけるものでもないし、相手に襲われたときのためのカウンター技だ」

 

 自分からは傷つけない。相手を殺さないという強い意志を感じる。

 

 震える手で『春』の表紙を読み込む。

 

 「これは……こんなことが人間に可能なのか……?」

 

 書かれていた内容は一つの技。しかしただの技じゃない。

 それは一つの夢と言っていいかもしれない。「ありえない」「できるわけない」そんな無理と無意味を押し込んだ究極の一。理想と現実の区別がついていないとしか言いようがない。

 

 事実、末尾には自分にも成しえなかったことが旨が書かれている。

 

 「これは一つの目指すべき道として捉えて置くほうがいいな」

 

 人が個人の力で空を飛べないように、蟻が象に勝てないように「ありえない」を「できる」と勘違いしてはいけない。

 人一人ができることは人一人分。それを履き違えればいつか自ら墓穴を掘る。

 理想は理想のままでいい。

 

 それにしても発想だけは本当にすごい。これら奥義書に書かれているものをできるようになったら、それは比類なき力として俺を助けてくれるだろう。

 それこそ魔王軍をも……。

 

 そこで気が付く。

 そうだ、まだすべてを見たわけじゃなかった。

 

 残された本を見る。

 いやそれを一目見ても本だとは断定できない。ただそれが長方形の形をしていることと、『春』『夏』『秋』の今までが本であった。それだけだ。

 

 光を反射しない黒いナニカで封をされたモノ。表紙が見えないから断定をすることができないが恐らくこれが『冬』の書のはずだ。

 唾を飲み込む。他の3冊とは違いわざわざ読ませないために封印を施されているこれにはいったい何が書かれているのだろうか?先の物でもとんでもないことが書かれていた。もしかしたらもっとすごいことが書かれているのかもしれない。

 

 黒い封を取ろうとしてふと、手を止める。

 

 本当に見てもいいのだろうか?

 

 おそらく書いた張本人が封印したものだ。故人の遺志を尊重してここはそのままにしておくのがベストなのではないか?

 

 「う~~~~~ん…………。…………よし!」

 

 結局俺は見ることに決めた。

 著者が見られたくなくて封をしたと決まったわけでもないし、俺の興味も尽きない。

 

 短刀の切っ先で軽く黒い封をなぞる。するとパックリ二つに分かれて中身が見えるようになった。

 

 表紙は想像通り『冬』の書。

 俺は胸を躍らせながらページをめくって中身を────────

 

 「あ────」

 

 

 

 

 

 

 

 許せるものか。許せるものか。決して許してなど置けない。

 何が平和だ。何が人のためだ。そこには戯しかなかった。そこには悦しかなかった。

 多くの人が涙をした。多くの人が血を流した。そこに意味などなかった。

 

 私が行ったすべてが無意味になった。私が始めたことが消え去った。

 すべて私が信じたせいで終わりを迎えた。

 

 理不尽と狂気と火と恐れと蹂躙と────

 意味のない暴力があった。

 理由なんてなかった。

 都合よく解釈して、正義を抱えて体裁を整えて悪を成した。

 

 村が焼かれている。

 昨日まで青空の下でただ安念を享受する人がいただけだった。農作物を風に漂わせていた。子供が楽しそうに笑っていた。

 だのに赤い天の下逃げ惑う人がいる。畑が踏み荒らされている。…………子供が火に焼かれている。

 叫びが聞こえる。泣き叫ぶ声が聞こえる。

 

 これに理由が無かったらまだよかった。しかし奴らは大義を抱えて虐殺を行っている。

 信条と正義が確かにそこにあった。

 

 だからこそ許せない。輸せない。

 

 憎い────

 

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い

 

 あいつらを生かしておけるものか。その命をもって償わせてやる。

 

 これは私の罪を清算する────復讐だ────

 

 

 

 

 

 

 「ただいまー……ってご主人なにしてるの?こんな真っ暗の部屋で座り込んで」

 

 聞きたくない。知りたくない。わかりたくない。

 喉の奥がひりつく。お腹の奥底から何かがせりあがる感覚が気持ち悪い。

 

 「ひぃっ……ひぃぃぃぃぃぃぃ……ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

 

 声が出ない。涙が止まらない。体の痙攣がひどい。

 

 怖くて怖くて仕方がない。アレは一体────アレはなんなんだ────?

 

 「ご主人ー?どうしたのご主人……きゃっ!?」

 

 ぬくもりが欲しかった。今はただ人のぬくもりが感じていないと狂いそうだ。ただ精神が瀬戸際にあるということが理解できてしまう。それがまた恐怖を掻き立てる。

 

 「ご主人ちょっと痛いよ」

 

 やめてくれ拒絶しないでくれ。どこかに行かないでくれ。お願いだから一人にしないでくれ。

 震える体を、凍えるように冷たい体をどうか見捨てないで欲しい。

 

 でないと、あんな────

 

 あんな────

 

 どうして()()()()()────?

 

 そんな前兆はなかった。先の3冊はああまでも優しさに溢れていた。それなのにどうしてこうなった?

 

 恐ろしいのは────

 恐ろしいのはあの凍えるほど沸き立つ憎悪ではない。

 

 優しさに溢れていた人間が変貌したことが恐ろしい。

 優しく感受性豊かなあの人がこうまでも憎しみにとらわれ復讐に身を落としたことが怖い。

 

 もしかしたら────

 

 俺自身もこうなるかもしれない。そういわれたような気がしてならない。

 俺もいつかあの「怨」を体現するような鬼へと堕ちるのだろうか。

 

 恐くて、怖くて泣きそうになる。

 

 「ご主人……?」

 

 あくあの声が、存在が今は俺をつなぎとめてくれる。

 頭を優しく撫でられる感触にただしばらく身を預けていた。

 

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