ホロライブラバーズ『幸福論者』獲得RTA なんでもありチャート 作:かとしょう
「みなさん、ご無沙汰しております。ガバチャー民専属調教師の走者と申します。
今回の、幸福論者何でもありチャートはいかがでしたでしょうか?
幸福論者初期作品は、比較的オーソドックスなガバプレイがたくさん盛り込まれていたかと思います。
これからお見せする撮り下ろし映像も、基本的なガバプレイをお見せしたいと思います
今回走る少年はそうたっ。ハンサムなマスクと、均整のとれた体
まだ19歳のこの少年は、私の調教に耐える事が出来るでしょうか?
それでは、ご覧下さい」
はーい、よーいスタート。
徹底されたチャートによるRTA、はーじまーるよー!
前回は百鬼あやめにボコボコにされたところで終わりました。これをコメントで『ガバ』とか『再走しろ』とか好き放題言ってきたノンケが多いですが、これが狙い通りだとか分からないとかそんなんじゃ甘いよ。
というわけで今日は解説会ですので少し短めです。
でなぜ百鬼あやめに負けたのかというと準備のためです。
今回のボス格と戦う上で百鬼あやめと戦い、あるスキルを手に入れておく必要があったのです。
んでそのスキルを手に入れる方法が百鬼あやめに『百鬼襲』を使わせることだったんですね。それで『百鬼襲』を打ってきたのでわざと食らって落ちたのです。
ちなみに人によってはここで百鬼あやめに勝つことで得られる経験値を考えれば、倒したほうがいいという派閥がいます。
(どっちの可能性が)濃いすか?
では数パートぶりのバトロワ結果発表を見ていきましょう。
スキル『鬼神化』を習得した
スキル『鬼哭鞭』を習得した
スキル『神便鬼毒酒』を習得した
いやぁいいっすねぇ。
『鬼神化』はHPを1秒間に10ずつ減らすというデメリットがありますが、代わりにとんでもないバフが付きます。雑魚処理とかHPが一戦ごとに回復する闘技場とかに便利です。普通に有能。
そしてこれが狙っていたスキル『鬼哭鞭』です。なんと相手の種族が鬼の場合特大ダメージ&HPデバフ&スピード低下&防御力DOWN。
あぁ^~たまらねぇぜ!!
これさえあれば対鬼の戦いがグッと楽になります。
鬼はクソ攻撃力とクソ防御力そしてクソ鬼火という三大クソが合わさった種族です。特に鬼火は厄介で対魔力を無視して攻撃してくるので対処法がよけるしかありません。クソが(悪態クソ土方)
最後の『神便鬼毒酒』は……もういいでしょ。これ知らない人はいないくらい有名ですからね。
私の動画はホロライブラバーズをやっていない視聴者がいるらしいので一応説明しておくと、『神便鬼毒酒』は自殺技です。
相手の種族が鬼の場合のみ、発動できるスキルでHPをすべて消し飛ばすことができます。つまり使う機会はありません。
一応鬼とエンカウントしてしまったときにリセット目的で使うとタイムを短縮できるらしいのですが、そもそも鬼と当たる場合はストーリー上避けられないことが多いので本当に意味ないです。このゲームの5本指に入るくらい。
これを有用できる人いたら至急メールくれや。
さてと。最後に保険として主人公の狂気度を上げておいて……。これで準備は完了です。
次回、ボス格をSA☆TSU☆GA☆I☆して最終章に入ります。
今回はここまで。
ご視聴ありがとうございました。
人が怖かった。自分という世界のイレギュラーは本当に皆と一緒の存在なのか。イデオロギーとDNAからくる画一的な枠組み。自分に当てはまるのはそんな目に見えない不変と枠だけだ。
俺の周りにはいつも薄曇りのガラスが張られている。
聞こえない。声が。
見えない。世界が。
こうして話しているアイツラは疑問に思いもしないのだろうか?
なぜ人間という種が生まれてきたのか?この亜人種だらけの世界に何とも思わにのか?
人間の上位存在ともいえる彼らに。
―――――風が聞こえる。
轟々と体を押し寄せようと地球の重力に引かれ、大気と渦に飲まれて目を開けるのも声を聴くのも難しい。
でも。
「――――それは、とても美しいと思わないかい?」
なぜ綺麗で鼓舞されたことだけは覚えているのだろう?
ピッ、ピッと―――
「いやもういいよ」
もういいって何回目だよこの流れ。百鬼あやめが技を放った時点でこうなる未来が見えていたよ。
「知らない天井だ」もつぶやくの飽きてきたよ。天井だを天丼するのは体張ったギャグにもほどがある。
どうせ病院だろここ。
あの後光に飲まれた俺が半死でここに担ぎ込まれたんだろ。体中包帯だらけだし、やばい色の点滴がぶっ刺さっているもん。どれだけ寝ていたんだ俺。
知っているからな。何回も担ぎ込まれてくるからここのナースさんに「上条当麻」ってあだ名付けられていること。
体を起こしながら脇に置いてあった携帯を手に取る。
6月10日。どうやら10日近く意識を失っていたらしい。馬鹿か。
手から体。体から足を試すようにゆっくりと曲げて不調がないか検査をする。痛みも違和感も信号として脳を揺らさない。どうやら完治しているようだ。
さすがちょこ先生。医者としての能力
点滴の針を勝手にぶち抜いてストレッチをしていると、一枚の便せんがサイドテーブルにあるのに気が付いた。触り心地だけで上等な和紙とわかるそれの裏には、「百鬼あやめ」と差出人が書かれている。
もしかしてお詫びの手紙か何かだろうか?手紙を受け取るというのは人生で初めてだから少し緊張してしまう。
それにしても鬼にしては傷つけた相手にお詫びの手紙とは、なかなか常識があるというかかわいらしいところがあるじゃないか。
そも、あれは俺が覚悟して出たイベントで起きた事故のようなものだし気にしていないがまぁお詫びがあるなら今後はもっと仲良くしてやらないこともないな。
そんなことを考えながら手紙を取り出す。
『めんご』
いつか絶対泣かす。
くしゃくしゃに丸めた紙を外の焼却炉にシューーッ!!してエキサイティングしてからもろもろの手続きを終える。
受付の人の心のこもった「もう来ないでくださいね」に本気の愛想笑いをして出口に急ぐ。顔を覚えられている病院とか居心地が悪くてしょうがない。
さてどうしたもんか。普段だったらこの程度の距離は走って帰るのだが、お医者様から数日間は運動禁止令が出てしまった。
ちょこ先生の言いつけならまだしも、ガチの医者の注意を即破るのも気が引ける。今日のところはおとなしく電車で帰ろう。
夏の陽気を感じさせるジメッとした粘り気と刺すような日差しがうっとうしい。
逃げるように駅のホームに駆け込むとちょうどタイミングよく電車がやってきた。
平日の昼間だからだろうか、空いている車内になんだか居心地の悪さを感じながら座席に座る。
そういえば電車に乗るという行為は久しぶりだ。
それは節制という意味もあるのだが、それ以上に今住んでいる町の外に出る用事が全くと言っていいほど無かった。
だからだろうか。電車というものが思っていたよりも小さく感じた。
昔は意味もなく連結部分に立ってサーフィンごっこをしたり、別車両へ入ったりしていたような気がする。
しかし今ならこの電車の初めから最後までなら全力を出せば1秒で駆け抜けられるような気がする。
もちろん魔力も筋力もすべて使い切りその日はもう動けなくなることを前提にした話だし、そもそもそんなことできるからといってなんだというのだ。
精々百鬼あやめに瞬間的にスピードで勝てて逃げられる確率が上がるだけだ。
もっと鍛えよう。
上に飾られた液晶には相も変わらず政府高官の連続死のニュースでいっぱいだ。
1か月ほど前から世間をにぎわせている、10年に一度レベルの事件だ。なんでも政府高官だけが謎の不審死を遂げている。
警察は政府高官だけの連続死と死因が似ていることから同一犯とみて捜査をしているらしい。
世論は今の政権が右寄りだということもあり、その死に左側から天誅だとか愛国者とか好き勝手に騒いでいる。
まったく。どうしてほとんどかかわりのない人の生き死にでそこまで踊れるのか俺にはわからない。
確かに普段偉ぶった顔のお役人様の顔が目に見えて暗くなる姿は少しおもろいと思わなくもないが。
ふと外を見るとうっそうとした緑が目に飛び込んできた。あれは位置的にエルフの森だったか。
高架上からだとこうもはっきり見えるのか。総面積がどれくらいか分からないがすごい大きさなのだけはわかる。あの森だけでこの国の酸素を創っているのではないかと思えるくらいだ。
たしかエルフの森は最初は一本の大きな木から何千年もかけて植物を増やしてきたのだとか。
それにしては増やしすぎな気がするが。奥深くなんて枝と葉が邪魔で太陽の光が届かなくて昼でも夜みたいに暗くて……。
……………………?
なんだこの記憶は?俺はエルフの森に入ったことなんかあったけか?どうしてエルフの森の奥のことなんて知っているんだ。それも知識としてではなく経験として。
「この記憶は……。ウッ!?」
頭の内側から釘を打ち付けらたのではと錯覚する痛み。
床に倒れこみのたうち回る。何らかの力が其れを許さないらしい。
知らない記憶があふれ出し駆け抜けていく。止まらない濁流に流されていく。
鼓動がとんでもない速さで血液を流す。口の端から泡が流れていく。
視界が赤く染まっていく。目の中の毛細血管が切れたらしい。
頬を生暖かい血涙が伝っていくのが妙に遅く感じる。地獄の一秒が1時間に引き伸ばされている。脳が沸騰しそうだ。
視界の赤はより一層深く、深く鮮烈な色へと変化していく。赤く、紅く、朱く。世界が染まると同時にひどい耳鳴りが始まる。脳をかきむしる音が木霊する中、雑音が聞こえてきた。
草木を踏みしめる音。木々が倒れる音。水が滴る音。
――――鉄がぶつかり合う音。
「世――救―に―――これしか――」
「負――いさ。彼は」
静かに、しかし力強く言葉を交わす二つの声。いい争うことなく自身の信念をぶつけあっているように感じる。
赤いノイズが徐々に消えていく。
黒と赤しかない世界の様相の中、俺は―――
刀で胸を貫かれていた。
「うわぁぁぁ!?」
叫びながら、起き上がる。
コヒュッ、コヒュッとかすれた息が自身の寝ていた時の追い詰められ方がすさまじかたことを物語っている。
……この反発性のない慣れた感触は俺の布団。そうか家に帰ってきたのか。
台所に駆け寄ってコップに入れた水を一気に飲み干す。
夢の出来事はすべて覚えている。何かの会話と胸を刺し貫かれる痛み。そして異様に悲しい気持ちに包まれていた。
もう一度水を飲み干す。
ふらふらとおぼつかない足取りで、ベッドに倒れこみながら強く瞼を閉じる。
さっきの怪現象はいったい何だろうか?どうも良くないことが起こる前兆の気がしてならない。
じっとりとした気持ちの悪い汗がベッドでうずくまっても流れてきて不快だ。
服を脱いでシャワーを浴びる。
温度調節のハンドルを思いっきり捻って一番冷たい水を全体に満遍なくかけて、血管の収縮を肌で感じ取る。
水流に身を任せ、頭を壁のタイルに預ける。
意味もなくただそうしていた。
そうしていたかった。
体の芯まで冷やして部屋にもどるとようやく、あくあがいないことに気が付いた。
そういえば今日は林間学校の二日目のはずだった。
濡れた髪で布団に横たわると机に「ご主人へ♡」と書かれた置手紙を発見した。なんとか布団から出ないように体中の繊維をのばして手紙をとる。
内容はスージーちゃんを大家さんに預けていることとか、林間学校の間に目が覚めたら向かってきてほしいとかそんなことだった。
本当なら行きたい気持ちはないわけではないが……、どうにもその気持ちは一気に冷めてしまった。学校に行けば自習とかだろうから楽できるだろうし、適当に済まそう。ちょっと活動的になる気分ではない。
「……なんだろうなこれは」
シンと静まった空気と電球に照らされ伸びた影しかない空間にどうも以居心地の悪さを覚える。
なんだか耐えられなくなりテレビに電源を入れる。
もし――。ここでテレビをつけなかったら何か変わっていたのだろうか?
いや、あれだけの事件が耳に入らないほうがおかしい。
きっとすでにもう。
運命は決まっていたのかもしれない。
黒が映った。
電源が入っていないのかと勘違いするほどの黒。
しかしすぐにその黒は赤に変わった。
「えっ?」
デカデカと流れるそのニュースの内容に、肝を抜かれた。
「エルフの森が…………火事…………?」
あの日がやってくる。
これからもよろしくお願いします。