歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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無印
会いたいけど会いたくない「彼女達」との再会


特務二課に正式に所属となり、たくさんの任務をこなした。

 

たくさんの任務の中で救えた命や救えなかった命があった。

 

それでもとにかく一歩前へ進むために頑張った

 

身に余る力を誰かを守れる力に変えるため、その力を振るう者としての器となるために

 

そうすればいつか、奏の解呪に辿り着くと信じて

 

・・そうして気づいた時には、もう2年が経っていた。

 

そんなある日の夜の車中

 

「・・・」シャカシャカ

 

以前より伸びた身長(172センチ)、白い頭髪にちゃんとつけるようになった目隠し、そして上も下も黒一色の仕事着(僕監修の一張羅!by五条擬き)

 

後部座席でイヤホンをつけ、音楽を聴きながら窓の外を見る。

 

そこに広がる景色は、久々に戻ってきた故郷である。

 

「・・・」

 

『いやー関西のお仕事楽しかったねー、空いた時間は食い倒れ!たこ焼きにお好み焼!久し振りの沖縄も最高だったね、ゴーヤチャンプルにソーキそば!』

 

この二年、日本各地から世界の隅々まで飛んでいた。

弦十郎が気を利かせてくれたのだろう、(盆と正月は帰った)別れた友達、その思い出がある町にいるのは辛いだろう、という優しさだった。

 

「・・・」ウンウン

 

仕事だったけど、いつかのように色んな場所に訪れて楽しかったことを思い出し同意する孤仁、お土産を特務二課のみんなに振る舞い、あおいさんの入れてくれるあったかいもの(砂糖入りココア)を片手に自身も頂きたい・・・等と考えていた。

 

『それよりさー、16歳で4月なんだしさ、高校どうする?』

 

擬きの話は以前弦十郎にも言われたこと、そしてその時と同じ答えを思う。

 

『行く気はない、ね。でもせめて通信制の高校には行きなよ。最終学歴中学とか笑えないよ』

 

「・・・」

 

『先生いればなんとかなる?ダメだよ。自分のことは自分でやりな』

 

恐らく今回久しぶりに地元に呼ばれたのもこの件なのだろう。なんと言われようと進学するつもりはない。そんな時間はないのだ。

 

「・・・」

 

『そんなこと言ってもダメだよ。「孤仁!聞こえるか!」おっと、無線の連絡か』

 

前方から聞こえる弦十郎の声

 

「・・・はい」

 

あまり長くは喋れないので、端的に返す。

 

「よし、近くにはいるんだな。帰ってきて早々で悪いがノイズだ、今からいう場所に向かってくれ!」

 

「・・・了解」

 

運転手も聞いていたので、即座に目的地に向かっていった。

 

・・・現在この世界でノイズと闘えるのは翼と孤仁のみである

 

ノイズはいつ現れるか分からない、なので常に警戒する必要があった。

 

しかしなんの因果か、ノイズは基本的に孤仁の地元に周辺にしか現れない。

 

時たま現れる日本各地&世界各地のノイズは孤仁がそして基本的には翼がノイズと闘っていた。

 

なぜ、孤仁があまり前線にでないのかというと、呪術の存在を隠すためである。

 

奏や翼のように歌手としての表の顔を隠れ蓑にすることはできない孤仁がおおっぴらに前線で力を振るうのは呪術のことをひけらかすのに等しい

 

現状シンフォギア以外にノイズの対処は不能と言われており、そんなところに第三の力である呪術の存在が知られてしまっては争いが起きるという弦十郎と擬きの結論により、特務二課のエージェントの任務&時々ノイズ退治と、孤仁は闘っていた

 

もちろん呪術の特訓は怠らず、着実に力をつけている

 

・・・そして、弦十郎に言われた場所にたどり着いたが

 

『ありゃ、もう終わってるね』

 

そこにノイズはおらず、自衛隊が後処理をしている。

 

「・・・」スチャッ

 

『お?弦十郎に電話?』

 

「・・・もしもし」

 

「すまない。そちらの現状を知った翼が飛び出していってな・・・もう片付いているだろう?」

 

「はい」

 

「翼と合流し、帰投してくれ。話したいことがある」

 

「了解」

 

・・・そうして辺りを探すと、いた。

 

「風鳴さん」

 

「!、櫻井か」

 

しばらくあっていなかった翼と再会、以前の仲のよさはない

 

「こちらでの任務は終了している。おじ様はお前を向かわせたようだが、私一人で問題なかった」

 

翼もあの頃より成長していた、口調が変わっており、どこか冷たい印象を感じた。

 

しかしそれは仕方のないこと、と孤仁は分かっている

 

「共に、帰投との、連絡を」

 

「・・・分かった、あちらに緒川さんを待たせている」

 

「了解・・・!」

 

その途中、怪我をした自衛隊員を見つけた

 

「くそっノイズめ「失礼」?なんだお前は・・・!」

 

そっと反転術式を施した。

 

「!?これは一体!?」

 

「・・・」シィー

 

人差し指を口許にあて、内緒のジェスチャーを行ってから翼の背を追い、緒川の操縦するヘリに乗って、久々の第二課へと向かった。

 

・・・特務二課、司令室

 

「翼、孤仁、よく戻った・・・しかし翼いきなり飛び出したのはあまり誉められたことではない、それに一課との連携をないがしろにするのもな」

 

「ノイズから人々を守るのが剣としての私の役目、誉められるつもりはありません。」

 

「まったく・・・それから孤仁、各地で問題を起こしすぎだ。今噂の都市伝説の大半はお前だろう」

 

「なんの、こと、でしょう??」

 

『だぁって上の連中にムカついたんだもーん。僕はおろか孤仁ムカつかせるってよっぽどだよ』

 

「はぁ・・・とにかく本題に戻ろう。了子君」

 

「はいはい~、久しぶりね孤仁ちゃん」

 

「りょうこさ「お姉さん、もしくはお姉さまよ」姉さん」

 

了子に会うたびに強制されるお姉さん呼び、戸籍上間違ってないのでなにも言えないので、素直に従う。

 

「んんっ!了子君、翼と俺のむ!す!こ!に説明を頼む!」

 

「?」

 

「自分で孤仁ちゃんの任務遠方ばっかりにしたくせに寂しがってたのよ。せっかく渡したままの合鍵も全然使われないもんだからって「櫻井女史、早く説明を」分かったわよ。これをみてちょうだい」

 

了子によって映し出されたディスプレイ、そこにはグラフが映り出されていた。

 

「これはここ最近のリディアン周辺のノイズの出現率よ。ノイズに関しての情報は未だに全くの不明とはいえ、これは明らかに異常なの」

 

「これまでは一課との協力と翼の活躍でなんとか切り抜けてきたが、いつ現状が変わるのか分からん。そこで、今回孤仁に戻ってきてもらった。」

 

「なっ!?」

「戦闘員、ですか」

 

驚く翼と端的に答える孤仁

 

「そうだ」

 

『グラフ見る限り、増加傾向にあるくらいだし。ここは孤仁の力が必要だと僕は思うよ。』

 

先生の意見を聞いて納得したが、元より了承するつもりだ。

 

「了解「待ってください司令」!」

 

了解の意を伝えようとした孤仁を遮ったのは翼

 

「櫻井の「それじゃ私になっちゃうわよー?」!、櫻井孤仁の力なくとも私だけで十分です。」

 

「お前の活躍は確かに認めるところど・・・だが、万が一お前が倒れた時どうする」

 

「っ!この剣例え折れたとて「だ、め」!」

 

今度は孤仁が遮る。しかし、その視線は弦十郎を射抜いていた。

 

「風鳴さん、は「それだと俺も同じだぞ」!、翼、さんは折れたり、しない。」

 

仮定の話だとしても、万が一折れるなど翼への侮辱に当たってしまう。

 

だけど、翼への負荷が大きくなるのは見過ごせないので

 

「でも、俺、闘います。けど、万が一の、代替え品、なんて、もったい、ない。使い捨て、でいい」

 

翼の隣に立つつもりは・・・立てる資格などないことは理解している。それに、その場所は奏の場所だ

 

だから、使い捨てでいい。

いてもいなくても同じなくらいが丁度いい。

 

『はぁー!?』

 

勿論擬きは納得行かず、孤仁の脳内で猛反論それを全部シカトし、弦十郎を見る。

 

「!・・・どうする翼」

 

「・・・不詳不詳に了承します。ただし、任務中はいない者として扱わせていただきます。」 

 

「分かった・・・だがその剣、向ける相手を間違えるなよ」

 

「分かっています。では失礼します。」

 

そう言って翼は部屋を出た。

 

「・・・さて、もう小難しい話は終わりだ。楽にしていいぞ」

 

「分かっ、た。これ、お土産」

 

「おぉありがとうな」

 

『僕オススメの甘味お土産セットだよ』

 

弦十郎へのお土産を悩む孤仁のために綿密に(無断で)組んだお土産セット、だが

 

「!?これは!?・・・めったに出回らない映画だとぉ!?」

 

『えぇ!?』

 

「出先で、見つけた」

 

『いつのまに!?あっ、あの時か!?』

 

出先で見つけた寂れたDVDショップでなにを探しているのやら、と眺めていた時だ

 

「これ、皆で」

 

「あら、ありがとう」

 

『あっ!その他大勢の方に回すのね!?』

 

だって、無駄に、多いから by孤仁

 

そして、孤仁も部屋を出て・・・とある病室に向かった

 

「・・・」

 

『いやー、この世界の技術と医療の進歩には驚くよ』

 

その病室で眠っているのは・・・

 

『すごいよね、最後に来たのは今年の年末だっけ?それ以前にあの時からなにも変わってない』

 

「奏さん・・・」

 

二年前と変わらぬ姿で眠り続ける奏

 

「っ!」

 

『はぁ・・・こんな辛い気持ちになるくらいならこなかったらいいのに』

 

「でも、心配」

 

『確かにどんな呪いなのか、は六眼で見れば分かる筈なのに、見えるのは孤仁の呪力だけ。多分だけどフォニックゲインも関係してるんだと思うけどね』

 

二つが絡み合っているせいで孤仁と擬きにも分からないし、了子にも分からないのだ

 

『・・・いつか、なんとかしようね』

 

「・・・うん」

 

そうして、もう一度決意する。

 

『そう言えば今日は家に帰ってこいって弦十郎行ってたよね。それに明日って確かアレの発売日じゃなかったっけ?』

 

「!!」

 

五条擬きの言葉で思いだし、慌てて帰るのだった。

 

・・・翌朝

 

「・・・」ムクッ・・・ボリボリ・・・フワァー

 

『さて、おはよう孤仁・・・久し振りの拳骨いかがだった?』

 

「痛い」ズキズキ

 

昨晩家に帰るともういた弦十郎

 

ちょっと座れの一言から始まったお説教

 

進学しないとはどういうつもりだ

『そーだそーだ』

こういう言い方はあれだが学歴は必要だぞ

『そーだそーだ』

それに学友との時間というのも必要なものでな

『青春を溝にすてるなー』

 

前からと内側から聞こえるお説教(片方は野次であるが)につい反論してしまい、拳骨喰らったのだ

 

結局深夜まで続いたお説教、普通に精神的にしんどかった

 

『でもまぁあれだけ怒られても意思は曲げないのはいいとすごいと思うよ』

 

「・・・」ハァ

 

結局進学はしないことを伝え、折衷案で通信制でもいいから勉強しろ、ということになりました。

 

・・・特務二課

 

「おはよう、ございます」

 

「おはよう、昨日は弦十郎君に絞られたみたいね」

 

「まぁ、多少」

 

当面の仕事は特務二課に待機、待機中は基本好きにしていいとのことなので持ってきた鞄には弁当と参考書とゲームと甘い物が入っている。

 

「とりあえず今日は久々の健康診断ね。とりあえず脱いで?」

 

『やーんエッチ!乱暴する気でしょ!エロ○人みたいに!』

「・・・」ハァ、ヌギヌギ

 

脱いでも精々上だけ、擬きの発言に呆れつつ服を脱ぐ

 

「しばらく見ない間に引き締まった体になったのね~そういえば、確か今日でしょ?翼ちゃんの新曲の発売日」

 

「・・・」コクリ

 

「買いに行くの?」

 

「・・・」コクリ

 

「そんなの、本人から貰えばいいじゃない・・・っていうか特務二課の皆に配られたけど?」

 

「!?誰、が!?」

 

「そりゃ弦十郎君と緒川君だけど、発売日前に」

 

「ふ、らげだとぉ!?」

『おおっと、めんどくさいスイッチ入ったね』

「その言い方弦十郎君そっくり、親子なのね」

 

「許せん・・・文句」

「あ、文句言いに行くのね?いってらっしゃい。」

 

・・・司令室につっこみ、弦十郎と緒川にちょっと面貸せと言ってトレーニングルームに入ってから数時間

 

「・・・」フンスッ

 

「2対1で互角か」

「ハンデで無限バリアは使っていないのに、強くなりましたね」

 

昔はこれで負けていました。

 

『あったり前だろー?誰が面倒見たと思ってる!?』

 

「ふらげ、だめ、ぜったい」

 

「分かった分かった、怒りのあまりIQが下がって昔の話し方にもどってるぞ・・・そうだ、孤仁、今日はもう上がっていいぞ」

 

「?」

 

「翼さんのCDの初回版を購入されるのですよね?それならそろそろ行った方がいいですよ。」

 

「!」バタバタ

 

それを聞いて慌ただしく去っていく孤仁

 

「全く未だにファンなんだな、アイツは」

 

「ツヴァイウィング時代からのファンですからね」

 

奏が呪われてからも、装者を続けるために翼は歌手として歌い続けた。

 

そして孤仁はそれを陰ながら応援し続けていた。

 

「翼はこのことを?」

 

「知りません、翼さんも孤仁は自分のことを憎く思っていると思っているそうです。」

 

孤仁は翼から奏を奪ってしまったという罪悪感

 

翼は奏を救おうとした孤仁を否定してしまったという罪悪感

 

そして共通する奏を守れなかった後悔

 

「はぁ・・・昔は風呂入るくらいに仲良かったのにな」

 

「少し話し合えば、分かりあえるはずなんですけどね」

 

「それができたら、苦労しないか」

 

「ですね」

 

どうしたものかと、大人達は若人達のために今日も頭を悩ませる。

 

・・・

仕事着から私服き着替え(目隠しはポケットに入れてサングラス装備)急いで向かった孤仁だったが、昔から言っていたCDショップが無くなっていた

 

『店舗移転のため・・・ね』

 

「・・・」ハァ

 

『ほらほら気を落とさない!移転先行ってみれば?』

 

「・・・」コクリ

 

・・・しかし

 

「?・・・?」キョロキョロ

 

『うーん、迷った!』

 

地元とは言えしばらく帰ってなかった(帰ってきても二課か家の二択だった)ので、変わった町並みに迷ってしまった。

 

「???」

 

『携帯のナビって時々頼りにならないよね』

 

「・・・」ハァ

 

仕方ない、弦十郎に連絡して、案内してもらおうと携帯を開いた時だった

 

「あのっすみません!もしかして道に迷っていますか?」

 

「!」

 

後ろから声をかけられた、その声に驚く

 

「あっ、驚かせてごめんなさい。けどさっきから携帯持ってうろうろしてたから、もしかしてと思ったんです。」

 

驚いたのは後ろから声をかけられたからではない

 

『いやー、ドラマかよってレベルだよね。』

 

その声に聞き覚えがありすぎたからだ

振り返ると、いつかと変わらぬヘアピン、そしてリディアンの制服に身を包んだ彼女がいる。

 

「あ、私立花響っていいます!」

 

あの日、自分が唯一守れた存在で、なくしたくなくて遠ざけた二人の内の一人・・・立花響がいる。

 

『さて、この窮地どう乗り越える?』




詳細な設定的なの

二年間なにしてたの?→エージェント的なの、テロを未然に防いだり、自分と同じように実験されそうな子どもを救ったりしてましたよ。時々上層部がイラつく指令出してきたときはドッカンしちゃいました♪

孤仁ちょっと明るくなりました?→実はかなり無理してテンションあげています。任務先でも気を抜くと奏のこと翼のこと響のこと未来のこと・・・エトセトラエトセトラ、と気が重くなってしまうので空いた時間には色んな物を見たり食べたりしに行きました。

でも、翼の応援をしている時は昔と同じ純粋無垢な姿が見られているとか、いないとか・・・

語彙が増えましたか?→基本あまり喋りたがりません(未だにたどたどしいので聞いてる人を待たせてしまうので)が言葉遣いやらは2年間で身に付いたので、語彙は増えました。ただし、感情に任せると昔みたいに戻ります。

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