歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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「心」のぶつかり合い

・・・数分前、ノイズ警報が発令された頃

 

「ノイズか、弧仁!」

 

「うん・・・藤、尭、さん!」

 

藤尭に連絡を取る

 

「ノイズは今二人がいる商店街のあちこちに・・・?、ある一点に集中して集まっています!」

 

「!」

 

ノイズが一点に集中している・・・つまり、そこにクリスが・・・

 

「とにかく分かった!翼と響くんにはこちらから連絡を取る!」

 

今度は弦十朗が翼と響に連絡を取る。

 

今後の連携を取るため、スピーカーにし、弧仁にも聞こえるようにする。

 

「翼です、立花も共にいます!」

 

「ノイズだ、恐らくは未明に現れたノイズと関連があるはずだ!」

 

「分かりました、現場に急行します!」

 

「頼んだ!「待って!」!?弧仁?」

 

「翼、ちゃん、まだ体・・・」

 

話し合いに割って入って自分の意見を述べた弧仁に驚いたが・・・

 

「!、大丈夫だ弧仁、翼はもうメディカルチェックを終えて問題なしと判断されている」

 

「!?、でも、この間、万全じゃ、ないって」

 

「絶唱によるダメージはほとんどなかった。これは弧仁のおかげ。万全じゃなかったのは精神バランスと体が鈍っていただけよ。だから大丈夫」

 

「!」

 

翼の言葉に続いて、

 

「それに私もいるよ」

 

「!、響」

 

「あちこちにいるノイズは私と翼さんに任せて!だから弧仁はクリスちゃんのところに行ってあげて!」

 

「!」

 

「弧仁とクリスちゃんのことは、翼さんから聞いた。だから弧仁は今クリスちゃんの所に行ってあげて?クリスちゃんを助けられるのは弧仁しかいないんだ!」

 

「私も立花の意見に賛成です。彼女のことを保護することを優先すべき、そして適任な者は弧仁だと思います。それに、貴方の力になると言ったでしょう?」

 

「響、翼、ちゃん・・・」

 

『今こそ、声に出して言いな』

 

「!」

 

『自分がどうしたいのか、そのためにどうしたらいいのか、どうしてほしいのか、もう言えるでしょ?』

 

「うん・・・俺は、クリスの、所に、行き、たい!だから、お願い、手伝っ、て!」

 

ちゃんと自分の願いと手を貸してもらうために頼む

 

それを聞いた三人は

 

「「「当然!!」」」

 

揃って答えた。

 

そうして響と翼は町中に現れているノイズの撃退と逃げ遅れた住民の保護へ

 

弧仁と弦十朗はノイズが一番集まっている場所に向かい・・・雪音クリスの保護へと向かった。

 

・・・そうして時が巻き戻り、クリスのピンチに二人が駆けつけた。

 

「・・・あの目、本当に弧仁なのか」

 

片眼の水色、昔不思議に思っていたあの瞳・・・それが彼が弧仁で間違いないと告げている。

 

「君と弧仁の関係は聞いている。事実関係を確認することはできなかったが、恐らく間違いないのだろう」

 

二人の視線の先にはノイズを倒していく弧仁

 

「なんでそんなに強くなったんだよっ、お前は争いの中にいなくていいのに・・・!」

 

「気が合うな、俺も同じ気持ちだ」

 

「オッサンのなにが分か「今は一応アイツの親父をやらせてもらってるからな」!!」

 

「君と離れて、アイツにも色々あった。君と比べるべきではないが・・・それなりに辛い目にもあった」

 

「!・・・」

 

辺りにまだ逃げ遅れた人がいるからなのか、蒼ではなく呪力による徒手空拳でのノイズの殲滅に切り替える。

 

「だが、君が雪音クリスだと知ったときの変貌ぶりには慌てたよ。あいつがあそこまで取り乱したことはなかったからな」

 

「その口ぶりじゃ普段は相変わらず感情が薄いんだな」

 

「だいぶ増えた方さ、俺や家族や友達と接している内に増えていった」

 

「・・・」

 

自分とは違い、彼は幸せに生きていたようだ

そのことになんとも言えない気持ちが生まれた・・・だが

 

「ただ一つ、笑顔だけは初めから浮かべていたな」

 

「!」

 

「それは君から学んだものなのか?」

 

「・・・さぁな」

 

あの日、弧仁を笑わせたくて歌った

 

途中少し諦めかけたけど、最後まで歌いきったあの日

 

・・・「ほら見てクリス、弧仁笑ってるわよ」・・・

 

その時、初めて見た、弧仁の笑顔を

それからまた笑わせたいと思ったのだ。

 

「・・・おいオッサン」

 

「ん?」

 

「ここはアイツと・・・弧仁とアタシがなんとかしてやるっ!!だからさっさと他のやつら助けにいけよ!!」

 

「!・・・任せた!」

 

もしもこの時、弦十朗が一人だったらクリスを戦場に送り出すことに後悔していただろう

 

だが、彼女の行き先には今、自分の信頼する息子がいる。弧仁になら託せる、そう信じて、弦十朗は自分のすべきことのために走り出した。

 

・・・

 

「!!」

 

バキッ!!

 

拳を蹴りを振るいノイズを倒していくが、数が多くキリがない

 

『さっきの蒼はだいぶ小規模だからよかったけど、ここは建物も多いから全力の蒼なんかやったら被害が大きくなるけど、これはめんどくさいね』

 

どんどん増えていくノイズ・・・その時

 

「Killter Ichaival tron~♪」

 

「!」

 

聞き覚えのある聖唱、そして

 

バババババババッ!!!

 

激しい銃撃音と共に現れたギアを纏ったクリス、近くにいたノイズを一掃した。

 

「!・・・クリス」

 

「弧仁、なんだよな」

 

「・・・」コクッ

 

「お前、そんな声だったんだな・・・いや、話は後だ!こいつらとっとと蹴散らすぞ!!」

 

「!、うん!」

 

返事を挨拶にして同時に走り出す。

 

「お前にできることは大体フィーネから聞いてる。だから合わせろ!!」

 

「分かった!」

 

ボウガン、ガトリング、ミサイルと武器を切り替えながらノイズを攻撃していくクリス

 

「?」

『当たってるのは当たってるけど狙ってない?』

 

小型のノイズを撃ちつつも、大型のノイズに対しては足元や近くを狙って撃って、移動をしていく。

 

「ほーらっ!お前らの狙いはこっちだ!!ぞろぞろと雁首揃えてついてきやがれ!!」

 

そして、攻撃に注意をそらされたノイズはどんどんクリスに集まっていく。弧仁はクリスを信じ、ついていく。

 

そうして移動した先は川、辺りには誰もいない

 

「これでなにも気にせずぶっぱなせるだろ!!」

 

「!」

 

辺りになにもなく、大体のノイズが集まったこの環境なら放てる。

 

「やってやれっ!!弧仁!!」

 

「!」コクッ

 

頷き、蒼の手印を構えて・・・

 

「術式順転・・・『蒼』」

 

ズォァァァァッ!!!

 

ノイズを収束する反応を生み出し、収束点を向ける。

 

それはノイズを収束し、潰し、粉々に炭化させていき、全てのノイズを消滅させた。

 

『よしっ!一件落着!!』

 

「・・・」ガチャッ

「・・・」バッ

 

『・・・ではないね、これ』

 

ボウガンを弧仁に向けるクリス

蒼の手印をとったまま構える弧仁

 

まさに一触即発

 

「そういえば、ガキの頃からお前とケンカしたことなかったよな。つっかかっても、お前なんにも反応しねぇもんな」

「なにが、言い、たいの?」

 

別に喧嘩をしているわけではないが、立場上対立している状態のクリスと弧仁

 

それでも、生きててくれて嬉しかった。もう一度なんの気兼ねもなく話をするためには、あの時、未来に言った・・・自分なりの仲直りの仕方をするしかない

 

「なぁに、ちょっとやりあってみないかってだけだ。こんな風に・・・なっ!!」

 

ガガガンッ!!

 

ボウガンから放たれる無数の矢、それを一つずつ見抜いて拳で相殺する。

 

「いい目してんじゃねーか!だったらこれはどうだ!!」

 

腰の部分が装備が大きくなり、無数のミサイルと共に両手のボウガンも形を変えてガトリングとなり、放たれる。

 

本当のところクリスは自分が弧仁に勝てないことは分かっていた。それでも、こうして互いの全力を交わすことが楽しくて仕方がない。

 

自分の大嫌いな争いではなく、心と心のぶつかりあい

 

それに対して、弧仁は・・・

 

『弧仁、無下限で・・・ってマジか』

 

「・・・」ニコッ

 

『はぁ、ちゃんと気持ちを言えるようになったかと思ったら、次はえらくわがままになったね。でもま、いいさ。やってやれ』

 

「」コクッ

 

擬きの言葉に答えてから・・・まっすぐにクリスにぶつかりたい弧仁は術式を解いた。

 

そして弾幕に向かって走り出す。

 

「!、なっ!?」

 

自殺行為に見えるこの行動に驚くクリス

 

弧仁は無限のバリアの代わりに呪力を込めた腕を水面に向かって振り下ろし、巻き上げるように振り上げた。

 

バッシャァァァァッ!!!

 

思い切り水しぶき・・・いや近くの水そのものが大きな波を起こして、攻撃を全て飲み込んだ。

 

「嘘だろッ!?・・・なっ!!」

 

そのまま、波を突っ切って、クリスの懐に入り込む。

 

右拳による渾身のストレート・・・その時、久しぶりに黒い火花が弧仁に微笑む

 

「黒閃」

 

クリスに向かい、黒い火花を纏う拳が迫る。

 

肌で感じる異質なオーラ、もう終わったと、目をぎゅっと閉じたが・・・

 

ピタッ!!

 

いつまで経っても衝撃がない

 

そろりと目を開けると、すぐ目前で弧仁の右腕がとまった。

 

「俺の、勝ち」

そのままゆっくり拳を降ろした。

 

・・・

 

「・・・はい」

 

「・・・ありがとよ」

 

あれだけの実力差を見せられて、戦う気を失くしたのか素直に弧仁の差し出した缶ジュースを受け取ったクリス

 

あの後、互いに戦闘態勢を解いて、近くにあった川が見えるベンチに座った。

 

もう辺りは暗く、星も見え始めている。

 

「これ、から、どうする?」

 

「どうって、普通にアタシのこと連行すればいいんじゃねーの?されても仕方ないことはしちまったしさ」

 

「無理、矢理は、嫌、だ」

 

「あのバカと一緒で甘ちゃんだな。」

 

「響、の、こと?」

 

「あ?そうそう、ソイツだよ。」

 

「響、は、甘いね。だけど、優しい、よ?」

 

「・・・だろうな」

 

弧仁と違って、クリスのことをなにも知らないのに、手を差し伸べてくれた響

 

そして今日、ひどいことをしたというのに未来は友達になりたいと、手を取ってくれた。

 

・・・こちらの事情を知らなくても、手を差し伸べてくれた二人のことを思い出す。

 

バカだと思うと同時に、胸が暖かくなるが、らしくないと、即座に思考を切り替える。

 

「あの、ね?二課に、来ない?」

 

「!」

 

「二課、なら、クリス、のこと、守れる」

 

「・・・」

 

「ノイズが、来たって、俺なら「わるい、それは無理だ」!」

 

「・・・お前の近くにいるには、アタシの手は汚れてる。もう歌も嫌いになっちまったアタシはお前の姉なんて言えねぇよ。」

 

「そん、なこと・・・」

 

「あるんだよ」

 

「でも・・・」

 

「・・・」

 

昔と違って、自分ことを心配してる弧仁の感情がよく分かりやすい。

 

そのうつむいている姿が、自分より身体も大きくなっているのに、自分の後ろをとことこ歩いて着いてきていた時と同じに見えた。

 

「はぁ・・・」バッ・・・グシグシ

 

「!」

 

立ち上がって、座っている弧仁の頭を撫でる。

少し雑なその撫で方はひどく懐かしかった。

 

「そのまま座ってろ、ちょっとこのままで・・・な?」

 

「うん・・・」

 

「今のままじゃ、ダメなんだよ。お前のことは信用できる・・・けど、アタシはお前の周りの人間全てを信じることはできないんだ。」

 

「・・・」

 

「それに、決着つけたいヤツがいるんだ。それができるのが何時になるのかは分かんないんだけどさ。」

 

「・・・」

 

「だから、お前は日の当たる場所にいろ」

 

「!」

 

「お前は大好きな場所で、大好きなやつらと一緒に真っ当に生きろよ。あそこがお前の帰る場所だろ」

 

「だった、ら、クリスも、いないと」

 

大好きな人たちがいる場所が帰る場所というのなら、そこにクリスがいなくてはいけない

 

「っ!・・・じゃあな」

 

だがそれに答えることはできない。

 

頭から手を離して去っていくクリス

 

「ッ!・・・待っ、てる、から!」

 

「・・・」スッ

 

追いたい気持ちをぐっと堪えて、自分の気持ちを伝える。

 

クリスが振り替えることはなかった、だけど手を上げて返した。

 

だから、追いかけることはしなかった。

 

『確保、できなかったね。』

 

「うん」

 

『いいの?』

 

「大、丈夫、また、会える」

 

『・・・そうだね。じゃあ僕たちも帰ろうか』

 

これっきりの再会ではない、そう確信めいた自信があったからだ、いつか一緒に同じ場所に帰れる日が来ると、そう信じて




シンフォギアさんぽ・・・

クリスと弧仁が分かれてから

クリスサイド

「(待ってるから・・・か、しかしアイツどんだけ強くなってんだよ。文字通り手も足も出なかったぞ・・・それにしても最後のヤツって確か黒閃だよな・・・確か高い集中力が必要だとか・・・あれ?アイツ結構本気で命狙ってきてたのか?)」

弧仁サイド

『それにしても黒閃まで出すとは・・・結構本気だった?』

「あの、時は、本気で、クリスの、こと、保護、しようと、した」

『へ?』

「逃し、たら、ダメだって、思ったら、出た」

『・・・』

保護するために通常の2.5乗の出すためにとんでもない集中力を必要とする技を引き出したと?

「?」

『なんか弧仁に好きな人できたら、とんでもなく執着っていうか・・・とにかく誰かと付き合うとかってなったらちゃんと周りの人と相談しなよ?』

「?」

数年後えらいことになったり、ならなかったりします
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