歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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乱れる「心模様」

さてさて、前日の夜はじっくり休んで約束の時間より早めに着きました。

 

なんだかんだ遊びを目的として出かけるのは久し振り

 

響、翼と遊ぶのも久し振りで、とても楽しみだったのです。

 

そうして待っていると・・・

 

「弧仁、おはよう」

 

「!、翼ちゃん」

 

「ずいぶん楽しみにしてたみたいね」

 

「翼ちゃん、もね」

『服も気合いはいってんじゃーん』

 

「!せ、折角なら楽しまないとでしょ?」

 

「そう、だね」

 

「それにしても、弧仁と出かけるのは久し振りね」

 

「・・・うん」

 

最後に行ったのは確か温泉旅行

あの頃はまだ奏もいた

 

それ以前にも、三人でたくさんおでかけした

 

全部全部、楽しかった・・・大切な想い出だ

 

「こうしていると、どうしても奏のことを思い出してしまうわね」

 

「・・・うん」

 

「だけど・・・楽しかった話は暗い顔でじゃなくて、笑顔で話しましょう」

 

「!そう、だね」

 

二人が笑顔でいること、それが奏が望んだこと

 

翼も弧仁と同じく、未来(みらい)を見て進み出している。

 

・・・なら

 

「あのね、翼、ちゃん」

 

「?なにかしら?」

 

「俺、翼、ちゃんに、ずっと、謝らない、と、いけないって、思ってた。」

 

自分の胸の内をちゃんと話したい

 

「それはもう終わりにしましょうと、言ったはずよ」

 

「・・・うん、けど、やっぱり、奏、さんの、ことが、ひっか、かってて、話せな、かった。」

 

「そうね、私もそうだった」

 

「だけど、翼、ちゃんは、俺の、力に、なりたいって、言ってくれた。だから、俺の、やりたい、こと話すね」

 

「!、心が決まったのね」

 

「まず、いつか、奏さん、のこと、を助けたい。俺が、かけて、しまった、呪いを、祓いたい」

 

「それは弧仁にしかできないこと?」

 

「ううん、なんと、なくだけど、翼ちゃんの、力が、いると、思う」

 

「?、私の力?」

 

「だから、その時に、力を、貸して、ほしい」

 

「もちろんよ」

 

「ありがとう、それから、クリスを、助け、たいんだ」

 

「!」

 

「父さん、と今、二人で、やってる。けど、できれば、翼、ちゃんも」

 

「・・・彼女とは一同刃を交わして、その刃を向けるべき相手ではないと今は思ってる」

 

「!、だったら「けど」!」

 

「彼女が出した被害も無視することはできない」

 

「・・・」

 

「それはどんな事情があろうと、弧仁の家族だとしても見過ごすことはできない。だから、しかるべき罰を受けるべきだと思う。」

 

「それは・・・」

 

「・・・とは言っても私たちの周りにいる大人はそんなことしなさそうね」

 

「!」

 

「小難しいことはおじさまや他の人たちに任せて、弧仁が思うままにやってみなさい。そうすればきっとうまくいくわ。私も力になる」

 

「!、ありが、とう!」

 

「どういたしまして・・・それよりあの二人はなにをしているのかしら」

 

そう言って腕時計を見る翼、確かに約束の時間は過ぎはじめている・・・それより

 

「?二人?」

 

「?、立花と小日向のことよ?聞いてないの?」

 

「!」

 

うっかりしていた、響が未来を誘わないわけがない

 

会うこと自体はもう怖くない、けど自分がいては三人が楽しめなくなってしまう、なんとかしなくては!

 

「翼さーんっ!!!」

 

遠くから聞こえる響の声、もう時間がない!

 

「!!」アタフタ

 

慌てて立ち去ろうとしたが・・・

 

「ちょっと!どこにいくの!!」ガシッ

 

翼に捕まった。

 

「と、トイレっ!」

 

「貴方がこういう時に前もって済ませていないわけがないでしょう!!」

 

『行動パターン読まれてる~』

 

「きゅ、急用!任務っ!」

 

「おじさまが今日貴方をシフトから外すためにどれだけ苦労したと思ってるの!、仕事は今日なにがあってもないわよ!」

 

『そういえば任務用携帯は置いていけって言われたよね』

 

「・・・」ピタッ

 

「?止まった「術式順転・・・」やめなさいっ!」バシィッ

 

『呪術の悪用は流石に僕も許さないよー』

 

そうこうしていると・・・

 

「すみません!翼さん!」

 

「あ、ほら来たわよ。二人とも遅いわよ!」

 

「申し訳ありません。お察しのこととは思いますが響のいつもの寝坊が原因でして・・・!」

 

慌てて走ってきていたからか、弧仁の存在に気づいていなかった未来が弧仁を見て驚く

 

「どしたの未来?・・・あ!弧仁に未来!ジャジャーン!サプライズゲストだよ!」

 

両者の存在はサプライズのつもりだったのか、明るく発表する響・・・だが

 

「・・・」

「・・・」

 

気まずい雰囲気の二人、流石に違和感を覚えたようで

 

「あ、あれ?」

 

「立花、貴女なにも(弧仁と未来に互いが来ることを)伝えてなかったの?」

 

「え、えーと・・・はい」

 

「弧仁、貴方(今の未来との状態のこと)話してないの?」

 

「話して、ない」

 

「小日向、貴女もなにも?」

 

「はい、聞いてません・・・」

 

「「「「・・・」」」」

 

しばしの沈黙・・・それを打ち破ったのは、

 

「・・・もうこうなっては仕方ない、行くわよ」

 

弧仁の手を握って歩き出した翼だ

 

「!?」

 

「今日は私の近くにいなさい。それなら平気でしょ。今は、それでいい」

 

「・・・うん」

 

「私や立花に気を遣っているなら気にしないでいい、貴方がいるだけで私たちは楽しい。それからそれは小日向も同じだと思う。だから貴方も楽しみなさい」

 

「!、うん!!」

 

「ま、待ってください翼さーん!それに弧仁!ほら未来!行こう!」

 

「う、うん・・・」

 

そうして波乱のデートが始まった。

 

・・・

普通の学生のように、色々な店でショッピングしたり、食べ歩きをしたりして遊ぶ。

 

翼はなるべく弧仁の側から離れないようにしつつ、デートを楽しみ、響もそんな翼の行動からなんとなく察したのか、自身は未来の隣で行動する。

 

件の弧仁も最初は戸惑いつつではあったが、次第に楽しんでいた。

 

そして未来は・・・

 

「ごめんね、未来。なにか分からないけど、今弧仁と気まずい感じだったんだね。」

 

フードコートで翼と弧仁がなにを食べるか探し回っている間に席をとっていた響と未来

 

二人きりになれたタイミングでようやく話せた  

 

「ううん、響のせいじゃない。私が悪いの」

 

「・・・この間言った通り、私がシンフォギアを纏って戦うのに弧仁は関係ないよ。これは私が奏さんから受け継いだ気持ちなんだ。だから私は手を繋ぐためにも戦うって決めたの」

 

「それも分かってるの・・・分かってるけど・・・」

 

未来の脳裏に思い出されるのは弧仁と別れた昔の記憶

 

あの日の弧仁の顔は今までに見たことないくらいに泣きそうな表情を浮かべていた

 

そんな弧仁と別れて、約束通り響に弧仁が死んだことを伝え、支え続けた。

 

自分一人ではどうにもならないほどの人の悪意、生き残った響に向かってむけられたそれは容赦なく響を傷つけた。

 

それでも響を支え続け、ようやく悪意を気にしない新しい生活が始まった。

 

だけど響はシンフォギアを纏い、戦場で戦っている。

 

それによりまた響が傷つくことを恐れ、辛いことを背負ってしまうことが許せない自分のワガママで、響を拒絶してしまった。

 

そして、その原因となった弧仁が許せなかった

 

再会し、弧仁を一方的に責めてしまった時、弧仁はなにも知らない様子だった

 

それが許せなかった

 

自分たちを守ると言っていたのに、響が傷つけられている時に現れなかった。

 

それどころか、なにも知らないこと、そして響を戦場に巻き込んだことが許せなかった

 

そうしてみつけた怒りの捌け口(弧仁)に全てぶつけた

 

だけど、未来は知っているはずだった

 

弧仁が自分達を捨てたわけじゃないこと

 

弧仁が自ら望んで響を巻き込んだわけがないことなんて、少し考えれば分かることだった

 

そうして考えていると、弧仁にぶつけた言葉と、それをぶつけてしまった自分は、響を傷つけたあの理由なき悪意と同じだと気づいてしまったのだ

 

だから、後悔した

 

・・・

 

「・・・ある友達にその人の話をちゃんと聞いたのかって言われたの。私は、弧仁の話をちゃんと聞けなかった」

 

ちゃんと聞いたって、なにも答えずどこかに行ってしまうから

 

「私、聞こうともしなかった!」ポロポロ

 

「未来・・・」

 

一時の感情に任せて、ぶつけてしまった言葉は戻らない

 

弧仁が傷ついたことなんて分かりきっているのに

 

なのに、弧仁に会うことが怖くて、謝ることもできない臆病な自分が嫌だった

 

「私、最低だ」

 

響は泣いている未来にかける言葉が見つからず、ただ慰めることしかできなかった

 

・・・

 

『未来、泣いてるね』

「・・・」

 

遠くに見える響と未来、未来は泣いている

 

『なんで泣いてるのか、分かるでしょ?』

「・・・」

 

未来は優しい

 

もちろん響や翼、弧仁の好きな人は皆優しい

 

だけど、未来の優しさには厳しさもあった

 

響と行き過ぎたスキンシップを取った時や、弧仁が好奇心に踊らされてふらふらとどこかに行きそうな時、そんな弧仁を叱ってくれたのは未来だった

 

それはダメだよ、そっちに行ったら危ないよ、と

 

弧仁を一番最初に叱った人はきっと未来だった

 

なにも知らない弧仁に呆れたりしないで、一つ一つ教えてくれた。

 

全部全部、弧仁のために

 

未来のくれる言葉は暖かくて、優しさが包まれていた

 

だから、あの時は本当にショックだった

 

二度と現れるなと言われたって仕方がないことをしたが、感情が乗った言葉は酷く心を傷つけた

 

だけど今、そんな言葉を放った未来自身が傷ついていることか分かってしまった

 

「どう、すれば、いい?」

 

未来が傷つかなければいいと、思っていた

 

憎まれるのは辛いけど、それで救われるならそれでいいと思っていた

 

だけど、そうじゃない

もう傷ついてる、涙を流すほどに

 

自分になにができるのか分からないから、聞いた。

 

『・・・弧仁、君は今まで許されてきたよね』

 

「?」

 

『ちゃんと反省して、どうするかを考えたり、教えてもらったりしながら行動して証明して、謝って、話して、を繰り返してきた。』

 

響の時も

翼の時も

クリスの時も

 

いつだって弧仁は許されてきた

 

『だけど今回は違うと思うよ。弧仁が許すんだ』

 

「!?」

 

『今の未来は弧仁への罪悪感で押し潰されそうになってる。そんな未来になにかできるとしたら弧仁が許すことだよ』

 

「でも、許す、こと、なんて・・・『本当に?』!」

 

『未来に対して思うこと、本当になにもない?』

 

含みを持たせた擬きの言葉・・・なにかに気づきそうになった・・・その時

 

「弧仁?」

 

「!」

 

「ボーッとしてどうしたの?呼ばれてるわよ」

 

「!・・・」

 

慌ててカウンターへ向かい、ラーメンを受けとって、席に戻った。

 

弧仁が見えて慌てて涙を拭ったのか目元の赤い未来を響が「ごめん、ちょっとお手洗いにいってくるね」と、手を引いて連れていく。

 

「・・・」

 

湯気が上がるラーメン、美味しそうだ

けどすぐに食べたりしたら熱い

 

その熱さを怒る人はきっといない

けど、最初の一口が予想以上に熱くて火傷したりしたら・・・少しイラッとするのかもしれない、でもそれは仕方ないのかもしれない

 

そういう仕方ない怒り・・・けど、弧仁は?

 

「(感じたこと、なかった)」

 

昔の研究員に怒りを覚えたり、ソネットさん達の仇討ちを考えたり、自分自身に怒りを覚えたりしたことはあった。

 

だけど、自分に関わるものや・・・家族や友達に怒りを覚えたことはなかった

 

ケンカなんてしたことなかった

 

「弧仁?本当にどうしたの?麺が伸びるわよ」

 

「!」

 

また、ボーッとしてしまっていた

 

「なにか悩み事?・・・って小日向のことよね」

 

「」コクッ

 

「なにか言われたの?」

 

「二度と、目の、前に、現れな、いでって」

 

「!、あの子中々言うのね。けどそれは弧仁のことを知っているから言ったの?」

 

「なにも、知ら、ない、・・・と思う」

 

「・・・なら、それは間違ってる」

 

「!」

 

「小日向の心境も分かる、だけど、それを弧仁に全てぶつけていい理由にはならない」

 

「?」

 

「弧仁、貴方も沢山の人の想いや願いを託され、それを背負って戦ってきたはず。それは並大抵のものではないと思うわ。そんな貴方のことを今ならはっきりと戦士だといえるわ」

 

「!」

 

「相手のことをなにも知らずに、怒りを向けたってそれは全部自分に返ってくる・・・私みたいにね」

 

「!、翼、ちゃん・・・」

 

「だから弧仁、怒りなさい」

 

「え?」

 

「私も最近になって立花や貴方が背負っているものや胸に秘めた覚悟を知った。相手のことを知って、初めて許すことができたと思う。」

 

「・・・」

 

「けど本当なら謝っても、怒鳴られて殴られたって仕方ないことをした・・・けど、貴方達は優しいからそんなことを望んでいないから、私は力になることを決めた」

 

「そう、だったんだ」

 

「今、小日向が一番望んでいることはなに?苦しみから解放してあげるためには、なにをしてあげたらいいと思う?」

 

「・・・」

 

「もう答えはでてるんじゃない?」

 

擬きと翼の言葉を受ける・・・だとしても

 

『もうどうしたいのか、どうすればいいのかは分かったでしょ?』

 

「後は、貴方次第」

 

「・・・ッ!」バリッ・・・ズルルルルッ!!

 

割り箸を割って、勢いよく麺を啜る。

 

「ッ!ゲホッ、ゴホッ・・・ッ!」

 

咳き込んで、もう一度啜る

 

もうすっかり麺は伸びていたが、スープまで全部食べた

 

「・・・飲み込めた?」

 

それは麺がなのか、それとも・・・

 

「分から、ない・・・ちょっと、考えて、くる」

 

「そう・・・立花達にはうまく言っておくわ」

 

弧仁の様子を見て察してくれた翼が背を押してくれた

 

「ありがとう」

 

席を立って、フードコートを抜け、施設を出て・・・もう夕暮れの空を見る

 

心にもやがかかってたって、今日も世界は綺麗で嫌でも平和

 

ノイズなんていなくたって、弧仁の心は荒れ模様

 

心を乱す昂る気持ちを飲み込めるのは、いつになるのか

 




シンフォギアさんぽ!

アレについて

響「弧仁ーっ!学校の勉強がーっ!」
弧「そう、言うと、思って」
擬『こんなものを用意しました~っ!』

Eフリップ、題名、今度の小テスト攻略法!

響「おぉっ!待ってました!」
翼「それ(フリップ)よく出しているがいつ用意してるんだ?」
弧「皆の、助けに、なりそう、なことを、準備、してる、だけ。作る、のは、夜」
翼「他にどんなものがあるんだ?」
弧「んーと・・・」

Eフリップs、(できる女のアフターファイブ!、目指せ亭主関白、今月の映画ランキング、最近のNINJYA)

響「わぁー、すごい種類・・・ってこれ完全に二課の皆用だよね・・・」
翼「わ、私にもなにかないのか?」
弧「えーと・・・」

Eまな板にサヨナラ!豊乳マッサー『ズバンッ!!』

響「ま、真っ二つ・・・目で見えなかった・・・」
翼「言い残すことはあるか」弧仁の首もとにアームドギアを向ける
弧「つ、作った、の、せ、先生、です・・・」
翼「分かった、表にでろ擬き」
擬『ごめんなさいっ!!』
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