ある日の特異災害対策機動部第二課
「・・・ふぅ」ズズズッ
今のところノイズの出現もなく、束の間の平和というやつである。
『まぁ割りと頻繁にこういう感じだったけどさ』
弧仁もココア(砂糖入り)を飲みながらリラックスしていた。
『けど、そろそろ気合い入れなよ・・・突入だろ』
「・・・」コクッ
弦十朗や諜報部隊の調べにより、クリスと関わりのある『フィーネ』の根城が分かったのだ
主犯であると考えていた米国の動きを追った結果分かったのである。
そして、今日、米国の部隊がその根城に強襲をかけるらしい
それに合わせて、こちらも動くこととなった
「弧仁、そろそろいくぞ」
「・・・」グイッ・・・カタン
弦十朗の声かけで残ったココアを飲み干し、流しに水をいれて置いておき・・・冷蔵庫にいれていたあるものを取り出して、鞄にいれる。
「準備は万端か?」
「・・・うん」
中身が崩れないように、鞄を背負い、向かう。
・・・
米国はフィーネに対して聖遺物や研究施設の提供、そしてそれに対しての研究結果の提供といった関係だったらしい
しかし、ここのところその関係が崩れて、米国は強襲をかけることとなった
『関係はあくまでも利害関係の一致、そこに信頼関係は一切ないんだね。』
車で向かいながら、改めて調査結果を読み直す。
「・・・」
『そうだね、こっちにはあるって、信じたいよね』
「不安か」
運転する弦十朗が問う
突入に関して不安はない、正直響や翼やクリスと一緒に戦うよりも心配がない
弦十朗に関しては守るなんて考えが思い浮かばない、それほどまでに強い
しかし、それはまた弦十朗も同じで、戦闘において弧仁を守ろうとは思わない
二人の不安は別にある
「正、直、不安」
「・・・だろうな、俺もだ」
調査によって以前から疑っていた内通者、その人物こそがフィーネであることが分かった
二課は弧仁にとって第二の家、そこにいる人達は大切な仲間
だから、内通者がいるなんて思いたくなかった
「結局出たとこ勝負だ、いざという時のために今のうちに褌閉め直せ」
「・・・」コクッ
『いざって時は任せて』
車に揺られ、改めて覚悟を決める。
義理とはいえ、自身の姉と向き合う覚悟を
・・・そうして到着したフィーネの屋敷
壮大な外観・・・だが、所々破壊されている。
恐らくこれは米国部隊によるもの
「っ、一足遅かったか!」
エージェント達と共に屋敷の中を進む
破壊の跡を辿り、ついた場所は大広間
そこには殺害された米国部隊
「!!」
・・・そして
「!、クリス!」
「弧仁・・・!違うっ!アタシがやったんじゃない!!」
その光景を見て、唖然としていたクリスだった
並び立つ弧仁と弦十朗を見て、慌てて否定するクリス
なにも知らない者がこの光景を見ればクリスを疑うだろう
だがここに来た面々にそんなことを思う人間はいない
「・・・いってやれ」
弦十朗が言う前からもう身体は動いていた、クリスを避け、遺体の確認を行うエージェントたちを余所に弧仁は一目散にクリスに近づき
「!」
「大、丈夫、分かっ、てる」
包み込むように抱き締める
「弧仁・・・」
「クリスが、こんなこと、するわけない」
「ッ!」ギュッ
弧仁の背中にクリスの手が伸び、抱き締め返す。
「弧「風鳴指令・・・ッ!」なっ!?」
ドォォォォォンッ!!!
突如として起こった爆発
恐らくフィーネが残した罠だろう
当然、二人もその爆発に巻き込まれるが・・・
「・・・どうなってんだコイツは!?」
爆発の光に目を閉じたクリス、しかし身体は無傷
部屋が崩れ、瓦礫が積み重なるほどの爆発であったのに・・・その答えはすぐに分かった
「衝撃は発頸で掻き消した・・・が必要なかったか?」
「ううん、ありが、とう」
二人を守るように、大きな瓦礫を片手で持つ弦十朗だ
二人を爆発の衝撃から防いだ弦十朗と爆音からクリスの耳を塞いだ弧仁
本当なら弧仁に手助けなど必要ない
それでも、大人として二人を助けることを弦十朗は全うした。
「っ!なんでギアを纏えないやつがアタシを守ってんだ!」
「俺がお前を守るのはギアのあるなしじゃなくて、お前より少しばかり大人だからだ」
いつだって弦十朗は親として、そして大人として弧仁のことを守ってくれた
それは弧仁だけでなく、響や翼、二課の皆のことも守ってくれた
そして今その手はクリスに向けられている
「大人・・・アタシは大人が嫌いだっ!」
だけど、クリスはその大人の手に何度も振り払われていた。
「死んだパパとママも大嫌いだ!」
「!」
「とんだ夢想家で臆病者!アタシはアイツらと違う!被戦地で難民救済?歌で世界を救う?いい大人が夢なんか見てるんじゃ「クリスッ!!」!」
クリスを遮って、弧仁が叫ぶ
「クリス、は、クリス、だけは、そんなこと、言っちゃ、ダメ」
自分があの人達の想いを忘れないと誓ったように、彼女には否定してほしくなかった・・・だが
「っ!うるさいッ!」
バシィッ!!
弧仁の頬をクリスが叩く。
「誰も彼もがお前みたいになんでもかんでも信じられる訳じゃないんだよっ!!」
それは弧仁のエゴだ、押し付けがましいにも程がある
実際夢なんてみたから大好きだった両親は死んだのだ
そしてそのことを弧仁は知っているはずなのに
「信じて裏切られて!信じる前に奪われるっ!そんな経験がお前にだってあるだろ!なのになんで信じられるんだよ!」
「・・・」
思い出したくない記憶の根底には、自分を研究材料にしようとした大人がいる
エージェントとして戦っていた時も、人の命をなんとも思ってないような大人もたくさんいた
それでも
「それが、あったから、今の、俺がいる」
「!」
「俺、だって、なんでも、かんでも、信じてる、わけ、じゃない、それでも、俺は、信じないと、前を、向けない」
魂に宿る先生、家族、友達、離れたりしたこともある・・・それでも信じて前に進んだ
「信じ、たって、叶わ、ない、ことも、ある」
だから響を守ることができなかった
「想いが、届かない、ことも、ある」
だから未来から恨まれることになった
「だけど、俺は、信じる」
信じて傷つくこともある
だけど、その傷ついた自分を助けてくれる存在もまた自分が信じた人たちだった
「けど、それは、俺の、話」
「・・・」
「さっきはごめん。クリス、は、クリスの、信じたい、ものを、信じれば、いい・・・何も、信じ、られない、なら、それでも、いい」
先程の件を謝る、自分の気持ちを優先しすぎていた
もうエゴを押し付けたりしない、だけど一つだけ願う
「信じる、ことを、怖がら、ないで
少なく、とも、俺は、クリスを、離したり、しない」
出会って別れてまた会えて、誓ったのだ
「もう、二度と、離さ、ない」
俯くクリス・・・これ以上自分が言えることはないと、振り返り、弦十朗を見る
「父さん、後、お願い」
「分かった、しかしいいのか?お前の大切な人だろう?」
自分の手で救わなくていいのか?という問い、それに対して
「父さん、になら、託せる」
いつだって自分を見守り、助けてくれる父になら託せる
「!、全くお前は・・・」
それは弦十朗と同じ想いだった。
二人は顔を見合わせ、笑い合ってから別れた
・・・外、弦十朗の車の近く
『えらく熱弁してたね~』
「・・・」
『だけど、弧仁だから伝えられることだと思うよ』
「・・・」
『信じるものは救われるなんて言えない世の中だもん、だからこそできることは・・・信じるものを選ぶこと、なにを守るかを選択すること』
「・・・」
『弧仁は選んだんだ、もう引き下がれない』
「・・・」コクッ
今回のことを経て、最後の戦いが近いことが分かった
内通者、フィーネも行動を起こしている
もう守ることを躊躇する暇も、
自身の後悔を懺悔する暇も、
分からないことを聞く時間も、もう残っていない
一瞬でも迷えば、失うだけだ
だから
「守る、よ」
『なにをだい?』
「守りたい、もの、全部」
『そっか』
たとえこの身を投げ出すこととなったとしても、もう後には引けない
これから始まるノイズ災害の首謀者であるフィーネこと『櫻井了子』との最終決戦に向けて
守り抜く、その一点に全てを賭けた
シンフォギアさんぽ
もしも弧仁が呪術廻戦の世界に迷い混んだら
虎杖→仲良くなれる。第一接触で「ミニ五条先生じゃんっ!」って言いそう、そんで口数の少ない弧仁のことをなんとなく察してくれそう、一緒に鶏団子鍋作ってくれ
伏黒→五条先生と似てるってことはこいつも・・・とか思ってたら割りと常識人なので唖然としてそう、姉が呪われているという共通点もあるのでお互いの心象が痛いほど分かる
釘崎→第一印象がちょっと小さくなった五条悟なので普通に警戒すると思う。けどなんだかんだで弧仁は弧仁だと理解した上で色々面倒見てくれそう。お遊びでメイクとかしてみればいいと思う
狗巻→しゃけ!ツナマヨォォ!!