歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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最近遅くなってすみません・・・


かかる「合図」

ガキィィィィンッ!!!

 

振り下ろされた弧仁の拳、響いた音はおおよそ人を殴ったとは思えない・・・金属音

 

「とはいえ、もう私も引くことはできないのでな」

 

ギギギ・・・

 

「!」

 

拳を阻んだものはクリスが使用していた銀の杖・・・この聖遺物は

 

「これはソロモンの杖、その効果はバビロニアの宝物庫の扉を開き・・・ノイズの任意発生だ」

 

キィィンッ!!

 

「!」

 

ソロモンの杖が発光、それに思わず後退

 

光が収まると、フィーネを囲うようにノイズが発生していた

 

『今さらノイズかよ・・・』

 

「それくらいではもう止まらないよ」

 

「これだけではそうだろうな、だから・・・こうさせてもらうっ!!」

 

グサッ!!

 

ソロモンの杖を自身に突き刺したフィーネ

 

「なにを・・・」

 

「こうして私はソロモンの杖とも融合する・・・そしてソロモンの杖のフォニックゲインが私の体に注がれ、蓄積されてきた呪力を圧殺する。」

 

シュウゥゥゥ・・・

 

「!?」

 

先ほどまで傷だらけだったフィーネの体が癒えていく

 

「ふ、ふふふ・・・ふははははっ!!これは予想外っ!!だがこれでいいっ!!」

 

「ネフシュタンの機能が復活した?」

 

「聖遺物同士が共鳴し、機能すらも復活させた!!」

 

『流石は完全聖遺物ってところか・・・構えな弧仁』

 

「っ!」バッ

 

「そして・・・来たれ!デュランダル!!」

 

「!」

 

「擬きが言っていたな、この帳は内側からは出られないと・・・つまり外側からの侵入は可能というわけだ」

 

「っ!?」

 

「条件提示と発動者本人が内側にいることによる縛りによってここを強固な鳥籠にしたつもりか知らんが、外からの干渉を許すのなら・・・」

 

キィィンッ!!ガシッ!!

 

上空から帳を素通りし、デュランダルが飛来し、フィーネの手に握られる

 

「簡単に形成すら逆転し得る!!」

 

デュランダルが向けられ、その先端から光線が発射される

 

「っ!」バッ!

 

転がるようにして避ける、しかしそれは

 

「避けた、な」

 

「・・・」

 

「以前立花響によるデュランダルの一撃は無下限術式のバリアによって防げる・・・それをしなかったということはもうバリアを張るほどの呪力がお前には残されていないということ」

 

「っ!」

 

「そんな状態で復活したネフシュタンの鎧、新たに融合したソロモンの杖、そしてデュランダル・・・この三つを再び機能停止にするほどの呪力を注げるはずがないな?」

 

フィーネにとって絶好の好機を伝える合図となった

 

・・・帳の外

 

弧仁がフィーネが帳の中に入り、もう何時間足ったのだろうか

 

朝日が昇り始め、空が白んできた

 

「弧仁・・・」

 

先ほどカ・ディンギルの残骸からデュランダルが飛び、帳の中に入っていったのを見た響は更に心配を募らせていた

 

帳に近づき、手を当てると・・・スルッ

 

なんなく手はすり抜けたが、それ以上進めない

 

これは弧仁と自分を阻む壁ではない・・・だが、弧仁はここで待っていればいいことがある、そう言っていた

 

「(きっとこの中に入ることは簡単だ・・・でも今弧仁は本気で戦ってる。そこに私が入っていたって邪魔になる)」

 

己を鍛え上げ力を付けたつもりだった

 

だけど、自分は自分の力に振り回されていた

 

暴走し、そこ矛先を翼に向けた

 

以前暴走した時のことはあまり覚えていない・・・だけどそれを大切な人に向けることはしないと決めたはずなのに

 

「私は・・・またっ」

 

こんな自分では・・・もう彼の隣に立つなんて無理だ

 

・・・~♪

 

今だって結局弧仁に全て押し付けている

 

「ごめんね、ごめんね・・・弧仁」

 

・・・~♪~♪

 

「・・・?この歌は?」

 

みるからに壊れているスピーカーなどの音響機器から歌が聴こえる

 

その歌は・・・

 

「!、リディアンの、校歌・・・」

 

それを聞くとここが、この学校が自分の帰る場所だと思えた歌が響く、

 

「皆本当に・・・よかった・・・」

 

弧仁は皆生きていると言っていた

もちろん信じていたが、こうして歌が聴き、それが本当であることを実感する

 

・・・そして

 

『響、聞こえる?』

 

「!!、未来っ!!」

 

校歌の中で響に語り掛けてくる声、それは掛け替えのない陽だまりの彼女

 

『聞こえてるみたいだね・・・よく聞いて、こっちの電源を復旧して今声を届けてる、皆無事で今そっちのことも見えてるよ

 

それから弧仁がそっち(地上)に行く前に一瞬だけ私たちの避難してる区画に来たの』

 

「!」

 

『今からフィーネを一時的に閉じ込めて、可能な限り弱らせる時間稼ぎをするって言ったの・・・』

 

「!、そんな、弧仁!!」

 

少し戦っただけだが、フィーネの強さは理解している・・・時間稼ぎすら難しいことが分かる

 

だが違和感を覚えた

 

弧仁が弱らせることを目的に戦うのだろうか?

 

いつだって最前線で皆を守るために戦う彼が、なぜその言葉を伝えたいであろう未来たちに『守る』という言葉を使わなかった?

 

なぜ、響と分かれる時には『祓う』『守る』と言い、フィーネを撃破するつもりの言葉を放った?

 

だとしたらどちらかの言葉が嘘ということか?

 

その嘘は弧仁が?もしくは擬きが?

 

「(おかしい、弧仁はなんで時間稼ぎなんて・・・!)」

 

・・・「少し待ってたら、きっと響にいいことがある」・・・

 

「私にいいこと・・・だったらそれは・・・」

 

皆が生きてるということをちゃんと分かった、今この状況・・・そこに

 

「立花ぁ!!」

 

「!、翼さん!?」

 

歌に負けないほどに大きな声で翼の声が聞こえた

 

声が聞こえるのは崩れたカ・ディンギルの上

 

姿は見えない

 

それもそのはず、先ほどまで気を失うほどのダメージを受けて倒れているからだ

 

だが、この皆の歌がもう一度戦う力をくれた

 

失っていた意識を取り戻させてくれた

 

「聞こえるだろうっ!!守りたい人たちの声が!!」

 

だから、今度は翼から響へ声を届ける

 

「!!」

 

「私たちはまだ!守れる!!」

 

さっきまで分からなかったが・・・地面からたくさんの光の玉が立ち上っている

 

それは、たくさんの人が自分達にくれる声、胸の歌・・・それはフォニックゲインへと変わり・・・自分の胸の内へと入ってくる

 

「そうだ、私を支えてくれている皆はいつだってそばに・・・皆が歌ってる・・・それから」

 

帳に目を向ける

 

「弧仁は待ってるんだ・・・私たちを」

 

やっと分かった弧仁の真意

 

未来たちに告げた時間稼ぎ、は響たちが再び立ち上がるための時間を稼ぐために協力してほしいという意味

 

そして、フィーネに対して守るや祓う、と言って帳を下ろして戦っているのはフィーネの意識を完全に自分に向け、より時間を稼ぐために

 

もちろん、全力でやるつもりだろうが・・・それが届かない時のことを考えて、色んな人に頼り、手を取り合って、今に繋いだ

 

響に詳しく言わなかったのは、信じて待つと決めた弧仁の決意からだ

 

きっと自分達なら自分の真意に答えてくれると信じていたから

 

「ったくちゃんと言えよ。一人で無茶しすぎなんだよ」

 

「!、クリスちゃんっ!」

 

クリスが足を引きずり、至るところから出血してしまっているがちゃんと立って、帰ってきた

 

「・・・悪かったな」

 

「へ?」

 

「お前とあの子と弧仁がギクシャクする原因になったのはアタシだ。本当はもっと、初めに言わなきゃいけなかったの「いいよ」!」

 

「弧仁と未来が気にしてないなら、私も気にしない。

 

あの二人もクリスちゃんと友だちに・・・もうなってるのかな?私が最後かもしれないけど、ちゃんと届いたんだもん」

 

ギュッとクリスの手を握る響

 

『私も気にしてないよ、クリス』

 

「守られっぱなしかもしれないけど、私も弧仁を守りたい、守れなくても隣で戦いたい・・・クリスちゃんは?」

 

「・・・アタシもそうだ、でもアタシは友だちじゃなくて、アイツのお姉ちゃんとして。アイツを一人にしたくない」

 

『私もまだ弧仁とちゃんと話せてない・・・だからお願い!弧仁を・・・助けてっ!!!』

 

「うん、だから皆で一緒にっ!!」

 

キィィンッ!!

 

光と共に・・・三人が天に昇り・・・そして・・・

 

・・・帳の中

 

ズシャッ!グサッ!ドンッ!・・・ドサッ!!

 

「!!」ハァ、ハァ・・・

 

あれからノイズの相手をしながら、フィーネと戦っていた

 

ノイズの攻撃も一歩間違えれば死ぬので、気は抜けない

 

そんな状況でフィーネの攻撃を避けきれるわけなく、鞭で打たれ、切られ、デュランダルで撃たれ・・・その傷をなけなしの呪力による反転術式で体を治しているが

 

『その呪力も尽きたか』

 

先ほどまで身に余る程に溢れていた呪力が尽きた

 

片眼の六眼の恩恵によりに、呪力消費が半減されるとはいえ、学園に襲来したノイズの殲滅、瀕死状態からの反転術式、そして二度に渡るフィーネとの戦闘

 

黒閃のラッシュも高いダメージを与えることができたとはいえ、一気に呪力を消費させていた

 

加えて、黒閃による全能感やアドレナリンといったホルモンの効果も尽き、元々の呪力量が高い弧仁でも心身ともに限界だった

 

「貴様を確実に処分する方法の一つとして、呪力切れを考えていたが・・・こんな形で上手くいくとはな」

 

ネフシュタンを停止させた時点で勝ちを確信していたが、気を抜いたつもりはなかった

 

だから、本気でやっていた

 

言った言葉も全部本気だ

 

大切な人が生きているのなら世界などどうでもいいこと、

 

けどこの世界に大切な人を守ろうとしているから、自分も守っていること

 

嘘は、言っていない

 

フィーネを倒す、祓う、と言ったことも本気だった

 

だが、フィーネの執念に負けた

 

「俺は、弱い、ね」

 

「そうだな、戦力的にも、精神的にも貴様は未熟だ」

 

「先生、だったら、一人で、やれた、んだろう、なぁ」

 

『そうだねぇ』

 

「なにを言っている?」

 

「一人、じゃ、限界っ、てこと」

 

「そうか、そう言えばこう聞かれたな・・・言い残すことはあるか?」

 

デュランダルを首もとに突きけられる

 

「そう、だなぁ・・・先生、ごめん、頼める?」

 

『OK~』

 

一度瞳を閉じ、開かれた瞳は、双眼の六眼

 

「っ!?擬きっ!「タイムオーバーだ、ざまぁみろ」!?」

 

パチンッ!!

 

そういって擬きは指を鳴らす

 

それと同時に帳が解除される

 

「夜の帳が上がったら合図だ」

 

帳の効果により、暗くなっていた景色が晴れて・・・日の光が差し込む

 

「っ!!」

 

日差しが目を差す・・・一度目を瞑り、開くと

 

「なんなんだ、あれは」

 

太陽を背に光輝く翼を得たシンフォギア

 

それが三つ

 

「さぁね、君に分からないなら誰にも分からないさ」

 

よっこらしょ、と言いながらゆっくり立ち上がりながら、ズボンを叩き、汚れを落とし・・・目隠しを着け直して、フィーネと同じ方向を見る

 

眩しいくらいに輝きながら、宙に浮かびながら・・・こちらを真っ直ぐに見つめている三人、響、翼、クリス

 

「まだ戦えるだと?なにを支えに立ち上がる

 

なにを握って力と変える?鳴り渡る不快な歌の仕業か?

 

お前たちが纏っているものはなんだ

心は確かに折り砕いたはず・・・なのに

 

なにを纏っている!?私が作ったものか? 

 

お前が纏うそれは一体なんだ、なんなのだ!」

 

それに答えるように・・・響が叫ぶ

 

「シ・ン・フォ・ギィィッ――ヴウゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

長かった戦いにFineを付けるべく・・・最後の決戦が幕を上げる




シンフォギアさんぽ

エクスドライブの皆を見守る擬きと・・・

「うーん、すごい輝き・・・僕らではない光だね」

「ん?そうだね、すっごく綺麗。彼女ららしいね」

「・・・そっか、君もあそこに立ちたいんだね」

「けど、ダメだよ。今の君はとっくに限界越えてる・・・だから今は休むんだ」

「大丈夫・・・君が繋いだんだから、ここに君がいなくちゃ終わらないんだよ、弧仁」

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