歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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始める「後片付け」

それからまぁ・・・色々あった

 

響と二人で倒れている皆を各種機関に連絡し、病院に運び(そこで二人も強制入院となりました)

 

検査の結果、弧仁の身体の障害はあくまで一時的に取り除かれていただけで、言語機能などは再び元に戻ってしまいました

 

これについて反転術式を当てた一時だけの効果ではないかというのが擬きの推察です

 

「常に、反転、術式を、かけ、られたら、いいのに」

 

『それはまぁ追々ね・・・』

 

数日の間、眠り続ける皆の看病をしつつ、ようやく戦いが終わり、訪れた平和を響と楽しみ(ババ抜きや人生ゲーム、遊◯王で)

 

そうこうしていたら最初に弦十朗が起き(弧仁は拳骨喰らいました)

 

次に翼が起き(正座で三時間説教されました)

 

その次にクリスが起き(怒られるっ!と思いきや、なにも言わずただ涙を溢しながら抱きつかれました、罪悪感がヤバかったです)

 

そして装者達と司令である弦十朗とついでに弧仁が起きた時点で二課がある程度起動したので、今後の対策を考えることとなりました。

 

「今回の件で今まで秘匿にしていた二課の活動がおおっぴらになっちまった」

 

今回のフィーネの一件は今まで隠してきた二課の活動と装者達の存在が明らかとなってしまいました

 

「しかし、政府によりあの戦闘を見ていた人達に対して箝口令がしかれているそうです」

 

翼の言う通り、弧仁達が入院している間に色々と入れ替わり多少マシになった日本政府が目撃者達に箝口令と、記録された映像を削除するなどの対応をしてくれました

 

「それでもまだ対応しきれないところもあるだろ、それになにより・・・」

 

そう言ってある方向へ視線を向けるクリスに続いて翼と弦十朗の視線もそちらに向きます

 

その視線の先には

 

「「?」」

 

首をかしげる響と弧仁がいます。

 

そう、この二人がかなり厄介なのです。

 

まず響、アーティストとしての隠れ蓑がある翼、端からは素性が全く割れていないクリスに対して、響は普通の女子高生・・・二課でももちろん守りますが、確実に守れるかと言われると難しい

 

続いて弧仁、クリスと同じく素性は割れておりませんが、今までノイズに対しての唯一の有効手段はシンフォギア以外はないと考えられていたのに呪術の存在も明らかとなってしまった、当然各国から情報の開示がじゃんじゃか来ています。

 

さて、どうしたものか、と首をかしげる弦十朗、翼、クリスですが・・・

 

「呪術、のこと、教えても、別に、よく、ない?」

 

あっけらかんとしている弧仁

 

「お前・・・その力をどれだけ世界が欲してるのか分かってるのか?」

 

そんな弧仁に頭を抱える弦十朗

 

「でも、呪術、のこと、は知られ、ても、誰も、使えない、でしょ?」

 

「それでもお前の力を調べようする輩もいるだろうが!それでお前の身の回りの人になんかあったらどうすんだよ!」

 

「?俺が、守るよ?」

 

「あのね弧仁、そんな簡単なことじゃないのよ?」

 

「それに・・・!、分かっ、た」

 

「?なにが分かったの?」

 

何かに返事をして、目隠しをつける・・・それはつまり

 

「はい、擬き先生に早変わり~!手っ取り早く話したかったからね、こうさせてもらったよ」

 

「擬きさん!」

 

「やぁ響、弧仁のこと助けてくれてありがとうね。」

 

「・・・お前が出てきたということはなにか策があるのか?」

 

「もちろんさ、弦十朗。まず響のことからだね

 

まず、あの戦いの顛末についてはどこまで公表されてるんだっけ?」

 

「あぁ、了・・・フィーネとの戦闘後あの場にいたものは全員意識不明(弧仁のせい)、現在は治療を受けているということになっている」

 

「ふむ・・・とりあえず響はほとぼりが冷めるまで隠しておいた方がいいんじゃない?その間により細かな情報操作と隠蔽、それからいろんな所への交渉、その辺は得意でしょ」

 

「ま、まぁそれはそうだが」

 

「それを徹底的にやった方がいいんじゃない?じっくり時間をかけて響が日常に戻れる体制がしっかりととれるまで」

 

「・・・それもそうだな、従っては家族や友人とも一時面会謝絶だな・・・」

 

「えぇ!!?未来ともですか!?」

 

「そりゃそうでしょ」

 

「そんなぁ・・・」

 

「ま、そこは我慢だね。」

 

「それで?弧仁のことはどうするつもりだよ。そこのバカに関してはほとぼりが冷めて、今後の対応と活動次第でうるせぇ奴らは黙らせれるかもしれないが、弧仁のことはどうあがいても言及してくる奴らが出てくんだろ?」

 

「そ、れ、が・・・そんなことはなかったりするんだよね~」

 

「はぁ?」

「どういうことだ?」

 

「弧仁と僕の存在ってさ割りと色んな国に対して都合の悪い存在なんだよね」

 

「!、弧仁に行われた違法実験か」

 

翼が気づく

 

「その通り、どこの国か、までは断定できないって言うより、大体の国が、あの実験に参加してたと思うよ」

 

「そこで弧仁の存在が詳細に明らかとなってしまったら・・・」

 

「今はまだ呪力っていう未知の力を使う異端者っていう認識が蓋を開けてみればびっくり昔やらかした黒歴史、下手すれば現在進行形で継続中の黒歴史なんだから、わざわざ突っついてくるやつはいないでしょ」

 

「なに言ってるか全く分かりません!」

 

「簡単にいうと弧仁のこと調べたら強烈なしっぺ返し喰らっちゃうってこと」

 

「な、なるほど・・・」

 

「(あの顔は全く分かってないな立花)」

 

「でもまぁ、そこまで知られたくないよねぇ~なんで好き好んで弧仁の個人情報ばら蒔くんだよ馬鹿か」

 

「いやお前の考えだろうが!?」

 

「さっき話したのは妥協案、これからが本番!そこで、弦十朗に・・・っていうかあの人にお願いがあるんだけど」

 

「あの人・・・!まさか!?」

 

擬きの提案に一同は驚く・・・果たして擬きの提案とは?

 

・・・それから翌日

 

「未来~!元気になってよかったー!!」ギュー!

 

「う、うん・・・響、苦しい」

 

未来や他の皆が目を覚ましました

 

検査結果次第ではすぐに退院できるそうです

 

現在存在が秘匿となっているはずの響ですが、弦十朗がしばらく会えないのになにも言わずにさよならはないだろう、と少し時間を作ってくれました。

 

未来に会いに来たのは響だけでなく・・・

 

「ほら弧仁!早く!!」

 

「っ!、ひ、久し、振り」

 

「久し振り・・・けどそんなに会えてなかったわけじゃないでしょ?」

 

「う、うん」

 

そこから上手く会話が続かず・・・気まずい空気

 

「その、なん、て、言うか・・・ごめん」

 

「!、謝らないで!全部私のせいだからっ「はいっ!もう謝るのおしまい!散々お互いに謝ったんでしょ?」響・・・」

 

「ほら手出して・・・はいっ」

 

弧仁と未来の手を繋がせる

 

「これで仲直り!」

 

「なにも、言わな、いんじゃ、なかっ、たの?」

 

「そのつもりだったけど、いつまで経ってもなにも進展しなさそうだったもん」

 

「「うぐっ・・・」」

 

「二人がどんな会話をしたのかは、知らない・・・けどもう二人を遮るものはないでしょ?」

 

未来がフィーネに捕まった時、あの時二人は互いに互いを想い・・・犠牲になろうとした

 

というより、弧仁は犠牲になった

 

「どんなに隠しごとして、憎もうとして、憎まれようとしても、私たちにそんなことできないよ。ずっと一緒だって約束した親友だもん」

 

未来と弧仁が繋ぐ手を包むように響が握る

 

「!」

 

「心の一番奥底ではどうしても相手を信じちゃう・・・どうかな?」

 

「私も・・・そう」

 

「俺も・・・」

 

「それなら、なにも躊躇うことはないよ」

 

ぐっ、と二人の手を包む力を強める

 

「やっと、やっとまた三人で一緒にいれるんだ。もう、離れたくない・・・」

 

響の瞳から涙が溢れる

 

それに釣られるかのように、未来と弧仁の瞳にも涙が溢れる

 

もう我慢なんて・・・できない

 

「響、弧仁・・・」

「未来、響・・・」

 

ガシッ!

 

三人で抱き合う、もう離さないと言わんばかりに、きつく強く抱き締める

 

本当なら再会したあの時にこうしたかった

 

余計な回り道をたくさんした

 

知らない振りをしてしまった

 

言いたくない憎しみをもった言葉を言ってしまった

 

憎んでもいいなんて、身を裂かれる言葉を言ってしまった

 

犠牲になろうとしてしまった、犠牲になってしまった

 

もうどれもこれも二度としたくない

 

ずっとこうしていたい、もう二度と離れたくない

 

泣きながら抱き締め合って、声あげて笑い合う

 

だってもう離れる理由はないのだから

 

・・・

 

それから未来にしばらく会えないことを伝えました。

 

未来は民間協力者なので必要最低限のことは伝えられました。

 

でも、会えない、話せないのは辛すぎるので、弧仁は時々抜け出して、響と共に未来に会いに行きました

 

・・・

 

そうしてそんな感じの秘匿生活のある日

 

当てられた自室にて、鍛練はかかせない、と木刀を振るう翼の元にお茶とタオルを手に弧仁がやってきました

 

目的は二つ

 

「翼ちゃん・・・また、散らか、したね」

 

「うっ、す、すまない」

 

服やら退屈しのぎ用の雑誌やら下着やらが散乱する汚部屋

 

目的の一つ目は部屋の掃除のため

 

『こんなんじゃ嫁の貰い手がいないか心配だね』

 

「!、この、くらい、のこと、受け、入れ、られない、相手な、んて、許さん!」

 

「?、なにをだ?」

 

「こっ、ちの、話・・・それでね、翼ちゃん」

 

「どうした?」

 

翼の胸を覆っていたはずの下着を畳ながら告げる

 

「明日、奏さん、の、呪い、祓う、から」

 

「そうか・・・えぇぇ!?」

 

突然の宣言!、どうなる次回!?




シンフォギアさんぽ

秘匿生活中の一同

響と

響「ウーラオスにいちげきエネルギーをつけて・・・」
弧「インテ、レオンを、V進化・・・」

ひたすらカードゲームに勤しんでいました
疲れたら一緒にお昼寝しました

翼と

翼「おぉ・・・判子を押して変身するのか」オウインショウニンローディンググローイング!
弧「主、人公に、親近、感」カメンラーイーダー♪
擬「誰が悪魔だ!」リバイ!バイス!リバイス!
久しぶりに特撮を一緒に見ました
時たま一緒に歌う(反転術式をかけながら歌います)二人の姿がありました

クリスと

ク「う、うまい・・・ってこれって・・・」
弧「うん、ソネット、さんの、料理、作って、みた」
ク「ママの味・・・覚えてたのか」
弧「・・・俺に、とっての、お袋の、味、だから」
ク「!!・・・俺達の、だろ?」
弧「!、うん」

会えない時間が特に長かった二人は少しずつ姉弟に戻っていきました



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