歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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ここからG編・・・拙すぎますが、よろしくお願いします!


G篇
望んだはずの「日常」


フィーネの一件から数ヶ月で秘匿生活が解除され、そこからまた更に数ヶ月が経った

 

響と翼は新校舎・・・というより、政府が廃校をそのまま買い取り、新しいリディアン音楽院に通い、クリスもそこに入学しました・・・なんだかんだ楽しんでいるようです。

 

入院していた奏も恐ろしい回復(弧仁の反転術式が原因)で、退院してしまいました。

 

退院パーティーでは奏のリクエスト通りのメニューを沢山作り、二課の司令室をまるごと使ってパーティーを開き、奏も響やクリスといった新顔と顔合わせを終えた。

 

時々出てくるノイズには装者が対応、ノイズにフィーネ程の強さもあるわけがなく、特に問題もなく撃破しています

 

そんなこんなで平和、時々戦闘なウキウキライフを送る一同でした。

 

・・・

 

「ただいまー」

 

そんなある日、まだ新品の制服に身を包んだクリスが政府によりあてがわれた家に帰ってきました。

 

当然独り暮らし、初任給で買った仏壇に眠る両親以外にクリスを出迎える存在はいないはず・・・ですが・・・

 

「おか、えり」

 

「おう」

 

いない、いないはず・・・?

 

「ご飯、に、する?お風呂、にする?それ、とも、宿題?」

 

「とりあえず風呂入って飯かな」

 

「残念、お風呂は、まだお湯、溜まって、ない、ちなみに、ご飯も、まだ」

 

「だったらなんで聞いたんだ?あ?」ギリギリ

 

「!、!!・・・」タップタップ

 

『それ以上はいけないっ!』

 

弧仁にチョークスリーパーをかけるクリス、首を絞められながらクリスの腕をタップする弧仁

 

「ったく、お前今日はここかよ」

 

「まぁ、ね」

 

「オッサンとあのねーちゃんの所に帰らなくていいのかよ」

 

「それは、一昨日」

 

「ん?じゃあ昨日はどこにいたんだよ?」

 

「昨日は、翼、ちゃん」

 

「・・・明日は?」

 

「響と、未来、のところ」

 

そう、最近の弧仁は色々なところを泊まり歩いているのです

 

『プロのヒモじゃん・・・』

 

まぁこうなったのには理由があるのでして・・・

 

まず装者として正式に認められたクリス、やってしまったことは確かにあるが情状酌量の余地もあり、なによりフィーネに操られていたことが後ろ楯となり、ほぼ無罪放免で判決、今の生活に至る

 

次に奏は公に昏睡状態にあった・・・ということになっていたので、理由がどうであれ回復したということになっています。現在は保護の意味を含めて弦十朗宅に居候兼二課の手伝いを色々としています。

 

それに対して弧仁は二課のエージェントに所属する櫻井了子の弟・・・という肩書きを捨て、死んだことにしました。そうして新たに『五条弧仁』となり、戸籍やらなにやらを用意してもらいましたが、その存在はまだ隠されています。従って、二課に戻ることもできません

 

そこで所定の地域に住居を置いて生活する、または弦十朗の家に住み続ける・・・ということをしてしまっては足がつき、弧仁が生きていることがバレてしまう可能性があります。

 

弧仁のことをつつかれると痛い各国に名を変えて生きているということが知られれば面倒くさいことはお察し、更に居場所を把握されるのも煩わしいので

 

『拠点を転々として生きているのでした』

 

「皆の、ところで、お泊まり、楽しい」

 

持ち歩いている鞄の中にはお泊まりセット(着替え、歯ブラシ、コップ、定期的にお小遣いが振り込まれる通帳)が入っています。

 

「いや・・・飯とか家事とかしてくれて助かってるけど、もっとこう倫理観というか・・・あーくそっ!焦れったい!」

 

理由やらメリットやらで皆大賛成(拒否するつもりはない)でした。

 

そして皆が皆、同じようにウチに来いよ・・・と思っていました

 

けど、弧仁が皆の迷惑になりたくないからこそ選んだこと・・・そもそもこの考えが浮かぶ前には

 

・・・

「迷惑、かける・・・それなら、世界、旅行に、いこう」

 

『お、いいね、どこから攻める?』

 

一同「絶対阻止」

・・・

 

などど考えていたので、止めました

 

そんなこんなで、

 

風呂に順番(弧仁→クリス)に入り、夜ご飯を食べます。

 

「それにしても、こんな生活いつまでも続けられねぇだろ」

 

「そう、言うと、思って」

 

口回りを汚して食べてしまうクリスの口を拭いながら、久し振りのフリップを取り出します。

 

しかし、手にもっているフリップは一枚

そのフリップには・・・

 

「ん?なんだこれ、なんか色々書いてる列がならんでっけど」

「すごろく」

『またの名を人生ゲームだね』

 

早速さいころをクリスに振ってもらいました。

出た目のマスには・・・

 

『もう一度二課に就職する』

 

「これが妥当か?」

 

「うん、父さん、は反対、しそう、だけど」

 

「たしかに、それじゃ次っと」

 

続いてもう一度さいころを振る

 

『いっそのこと全部捨てて、逃避行』

 

「させねーからな?」

 

「盆と、正月は、帰る、よ?」

 

「だとしてもだよ」

 

ころんっ、三度めのさいころ・・・次は

 

『奏とクリスと禁断の姉弟愛ルー「!?っざけんなっ!!?」』

 

ちなみにこの他には『もう幼馴染みじゃいられない、響と未来と三角関係』、『これからは私が推しだ、翼ルート』・・・などなどのマスがありますが・・・

 

「お、おまっ!しかも二人とか!」

 

「これ、作った、の、先生」

 

『いや、このままじゃこのどれかになるの濃厚だからさ』

 

「はぁ・・・」

 

もうため息をつくしかなく、額を抑えるクリス

 

「それ、より、明日も、学校、でしょ?そろ、そろ、寝なきゃ」

 

「あぁ・・・あ、そうだ、弁当要らねーからな」

 

実は弧仁、クリスの学校のお弁当を毎日作っています。

 

まだこういった生活に慣れていないであろうクリスのために毎日作っていたのですが・・・

 

「!?」

 

「前から思ってたけどお前アタシのことどんだけ大食らいだと思ってんだよ!弁当箱でかすぎなんだよ!」

 

普通に毎日運動会レベルの重箱にお弁当詰められたら流石にキツイ

 

確かに沢山食べてほしいと思っていて無意識に作りすぎてしまっていたが・・・

 

「そ、それ、なら、友だち、と「ッ!」あっ」

 

「もういいッ!寝る!お前今日はソファな!!」

 

思わず言ってしまった一言でクリスは怒ってしまい、寝室に行ってしまいました

 

「・・・」シュン・・・

 

『これはもう今日は話し聞いてくれないんじゃない?しょうがないから、もう休もう・・・ってか今日はソファって・・・まぁいつも同じベットで寝てるのはどうかと思うけど・・・』

 

・・・翌朝、目覚めたクリスは流石に気まずかったですが、会わないわけにはいかない・・・覚悟を決めてリビングに来ましたが

 

「お、おはよ、弧仁・・・あれ」

 

テーブルの上にはラップがかけられた朝ごはん

 

そしてその隣には

 

『迷惑だったら捨ててね』

 

と書かれたメモとともに・・・いつ用意したのか、小さなお弁当箱が置いてあります・・・当の弧仁本人はもうどこかに行ってしまったようです

 

「・・・別に、迷惑とは言ってねぇだろ」

 

今日の朝ごはんもお弁当も美味しそうだった

 

でもそれを、二人で食べたかったクリスだった

 

・・・

 

「お前そりゃクリスも怒るだろ、っていうかお前はもはやお袋だな」

 

「はぁ・・・」

 

二課に遊びに来た弧仁、もちろん特にすることはない

 

それは当然、今のところ事件もないから

 

そこで同じく暇をしていた奏とお茶をしています・・・話題はクリスとのあれこれについて

 

「けど、弧仁の気持ちはちゃんと伝わってるだろ。また落ち着いたら、ちゃんと話してやりな」

 

「うん・・・」

 

「なら、よし!」

 

ワシワシと、弧仁の頭を撫でる奏

 

「そういえば聞いたか?了子さんが使ってた聖遺物の護送計画があるってさ」

 

「・・・どれ?」

 

あの時了子は聖遺物を3つ使っていた

 

「あー、あのノイズ操れるやつ」

 

「ソロモンの、杖」

 

「それそれ、それに響とクリスが担当するってさ」

 

「!、聞いて、ない」

 

「そりゃ今のお前二課じゃないし」

 

「!」

 

「まぁ響が直談判して、お前に伝えないようにしたんだよ」

 

「?、響が?」

 

「その作戦決行日、翼のクイーズオブミュージックの日だぜ?お前にはなんのしがらみもなく観てほしいとさ、それにクリスも同意してた」

 

近々行われる音楽の祭典、そこにアーティストとして翼も呼ばれており、皆で行こうと約束していたのです

 

「!、そうなんだ・・・」

 

「もちろん響とクリスも終わり次第向かうってさ、お前との約束守ろうとしてんだな」

 

響とクリスの思いやりに胸が暖かくなります・・・そういえば

 

「奏、さんは?」

 

「?そりゃ当日は翼の応援に行くよ」

 

「そう、じゃな、くて・・・出ないの?」

 

「!」

 

奏が回復したことは公表されています。

 

弧仁を含めて、そのニュースを聞いたかつてのツヴァイウィングのファン達は復活を待ち望んでいるのです

 

「あー・・・その、弦十朗のダンナとか翼からはいつ復活するんだとはいわれてるんだけどさ」

 

「うん」

 

「その、今まで皆が色々大変だった時にアタシはぐーすか寝ててさ、今さらどの面下げて戻ればいいのかわからなくて・・・」

 

「!、そんなの、気に、すること、なん『周りがどう言おう、感じ方なんて人それぞれなんだよ』!」

 

「それも言われたよ、でもどうしても・・・な、だから申し訳ないけど、もう少しだけ、待っててくれないか?」

 

「・・・うん」

 

・・・二課からの帰り道

 

「・・・」

 

皆新しい生活を満喫しつつも、悩んでいることもあるみたい

 

悩みがないのは、自分くらい

 

「・・・」

 

『気にすることない・・・って言っても気にするでしょ?』

 

「・・・うん」

 

『大丈夫、皆強いんだから・・・なんとかなるなる』

 

「・・・うん」

 

そう言って、今日の寝床である響と未来の部屋へと向かいました。

 

・・・そうしてクイーンズオブミュージック当日

 

未来と共に会場にやってきましたが、そこには思わぬゲストも一緒です

 

「あっ!あの時の白髪美女だ!」

 

「あの時は助けてくれてありがとうね」

 

「小日向さんからお聞きしました。小日向さんと立花さんの幼馴染みさんでしたのですね」

 

「あの、時の・・・」

 

旧リディアンをノイズが襲った際に助けた三人がいました。

 

「紹介するね弧仁、私のクラスメイトの弓美と創世と詩織、今日は三人も一緒に行くからね」

 

「そう、なんだ、よろしく」

 

「あれ?声低いね?ハスキーボイス?」

 

「とにかくよろしくね~」

 

「よろしくお願いしますわ」

 

「うん・・・あれ?響は?」

 

「それがまだ任務が続いてるのか、連絡もとれなくて」

 

「そう、なんだ、じゃあクリスも?」

 

「うん、二人とも間に合うといいね」

 

「・・・うん」

 

そういった情報も以前なら弧仁の元に届いていた

 

そもそも搬送任務だって、弧仁が行っていたのかもしれない

 

「・・・」

 

どうしようもないやるせなさを感じる

 

戦いの場に立つ必要がなくなったが、それでも戦いの場に立てないことも辛い

 

『これ終わったらさ、いつ復帰できるか聞こうか』

 

「・・・うん」

 

戦いたいわけではない、だけど、戦えないのは辛いのだ

 

それは決して力があるからといった驕りではない・・・それでも

 

・・・

 

個室のような客席に通され、遂にステージが始まる。

 

最初に現れたのは翼ではなく、新進気鋭のアーティスト

 

「おぉ!流石マリア・カデンツヴァナ・イヴ!生の迫力は違うねー!」

 

弓美が興奮しながら話す人物『マリア・カデンツヴァナ・イヴ』

 

デビューから2ヶ月で米国チャートのトップに立ったアーティスト

 

弧仁は名前は知っていたが、姿を見たのは初めてだった

 

『歌聞いたこともあるけど英語分かんないしね~』

 

「・・・」ウーン?

 

「どうしたの弧仁?」

 

「なんか、変な、感じ・・・」

 

凛としているマリアの姿をかっこいいとは思うがそれと同時にどこか・・・懐かしいような・・・

 

 

などと考えていると、ライトに照らされて翼が登場

 

「!」ガタッ

 

先ほどまでの思考は放棄して、席から立ち上がる

 

これこそが本日のメインともいえるステージ、マリアと翼の本日限定のユニットライブ

 

炎を連想させるステージ演出と共に・・・競い合うかの様子の二人が見せるライブに観客は大盛り上がり!

 

弧仁もペンライトを振ってテンションMax

 

『弧仁盛り上がってるねー・・・昔に戻ったみたいだ』

 

そうして一曲目が終わり、一度センターに戻った二人

 

「ありがとう!皆!」

 

盛り上がり収まらぬ観客に手を振り、声をかける翼

 

「私はいつも皆から沢山の勇気を分けてもらっている・・・だから今日は私の歌を聞いてくれる人たちに、少しでも勇気を分けてあげられたらと思っている!」

 

「!・・・翼ちゃん、らしいね」

 

『そうだね、これも翼の夢の一歩だもん』

 

そうして次はマリアの番

 

「私の歌を全部!世界中にくれてあげる!振り返らない、全力疾走だ!ついてこられるやつだけついてこいっ!」

 

翼とはまた違った言葉で歌を聴く皆にメッセージを送っている

 

「・・・違う」

 

『ん?』

 

「これじゃ、ない・・・?」

 

『なにが違うの?』

 

なんだが、マリアの姿が・・・嘘のように見えてしまう

 

初めて姿を見たはずなのに、これは違うと感じてしまう

 

「??」

 

『混乱、それと不安・・・か、弧仁ちょっと変わろうか?』

 

「ううん、ステージ、まだ、終わって、ない、から」

 

『そっか、無理ならすぐに言いなよ?』

 

「あり、がとう」

 

ステージ上では二人が互いを称え合い握手を交わしています。

 

そして、二人が離れた・・・と思いきや

 

キュイィィィンっ!!!

 

弧仁にとっては、聞き慣れた音・・・そして最も聞きたくなかった音が会場に響く

 

「の、いず・・・!」

 

その瞬間会場にいた観客が恐怖し、逃げ惑う

 

その観客に対して・・・マリアが叫ぶ

 

「狼狽えるな!!!」

 

「!?」

 

このような状況でも凛とした姿でマリアが叫ぶ

 

どういうわけか分からないが、とにかく未来達を守らなくては、今この状況で動けるのは弧仁しかいないのだ

 

まだ逃げ惑う観客、全世界に配信されているこのライブ・・・アーティストである翼は戦えない

 

装者としての翼は隠さなければならない

 

「!!」

 

客席のガラスを割って、あの場に急ごうとしたが・・・

 

『待て、弧仁が行ってどうする。今の自分の状況忘れたの?』

 

しかしそれは弧仁とて同じこと、自分の存在もまた、知られてはならないのだ

 

擬きの言葉に手が止まる、その間にマリアはマイクを手に・・・宣言する

 

「私たちは!ノイズを操る力を持ってして!この星の全ての国家に要求するっ!・・・そして・・・Granzizel bilfen gungnir zizzl♪」

 

宣戦布告のそれを歌で遮る

 

その歌にもどこか聞き覚えがあった

 

「ガング、ニール・・・?」

 

姉が纏い、友に受け継がれたはずのギアの名を歌う歌姫

 

それは自分がよく知るものとは少し違うだが・・・黒が美しさと、奏と響のガングニールと同じパーツを形作りその身に纏う

 

だが、それだけでは終わらない

 

「私、私たちはフィーネ!」

 

「!?」

 

「終わりの名を持つ者だっ!!」

 

あの日別れたはずの姉の名すら叫んだ歌姫

 

その言葉は装者と世界唯一の呪術師を巻き込む・・・誰も望まぬ新たな戦いが始まってしまった瞬間だった




シンフォギアさんぽ

奏退院パーティーの一幕

奏「いやーそれにしてもホントにでかくなったなお前」
弧「くす、ぐったい」
奏「撫でさせろよー数年分だぜー?」
ク「・・・」ジーッ
奏「お前が会いたくて仕方なかった奏姉さんだぞー?」
弧「ん!むぐ!」
ク「!」グイッ
奏「お?」弧「ぷはっ」
ク「悪ぃな、こいつはアタシの!弟なんだよ」
奏「ほぅ~お前が弧仁の?」
ク「アンタよりちーっと長い付き合いでもあるんでな」
奏「ふーん、ただまぁ、一緒にいた時間はアタシの方が長いから!そこんとこよろしく?」
ク「あ?」
奏「なんだよ?」

響「弧仁・・・罪な男!」
擬『そういう問題ではなくない?』
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