歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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最後に書くのはなんか空気読めていないなと思ったのでここで書きます

この作品に対する質問募集中ですっ!些細なことでも構いませんのでお願いしますっ!!詳しくは私の活動報告までっ!!お願いしますっ!!


「鳴」り「届」く歌

マリアのガングニールが響へと移り、ウェルは逃走、そこに弦十朗と緒川が駆けつけてくれた

 

そうしてマリアから告げられたウェルの策略

 

ウェルはフロンティアのエネルギーとなっているネフィリムの一部を左腕に宿したことでフロンティアの制御権を得ているということ

 

逆に言えばそれを停止さえさせてしまえばフロンティアの浮上は停止する、ウェルの陰謀を止められるということ

 

フロンティアの浮上を止めるために響は翼、クリス、奏と合流に向かい

 

逃走したウェルは弦十朗と緒川が捜索

 

疲弊しているマリアはその場に残り・・・そこに弧仁も残った

 

「・・・貴方は行かないの?」

 

「マリアさんにナスターシャ教授からの伝言があるんです」

 

「!、そうだ!マムは!?貴方マムに会ったの!?」

 

「はい、打ち出された区画に入って、会いました」

 

「ならなぜ助けなかった!今のマムはただでさえ衰弱して「戻るように言われたからです」!?そんな、なぜ・・・」

 

「それについても、これからお話ししますから・・・お願いします。この戦場も俺にもあんまり時間はありませんから」

 

・・・

 

弧仁がマリアの元へ駆けつける前、フロンティアにある建造物の一部が打ち上げられた

 

そこには他ならぬナスターシャが閉じ込められており、計画の邪魔をされたウェルにより打ち上げられたのだ

 

ドンッゴシャァッ!!

 

ナスターシャの呪力を関知した弧仁は助けるために壁の一部を砕いて中に侵入

 

今いるのはかなりの上空、空気が薄いので酸素が逃げないように穴は呪力で塞いだ

 

そして崩れた瓦礫に埋もれていたところを救出・・・しようとしたら

 

ガッシャーンッ!

 

「なに、それ」

 

ナスターシャが車椅子が変形しアーマーのようなものを纏って立ち上がりました

 

「万能車椅子Powerful_2のアーマーモードです。それにしても貴方は神獣鏡の輝きで呪力を失ったはずでは?」

 

「あー、色々、あって」

 

「なるほど・・・五条弧仁、貴方のことは切歌と調から話は聞いています」

 

「!」

 

「だからこそちゃんと顔を見てお礼が言いたかった。幸詞を守り続けてくれたことを感謝しています」

 

「!・・・貴女も、そう、言って、くれる、の?」

 

「貴方は私たちから幸詞を、そして幸詞の人生を奪ってしまったと思い詰めているのでしょう・・・しかしそうではありません

 

貴方は途切れかけた幸詞の人生を繋いでくれた。私は幸詞の意思を継いで生きてくれる貴方がいてくれて本当によかった」

 

「!」

『この手の言葉に弱いね相変わらず・・・けど気持ちは分からなくはないよ』

 

ポロリと涙が一筋流れる

 

生きているだけで嬉しいと今まで出会った人たちからもたくさん言ってもらった

 

だけど慣れるわけがなかった、だって弧仁はいつだって自分の証明を探していたから

 

記憶がなく、何者かも分からなかった時も

 

記憶を取り戻し、三つの魂の元で揺れ動いていた時も

 

だからいつだって弧仁は・・・

 

「しかし・・・この戦いが終わる頃にはもう貴方はいないのですね」

 

「・・・はい」

 

「そうですか・・・貴方は幸詞へ引け目からその道を選んだのですか?」

 

「それは、違う・・・って、言ったら、嘘」

 

「そうでしょうね」

 

「俺は、たまたま、生まれた、だけ

 

 俺が、生きた、時間、は、本当、なら、幸詞が、生きる、時間、だった

 

 だから、返して、あげたい

 

 時間も、家族も、命も、全部」

 

「だから、私たちのことを助けると?」

 

「・・・はい」

 

「そうですか・・・なら貴方にお願いがあります」

 

「?、なん、ですか?」

 

「マリア、切歌、調をよろしくお願いします」

 

「!!」

 

その中には自己が含まれていなかった、それはつまり・・・

 

「私はもう、長くない。それならこの場でこの命を最後の可能性にかけたい」

 

「・・・」

 

「あの子達を信じているからこそ私はここに残ります。だからどうかあの子達「ダメだよ」!」

 

「ダメだよ・・・そんなの嫌だよ!」

 

気づけば弧仁の瞳から止めどなく涙が溢れ続ける

 

真っ直ぐにナスターシャを見て、涙を拭い続ける姿は・・・親と別れるのを嫌がる子どもの姿

 

「離れたくない!ずっと一緒にいてよ!これからはマリア姉さんとも切歌とも調とも生きていけるんだ!!だからマムも生きてよ!!」

 

「・・・なるほど」

 

拭っても拭っても溢れてくる涙を流しながらナスターシャに懇願する弧仁・・・いや違う

 

「消えかけている影響か・・・」

 

ナスターシャの瞳には今の弧仁が黒髪の少年に見えた

 

「?マム?」

 

「いいですか・・・マリア達のことは貴方が守りなさい。貴方があの子達を家族と呼ぶのなら、貴方がやりなさい!」

 

「!!」

 

「貴方にはその力がある。貴方が本当に願うのなら彼はきっと力になってくれます・・・そしてその先で私のことも救いなさい」

 

正直その時まで自分もこの子が持つのかすら分からない

 

それでも今自分にはここでやるべきことがある

 

彼らには助けられる場所がある、そのためにはこの子を向かわせる

 

言ったことを虚偽にするつもりはないが、とにかく今は彼を動かさなくてはいけないのだ

 

「!、うん!!絶対に俺が助けるから!」

 

「なら行きなさい、ここももうじき大気圏を抜けてしまいます。」

 

「・・・ごめ、ん、なさ、い。ちょっと、沈んで、ました。いって、きます」

 

なんの前触れもなく雰囲気が元に戻った

 

「それからマリアに伝言をお願いします」

 

ナスターシャの伝言を受け取った弧仁は自分が開けた穴からもう一度飛び出して・・・そうしてマリア達の元に駆けつけたのだ

 

・・・ 

 

「マムが本当に?」

 

一部抜粋して先ほどまでのナスターシャとのやりとりを話した

 

抜粋したのは、弧仁にも少しおぼろげな部分があるから

 

「はい・・・そしてマリアさんに最後にもう一度歌いなさい・・・とのことです」

 

「ッ!・・・私にはなにもできない」

 

「?一体なにを「私では!世界中の人々からフォニックゲインを生み出せなかった!セレナの歌を・・・私では・・・」

 

「?セレナ・・・!」

 

セレナ、それはマリアの亡くなった妹だ

 

「セレナってマリアさんの妹の?」

 

「・・・えぇ、6年前にネフィリムの起動実験を行った際に・・・暴走したネフィリムを停止させるために絶唱を歌った」

 

「絶唱を・・・」

 

マリアの手にあるひび割れたギアのペンダント・・・それはセレナのものだった

 

「セレナはこのギアへの高い適合率を持っていた、それでもギアの力を争いに向けたくないと願う優しい子だった

 

まだ幼かった切歌や調、幸詞、そして私の心も癒してくれる優しい歌声に笑顔・・・

 

そんなあの子を・・・たくさんの人の命を救うために歌った歌を聞いても、あの場にいた誰もセレナを助けようとしなかった!!」

 

「マリアさん・・・」

 

「・・・なんて、助けられなかったのは私も同じ・・・私にはセレナの歌を世界中に届けることはできなかった」

 

「・・・そんなことない」

 

「貴方になにが!「分かるよマリア姉さん」!貴方は・・・」

 

俯いていた姿勢を起こし、弧仁の顔を見たマリアが驚く・・・その瞳から出る想いは憐れみや共感ではなく

 

「だって俺は姉さんの歌が好きだから」

 

真の慈愛の瞳、目の前に全幅の信頼を向けた・・・優しい瞳

 

白や蒼に染まらぬ、二つの黒い髪と瞳

 

「幸詞・・・なの?」

「・・・うん」

 

遂に受け答えができるほどに表面化した幸詞

 

その存在はセレナと同じく、マリアにとって助けられなかった存在

 

「そんな・・・貴方が、何故?貴方の意識が目覚めたというの?」

 

「ううん、少し違う・・・今までは(弧仁)が表だって立ってくれていたお陰で(幸詞)はその影に隠れていた

 

・・・けどその彼はもう消えかけている。だから俺が目覚めかけてる」

 

「!!」

 

「詳しいことはよく分からないけど・・・縛り、ってやつらしいんだ。この目隠しと最後まで戦うかわりに終わったら消えるっていう約束をしてる

 

・・・けどそれが本当に最後まで持つのかすら分からない

 

現に俺の感情の起伏で俺が目覚めかけてるくらいには弱ってるんだ・・・例え力があっても・・・彼は弱ってる」

 

「それなのに彼はなぜそこまで・・・」

 

「俺と約束をしたからだと思う」

 

「以前言っていたこと?」

 

「うん、苦痛が起きるとしても弧仁は俺との約束を絶対に捨てなかったんだ・・・弧仁は俺が生み出してしまって、苦しみを押し付けたのに・・・」

 

「・・・幸詞」

 

「だから、お願いだマリア姉さん。もう一度歌って!マリア姉さんの歌は絶対に届く!!だから!もう一度!!」

 

「・・・でも、それでも私では『マリア姉さん、幸詞』!!?」

 

「!?、この声って!!」

 

聞き覚えがあり・・・ずっと聞きたかった声が響いた・・・同時にそれはマリアと幸詞にとってあり得ないことだった

 

しかし耳に、そして目に映る光景は本物

 

天から、光と共にセレナが舞い降りたのだ

 

「セレナ・・・」

「セレナ姉さん・・・」

 

果たしてそれは幻想か、それとも・・・ずっと近くにいてくれたからなのか

 

『マリア姉さんがやりたいことはなに?』

 

「歌で世界を救いたい、月の落下がもたらす災厄から皆を助けたい」

 

『幸詞は?』

 

「皆と一緒にいたい・・・けど彼に消えてほしくない」

 

二人の願う本心、それは到底不可能に近いことなのかもしれない・・・それでもセレナは

 

『二人とも生まれたままの感情も隠さないで?』

 

そんな願いと共にマリアと幸詞の手をとってくれた

 

「セレナ・・・」

「セレナ姉さん・・・」

 

『・・・♪~♪~♪~』

 

ニコッと笑みを浮かべて歌が始まる

 

セレナに続いてマリアが歌い、二人の歌声が重なる・・・その歌は思い出の歌

 

それはマリア達の祖国の童歌

 

幸詞にとっては世界一安心できる子守唄

 

そして二人の美しく共鳴する歌声はこの場にいる三人だけではなく・・・彼のうちに眠る存在にも・・・そして世界中に届いた

 

・・・

 

「・・・マリア!、マリア!!」

 

「!マム!?」

 

マリアを呼ぶナスターシャの声で歌が途切れた。

 

そして気づけばセレナはいなかった

 

声の元へ歩むと、そこにある球体から声が届いていた

 

「貴方の歌に世界中が共鳴しています

 

これだけフォニックゲインが高まれば月の遺跡を稼働させるには十分です!月は私が責任を持って止めます!

 

・・・もうなにも貴方を縛るものはありません、行きなさいマリア

 

行って私に貴女の歌を聴かせなさい」

 

マムの言葉に勇気が涌いてくる

 

「OKマム・・・さぁ!世界最高のステージを始めましょう!!」

 

そういって歩みだしたマリア、幸詞もそれを追おうと動き出すその前に・・・

 

「幸詞、聞こえていますか?」

 

「!」

 

「彼を生かしたいと願うのなら・・・彼のやりたいようにやらせてあげなさい」

 

「でも・・・」

 

「それが彼の最後の願いなのですよ・・・貴方が家族を想うように、彼にも同じように想う存在がたくさんいる。そのために彼は存在を懸けてこの戦いに望んでいます。そこに水を差すようなことはあってはなりません」

 

「・・・」

 

「そしてどんな結末があろうと貴方はそれを受け入れなくてはなりません。それが彼という希望を生み出した貴方の責任です。

 

彼と共に戦うというのなら、彼の運命を共に背負いなさい」

 

「・・・うん」

 

「それから弧仁」

 

「!」

 

言葉は一緒でも、意味は分かる

 

驚き、一度瞳を閉じ、開いた瞳は蒼い瞳

 

「五条弧仁・・・その子(幸詞)も頼みます」

 

「うん、約束、します。命に、かえても、守り、抜き、ます」

 

「貴方になら、託せます・・・では」

 

「では、また、後で」

 

今度こそマリアを追いかける

 

「・・・やっと来たわね」

 

「お待たせしました・・・覚悟、決まりました?」

 

「えぇ、今度は自分を偽らず・・・私たちの歌で世界を救ってみせる!!そのために・・・貴方の力を貸してほしい・・・頼む五条弧仁」

 

「!、やっと呼んでくれた」

 

「?なにを」

 

「今まではここにいる幸詞に向けて呼んでた気がしたから・・・けど今は違う、ちゃんと俺の名前を呼んでくれた」

 

「そんなことは!・・・ある、かもしれないわね。ごめんなさい」

 

これから決戦だというのに、少し気が抜ける

 

なんだ、この人はこんなに話しやすい・・・楽しい人だったのか

 

幸詞の感情を抜きして・・・今はそう感じる

 

『もっと、たくさん話しておけばよかったね』

 

「いいんです・・・とにかく向かいましょう」

 

「!、えぇ!」

 

・・・

 

二人が駆け出した頃、外ではウェルによりフロンティアを守護する存在としてネフィリムを生み出していた

 

それと対峙する響、翼、クリス、奏・・・そしてそこに駆けつけたのだ切歌と調

 

しかしフロンティアの一部として無限のエネルギーを生み出し続けるネフィリムに有効打がなく・・・苦戦を強いられていた

 

「っ!くそっ、呪力切れか・・・」

 

その最中で膝をつく奏・・・無理もない、連戦続きで呪力が底をついたのだ

 

「奏!?」

 

そこを見逃すほどネフィリムは甘くない、奏に対して特大の火球を放つ

 

「ッ!!」

 

遠くからでも焦げ付きそうなほどの熱量・・・響達もサポートに向かおうとするが、ネフィリムの妨害により近づけない

 

「っ、ここまで「生きること諦めるなぁぁ!!!」っ!」

 

パァンッ!!

 

赫い閃光、弾き飛ばされ散られた

 

そして奏に寄り添うように立つ弧仁

 

「・・・限界だな」

 

「?なにを「引くよ」おいっ!?」

 

奏の手を取り、瞬間移動・・・行き先は二課仮説本部だ

 

「到着」

 

「!、お前まさかここでアタシに待ってろって言うつもりじゃねぇだろうな?」

 

「そのつもり「ふざけんな!!」だったら今の奏姉さんになにができるの?」

 

「ッ!?、それは・・・」

 

「確かに奏姉さんにこの戦場にいてほしいと俺から願ったよ。だけどそれは限界を超えて戦って死ねって言ったわけじゃない」

 

「それはっ・・・」

 

「それにあのくらいなら大丈夫だよ」

 

「?なんのことだよ」

 

「けどまぁ・・・サポートだけでもしてくるよ」

 

そうしてまた姿を消した弧仁

 

「おいっ!!・・・クソッ!!肝心な時に!アタシは!・・・ちくしょう!」

 

・・・

 

「だけど!歌がある!!」

 

弧仁が再び駆けつけると戦っていた装者の元にマリアが駆けつけていた

 

初めは対立していた者同士が今集まり・・・手を取り合おうとしている

 

「・・・」

『感無量・・・もう本当に思い残すことはないね』

 

擬きの言う通りだ

 

マリアに駆け寄る皆

 

弧仁と幸詞の大切な人たちが一緒にいる

きっとこれから皆の手は繋ぎ続けられる

 

その中に弧仁が入ることはなく、見守ることはできない・・・だけど

 

「それでいい」

 

月はナスターシャが、ウェルは弦十朗が・・・大切な父と母がなんとかしてくれる

 

「だから今は・・・呪い呪われた君の未来を作るために・・・」

 

マリアの聖詠が響き、そのエネルギーバリアでネフィリムの火球を防ぎ・・・遂に手を取り合った6人の歌が始まる

 

それを邪魔せんと特大の火球を吐き続けるネフィリムに苛立った弧仁、その場へと駆けながら弧仁として生きてきたこれまでの人生を思い出す

 

先生と出会って走って転んで生きてきた

 

風鳴弧仁として生き、消えない痛みを抱いても生き続けてきた

 

櫻井弧仁として、その痛みを全て取り除き、取り戻して

 

五条弧仁として生きた僅かな時間・・・そして

 

「今なら分かる・・・俺はこの一瞬を待ってたんだ」

 

6人のバリアの前に立って、赫で火球を弾き散らす

 

「「「!、弧仁!!」」」

 

響、翼、クリスの声が聞こえる

 

それには振り返らず、ネフィリムに集中する

 

『そう、振り返っちゃだめだよ・・・後悔したくないならね』

 

フォニックゲインの見えぬ瞳でも感じられる程に今6人に向かって世界中のフォニックゲインが集まっている

 

「歌の邪魔・・・するなぁぁぁぁ!!!!」

 

激昂の声と共に赫がネフィリムに届いた

 

体の一部を弾き飛ばしたが、すぐに再生するだろう・・・だけどそれで十分

 

「あとは頼むよ・・・シンフォギアァァァァ!!!」

 

弧仁の叫びと共に背後の歌が、光が6色を彩り・・・天に昇る!!!

 

70億分の絶唱はギアの限定解除を可能とした・・・広げられた翼で輝きを纏い、ネフィリムに突撃し、虹色の竜巻が宇宙まで届いた

 

その輝きによりネフィリムは崩れ消え、それを見届けた

 

それと同時にこちらももう限界だ

 

声が上手く出ない、体も上手く動かなくなってきた

 

「これ、で、終わり」

『うん、君のやるべきことはもう・・・』

 

ゴゴゴゴゴ・・・

 

「『!』」

 

フロンティア全体が揺れる

 

怪しげな光を放ちながら中心にあった遺跡が震え始める

 

装者と共に空を飛び退避、その時には地球を背景にしてフロンティアが紅く染まり・・・姿を変えた

 

「・・・マリア、さん、あれ、なに?」

 

「再生するネフィリムの心臓がフロンティアを取り込み、暴走している」

 

「先ほど司令からの連絡でウェル博士によりネフィリムはフロンティアから切り離されたと聞いている。それによる暴走だろう」

 

「あのイカれ野郎っ!最後の最後でやらかしやがって!!」

 

「あんなのがもしも地上に降りたら・・・!!」

 

「そう、か・・・」

 

どうやらまだ、終わっていないようだ

 

そうして月を見る・・・まだ月の遺跡は起動していない、よって軌道は戻ってない

 

「だった、ら、もっと、皆、歌って・・・あっちは、俺が」

 

「!、弧仁!?」

 

「なにをいってるデスか!?あんなのとサシでやるなんて!!」

 

「!、貴方、まさか・・・」

 

「個人、的に、あいつに、リベン、ジ、したいし・・・もっと、もっと、フォニック、ゲインを、高めて、ナス、ターシャ、さんを、助けて」

 

これ以上のフォニックゲインが必要なのかすら分からない・・・だけど、あって困るものではないだろう

 

だとしたら、そっちに集中してほしい

 

「弧仁「響」!」

 

「お願い」

 

淀みない視線が響に突き刺さり・・・片眼の蒼が6人を見つめる

 

「ッ!」

 

「大、丈夫、俺、最強、だから・・・頼んだよ」

 

覚悟を込めた声に、一同が怯んだ隙に前を向き、ネフィリムを睨み付け、飛ぶ

 

戦闘については本当に大丈夫、ネフィリムの対処方法はもう知っている

 

一時的にでも自分に宿っていた魂が教えてくれた

 

それは呪術の真髄『領域展開』

 

『ただこの状態で完成された領域の展開・・・かなり難しいよ?』

 

なおかつそれを一瞬で展開する

一瞬でももたついたら呪力を喰われる

 

一発で一瞬でネフィリムを領域に閉じ込める

 

生きるために暴食を続けるネフィリムに・・・生きることに対して無限回の作業を強制させる

 

「やる、しか、ない」

 

左手で印を組む・・・そういえば自分の意思で発動するのは初めてかもしれない

 

『なんだかんだいつも邪魔されてたからね』

 

「領域「行かないで!弧仁!!」!」

 

響の声だ・・・振り返るな

 

「待て!私たちも共に行く!!」

「アタシ・・・アタシ達にも止める方法があるんだよ!先走んな!!」

 

翼にクリス・・・振り向くな、答えるな、こっちに来ないでくれ

 

皆ならなんとかできることぐらい分かってくる

 

それでも・・・今この場は自分がなんとかしないといけない、自分という存在を懸けてやってやりたいのだ

 

「全員止まれ!!・・・行きなさい!!五条弧仁!!」

「!?マリア!?」

「なにをいってるデスか!?」

 

覚悟を汲んでくれたマリアの声

 

ごめん、ごめん・・・終わった時に時間があったら何回でも謝るから

 

だから今はこの我が儘を許してほしい

 

『いくよ、弧仁』

「いこう、先生」

 

今度こそ決める

 

ネフィリムも標的を見つけ、弧仁に迎撃を始めたがもう遅い

 

「領域展開」

 

これが最後の呪術

 

 

 

 

「『無量空処』」

 

 

 

 

・・・

 

ネフィリムに知能があるのか、感情があるのか・・・誰にも分からない

 

だが、ネフィリムは覚えていた

 

この空間、この領域を、覚えていた

 

宇宙のような背景に、白い絵の具を溢したような景色が広がり・・・全てが見え、全てを感じるこの領域

 

「別にお前に恨みはない・・・ごめん嘘、一回腕喰われたのは怒ってる」

 

前方にいる小さな存在

 

それを知覚するという行為・・・それを無限回繰り返す

 

なにが起こっているのかが分からない

 

「お前を領域に引き込んだのは理由は2つ、1つはお前の動きの制限をすること、もう1つはお前に必中の一撃を与えるために引き込んだ」

 

左右の手を組み

 

右側に術式順展『蒼』、

左側に術式反転『赫』を発動する

 

引き寄せる力と弾く力が衝突し、押し出される

 

「虚式『茈』!!!」

 

カッッッッ!!!!

 

『茈』色の押しだされた仮想の質量は・・・ネフィリムの心臓を削り抜いた

 

核である心臓を撃ち抜かれ塵と変わっていくネフィリムを見届ける・・・そして

 

「・・・じゃあね」

 

強敵に対して別れを告げてそっと領域を解除した

 




次回、シンフォギアG篇最終回
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