舞台はついに無印へ
かくして、「ツヴァイウィング」が結成された。
最初の一年はノイズと闘う傍らで歌唱とダンスレッスン、各種音楽関係者やメディアへの売り込み、CDを手売りしたりと地道~な活動を重ねて・・・
「あれ?未来なに聞いてるの?」
「ん?最近流行ってるツヴァイウィングの曲だよ。響も聞く?」
「うん聞く!、孤仁も聞く?」
「・・・」スッ、ドヤァ
「どや顔で鞄からCDを取り出した!?」
「しかも初回限定版ブロマイド付き!?」
『そして布教用をそっと二人に手渡した!?』
世間にも広がっていき、人気ユニットとなってきました。
・・・ただまぁ
「ただいまぁ、帰ったぞ~」
「お邪魔します」
「!」サッ
【おかえりなさい、奏さん、翼ちゃん】
家に帰れば割りとその内の一人はいるわけなのですが・・・でも今日はお客さんもいるようです。
【ご飯にする?お風呂にする?それとも今日の歌番組の録画みる?】
「お!録っててくれてたのか?それ観ながら飯にしよう!」
ペラリ
【残念、まだご飯できてません。】
「だから、それならなんで聞くんだ?んん?」グリグリ
「!!」
【お風呂!お風呂はできてるから!】
「か、奏落ち着いて!お風呂先に入る?」
「一緒に入ればいいじゃん。な、孤仁?」
カキカキカキッ!
【三人は入れないし、まだご飯の仕上げあるから先に入ってて】
「なんだ、つまんねーの」
「もう!孤仁もう大きくなったんだから!」
「そうは言っても肝心のこいつがなんの反応もしないからさ~。この間なんて私が着替えてるところに出くわしてもなーんにも言わないんだぜ?」
『ほんとほんと、ラッキースケベだったのにね』
このナイスバディでは物足りないのか~!という奏はほっておいて・・・
ポスッ
「あ、バスタオル。ありがとう」
翼が泊まりにきた時用のバスタオルを手渡す。
カキカキ
【洗濯物とかあったら出しといてね。洗ってまた今度渡すし、誰かさんみたいに出すの忘れたとかやめてね】
『おかんかよ』
「へーへー、悪かったよ」
カキカキ
【色物は別にしてね、それから下着はちゃんとネットに「はい、ストップそれ以上はセクハラだからなー」】
『うん、それは流石に僕も引く・・・ってこうなった原因奏だからね?着るものの洗濯全部任せっきりだったからね?』
そう言うと奏は翼を引き連れてお風呂に向かいました。
・・・それからそれから
「「いただきます」」
【召し上がれ】
今日のご飯は麻婆豆腐に卵スープを付けました。
【ご飯沢山炊いたからね、おかわりもあるよ】
「ありがたいけど、今食事制限が「おかわり!」奏!?」
「いやだって、うまいし」
【二人とも制限いる?人並以上に動いてると思うけど】
「そーそ、翼は気にしすぎ。今だって夜九時以降は食べないとか言うしさ」
「で、でも人前にたつ以上そのくらいの努力は必要でしょ?」
【じゃあ今度きた時はもう少し低カロリーのにするね】
「えっ?」
【折角なら気持ちよく食べてほしいから】
「孤仁・・・」
「えぇー食べごたえなさそう・・・」
【カロリーが少なくて満足できるメニューあるよ】
「お、それは気になるな」
「気をつかわせてごめん・・・ありがとう孤仁」
【どういたしまして】
「それじゃそんな紳士な孤仁君にプレゼントだ」
「?」
「ほら、これ次の土曜にあるミニライブのチケット」
「!」
「まだ小さい規模だけど、来てほしくて」
「!!」ドタドタ
「?飯中にどこ行くんだよ」
慌てて部屋に戻った孤仁・・・そしてすぐに戻ってきた
「お前なにしにって・・・えぇー」
戻ってきた孤仁、ツヴァイウィングと書かれた鉢巻きと法被を着て、手には「蒼の一閃して!」、「槍で貫いて!」と書かれた団扇をもって来ました。
「と、当日は持ち込み禁止なんだ。ごめんね」
「!!」ガーン・・・クルックルッ
ショックを受けたが、折角なので作った団扇を見てもらおうと反対を向けると・・・
『だから賭けよう?』
『真実は?』
「お互いが持ってるジュエルシードを・・・って違う!」
「いつも一つ!って違うわ!」
『あっはっはっ、サプライズ大成功!!』
ライブ当日は後方の方でおおはしゃぎしてる孤仁が見られました。
・・・
そして、それからしばらくして孤仁の学校にて
桜が舞う校庭、飾りつけがされた体育館、紅白の段幕がかけられた舞台・・・そう、今日は卒業式
『風鳴 孤仁』
「!」ガタッ
名前を呼ばれて、歩く。
この小学校で響と未来、他にもたくさんのクラスメイトと友達になった。
もちろん声のことをからかっていじめてくるやつもいたけど、その時は取っ組み合いの喧嘩して泣かせて、奏からはよくやった!って褒められて、弦十郎に拳骨落とされて、なんてことを繰り返してたらいつの間にか仲良くなっていた。
通った時間は皆より短いけどそれでも思い出がたくさんある。
卒業証書を貰い、座席まで戻る途中・・・
「孤仁・・・立派になったな」グスッ
「泣くなよ旦那、ほらハンカチ」グスッ
「それが一番必要なの奏でしょ」グスッ
「・・・」
保護者席で目立つ赤色のスーツを着ている保護者と、変装なのかスーツにサングラスを付けている最近話題の歌手がいた。
「・・・」シラー
『いやー、あそこまで泣かれるとこっちの涙引っ込むね・・・けど』
「?」
『卒業おめでとう、孤仁!』
「・・・」ニッ
心の中で皆にありがとうと告げた。
・・・
それから中学校へ進学、入学式で響、未来、と三人で写真を撮った。その時は三人ともまだ制服が大きかった。
五条擬きに勉強を教えてもらいながら、挑んだ定期試験。未来と二人で響に勉強を教えた時は自分が先生になれたみたいで楽しかった。
時々第二課に顔を出しては、奏と翼の訓練に混ぜてもらった。弦十郎が人間離れしてて、五条擬きと二人で引いた。
未来の陸上の応援を響と一緒に行った。二人で揃いの法被と鉢巻きをつけて応援してたら後で怒られた。
そして制服がぴったりになる頃にはもう一年が経っていた。
・・・
制服がぴったりになったことに気づいたのは奏だった
「おーおー、あのチビすけが大きくなったもんだ」
「?」
「けど、まだアタシの方がでかいな」
ポスッポスッと、孤仁の頭を撫でる。
出会ってから一緒に暮らして5年経っているので、奏の身長も伸びていて、もう女性といっても差し支えないほどに成長していた。
「でもまだクラスではちっこい方なんだろ?」
「」コクリ
「今はまだまだでもいつかガツーンと伸びそうだよな。」
『そりゃ当然!190センチまでは伸びますとも!』
「身長伸びた時にはさ、次はお前が誰かの頭撫でてやれよ?お前がたくさんしてもらったみたいにさ」
カキカキ
【もちろん、奏さんの頭も撫でてあげるね。】
「ははっ、言うようになったじゃねーか!」
グシグシと、今度はさっきよりも強く撫でられる。それが不思議と嫌じゃなかった。
「っと、そうだ。これやるよ」
「?」
「今度でっかいステージでライブするのは知ってるだろ?それの優待チケットだ。これ特別なんだぞ?」
涙を流して感激して受けとりな、とポケットからチケットを出したが・・・
カキカキ
【いらないよ】
「え?」
まさかの拒否、今までは喜んで受け取っていたというのに・・・その理由は
「な、なんか用事なのか?それならライブの日をずらして」
『いや、無理でしょそれは。孤仁ちゃんと説明しないと』
カキカキ
【響と未来と三人でチケット応募したんだ】
「へ?」
カキカキ
【今まではお言葉に甘えて貰ってたけど、やっぱり贔屓だと思うんだ。頑張ってイベントに行ってる人たちに失礼だと思うんだ。】
カキカキ
【だから、今回はちゃんと応募した。座席は期待できないけど・・・それでもちゃんと自分の小遣いで行きたい。もうガキじゃないからさ、自分の力で応援に行きたいんだ】
「!、そ、そうか・・・ならしゃーないな」
カキカキ
【だけど、ありがとう奏さん。チケット当たっても外れても俺応援してる!】
「そうかい、それじゃあ私ちょっと行くとこあるから」
【いってらっしゃい】
そうして、いつものように見送った。
・・・奏が家を出て、少し歩いてから
「・・・もしもし旦那か?悪いチケット渡せなかったよ」
電話の相手は弦十郎、渡そうとしたチケットはスタッフ側でライブを観ることのできるチケットだったのだ
「え?なんでだって?私には分からないファン心理ってやつかねぇ・・・それに、あんなワクワクした顔で言われたらなんにも言えないよ」
今回のライブ、ただのライブではない・・・裏では巨大なプロジェクトが動いている。
「うん、万が一があるかもしれないからその時、孤仁を近くで守る必要があるのは分かってる。でもそんなことアタシと翼が絶対にさせない。それはアンタも同じ気持ちだろ?旦那」
奏は孤仁のことを知っている。
擬きから聞かされたこと、弦十郎に教えてもらったこと、そして孤仁自身から聞いたこと
全部知ったから奏は、孤仁が戦場(いくさば)に出てほしくないと思っている。
孤仁には平和が当たり前の日常の中で生きていてほしいと、弦十郎と同じように決して誰かに虐げられたりしないように、彼が彼らしく生きられるのを望んでいる。
だけど、自分ではどうしようもないかもしれないこともあるかもしれないから、孤仁を訓練に混ぜて、最低限自分を守れる力を付けさせた。
「なぁ旦那、孤仁は強い。アイツがなにかを壊そうとすれば、多分壊せないものなんてないくらいの力が孤仁にはあると思う。
だけど、アイツは絶対にそれを選ばないってアタシは自信をもって言える。それに選ばせないさ、アタシや翼、それに旦那がそうはさせない、そうだろ?」
だから、孤仁が力を振るうその時は・・・
「その時はアタシが側について、アイツが力の使い方を間違えないように寄り添ってやる。導くのが擬きで守るのが旦那なら、一緒に闘うのはアタシと翼の役目だ。」
弦十郎も奏も孤仁が闘うのを望んでいない、だけど奏はその時、側にいてやりたいと思っている。
「それが、私が孤仁の姉貴分として、やってやれることだと思う・・・うん、分かってくれてありがとう。とりあえず今はライブ頑張るよ。孤仁が来るかもだしさ」
共に過ごした時間は間違いなく二人を絆で繋いでいる。
だから一心に、孤仁を守りたい、そう思ったのだ。
詳細な設定
ツヴァイウィングの初回限定版CD→もちろん自分のお小遣いで買いました(自分用、保管用、布教用)。奏と翼はサインしようか?と言ってくれましたがそれは断りました。その後CDの手売りにも行き、サイン会、握手会にも参加しましたがそういうことは家でやれ、と弦十郎からツッコまれました。
中学校での生活→孤仁自身勤勉な方なので授業や家事の合間などで常々勉強していて、すぐ近くに先生(五条擬き)がいるので、最高の勉強環境といえました。もちろんテストの時は五条擬きは黙っています。自分自身の力でできるように・・・がモットーだそうです。
部活は帰宅部、普通に部活してたら家事が間に合わないというのが理由
男は大きめ買っておけばそのうち合うだろ、という弦十郎の意向から制服は大きめを購入しましたが一年でぴったりになりました。身長は160半場くらい
特務二課→定期的に訪れて経過観察兼健康診断を行っており、その辺は孤仁と五条擬きも必要だと思って割りきっています。
訓練では呪力を使っての体術がメイン、弦十郎や奏、翼といい汗を流しているそうです。
奏が知ってること→孤仁の生い立ち(擬きと弦十郎から)と力について(孤仁から)知っています。
呪術とかの細かいことはあまり分からないけど、シンフォギアとは違う強大な力というのは理解したそうです。