歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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まずは導入から、ゆったりいきましょう!


GX篇
再起の「目覚め」


目が覚めて起き上がる

 

そして見えたのは真っ蒼な空と海

 

ここはどこだろう

 

自分は・・・なにをしていたんだっけ?

 

『そろ、そろ、起き、よう』

 

!、背後から声をかけられて振り向こうとしたが

 

『見な、くて、いい』

 

目元を手で抑えられた、一瞬見えたのは白い綺麗な髪

 

『皆、待ってる』

 

皆?

 

『そう、君の、家族』

 

家族・・・!

 

『俺の、ことは、忘れて、けど、君が、力を、必要と、するなら・・・』

 

そこで声は途切れ、目を隠していた手が離れた

 

開かれた視界に広がったのは白い蛍光灯の光

 

これは目覚めた時の話

 

・・・

 

マリア・カデンツヴァナ・イヴを筆頭にFISから脱退した武装集団「フィーネ」が引き起こした「フロンティア事変」から数ヵ月が経った

 

フィーネの構成員であるマリア・カデンツヴァナ・イヴ、暁切歌、月読調、ナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤ、ウェル博士は米国政府により一時死刑宣告まで決定されていた。

 

しかし日本政府の介入により罪状そのものが有耶無耶になり、現在は拘束されているものの国連指導の特別保護観察下に入っている

 

その後マリアは国連のエージェントとして歌姫の活動を続け、切歌と調は健全な教育のために日本政府の監視下にあるリディアンに入学、ナスターシャは病に侵されているがその豊富な聖遺物の知識を活かした立場を与えられることとなる少し前に話は遡る

 

ウェルによりナスターシャを閉じ込めて打ち上げられたフロンティアの一区画はとある人物により無人の状態で宇宙を漂っていた

 

それによる衛生への衝突や落下の恐れ、そしてなにより今後の研究の為に異端技術が含まれるその部分を回収することとなった

 

しかしその最中、回収を行っていたシャトルが制御不能になってしまう

 

そしてそのシャトルに向かって発射されたミサイル・・・そのミサイルに待機していたシンフォギア装者、立花響、風鳴翼、雪音クリスの三人が対応

 

途中あった山脈の標高を世界3位に変更するなどのアクシデントこそあったが時間的被害は限りなく0となり事態は集束した

 

そし特異災害対策機動部二課、後に超常災害対策機動部・・・通称SONGと呼ばれる機関に再編成される機関が保有する潜水艇の一画で

 

「はぁー・・・すっげぇなこれ、映画かよ」

 

ベッドに寝転び菓子をつまみながらその映像を見ている少年がいた

 

そして、そのベッド周りは激しく散らかっていたがあり得ない数の本と高度な参考書がいくつも積み重なっていた

 

・・・スペースシャトルの事件から一ヶ月が経ち、四月に入った頃だった

 

「失礼しまーす」コソコソ

 

SONGのオペレーションルームにひっそりと入ってきた少年、名を・・・

 

「鳴届幸詞入りま~す」コソコソ

 

と名乗った

 

「・・・」キョロキョロ

 

そしてそのままひっそりと部屋に入り、二つの黒い瞳を揺らして、オペレーションルームを見回す

 

「あら幸詞君じゃない、誰か探してる?」

 

友里あおいがコーヒーを手にしながら問いかける

 

それに対してその黒い髪を掻きながら幸詞が答える

 

「あ、あおいさん。ほらシンフォギア装者がいないかの確認ッス。俺の存在って秘匿されてて一部の人にはまだ言えないから」

 

幸詞の存在は現在秘匿とされており、知っている人物は限られている

 

知っている人物はシンフォギア装者を除いたSONGのメンバー

 

そして家族であるマリア、切歌、調はまだ知らないが、ナスターシャは知っている・・・といった状況である

 

「心配しなくても、装者の殆どは学生だし、翼さんも今は世界各地で活動中だから日中はここにはこないよ」

 

モニターに向かってなにかを打ち込んでいた藤尭が答える

 

「ふーん、皆忙しいってことか」

 

「幸詞君もね、今日の課題はもう終わったのかしら?」

 

ベッドの周りに散在していた参考書、それこそが課題である

 

「終わったッス、今日は約束の日ですし」

 

「そうね、やっと会えるものね」

 

「はい、楽しみで昨日はろくに寝られなかったくらいなんすよ」

 

「なら眠気覚ましにあったかいものどうぞ」

 

「あったかいものどうも」

 

課題を急いで終わらせたのには訳がある、その訳とは・・・

 

・・・

 

そうして国連の目が届いている病院の一室に幸詞はやってきた

 

その部屋の前には銃を所持した警備員が待機していた

 

「すんませーん、許可証いただいてる鳴届幸詞でーす」

 

幸詞はその警備員に怯むことなく、幸詞は花束を持つ手とは反対の手に持った許可証を提示する

 

「面会時間は15分だ、こちらが声をかけたら出てもらう」

 

「はいはーい♪」

 

そして開かれたドア、進む

 

幸詞が挨拶をする前に・・・

 

「来てくれたのですね」

 

大切な人が声をかけてくれた

 

「!・・・うん」

 

「久しぶりです・・・幸詞」

 

「本当、久しぶり・・・マム」

 

大切なお母さんにようやく会えた

 

・・・

 

本当なら泣いて、抱き合って・・・としたいところだが時間が勿体無い、花をいけてから椅子に座って話す

 

話題は最近のこと

 

「貴方はつい数ヵ月前に目覚めたと聞きました」

 

「うん」

 

「自分のことはどこまで覚えていますか?」

 

「FISに拐われてマム達と出会って・・・なんかの聖遺物の実験に付き合わされて・・・人体実験受けたとこまでは覚えてる」

 

「・・・そうですか」

 

「でも、そっからの記憶がないんだ。

 

けど弦十朗さんからマム達が助けてくれたって聞いたよ。昏睡状態で見つかった俺を助けてくれたって聞いた

 

それから今は俺と同じレセプターチルドレンの子ども達も保護されてるって聞いたよ。」

 

「そうですか・・・」

 

もちろん嘘である・・・が現にレセプターチルドレンの子ども達が保護されていることは本当のこと

 

「(嘘のなかに少量の真実を溶かし混むことで信憑性を作り上げたというところですか・・・)そう、その通りです」

 

ナスターシャもその嘘に気づいているが、監視されている今幸詞に真実を伝えることはできない 

 

幸詞の命を繋いでくれた『彼』のことを幸詞は知らないのだ

 

本当なら伝えるべきであり、伝えたいことだが・・・今はまだ時期尚早だ

 

「助けてくれてありがとうマム

 

けど落下するかもしれない月の欠片を何とかするためにマム達が悪者になったって聞いた時はビックリした」

 

「えぇ、無理はありません。結果このような形となりましたが、皆生きています」

 

「うん、本当によかった・・・けどセレナ姉さんは実験で亡くなったって聞いたんだ・・・それって本当なの?」

 

「!・・・えぇ」

 

「でも弦十朗さんはセレナ姉さんはマムやマリア姉さんを守るために死んだって言ってた」

 

「そう、セレナはあの場にいた人間を守るためにその命を燃やしました」

 

「やっぱりセレナ姉さんはすごいな・・けど泣かないよ、セレナ姉さんはそんなの望んでないだろ?」

 

「そうですね、故人が望むのは残っている命の幸せです。貴方も胸を張って生きなさい」

 

「うん!・・・それでさもうすぐマリア姉さん達にも会えるって聞いてる?」

 

「もちろんですよ。あの子達も暫くは保護観察となりますがもう拘束はされず、マリアはアイドルとして、そして切歌と調は学校に通うそうですね」

 

「うん!そしたらマリア姉さん達にも会えるようになるって!」

 

「えぇ、楽しみです・・・ゴホゴホッ」

 

「!、マム!?」

 

「ゴホッ、すみません、少し気分が」

 

「しんどくない?横になって」

 

「ありがとう・・・貴方が来てくれたので少し興奮してしまったようです」

 

確かにそれもあるだろうが、なによりもうナスターシャは長くない。「彼」による治療も今行っている治療も延命措置でしかないのだ 

 

だから残された時間は大切な子ども達のために使いたいと願っている

 

本当ならこんな咳き込む時間ももったいないが・・・

 

「ならこれから慣れないとね」

 

「?それは何故?」

 

「これから俺は何度も来るよ。それからマリア姉さんと切歌と調とも来るからさ、いちいち興奮することがないくらいに当たり前に来るよ・・・だから、慣れてね」

 

「!!、そうですね。楽しみにしてます」

 

それから他愛ない話をしていると時間が来てしまった

 

残り少ない時間かもしれないから・・・これから暇を見つけたら来ようと、幸詞は決めたのだった

 

・・・

 

「さーて、今日もお仕事お仕事~♪」

 

ナスターシャとの面会から翌日のSONGの潜水艇の研究室、モニターに向かってカタカタと情報を打っていくのは白衣を着た幸詞

 

「これは違うな、ならここをこうして」

 

モニターに映るのは沢山の聖遺物の情報

 

今の幸詞は年相応の学問を身に付けると共に副業のとして聖遺物の研究員として働いている

 

何故そういった知識があるのかというと、幼少の頃からナスターシャに教えてもらっており正に母親譲りの知識と技術を持っているのだ

 

そのため幸詞の白衣には「SONG聖遺物研究員 鳴届幸詞」というネームプレートがついている

 

ここに就職するための戸籍やらなんやらはどうしたんですか?と弦十朗に聞くと八紘という人がなんやかんやしてくれたらしい、今度会ったらお礼を言おうと思っている

 

そうして今日も今日とて研究に打ち込む・・・と思いきや

 

「鳴届君」 

 

研究室に来客が来た、来たのは弦十朗

 

「!、弦十朗さんじゃないですか、どうしたんです?」

 

「以前言っていた君の住居が決まったのでな、鍵と住所を伝えに来た」

 

「!、本当ッスか!?」

 

「あぁ全部が全部理想どおりとはいかなかったが君も満足する物件だ」

 

「やったー!もうあの病室のベッドで寝なくていいってことですよね!!」

 

「あぁ高級羽毛布団を用意済みだ。更に必要になりそうな家電やらなんやらは一通り揃えさせてもらった」

 

「面倒な準備もないっ!これはのんびりできそう~!」

 

「ただその・・・ひとつ問題があってな」

 

「問題?まさかいわく付きとかじゃ・・・」

 

「いや、ウチにいる専門家にそれは見てもらったからそれはない。ただその・・・」

 

・・・

 

ところかわり、リディアン音楽学院

 

本日は入学式と始業式となっており、暁切歌と月読調はめでたく入学した

 

はじめての学校に若干戸惑ったが、先輩であるクリス、響、未来に暖かく迎えられ・・・無事に過ごすことができた

 

そして放課後、初めての寄り道や買い食いといった経験を経て、自分達の新たな家に帰ってきた

 

「調~新しいお家楽しみデスね!」

 

「うん、弦十朗さんが色々揃えておいてくれたって言ってたし、面倒な引っ越し作業もないもんね」

 

「元々アタシ達の手持ちのものも少なかったデスしね。でも今日から定期的なシャワー生活やムショの臭い飯から卒業!毎日お風呂に入れて、調のおさんどんが食べられるデス!!」

 

「ふふっ、じゃあ今日は定番の引っ越しそばにしよっか」

 

「賛成デース!!」

 

そうしてそばを買ってたどり着いたマンションの一室

 

「なんかずっと一緒にいるけど・・・こうして一緒に同じ家に帰るのってなんかいいデス」

 

「だね、じゃあ一緒にただいまって言おうか」

 

「それいい!じゃあ早速!!」

 

ガチャリ、ドアを開いて・・・

 

「「ただいま/デース!」」

 

自動点灯で明かりが灯いた・・・と思いきや

 

「おかえりー」

 

「「!?」」

 

誰もいないはずの部屋からただいまの返事が帰ってきた

 

バタンっ、慌てて飛び出してドアを閉めた

 

「い、今のは一体?」

 

「まさか人がいる家に住み着く座敷わらしじゃ」

 

「まだここに住んで一日も経ってないデスよ!?」

 

「だったらその、ここはいわゆるいわく付きの物件なんじゃ・・・」

 

「それは専門家が見てくれたからないデスよ!!ま、まさか泥棒?」

 

「SEC◯Mしてないのかな・・・どうする?刻む?」

 

チャキと、胸元からギアペンダントを取り出す調

 

「ま、待つデス!それをやったら本当に今日からここがいわく付きになる!!」

 

「ならどうしよう切ちゃん・・・」

 

「こ、ここはアタシが行く・・・調は待機して、なにかあったら誰か頼りになる人に連絡をしてほしいデス」

 

「頼りになる人・・・マリア?」

「今遠い海の向こうにいるんじゃどうしようもないデス」

 

「ならマム」

「無理させるわけにはいかないデス!!」

 

「分かった、弦十朗さんにかけよう」

「!、それなら一瞬で来てくれるし腕っぷしに期待できるデスよ!」

「なら携帯は準備しておくからこっそり行ってきて」

「わ、分かった!!」

 

ガチャッ、もう一度玄関ドアを開けて廊下を進む

 

物音をたてず、こっそりこっそりと・・・そしてリビングのドア前にたどり着いた

 

『はいっ!!アルトじゃー・・・ないとぉ!!』

「あっはっはっ!!」

 

聞こえるのはテレビの音と笑い声

 

「(く、くそう、家主より先に楽しみやがってるデス。こうなったらアタシの手で成敗してやる!)調は・・・よし」

 

玄関口に立っている調は携帯を構えていつでも準備完了のようだ

 

「(こういうのはとにかく勢い、いざとなったらマム直伝のキックで股を蹴りあげてやるデス!!)」

 

気合いは十分!リビングのドアに手を掛けて・・・開く!!

 

「こ、コラァ!!こちとら入居初日なんデス!なのにいきなり泥棒とかふざける「んあ?あ、切歌、久しぶりー」!!」

 

勢いよく入った切歌だったが、ソファに寝転びながらこちらに声かけてきた人物の驚きによりその勢いは一気に削がれた

 

「あれ?調は?」

 

そうして近づいてくる声の主・・・そうだ、とにかく調を呼ばなくては!一人では処理しきれない!!

 

「し、しら、調!」

 

「な、なに切ちゃん!?通報する!?」

 

「そ、そうじゃなくてこっちに「あ、そこにいるの?」あっ」

 

そうしてリビングのドアについた声の主・・・切歌より身長が高いため切歌を間にしても顔がしっかりと見えた

 

「!、貴方一体だ・・・れ・・・!!?」

 

一瞬分からなかったが顔を見た瞬間にはっきりした

 

「二人ともおかえり、早速であれだけどご飯どうする?出前頼む?俺今それなりに稼いでるし奢るぜ?」

 

ヘラヘラと笑いながらそう話しかけてくるのは昔よりうんと大きくなった大切な「家族」である・・・

 

「「こ、こーじ!!!」」ガバッ!

 

「!?」

 

ドターン!、飛びかかってきた切歌と調により鳴届幸詞は思い切り倒れたのだった

 

・・・

 

「アムッ、なんか保護観察するならハムッ、アチッ・・・全員一纏めにした方が楽ってことでさ、ムグムグ・・・俺もここに住むことになったってさ、ズルルルッ」

 

まだ新品のピカピカの机の上に並ぶのは引っ越しそばとデリバリーで頼んだピザ

 

ピザと蕎麦を両方味わいながら、ここに至るまでの経緯を話す幸詞

 

「こーじ・・・ピザと蕎麦は食い合わせ悪そうだからどっちかにして」

「いや!?そうじゃないでしょう調!?」

 

「まぁ弦十朗さんも、年端のいかない少年少女がひとつ屋根のしたというのもな・・・って言ってたけど特に問題かなと思って別にいいッスって伝えといた」

 

「そうなんだ」

「そんなあっさり!?」

 

「マリア姉さんも日本いる間は基本ここに帰ってくるってよ」

 

「それは楽しみ!!」

「だから!そんな簡単な話じゃないデス!!なんでこーじがここにいるですか!?」

 

「いや、だから話したじゃん」

「ここに来るまでの経緯じゃなくて!いつ目覚めたんですか!?」

 

あの時動かなくなった弧仁の身体は奏から弦十朗に移り、大切にどこかに運ばれたのは見ていたので覚えている

 

だがどこでどんな処理がされているのかなどを想像すると怖くなったので聞けなかったが・・・

 

「あー・・・なんかさ、俺の存在は秘匿がなんとかでシンフォギア装者以外のSONGの人達とマム以外には所在やらは明かせなかったんだよ。そんで暫くは旧特務二課の目が届く病院に寝かされてたんだってさ」

 

「「!!」」

 

「俺が寝てる間に色々あったんだよな?皆が大変な時に寝ててごめん」

 

「?覚えてないの?」

 

「?、なにを?違法実験の影響か分かんないけど俺数年間昏睡状態だったらしいから皆と別れてから今までの記憶が全くねぇんだよ・・・ってこれは二人も知ってるはずだろ?」

 

「!、ちょ、ちょっとタイムです、調!」

 

調の手を引いて、廊下に退散する切歌

 

「どういうことだと思う?」

 

「・・・推測だけど、こーじには弧仁の記憶がないんだと思う。弦十朗さんは余計な混乱を起こさないためにこーじの存在を皆に秘密にして、こーじ自身にも真実を伝えなかったんだと思うな」

 

「なるほど・・・けどアタシ達あの時確かにこーじに会ったデスよ?」

 

あのフロンティア事変の最終決戦の時に、弧仁の意識が一時消えて、表に幸詞が出てきた時を切歌と調は知っている・・・しかしその記憶が全くないようだ

 

「考えられるとしたらなんらかのショックか、弧仁が消したか」

 

「後者が濃厚デス・・・どうする?伝えちゃう?」

 

「ううんそれはやめておこう。私たちよりよっぽど弧仁のことを知っている弦十朗さんが内緒にしたんだからなにか理由があるんだと思う」

 

「そうデスね」

 

「それから皆には幸詞のことは皆に内緒にしておこう・・・話すにしてもちゃんとそのための準備を揃えてから話そう。けどマリアには早めに伝えておこう」

 

「それがいいデスね・・・よし!そうと決まれば腹ごしらえデス!」

 

弦十朗の想いを汲んで、今はなにも話さずに過ごすことと決めた二人

 

それに・・・皆には申し訳ないけど、またこうしてこーじと過ごせるのが堪らなく幸せだった・・・だからほんの少し家族だけの時間を噛み締めたかった

 

そんなことを考えながらリビングに戻る切歌と調を待ち構えていたのはひどくのびた蕎麦だった

 

・・・

 

それから2ヶ月は平和な日々であった

 

マリアとは電話越しではあるが会話もしているがアイドル活動が忙しいマリアとはなかなか会えなかった

 

幸詞は奇跡的にSONG所属の装者と出会うことはなく・・・研究室で仕事を続け、時々切歌と調は任務に出かけつつも学園生活を楽しむそんな日々

 

最初はどこかぎこちなかった三人の共同生活も次第に慣れ始めてきた

 

最近では平気で部屋を散らかす幸詞を調が怒り、風呂上がり上半身裸でうろうろする幸詞を切歌が怒る・・・そんな光景も見られ始めた

 

そして季節は巡り、切歌と調の制服が夏服に変わったある日のこと

 

「♪~♪~」ギュッギュッ

 

リビングでキャリーバッグに荷物を積めている幸詞、衣服の畳み方が悪く、要らないものが多すぎるので明らかにキャパシティオーバーである

 

「ただいまデス~」

 

「おかえり切歌、調は?」ギュッギュッ

 

「買い物によってから帰るそうデス。それでこーじは何してるデス?」

 

「旅行の準備、暫く留守にするから」ギュムッギュムッ

 

「旅行?」

 

「そ、ちょっとロンドンにね・・・フンッ!」

 

バチンッ!、ようやく鞄がしまった

 

「へ?ロンドン・・・ロンドンってまさか!?」

 

行き先を聞いた切歌が思い出して驚く!

 

「そう!マリア姉さんに会いに行く!!いつまでも待ってても会えないなら俺からいってやるよ!!待ってろロンドン!」

 

飛行機のチケットを握り、幸詞は久々に姉に会うために日本を飛び立つ

 

・・・それが新しい戦いの始まりになることはまだ誰も知らない

 

 

 

 




現在の幸詞について

髪と瞳の色は黒、性格は礼儀正しい弧仁に比べかなり軽い性格であり、これが本来の幸詞の性格であるが、目上の人への最低限の礼儀はマムの教育により身に付いている模様

現在の職業はSONGの聖遺物の研究員、面倒なあれそれは全部八紘さんがやってくれた。そのために必要な知識などは元々ナスターシャの教育+目覚めてからの勉強により身に付いておりその腕は確かなものであり、知能指数はかなり高く、様々な知識にも精通し始めている

研究に没頭する傍らで身体もそれなりに鍛えており、本人いわく戦闘もいけるとのこと

幸詞は弧仁のことを知らない、なので弦十朗により違法研究所に拐われその実験により昏睡状態となり、ナスターシャにより救出されたと伝えられおり、最近になって目覚めたということになっている

ルナアタックやフロンティア事変については知識と知っている程度

このような嘘を弦十朗がついた理由は余計な混乱を避けるためということもあるが何より自身の記憶を消して幸詞の幸せを願った息子・・・弧仁の意思を汲み、このような嘘をついた

弦十朗の認める周囲の限られた人物以外に真実は明かされておらず、現状知っているのはシンフォギア装者以外のSONGの構成員、ナスターシャ、幸詞の話から推測した切歌と調と二人から知らされたマリアのみ


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