響、未来と一緒に応募したツヴァイウィングのライブチケット
抽選では響と孤仁は見事撃沈・・・でしたが未来が当たりました。
実は元々孤仁は一人で応募するつもりでしたが、それを知った未来が響を誘って、三人でそれぞれ応募しようと言ってくれたのです。
並んで一緒に観れる座席が取れたので、三人はご満悦、ライブの日を楽しみにしていましたが・・・
・・・ライブ当日、会場前
「えぇ!?」
「!?」
ライブ会場で並んでいた響と孤仁・・・そう、未来が来ないので響が電話したのですが・・・
「どうして!?今日のライブ未来と孤仁が誘ったんだよ!?」
「?」
「私よく知らないのに・・・はぁ・・・」ピッ
「?」
「あのね、未来のおばさんが怪我したから今から行かなくちゃいけないんだって・・・」
「!」
「うん、今日は来れないって・・・はぁ、私呪われてるかも」
『おぉっと、それはないね。六眼にはなにも映ってないし』
「・・・」ポンポン
「孤仁?」
「!!」グッ!
「絶対に今日のライブでツヴァイウィングのファンになるって?すごい自信・・・ってそういえば孤仁ってなんでファンになったの?」
「・・・」ウーン・・・カキカキ
【気がつけばなってたんだ】
「へぇー、でも折角当たったんだし今日は楽しむよ!」
「!」オー!
「そういえば物販並ばないの?」
「!」シャキーン
「わぁペンライトいっぱい・・・事前販売で買ったんだね」
・・・ステージ内
「わぁ!すごい!」
「!!」
広い会場内、既にたくさんの人がいる。電気もまだ点いてないのに、今からワクワクする
「孤仁!席はこっちだよ!」
響に手を引かれ、席に着く。ステージ中央より遠い席だったが・・・
♪~♪~♪~
前奏が始まるとそんなことを気にならなかった。
響と一緒にペンライトを振って盛り上がる。
サビに入ると同時にステージの屋根が開き、夕日をバックに歌う奏と翼はすごく楽しそうに見える。
「ドキドキして目が離せない!すごいよ!これがライブなんだね!孤仁!」
「!!」ウンウンッ!
『まだまだ行くぞ~!!』
一番最初の曲が終わり、ステージで観客を盛り上げる奏、そうして次の前奏が始まったと同時に・・・
ドォォォォォン!!!!
「えぇ!!?何っ!?」
「!!」
会場の真ん中で爆発が起こった・・・そして
「っ!あれってノイズっ!?」
「!!?」ドクンッ
特異指定災害・・・ノイズがライブ会場に現れた。
形容しがたいヒトガタをしたそれが観客に襲いかかる。
ノイズに触れてしまった人たちは炭化し、崩れていく。
目に映るのは逃げ惑う人々と消えていく命
耳に聞こえる悲鳴・・・まさに地獄といえる環境
「っ!早く逃げよう!!・・・孤仁!?」
とにかく避難しなくてはと孤仁の手を引く響・・・だが、
ドクンッ・・・
「っ!」ハァッハァッ
今まで映像で見ていたようなノイズではなく、実際のノイズが視界に入ると同時に、鼓動が高鳴り、息が辛くなり、膝をつき、立てなくなってしまった孤仁
頭が割れるように痛む、五条悟の目隠しを着けた時のようだ・・・けどこの痛みはそれとは違う
頭の中の奥底に入れておいた記憶が無理矢理表に出ようとしている感じで
ドクンッドクンッ、ズキンズキン
「うぅ・・・あぁぁ・・・」
なにもかもが苦しく、
「え!?孤仁今声が・・・」
『このままはまずい!変わる!・・・!?』
明らかに異常な状態の孤仁を救うため、五条擬きが体の支配権を奪おうとしたが、変わらない・・・否変われない
『(今までは孤仁の意識がない状態で変わってた・・・けど孤仁と僕が変わるのに特に制限はなかったはず、ってことは)孤仁、君は・・・』
「うぁ、ぁ・・・」
『思い出そうとしているのか・・・自分の記憶を』
どれだけ訓練しても、どれだけ病院に行っても出なかった声が出て、炭化する人が、聞こえる悲鳴が、孤仁の記憶を呼び覚まそうとした・・・その時
「孤仁、どうしよう・・・!、あれは・・・」
♪~♪~♪~
歌が聴こえた
それはよく知っている歌声だった
「?」
視線を上げる、そこには
「♪~♪~!」
歌を歌いながら闘う奏がいた。向こうには翼の姿も見える。
こちらには気づいていないけど、助けに来てくれた。
・・・そうだ、こんなことをしている場合ではない、逃げなければ
「か、な・・・ゴホッ」
「孤仁!!え!?うわぁぁぁ!!?」
奏を呼ぼうとした時、孤仁と響がいた場所が崩れ、倒れる。
幸い瓦礫に巻き込まれることなく、落下・・・しかし
「っ!」
「ひ、びき・・・」
着地が悪かった、響は足を痛めて、孤仁は頭から血を流している。
「!!!!?~!」
そこに迫るノイズ
「っ!孤仁!」
倒れる孤仁を庇うように響が覆い被さる
「っ!・・・!孤仁!!なろぉっ!!」
響と孤仁に気づいた奏が迫るノイズを凪ぎ払う。
「っ!そいつ連れて駆け出せ!」
「っ!!孤仁、しっかりして!!」
二人が逃げきれるように、槍を回して攻撃を防ぐ奏
痛む足を引き摺りながらも孤仁に肩を貸し、逃げようとする響
「奏!」
遠くから翼の声が聞こえる、なんとかこちらの援護に向かおうとしているようだ。
「うぐぅ!?・・・うぁぁぁぁ!!!」
「奏ぇ!!」
パキッ!バキィッ!・・・キィィィンッ!!
激しくなる攻撃に奏の纏っていたシンフォギア・・・ガングニールがひび割れ、散らばり、そして・・・
ドスッ!!!
「えっ?」
「なっ!?」
「!!?」
ドンッ!・・・ドスンッ!・・・
飛び散った破片が響の胸に突き刺さった、そのまま弾き飛ばされて、瓦礫にぶつかり、倒れる。
バシャァ・・・広がる血の海、その出所は響
「あっ、あぁぁぁ!!!!」
『っ!落ち着けっ!とにかく傷口を抑えろ!!』
孤仁が駆け寄り、擬きの言う通りの傷口を抑えるが血は以前溢れてこのままでは命が危ないのは明らか
「おいっ!しっかりしろっ!目を開けてくれ!!」
奏も駆けつけてくれたが、目を覚まさない
「なにしてんだ!お前も呼び掛けろ!!」
「!、ひびき、ひびき!!」
諦めずに、何度も何度も呼び掛ける・・・
「生きるのを諦めるな!!!」
「!!、あぁぁぁぁ!!!」
傷を抑え、血に染まった孤仁の右手が青く光る。
「!、孤仁!?」
「うあぁぁぁぁ!!!!」
『!?これは!!』
失いたくない、失くしたくない、その一心が奇跡が起こす。
「ハァッハァッ・・・ゲホッ」
「?・・・」パチ
うっすらと響が目を覚ました。それを見た奏は視線を響の胸元に移す。
「!、傷が塞がってる!?」
傷痕こそ残っているが、傷はもうない
『硝子と同じタイプの反転術式・・・これは五条悟の力じゃない、ってことは・・・』
「ハァッハァッ・・・?」
なにが起こったのか分からず、ただ自分の手を見つめるがなにも分からない
「もう、大丈夫みたいだな・・・孤仁」
「?」
「この子のことしっかり守るんだ、男だろ?」
「?」コクッ
響を孤仁に託し、ノイズの大群に目を向ける。
「・・・ありがとうな、孤仁」
「?・・・!!」
槍を拾い、天に掲げる。
優しい光と・・・とても優しく力強い歌声が聴こえる。
その歌は・・・
「歌が・・・聴こえる?」
「!、ひびき?」
目を覚ました響に目を向けたが、またすぐに視線を奏に戻した。
「だめ!奏!歌ってはだめ!!」
「そうさ、命を燃やす最期の歌さ・・・♪~♪~」
奏を止める翼の声・・・だけど奏は歌い続ける。
なんの言葉か分からないが、力を持った歌声が響くと同時に
ズズズズ・・・ノイズの大群が崩れていった。
孤仁には歌う奏の背中しか見えない・・・だけどこのままじゃいけないのが分かる、分かってしまった
このままでは今度は奏が、いなくなってしまう。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!
もう・・・何一つして!!!失ってたまるものか!!!
痛む体、軋む骨、掠れる喉、その全てを投げ捨てでも・・・守りたい!!
「せん、せいっ!」
『・・・なんだい?』
響を優しく寝かせて、自身の中にいるもうひとつの魂に声をかける。
「どうなっ、てもいい!」
『・・・分かった』
だから・・・力を!!!
「っ!!ぐぁぁぁぁぁ!!!!」
頭を駆け巡る激痛、頭に刻まれる多量の情報
「あぁぁぁぁ!!!!」
『術式は以前刻んだ、だけどその使い方はまだ刻んでいなかった、今回はそれを刻むよ』
痛みに耐えて、立ち上がる。
急げ急げ、手を伸ばせ、まだ間に合う
もう奇跡の時間は終わりだ、ここからは
『ここからは君の時間だ、存分にその力を使うといい』
「・・・」
白くなった髪、まだ片目だけの六眼、右手と左手を前に出して構える
やり方は分かる、原理も分かる
マイナスの感情を捻出する。後の事など考えるな
過去のトラウマ、ノイズへの怒り、友を家族を守れない自分への憤り、全てを捻り出せ
そしてそれを呪力に変えて・・・
ズォォォォンッ!!
体を包むように、呪力が噴き出した。
「♪~・・・!?こ、うじ?」
異質なオーラに気付いたのか、歌っていた奏が歌を中断して、こちらを見る
血を吐くその姿を見て、更に・・・
ズンッ!!
身体中から湧き出る呪力、そして
「術式、順転」
呪力が青い球体を作り出した。
『一つ注意、今ガン無視してる呪力のコントロール、それを怠ると君は守りたいものを間違いなく失う、さぁどうする?』
「・・・」
『そう、収束するものはなにか、しっかりと選ぶんだ』
奏の歌は止まった、倒れてしまったが翼が寄り添っている。
ひとまず心配はいらない・・・今は目の前のノイズに目を向け・・・そして
「"蒼"」
ズァァァァァ!!!!
作り出した蒼を、ノイズの大群に向かわせる。
グシャッバキッ!!!!
それと同時に蒼に向かってノイズと周辺の瓦礫が収束されて、押し潰していく。
『ノイズは存在を異なる世界を跨ぐことでこちらへのエネルギー減衰、無効化させるだったっけ?
呪力そのものがノイズと同じく異世界のものだから、そもそも減衰、無効化するエネルギーの対象にならない
そして、無下限術式、蒼は術式により空間に生まれた虚構を収束する力・・・この空間に存在してる以上、無関係な顔なんてできないからな』
ズォォォォン!!!!・・・サァァァ・・・
押し潰した瓦礫の山が落ちる。
瓦礫と共に潰されたノイズが炭に変わり、空に散っていく・・・もうノイズはいない
「かなで、さん!」
完全にいなくなったのを確認してから、奏の方に目を向ける。
「おう、孤仁・・・」
翼に抱えられている奏、その目は虚ろだった。
「かなでさん・・・」
「お前、そんな声、だったんだな。最後に聞けてよかっ、ゲホッ!」
「奏、もうしゃべらないで!指令!櫻井女史!誰でもいいから早くっ!「もういいよ翼」奏・・・」
「腹の底から思いっきり歌った。それから、弟分の立派な姿も見れた・・・もう満足だよ。」
「奏!」
「かなでさん!」
手を伸ばして、翼と孤仁の頬に触れる奏
「二人とも仲良くな、なんて・・・言わなくても大丈夫か
そうだなぁ、二人は、笑って泣いて・・・たくさん生きろよ。アタシがいないからって生きるの諦めたりしたらゆるさな・・・い・・・」
パタンッ・・・最後を言いきると共に伸ばしていた手が落ちた・・・そして
キィィィン・・・・・・
奏の体が光る、それは消失のサイン・・・そんなもの
「させ、ない!!」
「!?孤仁!?」
先程響に行ったように、奏に手をかざす。
あの時よことは咄嗟のことで覚えてない・・・だけど
奏を救いたい、その一心だけに集中する。
ポワッ・・・
「これは・・・?」
『二回目、これはもうまぐれじゃない・・・だけど』
蒼の時とは違う呪力の感覚、優しい光を奏に翳す・・・しかし
「!?」
『体を治すとは訳が違う・・・これはもう・・・』
奏の消失は止まらない、擬きすらも諦めるこの状況・・・だけど
「嫌だ、絶対に・・・させない!!」
とにかく呪力を注ぎ込む。
どこかにいってしまわないように、
この場に繋ぎ止めるために、
これからも一緒にいるために、
『やめろ孤仁!!それは違う!!』
擬きの制止が聞こえるが、もう止まらない
消失が止まるまで孤仁は呪力を注ぎ続け・・・遂に
「ハァッハァッ・・・ッ!!!」
バタンッ!
「孤仁!!!」
奏の光が治まると同時に、孤仁の意識が途絶えた。
詳細な設定
呪術がノイズに通用した理由→ノイズに異なる世界を跨がらせることで通常物理法則下のエネルギーを減衰~無効化するのがノイズの特徴
つまり減衰~無効化できるのは『通常』のエネルギーのみ
人の負の感情から捻出される通常とは異なるエネルギーである『呪力』をノイズは無効化できません。
そもそも空間に存在している時点で無下限術式の範囲内、エネルギーとは無関係に、収束する力の蒼が有効だった。
・・・という設定でした。とりあえず呪力は有効という認識でツッコミはなしでお願いします。あまり難しいこと言われたら頭がパンクするので・・・
五条擬きはなぜノイズのことを知ってた?→弦十郎経由で櫻井了子の論文や様々な資料に目を通していたから、時間帯は孤仁が睡眠時に見ていました。
なぜ五条擬きは変われなかったのか?→今までは孤仁の意識がない状態での支配権の変更しか行っていなかったが、その際に抵抗もなく、擬きと孤仁の間で特に縛りを結んだりもしていなかったので可能のはずだった。
しかし今回はノイズを見て過去の記憶が蘇りそうな孤仁
が無意識に変更を拒否し、支配権を渡さなかったため変更できませんでした。
これについては孤仁自身の呪力の力が強くなってきていたためだと、擬きは語っています。
反転術式→マイナスの力の呪力を自身の中で掛け合わせてプラスの力に変換し、体を活性化させる力で今回孤仁が覚醒した力
五条悟は自身への反転術式は可能でしたが、他者への使用はできません。なので、今回の反転術式は孤仁自身の力であること、が確認できます。