歌を奏でる装者と無限を操りし少年   作:アユムーン

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今回は箸休め回

海に行く前に必要なものを揃えて、鍛えて、仲良くなりましょう♪


束の間の「日常」

「・・・」パチ

 

カースが目を覚ます・・・否再起動した

 

身体は五体満足、ヒビを入れられたダインスレイフの欠片も修復されたようだ

 

「生きていたか」

 

「死にかけてましたけどね~」

 

「!ガリィ」

 

周辺を把握しているところにガリィがいるのを確認

 

「ガリィが治してくれたのか?」

 

「大体の部分はガリィちゃん達、コアの部分はミカ、あの大雑把がそんな精密に修復できるとは思わなかったけど」

 

「ありがとう・・・マスターは?」

 

「言うまでなく計画通りに灰になった」

 

「・・・そうか」

 

「なぁに悲しんでるんだか、知ってたことでしょ?」

 

「そうだな、けどやはり・・・寂しいな」

 

「寂しい?アンタに感情は「ある」!」

 

「あるに決まっている」

 

涙は流れない、だけど胸のコアの部分が掴まれたかのように苦しい

 

「あるに決まってる・・・そうでないとこの苦しみの理由が思い付かないんだ」

 

「・・・あっそ」

 

力強くそう答えたカースに一瞬あっけにとられたが、至極どうでもいいと思い返してそっけなく返した

 

「?、ガリィ、その腕は?」

 

「あ?・・・!、別になんてことない」

 

カースが見つけたのは半端に治したのが原因かヒビの入った腕、よく見れば服もボロボロだ

 

「もしかして、私の修復を急ぐために?」

 

「!、違ぇわ!!他にも修復しなきゃいけないやつがわんさかいるからだよ!」

 

「ふふっ、照れることはないぞ」

 

「ったく、とにかく治ったなら暫くは動くな「貸してくれ」は?」

 

そう言うや否やガリィの手を取った

 

「なにを「いいから」?・・・!!」

 

握られた手からよく分からない力が流れたと思えば、腕に入っていたヒビがなくなっていた

 

「お前は錬金術は使えないはずじゃ」

 

「錬金術じゃない、呪術だ。とはいっても真似事だが」

 

「そうか、お前は・・・」

 

「まだ完璧に使いこなせる訳じゃないが・・・必ず」

 

そう言うカースの瞳の片方は薄ら蒼く光っていた・・・

 

・・・

 

ところかわり幸詞サイドでは、弦十郎の言う特訓、それは近々行われるナスターシャが宇宙に放り出された際に乗っていたシャトルに残されていたデータの受け渡し任務の説明を受けていた

 

既にナスターシャよりそのデータの詳細は共有されており、それを加味した上で機密性の高いデータと判断されたためにSONGが動くこととなった

 

とはいえ、その研究データの受け渡しの場に参加するのは緒川と藤尭が行くのでその間幸詞達は政府御用達のビーチで特訓することとなった

 

特訓と言いつつも実質はバカンス、早速いこう!とはしゃぐ切歌、響でしたが冷静組(調、未来、幸詞)が天気予報を検索すると、近日中にも台風が直撃するため出発は台風が過ぎ去ってからということとなりました。

 

翌日雨風が若干気になる天候となりましたが、幸詞は調と切歌、そしてエルフナインに誘われて水着を見に行くことに

 

「調~!これなんてどうデスか?」

 

「うん、可愛いね」

 

「は、はわわ!ぼ、ボクはもっと普通ので大丈夫です!」

 

エルフナインを更衣室に押し込み、着せ替え人形にする切歌と調

 

「本当に女ってのは買い物が長いんだな」

 

先に自分のを購入した幸詞はベンチに座り、その光景を眺めていました

 

別に待つことに文句はありませんが、エルフナインは無性だからどっちの水着着るんだろう・・・などと下らないことを考えていると

 

「ほらほらこーじ!どうデス!」

 

「ん?んー・・・」

 

切歌に手を引かれるまま、エルフナインの水着を見る

 

上下に分かれた白にピンクのライン取りがされた水着

 

もちろん似合っているので、ここは素直に

 

「似合ってるね、可愛い」

 

誉め言葉を送る

 

「!!」

 

「けどその綺麗な肌が日焼けしたらもったいないからラッシュガードとか薄手のパーカーも買おうか」

 

「は、はい!」

 

対応としては100点であろう対応に切歌と調は・・・

 

「アタシ達と態度が違う・・・」

 

「けどセレナと話してる時はいつもあんな感じだったデスよ」

 

「マムの教育の賜物だね」

 

女の子には優しくしなさいというナスターシャの教えを守る幸詞は次は二人の方を向いて

 

「そういえば二人は?水着決めたの?」

 

幸詞がそう聞きました

 

「あ、私達も決めないとデス!」

 

「そうだね、選ぼう」

 

「んーならこれとこれがいいんじゃない?」

 

そういって手に取った二つの水着

 

切歌と調、二人のイメージに合いつつもちろん可愛いそんな水着を選んだのだ

 

「!可愛い・・・」

 

「調はやっぱこの色かなと思って、それからこの胸の部分がいい具合に胸隠しに「刻むよ?」冗談ですごめんなさい」

 

「あ、あはは・・・けどホントに私にぴったりデス!あれ?なんでサイズまで?」

 

「パッと見で大体・・・!、気持ち悪かったな、ごめん」

 

五感が優れる幸詞、視覚はただ遠くまで見えるだけでなくパッと見ただけで大体のサイズが分かってしまう

 

しかしそれでも少し無神経だったかもしれないと流石に反省し、謝罪した

 

この間精神の図太さを再確認したばかりではあったがこういった面をちゃんと反省できることに驚く

 

だけど似合うと思って選んでくれたことは嬉しかったので

 

「!、気にしなくていいデス!それより折角選んでくれたんだから試着してくるデス!」

 

そういって試着室に向かいすぐに出てきた

 

「ど、どうデスか?」ドキドキ

 

緑と黒のビキニタイプの水着

 

いくら幼き頃からの付き合いとはいえ幸詞にこのような格好を見せるのは少し照れくさかったが・・・

 

「うん、よく似合ってる」

 

幸詞はそんなことを感じさせず、真っ直ぐに答えた

 

「!、そ、そうデスか!?そ、それならこれにしようかな・・・」

 

こうも真っ直ぐ褒められると照れてしまう、少しだけ顔を赤らめながら試着室のカーテンを閉めた

 

そんな二人を見て、調とエルフナインは・・・

 

「私達完全に蚊帳の外だね」

「でも切歌さん嬉しそうでしたね」

「うん、切ちゃんはあれでいてストレートに褒められたら照れるから」

「昔からあのお二人はあんな感じだったのですか?」

「うーん、昔はこーじと切ちゃんではしゃいで怪我して泣いてって、本当に似た者同士だったかな。けど再会してからは色々と変わったみたい。切ちゃんは結構意識してるのかな?」

 

などと話していると・・・

 

「調は?試着しないの?」

 

「私は別になんでもいいからこーじの選んだのでいいかな」

 

「そうか・・・あのさ」

 

「?なに?」

 

「さっきはあぁ言ったけど、ちゃんと調に似合うと思って選んだから」

 

「!」

 

冗談目かしてしまったことは取消せないけど、選んだ水着は調に似合うと心から思った

 

「そんだけ、じゃあカウンターで待ってるわ」

 

それだけはちゃんも伝えたかったのでちゃんと告げ、カウンターに向かう

 

残された二人は・・・

 

「調さんも意識、してますか?」

 

「し、してる・・・かも」

 

真っ直ぐな好意の言葉に思わず熱い両頬を抑える調、店内は冷房が効いているし、そもそも外は曇り空だ・・・だとしたらこの熱さは外からではなく内からの熱

 

だけどそのきっかけがあの幸詞だとは認めたくなくて・・・

 

「わ、私はマリアや切ちゃんみたいにチョロくない!」

 

「!?調!?」

 

試着室で切歌の叫びが響いた・・・で

 

「買っちゃったデース!」

 

「正確には買ってもらった、だよ切ちゃん」

 

「ありがとうございました、幸詞さん。ボクの分まで」

 

「いーのいーの」

 

調達の水着だけでなく、その他諸々のお金は全部幸詞が出した

 

「けど本当に大丈夫?旅行当日にお金ないってならない?」

 

「今までのバイト代あるし、最近戦闘にも参加するようになって手当てもでたし、割りと貯まってるから無問題」

 

それを言ってしまえば年頃の少年少女よりかは遥かに稼いでいる一同ではありますがここは幸詞が男を見せました

 

「エルフナインちゃんは俺がいない間にギアの修繕してくれたし、調はいつもご飯作ってくれるし、切歌はまぁ・・・うん」

 

「!?こーじ!?」

 

「とにかく普段からの礼だよ。俺の働いて稼いだ金だと思って着てくれたまえ」

 

「一気に着づらくなるデスよ」

 

「それを言うのならマリアやマムにもなにかあげないとね」

 

「いや、二人にもプレゼントはしようとしたんだよ」

 

「そうなんですか?」

 

「うん、ただ・・・

 

『その気持ちだけで十分、そのお金は貴方のために使いなさい』

『こ、幸詞からそんな言葉が!?くっ今日という日も記念日よ!祝杯をあげろ!』

 

って言われてあげれなかった」

 

「「あ~・・・」」

 

「愛されているんですね、幸詞さん」

 

「たまに重すぎるけどね」

 

・・・翌日、台風はもうすぐ直撃すると予報が告げた日に

 

「本当にいいんだな?」

 

「はい、お願いします」

 

「まぁなんかあったらアタシらで止めてやるからおもいっきりやってみろよ」  

 

SONG艦艇のトレーニングルームで翼と奏、そして幸詞が向かい合っていた

 

他のメンバーで学生組は学業へ、エルフナイン達はこの光景をモニタリングしていた

 

今から行うのはイグナイトモジュールのデメリットともいえる幸詞へ移ってしまう衝動についての研究、及び耐久訓練だ

 

『計器等の準備は完了しています。いつでもどうぞ』

 

エルフナインの合図で、翼はギアを纏い・・・そして

 

「イグナイトモジュール!抜剣!!」

 

ギアペンダントのトリガーを引き、イグナイトモジュールを起動

 

ペンダントから伸びるダインスレイフの刃が翼の胸に突き刺さる

 

「ッ!」

 

それに苦痛の表情を浮かべた翼・・・そして

 

「グァァァァッ!?」

 

間髪いれずに幸詞も苦しむ

 

『幸詞さんっ!自分を強くもってくださいっ!!』

 

「ぐっ、ガッ、グゥゥゥ・・・アァァ!!」

 

必死に衝動を抑え込もうと足掻くが、身体に影が差していく・・・前に

 

「解除っ!!」

「オラァッ!!」

 

スコーン!

 

翼はギアを解除し、奏は槍を横向きにして幸詞の頭を叩く

 

「ぐえっ」

 

べしゃっと倒れ伏す幸詞

 

「はぁ、はぁ・・・どうだ?」

「もって数秒ってとこだな」

 

起動するだけでもそれなり疲労するイグナイトモジュールにより少し息切れる翼と倒れ伏した幸詞を槍でツンツンと突く奏

 

「いってぇ・・・」

 

叩かれた部分を抑える立ち上がる

 

「嘘つけ、痛覚鈍いくせに」

 

「しかし随分簡単に暴走が解けるのだな」

 

「衝動に完全に飲まれる前だからですよ。それから翼さんもすぐにイグナイトモジュール解除してくれたのも大きいです」

 

「なるほど」

 

「とはいえ、イグナイトのギアを纏う奏者にも暴走の危険性がまだないとはいいきれないんだろ?」

 

『はい、そのための出力のセーフティーや使用制限時間も設けられています』

 

「それに一回使うだけでもそれなりに疲れてるんだろ?ほれ」

 

そう言って翼と幸詞に水を渡す奏

 

「そうだな、しかしこの程度の疲労鳴届に比べればどうということはない」

 

「コイツは丈夫だから大丈夫だ」

 

「それは俺のセリフじゃない?槍のねーちゃん」

 

「アタシは奏だっての、いい加減名前で呼べよ」

 

「んじゃ天羽さん」

 

「そこで名字かよ、別にいいけど」

 

「それでどうする?続けるのか?」

 

「翼さんが嫌でなければ」

 

「案ずるな、鳴届が限界というまで付き合おう」

 

この後めちゃくちゃ訓練している様子をモニタリングルームではその光景を眺めるエルフナインともう一人がいた

 

衝動に苦しむ幸詞を悔しそうに眺めるのは・・・マリアだ

 

「本当にこれで幸詞はあの衝動を乗り越えられるの?」

 

「分かりません。ただ今は衝動を乗り越えるというよりも幸詞さんの強い精神力で堪える訓練を行っています」 

 

マリアの問いに答えるエルフナイン

 

「堪える?」

 

「本来のイグナイトモジュールは融合症例である響さん以外には現れなかったギアの暴走を奏者の理性を確立させながら扱うというものです」

 

「それは以前に聞いたわ」

 

「はい、しかしそのためにはダインスレイフにより心の闇の増加とそれにより引き起こる衝動を乗り越える必要があります

 

ですがその衝動は幸詞さんに流れてしまいます

 

そしてそこから奏者から流れてくる心の闇から生み出され続ける呪力、それにより呪力を制御しきれずに暴走してしまいます」

 

「そうか、あの姿は奏者由来の呪力だったからギアの暴走に酷似していたのか」

 

「ボクもその結論にたどり着きました」

 

「それでそれを堪えるということは可能なの?」

 

「・・・分かりません。だけどこの訓練は幸詞さんの希望なんです」

 

「幸詞が?」

 

「何かしらの策があると思うんですが」

 

「そうね、あの子が無策でなにかを為すとは思えない・・・」

 

「なのでボクは経過を観察しながら打開策を見つけようと思います。それでも一番はダインスレイフと幸詞さんの繋がりを断つことができればいいんですが・・・」

 

「繋がりを断つ、か・・・」

 

訓練を続ける幸詞の姿をモニター越しに見つめるマリア

 

その胸には幸詞が直したギア・・・アガートラームがある

 

今は戦う力がある・・・だとしても

 

「貴方は既に私よりもずっと前で戦ってるのね・・・」

 

大切な弟の苦しみになにもできない、その現実が酷くのし掛かる

 

・・・そして数時間後

 

「あ゛~・・・づがれ゛だ」

 

オペレーションルームのソファで倒れる幸詞の元に

 

「珍しくバテてんじゃねぇか、なにがあったんだよ」

 

クリスがやってきた

 

「あれ?雪音さん?なんでここに?」

 

「今日は特にやることもねーから来たんだよ」

 

「なるほど」 

 

「で?お前はなにしてたんだよ」

 

「数時間に及び日本が誇るトップアーティストの心の闇に浸ってました」

 

「はぁ!?先輩の!?」

 

「そしてもはや我慢比べになったところを天羽さんの『いい加減にしろ』の一言と拳骨により止まりました」

 

「ったく無茶しすぎんなよ」

 

「けどなんか嬉しいんですよね」

 

「はぁ?・・・!、苦しいのが嬉しいとかお前まさかそういう」

 

「違いますよ。ほら俺には奏者の才能はないでしょ?だからこんな形とはいえ皆と繋がってるって実感できて、自分の意思ではないにしろ同じ想いを背負えるのが嬉しいんです・・・!、そうか」

 

「?どうしたんだよ」

 

昔からマリア達とは違うことに少しだけ思う所はあったが、今は違う

 

同じものを背負うことができる

 

それを嬉しく感じると共に気づいた

 

「アイツ・・・カースってやつのことッス。アイツが周りが錬金術士ばっかりで疎外感を感じてたって・・・それって俺も同じなんだって」

 

「ふーん、まぁとにかく無理すんなよ」

 

「分かってますよ。俺の身体じゃないですもんね」

 

意識せずに出してしまった自分のことを意としない発言

 

本心から思ってるわけではないが、思わず出てしまった言葉

 

それに対してクリスは

 

「はぁ・・・お前意外とバカだな」

 

シンプルな罵倒で返した

 

「あ?」

 

「心の闇なんてクソ重たいもん背負うんだ。どうなるかなんて誰にもわかんねぇ、お前だって下手すれば、なんてこともあるんだろ?」

 

「ま、まぁ・・・」

 

「それでお前が倒れたり潰れたりしたら心配するやつがいんだろーが!自分を度外視してんじゃねーよ」

 

「・・・すんません」

 

「あ、いや、アタシも変に説教臭くなって悪い」

 

「けど、ありがとうございます」

 

「は?」

 

「正直最初の頃は俺の家族以外の皆は孤仁のことが心配だから、優しくしてくれてるんだろうなって、思ってました」

 

「ッそれは・・・」

 

「もちろん今はそんなこと思ってないッス。だけど」

 

・・・だけどさっきのクリスの言葉からは

 

「なんか、俺のことを気遣ってくれてるって言うか・・・とにかくなんか、嬉しかったッス」

 

「そ、そうか・・・」

 

アイツ(孤仁)のこともこんな風に叱ってたんですか?」

 

そして話は孤仁のことへ

 

幼き日、パパとママは孤仁を叱ることはなかった

 

叱るよりも大切なことを一つずつ教えていた

 

だけどクリスは違った

 

「・・・孤仁はアタシが叱っても聞かなかったよ」

 

「へ?」

 

「もう戦うな、ここにいろ、二度と離すな、これがアタシがアイツに叱ったこと・・・何一つ守ったことはなかった」

 

「えぇ!?意外と悪いやつですね」

 

「そうだよな、そのくせアタシが怒った時には慌てて謝って、アタシの望み通りにするんだよ」

 

「?どっちなんですか?」

 

「叱ると怒るは違うってことだよ」

 

相手のことを想うから叱ることと

 

自分の怒りをぶつけることは違う

 

だけど、初めは怒っていたクリスが孤仁のことを想って叱った

 

孤仁もクリスを想っていた

 

だから手を差しのべて、

愛の籠ったお弁当を渡して、

そして最後の言葉を送った

 

あの言葉の意味を知るのはまだ早い

 

「だからさ・・・お前はちゃんと守れよ」

 

「?」

 

「お前の大事な家族のことも、自分のことも全部守れ」

 

「!、けど孤仁は」

 

「正直孤仁のこと出されたらなんとも言えねぇ・・・だけど、お前はお前として生きるべきだと思う

 

時間を返したいとか、自分がいるべきじゃないとか、もういい

 

どっちもいなくちゃいけないんだよ」

 

「っ!・・・はい」

 

それを知るのは今の戦いを終わらせて、いつか目の前にいる幸詞が何とかする方法を見つけてからのことだ

 

そんなこと気恥ずかしくて言えやしないし、思っただけで顔が暑くなってきたのでそれを隠すために慌ててそっぽを向いた

 

「あーもう!もうこの話は終わりだ!とっとと帰って映画見て飯食って寝ろ!」

 

「けど今日調と切歌は友だちと飯食ってマリア姉さんはエルフナインちゃんとなんかあるみたいで・・・」

 

「帰って自分で飯作れよ」

 

「一人で飯ってなんか食う気がしなくて・・・それに俺料理やったことないし」

 

「お前は料理上手いと思うけどな」

 

「?そうですか?」

 

「今度やってみろよ。あー・・・じゃあもう一人のバカの所でも行くか?ちょうど誘われてるし」

 

「?もう一人のバカ?」

 

・・・というわけでクリスに連れられてやって来たのは

 

「クリスちゃんいらっしゃ~い♪それから幸詞君も!」

 

「どうも~」

 

「悪い、成り行きでな」

 

クリスが御相伴に預かっていた響と未来の家、そして幸詞はクリスの御相伴に御相伴を預かる形でやってきた(もちろん事前に響と未来に連絡と了承は済んでいる)

 

「そうそう鳴届(なりゆき)ってね」

 

「上手くねぇ。ギャグってのが分かってねぇな」ヤレヤレ

 

「えぇ!?そりゃないッスよ先輩」

 

「はぁ!?誰が先輩だよ!?」

 

「え?だって俺実質切歌と調と同い年だし職場的にもそうなるでしょ?」

 

「そ、そうかもしれねーけど」

 

「それに、満更でもないでしょ?」

 

「ッ!?やっぱバカ!お前もバカ!」

 

「バカって言った方がバカですー」

 

「小学生かよ!?」

 

そんなやり取りをする二人を見て

 

「ぷっ、あははははっ!!」

 

「「?」」

 

笑いだす響、当然二人はきょとんとしている

 

「二人ともすっごく仲良くなったんだね」

 

「!?ま、まぁな」

 

「俺は尊敬してますから!」

 

「そうなんだ!おっと、さ!入って入って!今日はご飯は未来の自信作なんだって!!」

 

「そりゃあ楽しみじゃねーか!」

 

「それじゃあお邪魔しまーす!!」

 

響に続き、リビングに向かう

 

「二人ともいらっしゃい。もう温まるから先に手を洗ってきてね」

 

そして出迎えてくれた未来の指示通りに引き返して洗面所へ

 

きちんと手を洗い、席につく

 

先輩(ツンデレ爆乳)と先輩(元気系巨乳)と先輩(人妻系美乳)に囲まれて晩御飯という大変うらやな今日の献立は・・・

 

「なんだこれ?麻婆豆腐か?」

 

「でも匂いはカレーですよ?」

 

「ふっふっふっ、二人とも正解だよ」

 

出されたご飯に首をかしげるクリスと幸詞、その二人に対してなにやら自信たっぷりに頷く響

 

「お前が作ったんじゃねぇだろ」

 

「それでこれなんていうんですか?」

 

「マーボーカレーだよ。早速食べてみて?」

 

「「「いただきまーす!」」」

 

パクっ!

 

「ん!うまいな!!」

 

「そうそうカレーのスパイシーとマーボーのスパイシーがいい感じに混ざっててご飯に合うんだ~!!」

 

「お好みで山椒かけてみてね・・・?幸詞君?」

 

なにも言わない幸詞に気付き、未来がその顔を見ると・・・

 

「美味しい・・・」ポロッ

 

「「「!?」」」

 

ぽつりとそう呟き、涙を流していた

 

「お、おい!?どうしたんだよ!?」

「泣くほど美味しかったの!?」

 

「ち、違うんです。あれ?なんでだ?」

 

溢れる涙を拭う、涙は一筋だけで止まった

 

「鳴届君・・・これ孤仁に教えてもらった料理なんだ」

 

「!」

 

「孤仁と初めて一緒に作って食べたから私にとってこれは大切な思い出なんだ・・・きっと孤仁にとっても」

 

「そう、なんですか・・・」

 

きっと、この涙は孤仁のもの

 

「今日これを作ったのは本当に偶然、だけど鳴届君に食べてもらえてよかった」

 

「え?」

 

「こうして孤仁のことを感じられたってこともある・・・だけどこれから鳴届君と仲良くなるためにもこの料理を食べてほしかったの」

 

「・・・」

 

「奏さんと色々仲良くなる方法を考えたんだけど、この料理みたいに私の知ってる孤仁のことや思い出を話したいって思ったの」

 

「それはどうしてですか?」

 

「マリアさん達に孤仁のこと聞いたんでしょ?だから鳴届君は孤仁のことを知りたいんじゃないかなって」

 

「!、そう、ですね」

 

マリア達から聞いて、少し・・・いやかなり孤仁のことを知りたくなった

 

一連の生い立ちを聞いたけど、それは戦闘のことばかりだったから

 

孤仁がどんな日常を過ごして、どんな思いでそれを守ろうとしたのかを知りたかった

 

それは同時に自分の存在を疑う苦しいことでもあるけれど、少しの時間しか過ごさなかったマリア達の話を聞いただけで取り戻したい、会ってみたいと思う人物・・・もっと知りたいと思うのは当たり前だった

 

「アイツ(孤仁)がどんな人だったのかを知りたいです。だから教えてくれませんか?クリス先輩も響さんも、お願いします」

 

「もちろんっ!」

「覚悟してね!三時間は語れる自信があるよ!!」

「なめんなよ!アタシなら徹夜は必須だからな!」

 

喜んで答えてくれる三人に笑みを浮かべ・・・食べ終わってもしばらく話は続いたのだった

 




しないふぉぎあさんぽ

エルフナインの発明品(時系列は考えない)

エ「幸詞さんの暴走を抑えるアイテムを作りました!」←徹夜明けのテンション
幸「そりゃすごい、どんなの?」
エ「奏者の衝動に対するはやはり奏者の力、ドーンッと三人の力をフュージョンすれば抑えられるはずです!というわけでこれを!」→黒い持ち手でなにやら丸いスリットが三つある機械を渡す
幸「え?いやこれウルトラゼットライ「シンフォギアライザーです!これがアクセスカードです!中央部分にセットしてください!」え?いやこれ「そしてこれがシンフォギアメダルです!」だから「メダルをスリットにセットしちゃってください!」あ、うん分かった」

どうやら細かいツッコミは通じないのを察知し、まずアクセスカードをセット

シンフォギアライザー『Kouji Access Granted』

カチャンカチャンカチャン・・・メダルを挿入

エ「響さん、翼さん、クリスさんの三人の力を秘めたメダルです!さぁ!スリット部分をスライドさせてシンフォギアフュージョンです!」

幸「はいはい」

シンフォギアライザー『Cris Tubasa Hibiki』

エ「あ、最後にトリガーを押してくださいね」
幸「オッケイ・・・響き鳴り渡る胸の唄!!」
エ「それでは僭越ながらボクから!ご唱和ください!奏者の名を!シンフォギアァァ・・・ゼェェット!」
幸「シンフォギアァァァ・・・ゼェェェトッ!!」

カチッ!

デデデーデーデデー♪(BGM◯ディアントフォース)
『ちょせぇっ!防人ッ!ご飯!』

シンフォギアライザー『シンフォギアZ、Bジョインター』

幸「・・・」←腕に響の装備、足には翼の刃の装備を模したブースター、胸がやたら強固なアーマー装備の幸詞

エ「やりました!成功です!」
幸「版権的に大失敗だよ」

おまけ
βジョインター(ボンドジョインター)

腕の力が強化されており拳の攻撃は威力抜群!
胸の強固な赤いプロテクターは高い防御力を持つ!しかし反面動きが鈍くなってしまう
足のブースターにより高い機動力を確保!

強烈な拳を武器にする以上近接は免れないために接近を恐れないための強固なプロテクター、しかし動きを鈍くなるプロテクターをサポートするブースター、ブースターの速さを最大限に行かすことのできる拳!

それぞれの特性で互いを支え合うバランスのとれた形態だ!!
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