ハイスクール D×D 隠蔽された子   作:世界の果実

16 / 20
一誠二度目の絶命

俺兵藤一誠は昨日すんごい夢を見た。いやいや本当に参ってしまう内容でさこれが………

 

最愛の彼女と、人生初めてのキスをする流れだったのに、「私のために死んで」とか言ってきて、槍で一突きだよ?

 

もう超リアル過ぎてさ、夢から覚めると汗びっしょりだし、遅刻ギリギリの時間だったし。

 

この元凶は松田と元浜の仕業しかない!きっと黒魔術か何かのオカルトに手を染めたに違いない

 

そう思って昼休みに、いくら俺が彼女持ちだからって祟んじゃねーよと、笑いながら言ってやったさ。

 

そしたらなんて返ってきたと思う?

 

お前の彼女知らないし、見たこともないぞ?幻覚でも視てんじゃねーのだってさ。

 

きっと俺の悪友たちはさ、嫉妬で現実を直視してないんだよ。

 

なんか夕麻ちゃんの存在を否定された気がして、隣の教室に呼びに行ったら、誰もそんな人物いないと答えるんだぜ。笑えるだろ?

 

いくら俺に嫉妬してるとはいえさ、学年全体の人間が嘘つく必要あると思う?

 

夕麻ちゃんも恥ずかしがってるのか分かんないけど、全然俺の前に現れてくれないの。

 

いつからツンデレになったのだろうか?まぁ俺はツンデレ萌えの大好物だし全然オッケー、むしろご褒美なんだけどね。

 

そのまま気が付いたら夕方になっていてさ、夕麻ちゃんの机と席がないし、先生達も夕麻ちゃんのこと知らないっていってるんだぜ。

 

もうねこっちが夢の世界かと思ってさ、夕麻ちゃんとは今日顔合わせてないし、元浜の自宅に行ったんよ。

 

そして「夜のナースに虐められるのはお好き?」というタイトルのビデオを鑑賞して、久しぶりに楽しんだね。

 

ちゃんと夕麻ちゃんには心で謝って見たわけだから、ギリギリセーフだと思う……。

 

 

 

時刻は夜の九時を回っており、約二時間ぐらい元浜の家で色々と堪能していた一誠は、ルンルン気分で自分の家に帰っている途中、自分の記憶にない道を歩いているのに気が付いた。

 

街灯の故障か球切れの影響だろう、ここから五十メートル先ぐらいまで道幅が狭く、辺りは真っ暗な状態の路地を前にして、不気味な空間が漂いわずかに緊張が走る。

 

このまま進んだらヤバイ!本能的に感じ取った俺は後ろを振り返り、元来た道を引き返そうとするが、体全体の体温が急速に冷めていく感覚に襲われ、それに伴って手足が震え出してきた。

 

一度変な夢で夕麻ちゃんから感じた殺意に襲われ、今度は体全体にまで震えが浸透し、足がすくみ一歩も動けなくなってしまった。

 

「一体何が。誰か!!」

 

悲痛な叫び声を出すが、人通りの少ないこの場所では助けを求めても、無駄だと頭の中で誰かが囁く。

 

が、それでも助けを求める事こそが最善の選択だと一誠は思った。

 

「おやおや一人で何をしておられるのかな?」

 

突然前方の方から男の声が聞こえてきた。

 

人がいることに安堵してしまった一誠は、先程までの体全体の震えは止まり、緊張から解放された。そして近づく足音が、だんだん大きく聞こえてくる。

 

「なぜか体が動かないんです。ポケットにある携帯を取ってくれませんか?」

 

助かったとその時は本気で思った。いまだに足が動かず、手で地面を支え体を起こすのがやっとの状態で、声がする方を目で確認する。

 

一誠はそこで、自分の眼の異変に気が付いた。

 

夜にもかかわらず、なぜかよく見えるのだ。

 

ええっ!夜ってこんなに明るかったけ?それとも目だけ鍛冶場の馬鹿力ってやつが働いてんのか?

 

「そいつは無理な相談ですな。なぜなら今から私が殺しますからね。」

 

ヒヒヒという笑い声と同時に、スーツ姿をした男は殺すと宣言した。そして、右手のところが徐々に光はじめ、何かを形成し始めた。

 

はっ?何言ってんのこいつ。今から俺を殺すだって?

 

驚愕している俺を尻目に、そいつは一歩一歩と近づいてくる。

 

その光はだんだんと眩しさが増していき、あまりにも強い光になっていったので、一誠は目を閉じてしまった。

 

そいつがすぐ目と鼻の先にいることを気付かないまま・・・・・・。

 

「いやはやまさかレイナーレが失敗するとは思ってもみなかったが、部下の失敗は上司の責任なんでね。まぁ君には悪いけど二回死んでもらうよ」

 

次の瞬間、グチュっという肉が裂けた音が聞こえた。俺はというと、刺された感覚も痛みというのも全く感じず、仰向けの状態で倒れた。

 

ほら?やっぱり夢なんじゃねぇかよ。どうせ起きた...らすべ..て..元..通..り........。

 

 

 

兵藤一誠が致命傷を覆い、出血多量によって気絶した後、周囲の街灯が一斉に明かりをもたらし始めた。

 

スーツ姿の"男"は、ズボンのポケットに手を入れ、ゴソゴソと何かを探し始めた。

 

「ふぅ、にしてもこいつがセイクリッド・ギアの持ち主とは、神様も残酷なことをするもんだ。」

 

一息つきポケットの中からライターを取り出し、口に咥えていたタバコに火を付けようとした。

 

が、何か思い出したのか舌打ちをし髪の毛をむさぼり始めた。

 

「レイナーレの奴確か、あのお方に見つかったとか言ってたよな。こいつ殺しちゃったから交渉材料に使えねぇーじゃんこの屑が!!」

 

先程の言葉遣いはどこへいったのやら口調が荒々しく乱暴になっていた。

 

やがて兵藤一誠の事についてあれこれと悩み始めた男だったが、突然地面から四つの転移術式が浮かび上がってきた。

 

「おっと。飼い主を怒らせちゃったか」

 

転移術式からはリアスを先頭に朱乃、木場のゲレモリー眷属に続き、一人見慣れない金髪の女の子が姿を現した。

 

「赤い髪?おやこれはこれはグレモリー家の次期当主さんではありませんか。そちらは眷属の皆さんと・・・」

 

「貴方の協会に配属されたアーシア・アルジェントです」

 

そういって金髪の女の子アーシアは一歩出て、恐怖からくる肩の震えを我慢して精一杯男を睨んでいた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。