時刻は12:00
昼食を告げるチャイムが鳴り、いつものようにアーシアが「一誠さ~ん」と弁当を持って俺の方に近寄ってきた。毎朝、母さんの指導の元、せっせと和食に力を入れているせいか、旨さが日に日に上達してきているのを実感する。
金髪美少女に毎朝起こしてもらい、登下校のみならず、弁当まで作って貰えるなんて誰が想像しただろうか?
ニヤニヤが止まらず、声が出そうになるのを必死に堪えるのに、未だ慣れないし慣れたくもない。
こちらへ満面の笑みを浮かべるアーシア。その天使から弁当を受け取ろうと立ち上がったその時、突然教室のドアが勢いよく開いた。
蓮視点 11:59
「こちらエコーより総司令本部。全部隊準備整いましたオーバー。」
「こちら総司令了解した。ではこれよりプランAを開始する。作戦予定開始時は12:01。それまで各自作戦開始の合図を待てオーバー。」
「御意」
説明しよう!プランAとは、ブラボーチームが兵藤一誠の教室に行き、ターゲット以外の男子生徒を襲うまたは拉致する作戦である。
まぁ、拉致した後のことは考えていないが、ブラボーチームはガチホモとして有名であるが、流石に危害を加えるまではしないだろう.......。
「総司令より全部隊へ通達。只今の時刻を持って兵藤一誠抹殺計画を実行に移す。尚、第三者が動いている可能性もなくはないため、そちらにも注意しながら取り掛かれ!総司令本部からは以上だ。貴公らの成功を祈る」
E「エコーからβへ。突撃せよ。」
β「βよりエコーへ!了解、突撃する。」
ターゲットがいるクラス近くのトイレにて、隠れていたのは青いつなぎを纏い、裏には阿部師匠命と書かれた刺繍を羽織った屈強な筋肉ムキムキの男六人。それぞれは、根太い雄叫びを叫び、勢いよく教室のドアを開けた。
一瞬で教室は静かになり、いきなりの訪問にクラス全員に、何が起きたのか頭の中は真っ白になる。
そのうち男子生徒Aの目には、涎を垂らしながら徐々に距離を詰めてくる、成瀬団長の興奮している姿が映り込んだ。
成瀬は、舌を出して舐めとるようなジェスチャーを男子生徒Aに向けると、男子生徒Aの背筋が凍りつき、声にならない言葉を叫び、無意識に全力で教室を出るため、走り出した。
男子生徒Aの逃げ出す姿を見て、ようやく他の男子生徒達は状況を理解し、一斉に駆け出す。
しかし、運の悪いことに何人かは捕まってしまい、屈強な男たちに担がれそのままどこかへ消え去ってしまった。
男一人だけ取り残された一誠は、この短い間の出来事に脳が追い付けず、ポカーンと口を開けアーシアから貰った弁当を床に落とした。
「エコーより参謀長へ。プランAは成功。繰り返すプランAは成功」
「参謀長よりエコーへ、よくやった。ではこれよりプランBに移行する。直ちにアルファに伝達されたしオーバー」
「エコーから参謀長へ。了解」
プランBとは、アルファによる教室にいる残りの女子を排除し、兵藤一誠ひとりの状況を作ることである。
E「エコーから全部隊へ通達。プランBに移行するとともに、当初の予定通り突撃をアルファに任せるオーバー」
α「こちらアルファ。いつもよりオープンになってもかまわないのだな?」
「.........成功を祈るアウト」
体はまんまるに太り、髪はぼさぼさで普段から女子の文句ばかりを言いつつも、実際には隠れてムフフな想像ばかりをしているムッツリなぽっちゃり軍団15人。さらに、ガリガリにやせ細り、常に気持ち悪い目で女子の胸や太ももなどチラ見が止まらないガリ軍団五人に、隊長を含めて総勢21人で結成されているアルファ部隊はこの日、全員隊長と同じ格好をしていた。
下半分は白い運動靴に白い靴下の中間が見えるまで上げたズボン。
中に着ているのは棒アニメのビリビリ中学生の顔がプリントされており、頭には赤色の生地に何かの紋章が描かれているバンダナを頭に巻いていた。
「α部隊、参戦いたす」
α部隊はターゲットの教室には入らず、ありとあらゆる窓から顔を出し、15人程残っている女子に目を向け、じぃーっとそれぞれ自分の性癖のある一点を見ていた。
胸や脚、太ももや顔、女子たちは見られているのに気付くと、羞恥と気持ち悪さからすかさずキャーと叫びながら教室を逃げ出し、残っているのはα部隊を除く一誠とアーシア2人となった。