テイオー様と俺   作:黒色エンピツ

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二話:再度、夢の集まる学園へ

 

 

 

 

「トレセン学園からの勧誘……?」

 

「ほっほっ、そうじゃよ。」

 

校長に呼ばれたと思ったら、そんな事か。

 

「誰からですか?」

 

学園の人間なら俺に声を掛ける事はないはずだ。

 

「シンボリルドルフさん経由で理事長からじゃよ。」

 

「は……?」

 

なんでだ。あの後連絡が来る事はなかったし、あれで終わったと思っていたのに。

 

「俺が呼ばれる意味がわかりませんし、そもそも行きませんよ。」

 

「トレーナーとして行くのと、教師として行くの、どちらがいいかの?」

 

「え、あの、俺に決める権利は?」

 

「もう決まった事じゃからダメ。」

 

そんな権利がある訳ないだろう。

 

「し、しかし……。」

 

「だって、うちの学校から出た生徒と教師が三冠取るのみたいんじゃもん。」

 

「じゃもんじゃないですよ!

いいですか、俺は絶対に行きませんよ。」

 

「……一緒に来てくれないの?」

 

扉から不安そうな顔のテイオーが入ってくる。外にいたのか。

 

「テ、テイオー、いたのか。」

 

「お願い!」

 

テイオーの小さい手が俺の手を掴む。

 

「ダメなんだ、俺じゃあ……お前をシンボリルドルフみたいに三冠には出来ない。」

 

「やだ!」

 

「やだじゃない、テイオー。お願いだから……。」

 

「やだやだやだ!ボクはせんせーとがいい!」

 

困った、どうすればいいんだ。

しゃがんで目を合わせる。涙を目尻に溜めて俺の目を見てくる。

 

「……正トレーナが見つかるまでだ。そこからは教師として勤務させてもらうからな。」

 

ああくそ、またズルズルと引き受けちゃったよ。

 

 

 

 

テイオーの学年が卒業してすぐに引き継ぎをしてからトレセン学園に向かう。

 

「……たづなさん。」

 

緑色の服を着た女性がやって来た、理事長秘書の駿川たづなさんだ。

 

「新堂さん、お待ちしておりました。理事長室へご案内します。」

 

「はい。」

 

変わってない。どこも、全く。

 

「歓迎ッ!」

 

「……やよい?お前、何やってんだ?」

 

理事長は……?

 

「今の理事長は彼女ですよ。」

 

「え、マジか。」

 

あのやよいが?俺が教員免許持ってるからって、たまに勉強を教えてほしいってトレーナー室に突っ込んできたアイツが?

いや、まあ、それだけの事があったんだろう。

学校での立場は上だから敬語に切り替えとかないと。

 

「本日からよろしくお願いします。」

 

 

 

 

あいさつも程々に案内されたトレーナー室に懐かしさを感じつつ、レース場に向かう。

 

「まずは入学早々の模擬レースか。」

 

観客席から眺めているとテイオーと目が合って、ピースサインを向けてくる。

 

「少しは緊張感をだな……。」

 

ため息を吐いてキャラメルを口に含むと、隣に飴を口に咥えた男が座った。

 

「よっ、俺の真似したそのクセ直ってないんだな。」

 

「……どうも、先輩。」

 

「トウカイテイオーは既に手を付けた後か?」

 

「小学校の頃からトレーナー擬きを続けているだけです。良かったらあいつの事引き取ってくれませんか?あいつ、間違いなく強くなりますよ。」

 

「トレーナー擬き、ね。」

 

「なんですか?」

 

「いや、随分と入れ込んでると思ってな。お前、あいつに必要な事はほとんどを教え込んだろ?

後はトレーニングだけって状態だ。」

 

「……別に、時間だけならたくさんありましたから。」

 

「そっか。」

 

視線の先でテイオーが一着でゴールすると、トレーナー達が駆け寄る。

 

「はははっ、大人気!」

 

「そうですね。先輩は行かないんですか?」

 

「行った所で意味無いだろ。」

 

分かってても言わないでほしい。

 

「ごめんよー、どいてどいてー。せんせー、ボク勝ったよ!」

 

「おっと、噂のテイオー様だ。」

 

「お疲れ、良さげなトレーナーはいたか?」

 

「だーかーらー、ボクはせんせーがいいんだってば。」

 

「あーもー、引っ付くな邪魔くさい。」

 

校長室での出来事から俺を逃がさない為か抱き着かれたり、手を握られる事が増えた。

 

「ところで、チームは作るのか?」

 

「作るつもりはありませんよ。すぐにトレーナーは辞めますし。」

 

「なら、もし作るとしたらなんて名前にする?」

 

「……テイオーだけのチームになるでしょうが、

もし名前を付けるなら、『スクール』ですかね。」

 

「学校か。一等星以外のチーム名って珍しいな。」

 

「付けてはいけないって規則はありませんし、先輩達みたいな一等星は俺には似合いませんよ。

それに、俺には教える事しか出来ませんし、学んで頑張るのはウマ娘ですから。」

 

「そうだな。」

 

「ですから、こいつ引き取ってもらえません?」

 

さっきまで背中だったのにいつの間にか顔に抱き着いたテイオーを指さした。

 

「俺としても優秀なウマ娘を入れてくれるのは非常に助かるんだが……。」

 

「っべー!」

 

先輩に舌を出してそっぽ向きやがった。

 

「この調子じゃあな。」

 

「ですよね。」

 

二人でため息を吐いた。

 

 

 

 

「せんせー、見て見て、ボク達のチームの部屋が貰えたよ!」

 

翌日、トレーナー室で休憩しているとテイオーがやってきてチームが結成されたという紙を渡された。

ご丁寧に名前は『スクール』と書かれている。

「…………もう、疲れた。」

 

どうせ先輩が勝手にやったんだろうなと思いながらテイオーが持ってきた台車に乗せられて運び出された。

 

「なあなあ、トレーナー。アタシもあれ乗りたいぞ!」

 

「紙出したの俺だけど何やってんの……。」

 

学園所属のウマ娘達からの困惑する視線を浴びながらチーム室に投げ入れられる。

 

「テイオー、自主トレ。俺は、今日はダメそう……。」

 

キャラメルを口に入れて、仰向けに寝転がり目を瞑る。

ああ……キャラメルが美味しい。

 

「ゴニョゴニョ。」

 

「ん?」

 

誰かの話し声が聞こえる。あれ、結成してすぐだし、テイオー以外は指導するつもりもないからこの部屋って二人だけなんじゃ……。

 

「おーい、ゴルシ、その辺にしとけって。」

 

「だからよー、やっぱ無防備に寝てるんならボディプレスだよな。そーれっ!」

 

「あわっ、あわわわっ!?」

 

目を開けるとテイオーの顔が目の前から飛んできた。

 

「何やってるんだ。」

 

片手で顔面をキャッチするとそのまま転がした。

誰がやりやがったのかを見ると、先輩と担当しているであろうウマ娘がいた。

 

「……先輩、そいつは?」

 

「あー、こいつはゴールドシップ。悪いやつじゃないんだけど、独特なやつなんだよ……。」

 

「ご愁傷さまです。」

 

「なんだ、アタシはハズレくじ扱いか?」

 

「怖いから顔を近付けるな。」

 

「ピィッ!?」

 

転がっているテイオーの襟後ろを掴むと壁にする。

 

「ちょっと、ボクの扱いが酷いんじゃない!」

 

「今更だろ。」

 

俺の手を払うと立ち上がって制服を整えて不機嫌そうにする。

 

「もー、折角制服姿見てもらおうと思ってたのに。」

 

「昨日も見たろ。」

 

「ちょっとだけでしょ?……それで、どう?」

 

回りながらチラチラを俺の方を見てくる。

 

「ああ、似合ってるぞ。」

 

「ふ、ふ〜ん、そっか。」

 

今度は途端に元気になる。まあ、学校の制服だろうと新しい服を褒められるのは嬉しいんだろう。

 

「んんっ!それで、良いか?」

 

「あ、すみません。……じゃなくて、先輩、何勝手にやってくれるんですか。」

 

「悪い悪い、でも、少し話を聞いてくれないか?」

 

「……良いですよ。」

 

流石に遊び半分でチームを勝手に作ったりはしないはずだから何か考えがあるんだろう。

 

「実は、うちのチームもこのゴルシだけでさ。いや、メンバーはこれから増やすつもりなんだ。」

 

「はい。」

 

「それで、メンバーが増えると指導するにも手が足らない。」

 

「先輩なら大丈夫ですよ。」

 

「買ってくれるのはありがたいんだが、足りないもんは足りないんだ。それに知識だって。」

 

「なんだかんだ要領良いんだからなんとかなりますよ。」

 

「頼むって!学園から離れても知識は増えてるんだろ?なぁ?」

 

「……。」

 

「本当ならサブトレーナーとして誘いたいんだが、誘っても絶対に来ないだろ?だから少し無理矢理だが、チームを結成させて共同でトレーニングをしてほしいんだよ。」

 

確かに、誘われたって絶対にいかないけど。

 

「俺がトウカイテイオーに経験に基づいた指導をして、お前がゴルシに知識によって裏付けされた指導をする。それでどうだ!?」

 

俺が担当したウマ娘はテイオー含め二人しかいないし、長く離れていたからトレーナーとしての経験や勘だってない。

 

「……わかりました。良いですよ。」

 

「え〜、ボクもせんせーの方が良いなぁ。」

 

「終わったらハチミー。」

 

「ボク頑張るから見ててね!」

 

「ん。」

 

チョロいと思いながらテイオーの頭を軽く撫でるように二回叩いた。

 

 

 

 

「なぜ、なぜだ……。」

 

「いぇーい、詰み!」

 

なぜ俺は将棋や麻雀をやっているのだろう。これが今のトレセン学園のトレーニング法なんだろうか?

テイオーの方を見ると、まずは確認のために一周走らせていた。やっぱりあれが正しいんだよな……?

 

「なーに見てんだよほら、やるぞ。」

 

「……何?」

 

将棋がいつの間にか将棋崩しになっていた。頭が痛い。

まだ将棋なら戦略的なトレーニングになるかと思ったがこれじゃ意味ないだろ。

 

「おい、ゴールドシップ。こっちもいい加減真面目にトレーニングを……。」

 

「だから今やってんじゃねぇか。」

 

「……はぁ。」

 

考えている事がわからない。

変なことをする時の先輩が常にいる気分だ。むしよ先輩よりも酷いかもしれない。

 

「お前いつもどんなトレーニングしているんだ?」

 

「?これだけど?」

 

「……マジか。」

 

さっきトレーニング前に先輩に戦績を見せてもらったが、好成績だったが……これで?

 

「テイオーにも将棋をやらせるべきか……?」

 

「ゴルシの事は気にすんな。」

 

見かねた先輩が声を掛けてくる。やっぱりこいつがおかしいのか。

 

「お前のやりたいようにやってくれ。それでいい。」

 

「やりたいように……わかりました。

ゴールドシップ、少し待っていてくれ。」

 

「お?何するんだ?」

 

「俺の得意分野だよ。」

 

 

 

 

「はい、お勉強の時間だ。」

 

ターフに机とホワイトボードを持ってくる。

 

「え〜、勉強なんてよりもちゃんとトレーニングしようぜ〜。」

 

さっきまで将棋指してたやつが何言ってんだ。

 

「悔しいがお前の能力は既に高水準だ。

だから俺の知っている事、全て叩き込んでやるから覚悟しろよ。」

 

ホワイトボードを叩く。

 

 

 

 

大体一時間が経過しただろうか。

 

「はい、ここまでで質問は?」

 

ホワイトボードから目を離して振り返ると机に突っ伏したゴールドシップと少し離れた位置に大勢のウマ娘達とトレーナー達が授業を聞いていた。

おハナさんやシンボリルドルフまでいる。

 

「ゴールドシップ、寝るな。」

 

その視線を無視して棒で頭を叩く。

 

「来週覚えてるかテストするからな。復習しとけよ。」

 

「う、うへぇ〜……。」

 

さてと、テイオーはどうなっただろう。

 

「なぁ、あいつに教える事ないんだけどどうすりゃいい?基礎トレーニングしかやることないんだけど。」

 

「経験でどうにかなるんじゃなかったんですか?」

 

「経験ったってどうにもならない事があるんだよ!」

 

「そうですか。」

 

先輩を軽くあしらってテイオーの近くに行く。

 

「どうだった?」

 

「結構楽しいよ。」

 

テイオーがステップを踏みながら笑う。

楽しかったっぽいな。やっぱり先輩に任せるのが一番かな。

 

「なぁ、やっぱり……。」

 

「やだ!」

 

ダメかぁ。

 

 

 

 

「あー、ムカつく!」

 

「だからって八つ当たりすんなよ。

何があった?」

 

入学から一週間くらいか、テイオーがトレーナー室に入ってきたと思えば何度も叩いてくる。

 

「あのマックイーンてやつが〜!」

 

「マックイーン……ああ、メジロ家のお嬢様か。」

 

優秀だと聞いているが、テイオーがライバル視する程か。

 

「いっつとボクと同じ時間にトレーニングしてるんだよ!」

 

「いや、しててもいいだろ。」

 

面倒だし、一緒に走らせるか。

ゴロゴロと部屋の中を何度も転がっているテイオーを抱えるとレース場に向かう。

テイオー様の扱いが〜、とうるさいから要望に答えて横抱きにしてやると黙り込んだ。なるほど、次からこうすれば良いのか。

 

「ああ、あれがメジロマックイーンか。」

 

確かに速いし、俺達が来る前から走ってたみたいだからスタミナもありそうだ。

 

「おーい!メジロマックイーン!」

 

「……ふぅ、何ですの?新チーム『スクール』のトレーナーさんとトウカイテイオーさん。」

 

「知ってたのか。こいつと一緒に走ってくれないか?」

 

テイオーを降ろしてやると紅潮させた顔でやる気を……なんかポワポワしてる。やる気出せよ。

 

「急にそんな事を言われましても……。」

 

「別日でも良いから、頼めないか?」

 

「ええと……ダメとは言ってませんわ。」

 

「せんせー!早くー!」

 

いつの間にかジャージに着替えてアップを始めていた。

もうちょっとメジロマックイーン程じゃないにしても落ち着きを持ってほしい。

 

「はあ……良いですわ。やりましょう。」

 

 

 

 

「とりあえず2400なー。

はい、よーい、スタート。」

 

同時にスタートする。

回転がイマイチな頭を回す為にキャラメルを口に入れる。

序盤はテイオーの後ろにメジロマックイーンぴったりと付いて走っている。

 

「……ちょっと体力を温存し過ぎか?」

 

もしかしたらメジロマックイーンは長距離の方が向いているのかもしれない。

このまま実力を伸ばせば長距離はテイオーですら危ういかもしれない。

 

「ん、動くか。」

 

テイオーが少しペースを上げるとメジロマックイーンも付いていく。

ここからが分かれ目か?

 

「……仕掛けたか。」

 

テイオーが一気に加速する。

跳ねるような走りでメジロマックイーンを突き放す。

 

「はいゴール。テイオー、ドリンク。」

 

先にゴールしたテイオーにドリンクを投げる。

 

「ありがとー!」

 

「はぁっ……はぁっ……!!」

 

「メジロマックイーンもお疲れさん。

ほら、ドリンク。」

 

「ふぅ……ありがとうございます。」

 

予想通りではあったけど、思ったよりも離れていなかった。

良いライバルになってくれるかもしれないな。

 

「やっぱりボクの方が速かったね!」

 

「私の得意距離でもう一本ですわ!」

 

お淑やかに見えたメジロマックイーンがテイオーに思い切り噛み付く。

 

「……え?もう一本?」

 

「あのー、もう閉めなきゃいけないのですが……。」

 

管理人がやってきて少し迷惑そうに俺を見てくる。

 

「……すみません、後もう少しだけお願いします。」

 

後で説教してやる。

 

 

 

 

「お前らなぁ……結局あれから三本も走りやがって!謝るの俺なんだぞ!」

 

「……申し訳ありませんでした。」

 

「え、えへへ、ごめんね。せんせー。」

 

「ところで、そのせんせー?と言うのは?」

 

「小学校の頃からせんせーだからね!」

 

「本当に先生だったのですか?」

 

「また話がズレる……。

俺はトレーナーなんてやりたくないんだよ。ここに来たのだってテイオーが泣き出したから仕方なくだ。

こいつを誰かに押し付けたらすぐに教師に転向してやる。

だからメジロマックイーンも出来れば先生って呼んでくれると嬉しい。」

 

「は、はぁ……。では、先程から呼びにくそうでしたので私もマックイーンと呼んでください。」

 

「ああ、んじゃ俺はこの辺で帰るぞ。二人とも寮長にちゃんと説明するようにな。」

 

「あの、最後に一つよろしいですか?」

 

「……まあ、いいか。なんだ?」

 

「なぜ、テイオーしかチームに入れていないのですか?昨日の授業を見ていましたけれど、あれだけの知識を披露すれば他のウマ娘達も入りたがるでしょうに。」

 

「だから言っただろ。俺はトレーナーやりたくないの。」

 

「なぜやりたくないのですか?」

 

「……俺の名前で調べてみろ。今度こそ、じゃあな。テイオー、明日も学校なんだから遅刻するなよ。」

 

今までテイオーにも教えてなかった事だが、今ならスマホも持ったし、トレセン学園にいるならいつか分かることだと思って教えるとレース場から出て行く。

 

 

 

 

「ええと、新堂 和樹。あら?」

 

「何かわかった?」

 

横からマックイーンのスマホを覗き込む。

せんせーってトレーナー時代の事全然教えてくれないんだよね〜。知ってる事と言えば『壊し屋』?って単語だけだし、かと言って勝手に調べるのはちょっと良くないかもって思ってたけど、さっきのマックイーンへの反応からしてボクも見て良いって事だよね?

 

「え……?」

 

検索の一番上に出てきたのはせんせーの名前と『壊し屋』と言う名称、そしてとあるウマ娘がレース中に足を骨折して再起不能って内容だった。

 

 

 

 

「……むしろ、これでテイオーが離れてくれるなら良いことかもな。」

 

失望して去ってくれるなら万々歳だ。

 

「きっと離れないさ。」

 

正門の前に学園の会長であるシンボリルドルフが立っていた。

 

「シンボリルドルフ、何の用だ。」

 

「いや、少し話したくてね。」

 

「会長が門限を守らなくて良いのか?」

 

「多少の融通は利くさ。」

 

「まあ、俺も聞きたい事があったから丁度いいか。

飯、奢るぞ。」

 

車を取りに行き、シンボリルドルフを助手席に乗せると近くの店に向かった。

 

 

 

 

「単刀直入に聞く、なんで俺を学園に呼んだ。」

 

「まずはこれを見てほしい。」

 

カバンから何枚かの紙取り出すと俺に渡してくる。

 

「……これ、は。」

 

これは、昔G1で出走する事になった彼女の為に作ったメニューだ。

彼女の限界を超えた練習量であり、怪我の原因となったものだ。

 

「なんでこれを持っている。これは確か……。」

 

あの日、病院から学園に戻る途中でトレーナーになってほしいと言ってきた入学前の少女に渡したはずだ。

 

「まさか、お前だったのか?」

 

「ようやく思い出してくれたか。

懐かしい、あの日貰ったメニューは私の力となり、私が三冠を取るための基盤となった。」

 

「は、ははは……マジかよ。」

 

なんだってんだ、担当していたウマ娘を初のG1で壊したのに、たまたま出会ってメニューを渡した少女は三冠ウマ娘になった?

確かに、適度に休憩を挟んだり、最初は回数を軽くしたりと言い聞かせたが同じメニューだったはずだ。なのに、どうしてこうも結果が違う。

 

「ふざけてるよなぁ。」

 

俺の見る目がなかったんだろうか。もし、あの時諦めずにシンボリルドルフの担当をしていたなら俺は……。

 

「いや、考えたってしょうもないか。

本題に入ろう。どうして俺をトレセン学園に?」

 

「あなたとトウカイテイオーを見ていたくてね。」

 

言葉が途切れて少し待つが続く言葉が出てこない、まさか。

 

「……それだけ?」

 

「ああ、私もかつてのあなたと担当ウマ娘の練習を見ていて思ったなんだが、トレーナーがトレーニングを考え、ウマ娘がトレーニングをし、激励して目標を目指す。私にはあなた達が特に輝いて見えた。

だから、本当は私のトレーナーになってほしかったが、私にも既にトレーナーがいるから、裏切る訳にはいかない。」

 

「でも、俺はトレーナーにはならない。」

 

「ならどうしてここまで来たんだ?」

 

「それは、テイオーと校長が……。」

 

「断れば良かったじゃないか。君ならあの小学校以外にも働ける場所くらいあっただろう?」

 

それは、そのはずだ。でも俺は断れなかった。

 

「本当は君だってトレーナーを続けたかったんだろう?」

 

「そんな事……。」

 

「なら、あの知識量はどう説明する?一朝一夕でああはならない。いずれもう一度トレーナーになった時の事を考えていたんじゃないのかな?」

 

確かに何度も考えた、次は失敗しないためにとにかく知識を詰め込んだ。それでも俺の心が諦めていたんだ。

そして、そんな時に出会ったのがテイオーだった。

最初は本当にやりたくなかった。でも、トレーニングも、レースの勉強も文句を言いつつ真面目に取り組んで、初めてのレースで一着になって喜んでいたあの子を見ていて、嬉しくなったんだ。

 

「なぁ、シンボリルドルフ。」

 

「なんだ。」

 

「俺は、テイオーの夢を叶える事が出来ると思うか?」

 

「可能だと私は思う。」

 

「なら良い。」

 

覚悟は決まった。後悔しても良い、もう一度だけトレーナーとしてやってやる。

ただ、やっぱり怖いなぁ。

 

「お待たせしました。」

 

話に丁度区切りが着いた所で料理が運ばれて来た。山盛りのハンバーグを見てシンボリルドルフもウマ娘なんだと再認識した。

 

 

 

 






場面やストーリーがゴチャゴチャしている。
書きたいことだけを書くからこうなるのだ……!

アークナイツのリミテッドのスパンが短くて辛い。

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