ハルウララー咲き誇れ   作:ユーチャロー

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ハルウララと合宿ー後編

馬場とハルウララの二人三脚のトレーニングが始まり最初の五日間は弱音を吐く場面が多かったが…民宿のおばさんや地元の人達が積極的に協力してもらい言葉が出なかった。それが彼女の励みになる。

日々に日にハルウララのトレーニングしてる姿を見る人が増えていき子供とハルウララが一緒に走る機会もあるように。しかし…子供に負けることが多かった…。

 

「ウララ〜!おっそ!」 

 

「うー。負けちゃったー。でも…次は負けないぞー!」 

 

ハルウララが無邪気で子供と遊んでる姿に馬場は微笑んだ。

地元の人がハルウララに関心を持ってくれ彼女も地元の人と慣れしたんでいる。やはり…彼女は周りを魅了する力を持っている。それが彼女の強みであり励みになっているのだろう。すると民宿のおばさんが馬場に話しかけてきた。

 

「馬場さん〜。ウララちゃんのあの笑顔。可愛いと思わないかい?」

 

「可愛いですね…。」 

 

「何故…ウララちゃんのトレーナーになったんだい?」 

 

「私は…彼女の笑顔もそうですが…直向きに頑張る姿に惚れました。私は今まで…あんなに周りの人を味方につけるウマ娘は初めてです。他のウマ娘にはない特別な力が彼女にあると感じたからです。」 

 

 

「そうかいそうかい。確かにウララちゃんは他のウマ娘と比べると…実力はないけど…ウマ娘も人も同じで長所や短所は誰でも持ってる。ウララちゃんは今のままでも良いと感じてしまうがね〜。」 

 

 

「……。」 

 

馬場はおばさんの一言で少し考えさせられた。

指導者である以上ウマ娘の苦手要素を無くすのもそうだが…得意分野も伸ばすのも指導者としての責務である。

 

確かにハルウララは脚は細く身体も小さく脚力も弱く遅い。

その反面…彼女の最大の武器であるメンタルと愛嬌はどのウマ娘よりずば抜けていると馬場は感じていた。

 

(今のままか…。) 

 

「おばさん。確かにそうかもしれませんね。今でも彼女は魅力的なウマ娘だと思います。だから…無理に変えることはないかもしれませんね。」

 

 

「確かにウララちゃんがレースで勝つ姿を見たいけど…でもウララちゃんはウララちゃんのままでいてほしいとおばさんは思うよ。」 

 

 

馬場は彼女の欠点を無くすためのトレーニング内容にしてた。しかし…彼女には欠点を無くすトレーニングではなく逆に長所を伸ばすトレーニングの方が似合うと思うようになる。馬場は何か閃いたようにハルウララのもとに駆けつける。 

 

砂浜で子供達と一緒に走ってるハルウララに話しかける。

 

「ハルウララさん。これから私もウララちゃんと呼んでいいですか?」

 

「うん!いいよー!じゃあー私はサクラちゃんと呼ぶね!」 

 

「良いですよ!それと…トレーニング内容を改善しました。これからは…ここで自由にしていいです!」 

 

「えっ…。自由って…。トレーニング内容が自由なの!?」 

 

「はいっ。ウララちゃんが好きなようにして良いということです。」 

 

「わかった〜!!じゃあ!!私!!あそこの山に行きたいから行っていいかな!」 

 

「良いですよ。」 

 

「じゃあ!サクラちゃんも一緒に行こうよ!」 

 

「ははは。良いですよ!一応トレーニングなんで走りながら行きますか!」 

 

「よーし!あの山の頂上までどっちが先に着くか競争だ〜!」 

 

ハルウララと馬場、子供達も行くということで山の頂上まで競争するになる。だが…途中で綺麗な蝶を見つけたのでハルウララは蝶を追ってしまう。 

 

「どこ行くんですかー!」 

 

ハルウララの気まぐれなところも彼女の良さでもあると馬場は思った。

山の頂上に着いた頃には夕方になってた。

結局…子供達は途中で下山してしまい馬場とハルウララの2人きりになる。近くにあった展望台から眺めるオレンジ色に染まる空に海の水面。果てしなく続く水平線。見晴らしが良い場所で馬場は感動した。ここまで登ってきた疲労が一気に吹き飛んだ。

 

「引き分けだね!」 

 

「うん。そうですね…。あの…ずっと気になってたことがあるんですが…。」 

 

「うん?何〜?」 

 

 

「ウララちゃんはなんで負け続けてもずっと笑ってるのですか?普通なら悔し涙を流したり悔やむ表情をすると思います。それでも笑顔でいられるのは何故ですか?」 

 

 

馬場は思い切ってハルウララに質問する。

ハルウララはニッコリ笑いながら答える。

 

 

「走るのが好きなんだもん!それに皆んなに私の走りを見てくれるのが嬉しいんだー!」 

 

 

馬場はこの時ハルウララというウマ娘の真の魅力を知る。

それは…『純粋』だからだ。

その純粋さが周りを魅了し彼女の強さであると。

競走馬なら重賞レースに出場し優勝する目標があり勝ち負けをこだわるが…彼女はレースで観客達に自分の走りを見せることが走る理由である。昼間に民宿のおばさんに言ってたことの真の意味はこうゆうことかと感じる。

 

 

「私は数々の競走馬を見てきましたが…だいたいの馬は仕方なく走らさせている。というより…走る為に生まれてきた馬を見てきました。しかし…ウララちゃんは純粋に走るのが好きだから走り続ける。受け身ではなく自発的に走ってるんですね…。」

 

 

「うーん。私ね〜。それでも一等賞になりたいよ〜。だって…一等賞になれば皆んなから更に注目されるんだよ〜!ウララ〜。皆んなの笑顔が大好き〜!」 

 

 

「そうですか。なら…デビュー戦。皆んなを笑顔に出来る一等賞を目指して頑張りますか。」 

 

「そうだね〜!ウララ!頑張るよ〜!」

 

2人はハイタッチしてデビュー戦で一等賞をとるのを目標にする。

残りの1週間は彼女の好きなようにトレーニングや地元の人と交流したり観光したりして馬場とハルウララの絆を深めていった。

 

 

合宿最終日。

いよいよこの民宿を離れることになる。地元の人も集まってた。

 

「ウララちゃん!また来てね!」 

 

「おばさん!ありがとうね!美味しいご飯食べさせてくれてありがとうね〜。」

 

「ウララちゃん!また来てな!」 

「また追いかけっこしようよー!」

「ウララちゃんがいなくなると寂しいな…。」

 

「皆んな〜また来るね〜!」 

 

馬場は町の人に感謝の気持ちを伝える。

 

「2週間本当にありがとうございました!ハルウララに協力や応援してくれ大変助かりました!今後ハルウララに応援をよろしくお願いします!」 

 

「おう!ウララちゃんはこの町のアイドルだからな!もちろんよ!」

「がんばれウララちゃん!」 

「トレーナーさんも頑張れよー!」 

 

町の温かい声援で馬場は涙が出てきた。本当にこの町に来て良かったと感じる。こんなに温かく自分達を迎えてくれた町の人達。町の人達に恩返し出来るのはハルウララがデビュー戦で一等賞をとることだと感じる。

 

「皆んな〜じゃあね〜!」 

「皆さんお元気で!」 

 

馬場とハルウララは町の人と別れを惜しみながら東京に帰るのであった。

 

 

次回話に続く…。

 

 

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