「開催ッッ!トレーナーダービー!」
理事長の甲高い声がトレセン学園内に響く。そのセリフに耳を傾けるトレーナーがほとんどだ。そこで話しかけてきたのが沖田トレーナーだった。
「おい。今葉。」
「はい。あっ沖田さん!さっきの放送ですか?やっぱり。」
「お前なにか知ってるか?」
「もちろんです。決まった時その場にいましたから。」
「そうか。んで、開催される理由はなんだ?」
「簡単に言えばタキオンですよ。」
「タキオンって足の骨が折れやすくなってるアグネスタキオンか?」
「はい。それでも、レースに出たい本人とトレーナーの一心を見た理事長が開催に持ち込みました。」
「なるほどなぁ。お前は参加するのか?」
「多分そうなると思いますよ。沖田さんは?」
「俺はパスだ。ほら、あいつのトレーニングしないと…」
沖田トレーナーはあるウマ娘に指を指した。そこに居たのはゴールドシップだった。
「お?何見てんだ?このゴルシ様の能力を見抜いた天才か?ってなんだ。トレーナーか。」
沖田トレーナーの姿を見た途端落ち込み、セグウェイに乗ってどこかに行った。沖田トレーナーは「待て!ゴルシ!そろそろちゃんとトレーニングしろ!あっ、今葉。これからもよろしくな?」と言って慌てて追いかけて行った。
トレセン学園内で「トレーナーダービー」で話は持ち切りだった。ハヤヒデとグラスがトレーナー室に入ってきた。
「やぁ、トレーナー君。次のトレーニングの件だが…私に任せて貰えないだろうか?」
「え?どうして?」
「トレーナーダービー。といえば分かると思うんだが…。」
「あー…あれか。そうだな。お願いするよ。」
「わかった。少し紙を借りるよ。」
ハヤヒデはルーズリーフを手に取り、椅子に座って自分にあったトレーニングを考え出した。次に話しかけてきたのはグラスだった。
「タキオンさん…どうだったんですか?」
「噂で聞いてると思うけど…状態は深刻かも。」
「そうですか。私たちにできることは…ないですよね?」
「そうだな…ないな。どうすることも…アイツら次第だ。」
「そういえば知っていますか?トレセン学園初代生徒会会長を。」
「え?初代ってあの会長じゃないのか?」
「はい。私も噂でしか聞いたことないですが…初代はサンデーサイレンスさんって言うウマ娘らしく…調べてみたんですが…古い記事が出てきたんです。」
「古い記事…引退後行方不明って。」
「はい。突如現れて、突如消えたらしいです。会長職をシンボリルドルフ会長に渡し、世界を旅すると言ってたらしいですが…。」
「んで、どうしてその…サンデーサイレンスのことを?」
「いえ、話してみたかっただけです。あっ、こんな時間…弓道してきます。」
グラスは俺に一礼してトレーナー室から出ていった。俺はグラスが持ってきた古い記事を見ていた。トレーナー室には無言な時間が流れる。ハヤヒデの紙に書いている鉛筆の音しか聞こえない。そんな空気の時、ノックされた。
「はい?どうぞ。」
「失礼します。今葉トレーナー…少しいいですか?」
俺を呼んだのはたづなさんだった。秋川理事長の秘書をしていて、よく新人トレーナーに説明している方だった。俺は呼ばれてトレーナー室から出た。
「トレーナーダービーの日程が決まりました。一ヶ月後に東京優駿が控えていることもありますので、1週間後に開催されることになりました。」
「また…急ですね。」
「すみません。ですが、ウマ娘第1に考えてもらっても大丈夫です。それに、無理に参加することもないですよ?」
「いえ、これはアイツのためです。俺はやりますよ?」
「そうですか。なら、この紙にサインを。」
「他に誰が参加するんですか?」
俺は紙にサインしながら、たづなさんに聞いた。たづなさんは言ってもいいのだろうか?と少し考えてから口を開いた。
「今、参加表明しているのは…松風トレーナー、坂本トレーナー、中山トレーナーです。そして、今葉トレーナー。4人です。やはり、レースが近いと言うことで参加する人が少ない感じですね。」
「そうですか…。こちらでも当たってみましょうか?」
「いえいえ、私がやることなので。それに、2,3人心当たりがあるんです。」
「そうですか。わかりました。頑張ってください。」
「ありがとうございます。それでは。」
たづなさんは俺に一礼して走って階段へ消えていった。俺はそろそろ走る準備をしなければならないと、その日の夜から走り込みを始めた。
夜になり、トレーナーダービーのために外に出ると見た事のあるトレーナーが5人居た。
1人目は松風。2人目は坂本。3人目は中山。4人目は桐生院トレーナー。5人目は黒沼トレーナーだった。
「お疲れ様です。桐生院トレーナー。黒沼トレーナー。」
「あっ。お疲れ様です。今葉トレーナー。」
「ああ。お前も走り込みか?」
「はい!あの変人のためです。同期のためですから。」
「フッ。面白いことを言う。じゃあ、やるか。」
黒沼トレーナーの一声で全員がストレッチや準備体操を始めた。全員が走り出そうとしたその時、後ろから「ま…待ってくれぇー」と情けない声が聞こえてきた。
「誰だ?ストレッチで情けない声出してるのは…?」
「俺だよ…俺。」
「んぁ?沖田か。どうした?」
「俺も…はぁ…走るんだ。」
「はい?沖田トレーナー走らないって言ってたじゃないですか!」
俺は黒沼トレーナーと沖田トレーナーの話に割り込んだ。
「そうだったんだが…はぁ…ゴルシのやつ勝手に…サインしやがって…。」
「あっなるほど。じゃあ行きますか。黒沼トレーナー。」
俺は沖田トレーナーが息切れをしてしんどそうにしてるのを横目に黒沼トレーナーに走り込みを始めるように進言する。
「待ってくれ!今葉!俺を殺す気か?」
「違いますよ。皆さん待ってるからですよ。」
そう言って待ってた組は走り出した。夜をトレーナー6人で走るなかなか体験できないことだった。
俺は黒沼トレーナーにミホノブルボンのことを聞いた。
「黒沼トレーナー。」
「なんだ?」
「ミホノブルボンについていいですか?」
「ああ。」
「ライスシャワーと仲が良さそうですけど、黒沼トレーナー的には良いんですか?」
「んー…そうだな。ブルボンが誰と話していたとしても俺には関係ないことだから…と言ってもたまに無茶振りをしてくるから…んー。いや、あれは親のせいか?」
「えっと…なにかあったんですか?」
「いや、何も無かった。しっかり走れ。」
「はい!」
トレーナー6人で走り終わり、すぐ解散になったが桐生院トレーナーが話しかけてきた。
「お疲れ様です。今葉トレーナー」
「あっ、お疲れ様です。桐生院トレーナー」
「皐月賞…からですよね。松風トレーナーがおかしくなったのは…。」
「おかしくなったって表現は違いますよ。アイツ的にこれが必死なんです。今まで努力せずに出来たからこそのツケですよ。気軽にトレーナーになるって決めるものじゃないです。」
「それは…そうですけど…。」
「それにあいつがおかしいのは昔からですよ。」
「そうなんですか?」
「この辺は坂本の方が詳しいですし、また坂本と話してください。じゃあ、俺は明日早いので。」
「はい。おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
桐生院トレーナーと別れ、自室に戻っていると消したはずの部屋の電気が付いていた。俺は急いで自室に走り込み、ドアを開けた。そこに居たのは、グラスだった。
「あ。おかえりなさい。トレーナーさん。お疲れですか?お風呂入りますか?」
「あ…ああ。お風呂入ってくる前に。なんで居るの?」
「トレーナーさんが走り込みしていると風の噂で聞きまして。」
「まだ一日目ですけどね?」
「多分、ご飯も食べずに走っていると思ったので簡単なお料理をしようと思い、来たのですが…材料そのものがないのは予想外です。」
「それは…ごめんなさい?」
「大丈夫ですよ。夕方に買い物しといて良かったです♪」
「あれぇ?グラスさん?その野菜とか1回グラスさんの部屋持っていきましたの?」
「そうですよ〜?なにかまずいことありました?」
「いや、同室のエルは何も?」
「いえいえ、言われましたよ〜。『通い妻みたい』だと。」
「通い妻って…」
「ですから、少しぎゅぅぅぅぅぅっとしてあげました♪」
「そ…そうか。」
「とにかく、しっかり晩ご飯は食べてください。お味噌汁この味でいいですか?」
「ん?あー。味見してみるか。」
そう言ってグラスが作った味噌汁を味見する。そして俺に電撃が走る。
「トレーナーさん?」
「嫁に欲しい…。」
「はい?トレーナーさん?もしもーし…大丈夫ですか?」
「えっと…あー。はい。今葉…今、戻ってきました。」
「さっき嫁にって…言いましたよね?」
「記憶にございません。多分無意識です。」
「あらあら…まあまあ。トレーナーさんが求めるのならば、私はいいのですけど。」
「ん?なにか言ったか?」
「いえ、何も。」
「そうか。」
俺は汗を吸い込んだTシャツを洗濯機に放り込む。そして、洗剤を入れ洗濯機を回す。グラスは味噌汁を器に入れて机の上に置いていた。
「グラスさん。まさかまた取ってきた?」
「何をですか〜?」
「外泊届け。」
「んー…そうですね。そうなりますね♪」
「そうか。」
グラスは笑顔で外泊届けの紙を見せてくれた。理由は「トレーナーさんの面倒」だった。これで許可されるトレセン…そろそろどうにかして欲しい。とりあえず、また同じ布団で寝ることになった。
それから時間は飛び、「トレーナーダービー」当日。
「ついにこの時が来たのかぁ。まさか、ターフで走ることになるなんて…。勝てるのか?松風。」
「もちろんだよ。タキオンのためにやるって決めたからね。」
「そうか。じゃあ、ほかのトレーナーと話してくるわ。」
俺は松風から離れ、一緒に走り込みをしたトレーナー達と集まった。
「みなさん。今日までお疲れ様でした。わかる通り、アイツを勝たせることが第1優先です。作戦名は『ツインターボ作戦』です。最初の方は松風より先に走り、最後の直線で逆噴射をするんです。」
「それで行けるのでしょうか?」
「桐生院トレーナー、大丈夫です。アイツならできますから。」
「そうですか。」
「黒沼トレーナー、合図はお任せします。なるべく周りのウマ娘にバレないような合図でお願いします。」
「わかった。」
「坂本、中山は俺と一緒に横を走ってくれ。沖田トレーナーは…うん。大丈夫でしょう。」
「おいおい!俺だけ雑じゃねぇか?」
「作戦会議の時来なかった人が何を言いますか。さて、時間です。会議通りに行きましょう。」
俺らは松風を絶対に勝たせるため、日々考えていた。その時、思い浮かんだのが「ツインターボ作戦」だった。別名「逆噴射作戦」。ツインターボのレースを見て思いついた。「トレーナーダービー」の出走時間が近づき、ウマ娘達が集まりだした。
「何してるの?あれ。」
「噂だと、タキオンさん関係らしいよ。」
「あー。走れなくなったんだっけ?」
「うん。だから、タキオンさんのトレーナーさんがあのトレーナーさんたちに勝てたらタキオンさんの現役継続を約束させたらしいよ。」
「すごいね。じゃあ、見ていこ。」
どんどんウマ娘が集まり、あるイベントになりつつあった。
「トレーナーさん。頑張ってください。」
「お姉様。頑張って…。」
「マスター…」
「なんだぁ?アイツやる気あんのか?」
「ゴルシうるさーい。トレーナーを応援できないでしょ。」
「テイオーの方がうるせぇだろ。」
「まあまあ、落ち着いてください。ほら、もうすぐで始まりますよ。」
「ん?」
「オグリ先輩…」
「ああ。見ているぞ。」
担当ウマ娘達も見に来ていた。タキオンの姿はないが、俺たちはゲートを飛び出した。
まず、先頭に立ったのは黒沼トレーナー。その後ろに俺。そして、中山と坂本。外から沖田トレーナー。内から桐生院トレーナー。最後尾に松風が走っていた。
俺と黒沼トレーナーはアイコンタクトを何回もして、後ろの状態を確認した。そして、ターフ最終コーナー。黒沼トレーナーは空を見上げた。これが「逆噴射」の指示だったので、先頭組全員走る速度を下げた。そして、松風が先頭に立った。周りのウマ娘達からは歓声が上がる。そして、どこからか聞こえてくる。
「頑張れ!トレーナー君!君こそが私のトレーナー君だよ!」
逆噴射作戦をしていた全員がスタンドの方に目線を向ける。そこには、タキオンが手すりに捕まって叫んでいた。その声援を聞いた松風はそのままゴール板を走り抜け、タキオンの現役継続決定付けた。
「うむ!これこそ友情ッ!今葉トレーナーは後で私のところに!」
「はい。分かりました。理事長。」
理事長に呼ばれたので理事長室に向かった。
「失礼します。秋川理事長。」
「うむ。今回の件…今葉トレーナーから見てどう思う?」
「そうですね。タキオンの足の状態としか言えません。」
「その通りだ。しかし、私らでは何も出来ぬ。」
「そうですね。あっ、1つ質問していいですか?」
「んー…たづなを待たせているからな。だが、今葉トレーナーの質問…聞こう!。」
「ありがとうございます。『サンデーサイレンス』さんをご存知ですか?」
「む…。知っている。母の代の時の生徒会長だった。」
「シンボリルドルフ会長に生徒会長を渡してトレセンを辞めたと聞いております。」
「そう…だな。しかし、今葉トレーナーが気にすることでは無い。」
「そうですね。余計なことを聞いてしまい申し訳ないです。」
「否定ッ!人は気になる生き物!だから自信を持つことがいい!」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
俺は理事長室を出た。廊下には松風が待っていた。
「やぁ、今葉勝馬くん。」
「フルネームで呼ぶな。」
「そうだね。今葉。話がしたい。屋上で話そうか。」
「ああ。」
俺と松風は校舎の屋上へ向かった。松風の雰囲気は明るくなく、逆に暗い感じに見える。タキオンの現役継続が約束されたのに、何故だろうか。
「ここなら誰にも聞かれないね。」
「なんだ?告白か?」
「あはは…面白いことを言うね。単刀直入に聞く。なぜ手を抜いた?」
「なんのことかわからんな。俺らはちゃんとレースをした。」
「そうだね。最初だけは!なぜ、最後の直線手を抜いたと聞いているんだ…。」
「逆にあの時勝てるビジョンあったのか?」
「なかった…なかったさ!じゃあ、手を抜いてもらう理由になるのかい?」
「お前とタキオンの覚悟を見た俺が決めたことだ。気を悪くしたのなら謝る。だが、その怒りをそのままではなくレースで見せてみろ。」
「ふぅん。生意気を言うようになったようだね。良いだろう。やってやる。」
「東京優駿の時に決着を付けよう。」
「受けて立つ。今葉。」
俺と松風は東京優駿で決着を付けることにした。本人相手に文句を言うのなら、ここはトレーナーらしくレースで勝って決着を付けることにした。
翌日、俺はハヤヒデをトレーナー室に呼び出した。
「どうしたんだ?トレーナーくん。」
「すまないな。来てもらって。」
「いや、構わない。日本ダービーのことだろうか?」
「そうだ。」
「今更、何を報告することがあるのか?」
「タキオンが走るのも知っているよな?」
「もちろんだ。皐月賞を逃した私からしたらここでタキオンくんに勝っておきたい。」
「ああ。気を引き締めてトレーニングをするように。」
「了解した。それだけなら、教室に戻りたいのだが?」
「ああ。すまないな…来てもらって。授業頑張ってくれ。」
「では、失礼する。」
ハヤヒデがトレーニング室を出ていき、俺は机の上にある書類を片付けようと手をつけた。手をつけて数分後、ドアが開いた。
「やぁ、今葉。」
「誰ですか〜?って…うわぁ…松風やん。」
「今葉…うわぁとはないと思うのだが…。それに関西弁出てるよ。」
「そうだな。どうした?薬の押し売りか?それとも薬のプレゼントか?」
「信用のないような目だね。大丈夫。今日は普通にこれを見せに来ただけだよ。」
「これは…?ビデオか?」
「すこーし古いから丁寧に使って欲しいな。」
「これは何?」
「これはサンデーサイレンスの走りを撮ったビデオだよ。何故か私の部屋にあったから持ってきただけさ。」
「ここには置けないぞ?」
「なーに、わかっているさ。ただ見せに来ただけだからね。」
「なんだそりゃ。」
「そんなことよりも、皐月賞でのビワハヤヒデ…。」
「なんだ?」
「スピード足りてなかったんじゃないか?」
「ん。ちゃんと的を射ってるから怖いんだよお前。」
「お褒めありがとう。光栄に思っておくよ。」
「なんだろう。すごく腹が立つぞ。あの笑顔。殴りたいあの笑顔。」
「ふふふ。殴れるのはライスとタキオンだけさ!」
「そんなことを俺の部屋で叫ぶなを俺まで変な目で見られるだろ。」
「そうかい。あっ知ってるかい?2年後に『アオハル杯』が開催されるらしいね。 」
「『アオハル杯』?なんだそれ?」
「私もまだ理解していないんだがね。大まかな情報を手に入れたよ。」
松風は『アオハル杯』の概要を説明しだした。
「まず『アオハル杯』は短距離、マイル、中距離、長距離、ダートと5種類に分かれて各レース3人出ることができるらしい。」
「それで?」
「この先がないんだ。どこ探しても出てこないからこそ悩んでいるんだよ。」
「はいはい。世間話は終わりか?こっちは書類終わってねぇんだわ。お帰り願えますか?」
「ふぅん。釣れないな。わかった帰ろう。」
松風は喋り飽きたのかすんなりと帰っていった。松風とすれ違いにグラスが入ってきた。
「お疲れ様ですトレーナーさん。」
「ん。おつかれグラス。」
「あっ…近づかないでください…。」
えっ?グラスに拒絶されたんだが?生きていけない。もう俺の未来は死しかないよ!拒絶されるとこんなに辛いんだ。と俺は内心考えた。
グラスは何か勘違いをさせたと気づき、すぐに修正した。
「と…トレーナーさんが臭いってわけじゃなく。私が汗をかいたので…ね?」
「あっそうなの?良かった。」
「勘違いをさせてしまいすみません。」
「いいよいいよ。俺はグラスの匂い好きだし。(臭くないから大丈夫だよ。)」
「トレーナーさん…///」
俺は今何かやばいことでも言っただろうか?至って普通なことを言ったはずだ。だって、お年頃の子に臭いと言ってはいけない。いや、臭くないのだが。ん?グラスの顔が赤くなる。あれ?俺…何かやばいこと言いました!?
「と…トレーナーさん…///」
「あっ…えっと。そのー…」
「トレーナーさんのお願いでしたら…私何でもしますからね?」
「グラス?あの、グラスさん?無言で外泊届を書かないで?これ、今日のトレーニング表!んじゃ、俺ハヤヒデ見てくるから!」
「トレーナーさん…?何を焦って行ったのでしょうか。」
トレーナー室から走ってジムルームに向かった。廊下を走っていると色んなウマ娘から話しかけられる。
「あっ、グラスのトレーナーさんデース!」
「あっ本当だ!お疲れ様です。」
「ああ。エルにスペちゃん。お疲れ様。これからトレーニング?」
「いえ、今からパフェ食べに行こうって話になって。」
「なるほどね。そうだ!スペちゃん質問いい?」
「はい!私で良ければですが…。」
「東京優駿についてだよ。」
「日本ダービー…ですか。」
「ハヤヒデが東京優駿でな。何か教えて貰えたらと思ってな。」
「そうですね。んー。気合いがあれば何でもできるとお母ちゃんによく言われてました!」
「わぁ、精神論。エルは何かあるか?」
「ンー。ちょっと難しいデスね。でも、ひとつ言えることがあるとしたら…スタミナとパワーは上げとくべきってことデスね。」
「それはなんで?」
「東京優駿…日本ダービーは2400mの中距離デス。つまり長丁場になるのですから、スタミナで高順位を取りつつ、最後パワーで跳ね飛ばす!これこそが日本ダービーの勝ち方デスね。あと、運が関わってくるとエルは予報します。」
「んー。そうか。エルが1番分かりやすかった。ありがとう
参考にしてみるよ!」
「良いってことデスよ!」
「頑張ってくださーい!」
エルとスペちゃん達と別れ、俺はジムルームに向かう。ジムルームに着いた時ドアを開けると目の前に白いもふもふがあった。
「ん?ああ、トレーナー君。どうしたのだ?」
「なんか…羊いる。」
「羊とは失礼だぞ。全く。」
「そうだな。今回のトレーニングはスピード、スタミナ、パワーの三点盛りでいきましょう。」
こうして、新トレーニング方法でトレーニングが始まった。ハヤヒデはよくダートを走り、目に泥が入ったら叫んでいた。タキオンはタキオンで骨を強くする薬を製作していると風の噂で聞いた。走るためにトレーニングを捨ててまで薬に情熱を注いでいるらしい。次にマルゼンスキーは皐月賞ではパワーが足りてなかったとし、パワー&スピードを強化しているらしい。1番の大敵になるであろう。同期たちは強い。だからこそ、勝ちたいと思ってしまうのだが…。
俺はベンチに座りながらハヤヒデのトレーニング姿を見ていた。すると、後ろから話しかけられた。
「熱心ですね…。…お疲れ様です。今葉トレーナーさん…。」
話しかけてきたのは幽霊のような見た目をしているが、本当は大人しいだけの子。マンハッタンカフェが話しかけたきた。
「カフェか。次のレースのため?」
「…はい。トレーナーさんは…日本ダービーを回避しました。…またGⅡです。」
「アイツらしいよな。本当。」
「お友達も『面白いやつ』って言ってるんですよ。今も。」
「見えないお友達か。そうか。」
「はい。…今葉トレーナーさん。菊花賞で会いましょう。それでは失礼します。」
カフェはジムルームから出ていきどこかへ消えていった。ハヤヒデの走っている音しかジムルームは聞こえなくなり、ハヤヒデはトレーニングをやめて隣に座った。
「誰もいなくなったのだな。そうか…もうこんな時間なのか。 」
「俺さ。知ってる。」
「何をだ?」
「この後すぐにレースになること知ってる。」
「トレーナーくんが言っていることは理解し難いが、とりあえず自室に戻るといい。」
「ん。ああ。」
そうして俺はハヤヒデに急かされるようち寮に戻された。
自分の部屋に入り鍵を閉めた。昨日にグラスが作り置きしてくれた料理をレンジで温めて食べた。そして、布団に入った。
そして!時間は飛ぶ!日本ダービー当日!
東京競馬場に来ていた。グラスも見に来てくれた。
「相変わらず、人が凄いですね〜。」
「グラスの時もこんなに人多かったんだぞ?」
「あらあら〜。あの時は頂点へ立つって決めていたので〜。今となったらいい思い出…ですよ?」
「そうだな。あの時は俺も初めてだったからなぁ。」
「その初めては私がもらいました♪」
「そうだな。」
スタンドで二人で話していると後ろから話しかけれた。
「グラス…ワンダーさんと今葉トレーナーさんですか?」
俺らはその声に気づき、後ろを向くと誰もいなかった。
「し、下です! 」
俺らは下を向くとそこにはダイヤちゃんが居た。
「おや、ダイヤちゃん。こんにちは。」
「こんにちは〜。お一人で来たんですか〜?」
「こんにちは。いえ、キタちゃんと一緒に。キタちゃんは今テイオーさんと話していて、周りを見ていたら今葉さんとグラスワンダーさんが居て。」
「そりゃ来るよ。ハヤヒデ出てるからな。」
「私もマックイーンさんみたいに勝ってみたいです。」
「それなら、トレーナーさんにトレーニングして貰えばいいんですよ〜。私の無敗伝説を作った張本人ですから〜♪」
「はい!待っててください!今葉トレーナーさん!」
「あはは…困ったなぁ。」
「いえいえ、トレーナーさんならできますよ♪」
「そ…そうか?」
「はい♪」
「グラスワンダーさんと今葉トレーナーさんってお似合いですよね!」
「それは…どう言う意味でかな…?」
「えっ?そのまま結婚しても大丈夫だと思いますよ。ふふふ。」
「結婚…ですか?そうですね。そのうちしますか?トレーナーさん。」
「ウマ娘と結婚できるんかな?」
「どうでしょう…?」
「あっ、キタちゃんが私の事探してますから、行ってきますね!」
「あ、うん。気をつけてね。」
「はい!それでは!」
「無邪気ですね〜。」
「そうだな。」
「「あんな子供欲しいなぁ。(ですね〜。)」」
「「えっ?」」
俺とグラスはお互いに言った言葉に驚いて目を合わせた。2人して顔を赤くして下を見る。
そして、同期達が集まってきた。
「イチャラブかい?」
「違うわ。ほら、本バ場入場だぞ。」
ハヤヒデ、マルゼンスキー、タキオンが一緒に出てくる。スタンドは大歓声をあげた。
「ふぅん。私の復活祭にはいい歓声だ。どんなところが歓声を上げるべきなのか実験してみたいものだ。」
「タキオン君。トレーナーくんから聞いている。すまないが君には勝つ。」
「こちらこそ挑むところさ。薬で何とか骨は強くしたからね。初めてだよ。そんな薬を作るなんてね。」
「ふん。タキオン君らしい。」
「私の気分はチョベリグよ〜!」
俺らの担当達は話していたり、ファンサービスしたりしていた。
「なぁ、中山。」
「なんだ?」
「マルゼンスキーってちょっと古くない?」
「古くない古くない」
「そ…そっか。」
「そんなことよりファンファーレだぞ。」
「ん。」
東京競馬場のファンファーレが流れる。そして、ゲートインが始まる。
(またまた実況です。今回もアプリウマ娘より抜き出しなので、本物?です!)
実況「全てのウマ娘が目指す頂点日本ダービー!歴史に蹄跡を残すのは誰だ!さぁ!1番人気の紹介です。ここまで無敗皐月賞ウマ娘アグネスタキオン。虎視眈々と上位を狙っているぞ。3番人気はビワハヤヒデ。この評価は少し不満か?マルゼンスキー2番人気です。」
解説「私が1番期待してるウマ娘ですね。気合い入れて欲しいです。」
実況「各ウマ娘。ゲートイン完了。体勢整いました。スタート!各ウマ娘キレイなスタートを切りました。」
解説「みんな集中してましたね。好レースが期待出来そうです。」
実況「先行争いはマルゼンスキー、18番、アグネスタキオン。期待通りの結果を出せるか?1番人気アグネスタキオン。マルゼンスキー快調に飛ばしていきます。長丁場のこのレースですが、マルゼンスキー早くも先頭に躍り出た。第1コーナー回って第2コーナー。先頭はマルゼンスキー単身で飛ばしていきます。2番手の位置で先頭をうかがうのは15番。さらに2番。差がなく18番。そのうち回って7番。この辺りまでで先頭集団を形成しています。マルゼンスキーまだリートをキープしています。続きました15番。内7番。あと2番。5番手18番。一バ身差アグネスタキオン。外からビワハヤヒデ。一バ身離れて11番。その後12番。内から行く4番。少し離れて17番。少し後ろから10番。2バ身、3バ身開いて5番。それを見るように16番。向こう正面に入って先頭からシンガリまでおよそ13バ身。現在1番手マルゼンスキー。2番手に外から行く15番。差がなく7番。一バ身差2番。そのうしろ18番。アグネスタキオン外から行く。そのうしろビワハヤヒデ。その後11番。すぐに続いて17番。その内並んで4番。一バ身差12番。少し離れて10番。一バ身差5番。少し離れて16番。内から内から!6番。14番追走。後方2番手には13番。残り1000mを通過。9番最後方からのレースになりました。マルゼンスキー、先頭を進みますがこれは正解でしょうか?」
解説「マルゼンスキー!彼女の脚質には合っていますよ。」
実況「大ケヤキを超えて4コーナーへ。さぁ、いよいよ直線たま。どのタイミングで誰が仕掛けるのか!?まだ1バ身以上の差があるぞ!ここから捉えることはできるのか?まだ差がある。ここから先頭を捉えることウマ娘は出てくるのか?マルゼンスキーハナを進む!さぁ、外から先頭をうかがうのはビワハヤヒデ。最終コーナー回って最後の直線へ駆け抜けてきたのはマルゼンスキー!400を切りました。ビワハヤヒデ食い下がる。マルゼンスキー速い!速い!もはや独走状態!マルゼンスキー!先頭はマルゼンスキー!これは強い!残り200。リードを開いていくマルゼンスキー。逃げるマルゼンスキー!マルゼンスキー突き放す!マルゼンスキー!ほかの追随を許さなかった!クラシック二冠目はマルゼンスキー!そして同期トレーナー達の勝負は秋の京都へ伝説は引き継がれていく!2着はビワハヤヒデ!3着はアグネスタキオン!」
(実況終わり。これ菊花賞の時もっとしんどいんじゃない?)
惜しくもハヤヒデは2着だった。グラスはその光景を見て、こう言った。
「今回な相手が悪かったですね。特にマルゼンさんの速さがレースを作った感じでした。」
グラスはしっかりと観察していた。マルゼンスキーのこともよくわかっていた。グラスがマルゼンスキーのファンだからだろう。俺はハヤヒデの控え室に向かった。
「ハヤヒデ入るぞ。」
「ああ。トレーナー君か。大丈夫だ。」
「お疲れ様。ハヤヒデ。」
「うむ。数式を間違えたようだ。しかし、次こそは必ず取る。」
「ハヤヒデ。レースに絶対はない。覚えておいて。」
「トレーナーくん?何を言っている?」
「レースで絶対があるのはシンボリルドルフ会長のみだ。俺らだって、あの人に勝てるか分からない。それを超えるのか?ハヤヒデ。」
「もちろんだ。超えてこそ私たちだろう?」
「そうだな。じゃあ、行っておいで。ウイニングライブ。」
「ああ。行ってくる。」
俺はハヤヒデの控え室に残った。グラスが来て、こう伝えてきた。
「トレーナーさん。シンボリルドルフ会長が私たちのことを呼んでいるらしいです。明日朝から生徒会室に来て欲しいだそうです。」
「そうか…。帰ろうか。グラス。」
「そうですね。置き手紙書いておきますね。」
「ああ。」
「こんな時にシンボリルドルフ会長はどんな話なんでしょうか。もしかして、宝塚記念で勝負することになる…とかでしょうか?」
「ありえないだろう。会長には誰も勝てないんだから。」
「いえ、私達なら勝てますよ。絶対に。」
「グラスの絶対なら勝てるな。」
「はい。」
そう言って俺とグラスはハヤヒデの控え室を後にした。その日、なぜかグラスのまた同じ布団で寝ることになった。そろそろ2枚目の布団を買わないといけない気がしてきた。
どもども。綾凪九尾です。
前の新ガイドラインのやつは見てくださったでしょうか?
困りますよね。このままだと二次創作自体が禁止されそうで。困りますよ。
多分、あれを見たことにより驚いたことあるでしょう。
これはほとんど決まってないんですが…これからする予定なことを書いてきます。
まず、ウマ娘企画として「隣に寄り添う青き炎」が開始されました。
そして第2弾とし、「愛しき名脇役はこうして主役になった」が開始されました。
次に第3弾として、「エメラルド色の思い出」が開始されました。
そして、第4弾として。「隣に寄り添う青き炎シリーズ」として『輝けるダイヤ』が開始される予定です。
しかし、これは青き炎が終わり次第なのです。つまり、時間的に青き炎の続きになります。各トレーナーの3人目の担当ウマ娘が出たり、アオハル杯予定だったりとかなり企画は決まりつつあります。ですので、この小説が投稿されているところに投稿予定です。
しかし、そうなるとあまり宜しくないのでは?と思い、皆さんにアンケートしようと思うんです。ですから、是非ともアンケートに答えてください。
それではそろそろ失礼します。
投稿しないとそろそろやばいので。
今回もご愛読ありがとうございます。今夜には艦これ出したいですね。ええ。はい。
それともFGOのしすぎてギリギリなったことも後悔してます。
アンケートお答えお願いします。
それでは失礼します
新シリーズ「輝けるダイヤ」はここに投稿していいです?
-
大丈夫です。
-
わかりにくくなるのでやめて欲しいです。
-
輝けるダイヤって誰主人公だよ。