横に寄り添う青き炎   作:綾凪九尾

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前回までのあらすじ!
合宿行って札幌行ってパリ行った。
レース久しぶりまじやばたにえん酷し。
ってことであらすじ全然関係ナッシングだけど何とかしていきましょう!


全身全霊菊花賞(第13レース)

「おかえりトレーナーくん。パリはどうだったかな?」

 

「ただいまハヤヒデ。」

 

「ワンダーくんもパリはどうだったかな?いや、だいたい見たのだが…本人から聞いてみたいってのもあるんだ。」

 

「えっと…そうですね〜。」

 

グラスとハヤヒデが話す。俺はパリで見て来たものを書類にまとめて理事長に提出する予定だ。俺は帰ってきてそうそう、パソコンとにらめっこする。

 

「ハヤヒデ、何トレーニングしたか後で教えてくれ。まあ、大体でいいから。」

 

「わかった。後で手帳を持ってくる。」

 

「頼む。」

 

ハヤヒデは自室に手帳を取りに行き、俺はパソコンのキーボードを叩き文字を打っていく。グラスは俺の荷物を仕分けていた。

 

「トレーナーさん。休んだ方がいいがいい気がしますよ?」

 

「いや、急いだ方がいいだろ?」

 

「ダメです。休んでください。」

 

「でもさ…?」

 

「休みなさい。」

 

「あ…はい…。」

 

俺はグラスに念を押しされ渋々自分の部屋に戻る。部屋は至って普通で坂本と中山が遊びに来てた痕跡はなく、合宿から誰も入っていないようだ。俺は、スーツを脱ぎ捨てて布団に潜り込む。そして、俺は自分でも分からない内に体は疲れていたのだろう。強烈な睡魔に襲われ眠ってしまった。

そして、目を覚ます。携帯を確認すると『AM3:00』と書かれており、すぐに座る。

 

「やばい!ハヤヒデに悪い!待ってないよな?」

 

といい、スーツを拾おうとするがスカる。俺は暗い部屋で落ちているところが違うと思い電気をつける。しかし、そこにはあるはずのスーツがなく、スーツはハンガーに掛けられていた。俺はそのスーツを見て「(誰だ…?ハンガーにかけたのは…?)」と考えながらドアを開ける。そこには白いもふもふがあった。

 

「む?よく眠れたかな?トレーナーくん。」

 

「…は?ハヤヒデ?」

 

「何かおかしいことでもあるかな?」

 

「いやいや…ここトレーナー寮。なんで居るの。それに3時だぞ!?」

 

「いや、ワンダーくんも居るんだが…今は交代制でね。トレーナーくんが起きたら説明するつもりだったんだがね。」

 

「ん?」

 

「菊花賞の日にちが決まったそうだ。」

 

「それは…うん。情報入ってるが…?」

 

「場所も決まったそうだ。」

 

「京都だろ?」

 

「ああ…知らなかったのか…。」

 

「何?えっ?何?」

 

「京都は今、改装工事中だ。だから阪神でやるらしい。」

 

「あー…?あー…。グラスか。」

 

「まあ、そうなると思ってくれた方がいい。」

 

「そうだな…。いいけど…レースでない宣言してたが…?」

 

「ふむ。知っているよ。」

 

ハヤヒデとしっかり話すために俺は机の近くに来るとグラスが体操服を寝巻きに眠っていた。俺は「グラス!ここで寝ると風邪ひくだろ!」と叫び、グラスをお姫様抱っこをして俺が寝ていた布団に入れる。グラスは目を擦ったが「トレーナーさんの匂い…ふふっ♪」と言って眠った。俺はグラスが眠っていた場所に座り、ハヤヒデの話を聞く。

 

「阪神競馬場。ワンダーくんが歴史的快挙をした場所。私はそこで最後のクラシックの最後の1冠を取りに行く。何気に阪神競馬場では勝率高いからね。」

 

「確かに…高いよなぁ…。阪神競馬場に愛されてるって言うか…なんと言うか。ちゃんと言うのなら阪神競馬場の勝利の女神か?」

 

「そんな感じだろう。」

 

「ところで、外泊届は?最近リニューアルしてトレーナー印押さないと受理されないはずだが?」

 

「ああ。そのことなら大丈夫だ。ワンダーくんが教えてくれたからね。」

 

「あああ…あいつに俺の印鑑の場所教えてたから…隠さないと…。」

 

「ふふっ。大丈夫トレーナーくん。悪用はされないと思うぞ。」

 

「もうされてるじゃねぇか!」

 

「ん?ああ、そうだね。」

 

「呑気か!お前は!」

 

「私だって呑気に過ごしたいよ。それともトレーナーくんは忘れたのか?」

 

「いや、菊花賞だな。」

 

「そうだ。トレーナーくんに言われた通りのトレーニング法をしてシービーくんのトレーニング方法を聞いたりと沢山聞いておいたんだ。さすが三冠を取っているウマ娘だ。ふふっ、全てのトレーニング方法は違うな。」

 

「楽しんでるようで何よりだ。」

 

「こんな時間パソコンを開ける君は仕事病だな。」

 

「元々休む予定無かったんだがな。グラスに無理やり休まさせられたんだ。まあ、本人はあんな感じに寝てるがな。」

 

「そういえば、トレーナーくん。」

 

「ん?」

 

「いや、聞くべきではなかったな。」

 

「いや、そこまで言われると気になると言うか…?ねぇ?」

 

「いや、恋愛ってなんだろうと思ってだな。」

 

俺はハヤヒデを見て固まる。ハヤヒデから恋愛について聞かれるとは思わなかったからだ。俺はパソコンに打っていたデータを保存し、パソコンを閉じた。そして、ハヤヒデの方を見る。

 

「恋愛か。」

 

「ああ。ブライアンに『最近あいつに会うとあいつのトレーナーの話しかされないんだが…姉貴どう返事すればいいかわかるか?よくグラスワンダーから惚気られないのか?』と聞かれてな。あいにく、ワンダーくんは一切惚気ないから答えれなかったんだがね。」

 

「なるほど…そう言うことか。」

 

「ん?トレーナーくん。もしかして、私に好きな人が出来たと思っていたのか?そんなことないに決まっている。」

 

「いや…ウマ娘にも恋愛はしていいと思うんだがな?」

 

「まさにワンダーくんだな。」

 

「あいつは可愛いよ。ほんと、日々可愛くなるって言うか。」

 

「トレーナーくん。君が惚気けるのか?」

 

「うるせ。黙って聞いとけ。」

 

「ふむ。仕方ないか。」

 

ハヤヒデはそうやって立ち上がり台所にお茶を取りに行く。どうやら俺の分も入れてくれたらしく、戻ってきた時に2つコップを持っていた。

 

「トレーナーくん。わかってる通り明日もあるんだ。なるべく早めに終わらせてくれ。」

 

「わかってる。まずな、グラスの笑顔可愛くない? 」

 

「そうだな。 」

 

「それでな?おっとり系で優しくてほんと…いい。控えめに言って神!神だよ!あれは!」

 

「トレーナーくんがそう思うのならそうでいいと思うぞ。」

 

「それでそれで!」

 

俺の惚気は続きに続いて、ハヤヒデは最後まで聞いてくれた。そして俺はハヤヒデを前に買っておいた布団をハヤヒデに渡しグラスが寝てる部屋に入らせた。俺はリビングでテレビを見ながらお茶を飲む。そして、たまパソコンの電源をつけ明日のトレーニング方法とこれからのトレーニング方法を制作する。

 

「これまでの敗因はスピード…か?いや、でもスタミナの可能性も…日本ダービーのマルゼンスキーはスピードとスタミナか…。なら、ハヤヒデは今回差しでやるべき…か?」

 

俺は1人で「うーん。わからんわからんぞ!」と言い唸る。ハヤヒデも寝始めたのか隣の部屋からは2人の寝息が聞こえてきた。俺は「寝れたのか。」と思いつつ、パソコンと見つめ合う。グラスのトレーニング方法を確認しながら、どうすればいいかを確認する。グラスの時はパワーとスピードを集中的にトレーニングをしていた。最後の宝塚記念の時にしたトレーニング方法も見る。初めてグラスをトレーニングし出した時と宝塚記念の時のトレーニングを見ると初々しいと感じ、読み込んでしまう。しかし、すぐに思い出しパソコンにグラスがしたトレーニング方法を織り込みながらオリジナルトレーニング方法を考える。

 

「ん…これはえっと…オリジナル…の?」

 

俺は腕を組む。そして、窓を見ると光が差し込んでいる。

 

「なんで…どうして…朝なの…。」

 

俺は窓を見つつ呟く。そして、パソコンに目を通す。一旦、オリジナルトレーニング方法は諦めて過去グラスがしたトレーニング方法と今のハヤヒデがしているトレーニング方法を織り込んだトレーニング方法をパソコンに保存し、パソコンを閉じる。そして、どんどん視界が歪み出す。

 

「(ああ…眠い…少ししか寝てないのか…俺は…。)」

 

俺は歪んだ視界であるところに向かう。そして、倒れ込み眠った。

朝起きると、横にはグラスがニコニコして俺の事を見ていた。

 

「おわぁ!!おはようございます…。」

 

「はい〜♪おはようございますトレーナーさん♪」

 

「ハヤヒデは?」

 

「先に出ていきましたよ?」

 

「はぁ、俺昨日…?」

 

「多分疲れてたんですよ?ちゃんと寝ましたか? 」

 

「寝たんだけどな…?おかしいなぁ。」

 

「本当ですか?ハヤヒデ先輩に聞いても良いんですよ?」

 

「ぐぬぬ…夜中起きました。」

 

「はい♪知ってます♪」

 

「知ってて聞いてきたのかグラス…」

 

「そうですよ?」

 

「その笑顔が…。」

 

俺は言いかけた言葉を飲み込む。もちろん、言葉は「可愛い」なのだが、これ言えば絶対にグラスは照れて俺の顔を見なくなる。つまり、俺の癒しが無くなるってことなのだ!

 

「トレーナーさん?私の笑顔がどうしましたか?」

 

「いや?特に何も無いよ。」

 

「教えてください。」

 

グラスはくぷぅと頬を膨らめせて、俺の事を見る。俺はその顔を見て「ああ、俺の彼女可愛い(まだ彼女じゃないけど)」と考えた。この時間なんと0.7秒である。

 

「教えてくださーい!」

 

「いやだ。トレセン行く用意しよっと。」

 

俺の事をポカポカの叩くグラスを放置して用意を始める。グラスは時間を見て「トレーニングの時間ですね。」と呟いて立ち上がった。そして、俺の前に立ち俺の行く道を妨害する。

 

「あの…?グラスさん?何してます?」

 

「いいじゃないですか。邪魔させてください。最近構われしすぎて寂しいんですよ?」

 

「そう言われてもなぁ…。」

 

「寂しいんですよ!」

 

グラスは手を広げて俺の前に立ち続ける。横にズレてもグラスは俺の前に立ち続ける。俺は少し考えてた。

 

「(ここは…どう切り抜ければ…そろそろハヤヒデに渡された紙に書かれている時間だ…本当にやばい…。こうなったら最終方法しかないな。)」

 

俺は覚悟を決めて、グラスに言う。

 

「グラス?それはレッサーパンダの威嚇ポーズだな!!俺…威嚇されることしたかな!?」

 

「違いますから!私に抱きついてくれたら通してあげますよ?」

 

「そんな…ハグしてくださいポーズだなんて…グラス…成長したのか?それとも大和撫子はやめたのか?」

 

「トレーナーさんの前だけはしないって決めただけですよ?」

 

「そうか。」

 

俺は諦めてグラスに抱きついた。起きたばかりだからか少しグラスが暖かく感じる。

 

「あっやばい寝れるこれぇ…。」

 

「トレーナーさん?寝ますか?」

 

「寝たい…。でもだめぇ…。」

 

「寝てください。」

 

「はい!ダメ!」

 

俺はグラスから離れ、グラスはしょんぼりしてから俺と一緒に部屋から出る。俺は鍵を挿し、鍵を閉める。そして、廊下を見るとそこにはニヤニヤした松風が立っていた。

 

「おやおや〜?今葉くぅーん?朝帰り?」

 

「黙れ年中発情発光野郎。お前の本棚の…」

 

「まあ!待ちたまえよ!聞いてくればいい。」

 

「はぁ?まあいい、歩きながらでいいのなら。」

 

「構わないよ!じゃあ行こうか!」

 

「お前が仕切るなよ。」

 

3人で寮から出てトレセンに向かう。

 

「まず、君たちの愛し合い度を見てみたいのだがね?実験n」

 

「しない!」

 

「それは残念だ。調べたら面白い結果なりそうなのだが…ふぅん…仕方あるまい。坂本ペアの方を調べるとしよう。」

 

「あの二人に愛はあるのか…?」

 

「君たちほどではないとしてもあるだろう?」

 

「さて、お前の話を聞いてたら疲れてくるからここでさようならだ。До свидания。」

 

「いや!待て!なぜ、私の話を…!!」

 

どんどん松風の声が遠くなり、俺はハヤヒデが待っている場所に来るとハヤヒデはトラックを走っていた。

 

「遅かったじゃないのか?トレーナーくん。」

 

「すまない。グラスがなぁ…。」

 

「トレーナーさん!私は何もしてませんよ!」

 

「ワンダーくんはそう言っているみたいだが?」

 

「真相は闇の中です…。」

 

「それもそうだね。さて、今日のトレーニング方法は?」

 

「グラス任せていいか?パリ遠征時の資料作らないといけないんだ。」

 

「わかりましたトレーナーさん。見ておきますね。」

 

「頼む。」

 

俺はグラスにハヤヒデを見とくように言い、トレーナー室に入ってパリ遠征した時の資料を作り始めた。

まず、初めに書くことはパリトレセンの理事長名。そして、エルコンドルパサーのトレーニング方法、芝の硬さなどなどをパソコンで詳しく纏める。そして、コピー機でそれを刷る。俺は文字が抜けてないか確認し、理事長室へ向かった。

 

「失礼します秋川理事長。」

 

ドアの向こうから「ふむ!入れ!」と言われたので入る。理事長はいつも通り書類の山を片付けていた。

 

「理事長。パリ遠征時の資料完成したのでお渡しに来たのですが…すごい量ですね。」

 

「肯定ッ!しかし!これも学園の長の役目でもあるッ!」

 

「そうですね。頑張ってください。」

 

俺は理事長に書類を渡してすぐに理事長室を出る。そして、走ってグラスとハヤヒデの元へ行く。理事長室からトラックまで遠く、かなり息切れをする。周りはスタスタと早く行くウマ娘達。俺は少し壁に持たれ掛かった。

 

「おやおや?これはグラスちゃんのトレーナーさんじゃないですか〜?」

 

「ん…ああ…。セイウンスカイか。」

 

「セイちゃんのことはスカイって呼んでくださいよ〜。」

 

「はいはい。スカイスカイ。」

 

「雑いです。全く、この人が本当にグラスちゃんのトレーナーさんなのかって思いますなぁ〜。今頃、グラスちゃん落ち込んでたりして〜。」

 

「んなわけないだろ。」

 

「そうですねぇ〜。あっ、そういえば探してもらってたみたいですけど〜…良かったんです?」

 

「何がだ?」

 

「私と坂本さんを会わせたことです。」

 

「俺が提案したんじゃない。グラスだから俺には知らないことだ。」

 

「とか言って、支えたって聴きましたよー?」

 

数分間セイウンスカイからの質問攻めに合いながら、息を整える。そして、最後にセイウンスカイがちゃんと立って「心配かけました。」としっかりした声で俺に言う。俺は「別に俺に言うべきじゃないだろ?友達に言うべきだからな。」と言ってセイウンスカイの前から走り去る。セイウンスカイは俺を見て笑っていたと聞いた。

俺はやっとの思いで、トラックに着いた。

 

「はぁ…はぁ…いや、遠すぎるだろ…。」

 

「おかえりなさいですトレーナーさん♪」

 

「ただいまグラス…。はぁ…はぁ…。」

 

「走って帰ってきたんですね?」

 

「待たせる訳にはいかないからな。」

 

「そうですか?ゆっくり来ても良かったんですよ?」

 

「パリとか札幌とか行ってハヤヒデの現状を見れてないからこそ、急いで来たんだが…大丈夫そうか?」

 

「はい♪大丈夫そうですよ〜♪」

 

「それは良かった。」

 

俺はグラスからトレーニングの紙を貰って確認する。芝のトラック2周とダート一周を終わらせ休憩していた。

 

「お疲れ様ハヤヒデ。」

 

「お疲れ様トレーナーくん。君も走ってきたのか。」

 

「そりゃね。早く来ないと成長したところ見れないからな。さて、次のトレーニング方法は…っと…。」

 

「待ってくれトレーナーくん。少し私の考えた案を入れてみないか?」

 

「ほう?それは?」

 

「模擬レースだ。」

 

「模擬レース…か。」

 

「模擬レースがあればライバルたちにも劣ることは無いだろう?いい案だと思うんだが…。」

 

「そう言っても集まるわけじゃ…。」

 

「いや、集めておいたぞ。」

 

「は?」

 

「集めてみたんだが説明していくぞ。テイオーくん、グラスくん、ネイチャくん、カフェくん、私の感じなんだが…どうだろうか?」

 

「わぁ…恐ろしいメンツだぁ。」

 

「特にネイチャくんは私たちの先輩でもあるからこそ要注意って感じだな。」

 

「グラス…いいのか?」

 

「トレーニングを助けるのは私の役目ですし、それにトレーナーさんにいい所見せますから見ててください♪」

 

「さすがと言うか…無敗のウマ娘だな。」

 

「トレーナーさんがそうさせたんですよ?」

 

「それもそうだったわ。んじゃ、各自準備運動して1周だからな。」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

俺はストップウォッチを構えてスタートするのを待つ。たまたまそこにいた坂本がスタートの合図をする。

 

「行くぞ…。よーいドン。」

 

各ウマ娘が走り出す。俺は走り出したと同時にストップウォッチを押した。そして、第1コーナー第2コーナーを差し掛かって先頭はトウカイテイオーだった。テイオーが最終コーナーカーブまで行くが少し焦りだしている…と言うよりグラス以外全員焦っているようだ。多分グラスの得意技『青い炎の圧力』を掛けているんだろう。一気にグラスが先頭へ躍り出て俺の前を1番に駆け抜けた。その次にトウカイテイオー、次ナイスネイチャ、その次ビワハヤヒデ、最後マンハッタンカフェと先の時代のウマ娘と言うよりグラスの1人圧勝だった。

 

「いやぁ…これは無理ですわぁ。無理無理。私みたいな3着に無理ですよ〜。」

 

「いや、早かったぞ。ネイチャくん。」

 

「あはは…それはどうも…お馴染み3着ですけど…。」

 

「3着でも早いものは早いんだぞ?」

 

「そうですけど…。」

 

ハヤヒデとネイチャが話す。俺の前ではグラスとテイオーが話していた。

 

「ねぇ!さっきの何!?」

 

「えっと…何がですか?」

 

「さっきのゾワゾワってきたの!」

 

「私にもわかりませんよ?何故か皆さんが下がっていくんですが…。」

 

「ワケワカンナイヨ!」

 

俺はその光景を見てグラスが無意識にあれを出しているんだと初めて知った。そして、マンハッタンカフェは1人ぽつんとしている。俺はマンハッタンカフェに近づき話しかけた。

 

「あっ…お疲れ様です。皆さん速いですね。お友達も驚いてますよ?」

 

「グラスは破格だがな…。にしても、やっぱり短距離は辛いか?」

 

「…そう…ですね。多分私は短距離ではなく長距離を得意にするので…短距離はちょっと…。」

 

「そうか。そういえばもうそろそろ菊花賞だな。」

 

「そうですね。お友達も勝てって言ってます。」

 

「お友達か…。ふぅん。」

 

「その言い方タキオンさんみたいですよ?」

 

「ああ…失礼。意外とどんな見た目なのか気になってしまってね。 」

 

「普通ですけど…?黒いですよ?」

 

「君みたいに?」

 

「そう…ですね。」

 

「よくわかんないわ…。」

 

俺はそう言って「んじゃタイム報告していくぞ〜」と言って一人一人にタイムを報告する。グラスだけは破格でほかの皆は至って平均的なタイムだった。

 

「トレーナーくん、結果はどうだろうか?」

 

「速くはなってる。でもパワーが足りない。今から筋トレしようか。」

 

「わかった。」

 

こうしてハヤヒデの弱いところ(主にパワー)を補うためのトレーニングをすぐに組み立てる。それをグラスと見せながら提案をしてもらい最終的に草案から完成品にまで持っていく。ハヤヒデはその間ゆっくりと休んでもらい、翌日完成した。もちろん、グラスは2日連続外泊届で近々俺の部屋で泊まるためには外泊届が要らないようになるらしい。それはハヤヒデも適用されるとか。なんでだよと思いつつ、グラスを部屋に招いた。

 

「2日連続…来ちゃいましたね。」

 

「グラス…言い方あるでしょ…。」

 

「まるで、奥さんみたいですね♪」

 

「グラス…?どうした?今日…?」

 

「別に何も無いですよ〜。」

 

「まあ、座って座って。お茶出すから。」

 

「いえ〜♪お構いなく〜♪」

 

俺は台所に立ちお茶を入れる。何度も何度もグラスを部屋に入れていたが…今日は意識してしまう。「なぜだ?」と思い、過去数ヶ月を思い出す。しかし、思い当たる節がない。ならいつだ?今日だとなる。よく一緒に寝てるのになぜ?今日はグラスが可愛いから?ん?は?何それ。おかしいでしょ。

 

「すまないな。こんなお茶しかないんだ。」

 

「大丈夫です〜♪さてと、私がやってきたトレーニングを取り入れながらにすべきかと思いますよ。」

 

「やっぱりそうだよな。」

 

グラスはキリッとした目付きになり、真剣モードになる。それに対して俺は、資料を見ながらチラチラとグラスを見てしまう。今日のグラスに何故か目を離せない。

 

「トレーナーさん?もしかして…今日の朝のこと気にして意識しちゃいますか?」

 

「いや…そう言う訳じゃ…。」

 

「別に甘えてもいいんですよ?」

 

「いやいや、それならトレーニング方法まとめてから甘えるとしよう。」

 

「はい!大丈夫ですよ〜♪」

 

俺らは資料とパソコンを使ってトレーニング方法を考える。ハヤヒデに合うようにと考えた結果、最初は筋トレから坂道ダッシュ、ウサギ跳びと段階性にすることになった。

 

「これ…私だと音を上げてしまいそうです…。」

 

「いや、グラス普通に出来るんじゃ…?」

 

「んー…そうですね〜。」

 

「あっできるなこれ。」

 

「どうですかね〜♪」

 

俺はグラスの笑みを見ながらお茶を飲む。ずっとグラスを見続けると「どうしましたか?」と聞かれるのでコップを置く。

 

「甘えるって話あったでしょ?」

 

「ありましたね〜。」

 

「甘えるって何したらいいの?」

 

「そうですね〜。耳かき…とかどうです?」

 

「耳かきか…お願いしようかな…?」

 

「ちょっと待ってくださいね〜。」

 

グラスはそう言ってカバンをガサガサと漁り出した。そして、出したのは耳かき棒だった。

 

「じゃあ、トレーナーさん。こちらにどうぞ。」

 

「あれ?初膝枕じゃ?」

 

「そうですね…どうぞ…/////」

 

俺はグラスに言われるがまま、グラスに膝枕をしてもらう。ここでの感想はあえて言わない方向性にしようと思う。そして数分後終わり、何事もなく眠った。

翌日のハヤヒデに新トレーニング方法を試してみる。すると、効果はあるように見えた。それから数週間このトレーニングとスピードのトレーニングをやり、菊花賞に備えた。

菊花賞前日、俺らは既に阪神競馬場近くのホテルに泊まっていた。

 

「トレーナーくん。この展開はどうだろうか?」

 

「んー…もうちょっと早い目に勝負に出てみるのはどうだ?」

 

「これは…そうですねぇ…。この場面で勝負掛けてみるのも手ですよ。」

 

「たしかに、グラスはここからだったな。」

 

「はい。覚えていてくれたんですね〜。」

 

「一応はな。」

 

「さて、ならここで勝負を掛けるとしても差しでいいのだろうか?」

 

「構わないぞ。」

 

「わかった。なら、会議は終了だな。」

 

グラスとハヤヒデはベットで寝かせ、俺はソファで寝ようとしたらグラスが「こっちです。」と言って俺をグラスと同じベットに入り眠った。

そして、菊花賞当日。たくさんの人が競馬場に入っていく。俺らは関係者出入口の方から入り、控え室に入った。

 

「さて、最終確認だが…ここでいいんだな?」

 

「ああ。構わない。それと最後に差しから先行に変更してみてくれ。今のパワーなら先行でも引けは取らないと思うからな。」

 

「わかった。やってみるよ。」

 

競馬場の方ではレースが始まり、歓声が上がっている。ハヤヒデは最後の1冠を取るつもりで覚悟を決めていた。

そして、11レース『菊花賞』の時間になった。

 

「トレーナーくん。私は勝利を君にプレゼントするよ。」

 

「待ってるぞ。」

 

ハヤヒデが本場バ入場すると大歓声が起きた。クラシック2冠を2着で終えているハヤヒデは今回大人気だ。

 

(はい。これからレースです。)

実況「クラシックの終着点。菊花賞を制し最強の称号を手にするのは誰だ!人気と実力を兼ね備えたここまで無敗マンハッタンカフェ、今日は3番人気です。この評価は少し不満か?2番人気はこの娘、皐月賞ウマ娘アグネスタキオン。威風堂々とスタートを待つのはこのウマ娘本日の1番人気ビワハヤヒデ。」

 

解説「火花散るデットヒートに期待しましょう。」

 

実況「ゲートイン完了出走の準備が整いました。スタートです。各ウマ娘綺麗なスタートを切りました。」

 

解説「誰が先頭に抜け出すか注目していきましょう。」

 

実況「先行争いは6番、12番、1番。期待通りの結果を出せるか?1番人気ビワハヤヒデ!6番快調に飛ばしていきます。先頭集団を見てみましょう。激しい先行争いで前に出たのは6番、続いて1番、激しい先行争い。少し後ろから18番、12番4番手。ここまでが先頭集団。先行は1番単身で飛ばしていきます。2番手の位置から先頭を伺うのは6番!第4コーナーカーブ、先頭から後方まで縦長方法展開だ。」

 

解説「各自自分のペースを保っているようですね。」

 

実況「ここで先頭は6番。続きました1番。外を回りまして18番。1バ身差12番。5番手ビワハヤヒデ。そして、その後方にはアグネスタキオン。1個目のホームストレッチです。その後から2番。2バ身3バ身開いて3番。少し離れて11番。3バ身差5番。3バ身離れて4番。マンハッタンカフェ並びかけてきた。2バ身離れて14番。その外並んで13番。少し離れて15番。それを見るように7番。後方2番手に16番。最後方17番。1番先頭を進みますがこれは正解でしょうか?」

 

解説「1番!彼女の脚質には合ってますよ。」

 

実況「依然として1番。1コーナーから2コーナーへ向かう。さぁ、先頭に立ったのは6番。続いて1番。その外並んで18番。12番4番手。ビワハヤヒデ5番手。内からアグネスタキオン。さらには11番。少し離れて3番。外を回りましてマンハッタンカフェ。後には2番。2バ身3バ身離れて5番。それを見るように4番。2バ身3バ身離れて13番。さらには14番。それを見るように15番。2周目の向こう正面に入って変わらず先頭突き進みます6番。さらに6番。さらに内1番。外で18番。さらに12番。外でビワハヤヒデ。少し離れてアグネスタキオン。1バ身離れて11番。後ろ3番。少し後ろから2番。少し離れて5番。内から内から!マンハッタンカフェ。すぐに続いて4番。残り1000mを通過。その内から回って13番。1バ身離れて14番。外から行く15番。7番並びかけてきた。意気揚々と飛ばしていきますビワハヤヒデ!どうでしょうこの展開?」

 

解説「掛かってるかもしれません。息を入れるタイミングがあればいいのですが。」

 

実況「第4コーナーカーブ。」

 

解説「ここからスパート!一気にレースが動きます!」

 

実況「この直線で勝負が決まるぞ!まだ身があるここから先頭をとらえる娘は出てくるのか!ビワハヤヒデ、ハナを進む!さぁ、誰が最初に仕掛けるのか!?アグネスタキオン2番手について様子を見守る!残り400最終コーナーを曲がって最初に駆け抜けてきたのはビワハヤヒデ!アグネスタキオン追いすがる。マンハッタンカフェ見事なごぼう抜き!やはり最後の直線は同期トレーナーたちの三つ巴だ!ビワハヤヒデ速い!速い!もはや独走状態!残り200。ビワハヤヒデ脚色番衰えない!ビワハヤヒデリードは4バ身。先頭はビワハヤヒデ変わらない!速い!速い!ビワハヤヒデ強いとしか言えない見事な走りできた!菊花賞を制したのはビワハヤヒデ!2着はマンハッタンカフェ!3着はアグネスタキオン!」

 

(レース終わりです。)

 

「ふぅ。やったぞトレーナーさん。」

 

「おめでとうハヤヒデ。そういえば、お前の異名がかっこいいぞ。」

 

「ワンダーくん番『不死鳥』だったようだね。なら、私はどんなものだろうか。」

 

「『勝利の探求者』らしい。意外と合ってる気がするぞ?ハヤヒデ。」

 

「フッ。そうだねトレーナーくん。ワンダーくんもありがとう。これからも勝利のために探求者しようじゃないか。」

 

〜某所〜

「お姉様のためなら…マックイーンさんを倒す。」

 

「いい心構えだねライス。」

 

「ライスはお姉様のこと好きだから。」

 

「なら、近々出かけようか。」

 

「うん!ありがとうお姉様!」




はいはい綾凪九尾ですよ〜。
今回も読んでいただきありがとうございます〜。
1月最後の投稿となりますが、今回は報告するべきか悩みますが…全UAが3万6000超えなんですよ今。私の目標が3月までに4万人なんです。3ヶ月で4万人って思ってたんです。じゃあまさかの2月で4万人超えそうってなっちゃってます。
それなら2月22日には4万人行っときたいですねぇ。
私が小説を投稿し始めたのが2月22日だからです。
さて、今回はネタなし純度恋愛型ですね。パリに続いてって感じですけど…恋愛も好きでしょ?皆様。
今回はセンブリ茶を持ってうがいしつつ読むことをオヌヌメします。
それともブラックコーヒーでうがいしてください。
ネタもないので説明不要ですね。
それでは次回は…天皇賞・秋かな?
ライス、テイオー、マックイーンが出ますので楽しみにしててください!
いいですね!問答無用で投稿通知出しますからね!覚悟の準備をしといてください!いいですね!?
として締めさせていただきます。
何度も言いますが今回も読んでいただきありがとうございます。
これからも頑張っていくのでご愛読しといてください。
次回の日にちは…あっ、今回は1日ズレてますが…理由はTwitter見てください。
次の投稿は…2月20日予定です。
22日には1周年記念艦これ小説出すので楽しみしててください。
それではДо свидания
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