横に寄り添う青き炎   作:綾凪九尾

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紅葉散る天皇賞(第15レース)

「今日もいい天気。まさにトレーニング日和だな!さて!今日のトレーニングはと。」

 

俺はいつも通り、パソコンのデータが保存されているか確認してからトレセンに行くようにしている。俺はパソコンの電源をつけ、パソコンを見るとちゃんと保存されていたのでパソコンを閉じたと同時に俺の部屋のドアが飛んできた。

 

「はい!?なんでー?ナンデー?」

 

「やぁ!モルモット君の同期くん!」

 

「うわぁ…マジでやばい方のアグネスじゃん…。」

 

「やばいとは酷くないかな?そんなことより、前の実験結果が出たんでね。付き合ってもらった君に教えておこうと思ってね。」

 

「前に聞いたが…変わったところがあるのなら聞いておこう。」

 

タキオンは飛ばしたドアを踏み、机の前に座った。そして、ダボダボの袖から実験結果の紙を取り出して説明しだした。

 

「まず、心拍数の上がり方について。特に変わりがなかったが…最後のプレゼントを渡す時の心拍数の上がり方は異常だね。」

 

「ふむ。緊張じゃないのか?」

 

「かもしれないね。しかし、あの絵本の話は誰が考えたんだろうね。」

 

「松風じゃないのか?」

 

「ふぅん。私が言うのは間違っているかもしれないがモルモット君に通常の頭の動きができるとは予想外だね。それに、私の知らないうちにデジタル君に助けを求めていただなんてね。」

 

「ドーベルとかでも良かったんだけどな?デジタルを選んだらしい。」

 

「モルモット君の部屋は本だらけなんだけど…ほとんどデジタル君が書いた本らしいんだ。」

 

まあ、でしょうねと言う情報に少し笑いが出てきた。アイツらしいと言えばアイツらしい。でも、ウマ娘の純恋愛の本を買うのはどうかどう思うが。

 

「ところで、ドーベル君が本を書いているとどこで知ったんだい?」

 

「風の噂。」

 

「嘘だね。」

 

「まあ、マックイーンかな。」

 

「なるほどね。ふぅん…浮気かい?」

 

「アホか。」

 

「アホとはなんだい!そう思ったから言ったのみだぞ!」

 

「ハイハイ。ドア戻しといてね。俺はそろそろトレセン行くから。」

 

「構っておくれよー。最近モルモット君が構ってくれないから君しか頼りが居ないんだよー。」

 

「俺はおめぇの担当じゃねぇから。」

 

「知り合いだろう?」

 

「まあ、間違ってはないが…。って!時間やばい!」

 

「全く、このドアどう戻せばいいのだろうか。」

 

俺はタキオンを部屋に放置して、パソコンを片手に走った。トレセンのトレーナー室に滑り込みチャイムがなる数秒前だった。

 

「トレーナーさん?どうされましたか?」

 

「あ…ああ、グラスか…。」

 

「おはようございます♪」

 

「おはよう…。」

 

「何かありましたか?」

 

「タキオンが俺の部屋のドアを…蹴破って…。」

 

「あらあら…それは…。」

 

「もしかしたらドア戻ってない可能性もあるからな…。俺の部屋使えねぇな。そのままだと。」

 

「そうですね〜。どうする予定なんですか?」

 

「ホテルかな…。寝る場所がないのなら安いホテルで…。」

 

「トレーナーさん…寮…ありますよ?」

 

「いや、ダメだから。」

 

「寮…ありますよ?」

 

「ダメです。」

 

「ありますよ?」

 

「ダメって言ってんでしょ!」

 

「そう言われましても…。」

 

「何とかするよ。」

 

「そうですか。」

 

グラスは少し残念そうにして、落ち込んでいた。しかし、トレーナーがウマ娘寮に入るのは禁忌である。どっかのアホはしたらしいが、俺はそんなことをしない。だって、あいつより俺は規則を守るからな。急に海を泳ぎ出すあいつとは違うんだから。少しして、グラスがHRのために教室に行った。俺は1人でパソコンを打ち、今日の仕事を終わらせようとする。しかし、仕事をしていても邪魔は入るものだ。

 

「邪魔するぞー。」

 

「松風!」

 

「なんだぁ?おめぇ?」

 

「私はムス○大佐だ」

 

「あなたまっくろ○ろ○け!」

 

「私はムスカ○佐だ」

 

「あなたまっ○ろくろ○け!」

 

「私をあまり怒らせない方がいい!」

 

「華麟怖くないもん!」

 

「なんだこれ?」

 

「ム○カ大佐VSメ○ちゃんだ。」

 

「急に紙を投げてくるから読んでしまったぞ。」

 

「そのくせに、意外と乗り気だったのは面白かったよ。」

 

「こんなやつと同類とか死んだ方が…。」

 

「おや、そんなことを言うのかい。今ここにラピュ○の雷を落としてもいいのだよ?」

 

「うわぁ…こいつが言うと本気でしそうだよ。」

 

「当たり前だろう?私はラ○ュタの王だからね。」

 

「俺の同期は本当にやばいのかもしれない。」

 

「前からだね。」

 

「間違ってないな。」

 

松風は俺のトレーナー室にある椅子に座り、話しかけてきた。

 

「次のレースわかっているだろう?」

 

「天皇賞・秋か?」

 

「そう。ライスが天皇賞春秋制覇するためには通らなければならない道なのだよ。無敗伝説を作った君に聞きたい。天皇賞・秋はどうすれば勝てる?」

 

「やったことないからなんとも言えんが、会長に聞いてみたらいいんじゃないか?」

 

「シンボリルドルフか。史上初の7冠ウマ娘ね…。」

 

「天皇賞・秋でも勝ったらしいから聞いてみてもいいと思うんだが…。」

 

「確かにそれもそうだね。でも、今は授業中だろう?」

 

「そうだな。」

 

「じゃあ覗きに行こう!」

 

「馬鹿野郎。そんなことする暇があるのなら天皇賞・秋のことでも考えとけ!」

 

「そう言われてもね…。うーん。」

 

「とりあえず、さっさと自分のトレーナー室に帰れよ。」

 

「最近タキオンを見ていないんだ。」

 

「タキオンがか?知らんぞ?」

 

「いや、情報によれば君の部屋に来そうじゃないか。」

 

「あー…ドアが…。」

 

「もちろんそれも知っているよ。すまないね。私の担当が。」

 

「ほんとだよ。全く。」

 

「まあ、お詫びとはなんだけどさ!ラピュ○の中行かないかい?」

 

「ぜってぇ行かねぇ!」

 

「ちぇ、釣れないな君は。」

 

「釣れなくて普通!帰れ!」

 

俺は松風をトレーナー室から追い出し、机の上に置いてあった書類を手に持つと中から手紙が出てきた。どうやら、書類をと共に置かれていたらしい。俺はそれを手に取り、誰宛かを見ると俺の名前が書いてあった。裏を見ると「奥巻」と書いてあった。奥巻の名前を見た時ピンッと頭の中にその名前の人を思い出した。

 

「あー…従兄弟だなぁ…。あいつ何してるんだっけ?」

 

と俺は呟き、封筒を破き中身を見てみる。手紙と写真が入っていた。

 

『勝馬へ。元気にしてますか?私は元気です。ウマ娘さんのトレーナーになったと聞きました。凄いですね。こっちでも君の担当の子が話題になりました。無敗伝説として勝馬が名前を残したことを光栄に思います。そう言う私は軍に入りました。知ってるかな?新しい鎮守府で提督をしているんだけど…これがまた辛い辛い。そう言う勝馬はどうかな?君にはデスクワーク似合わなすぎてトレセンに決まった時笑いが出てしまったよ。あのやんちゃ坊主がと思いつつね。いや、同い年だからね?忘れるなよ?』

 

急なノリツッコミ?で笑いが込み上げてきたが我慢する。どうやら、久しぶりに手紙を書いてみたって感じだった。俺も書かなければならないような気がしたので今日の夜でも百均で手紙用紙と封筒買おうと思いつつ、手紙を横に置き仕事を終わらせる。時計を見るとまだ昼前のようで、俺は久しぶりにトレセンを散歩することにした。

歩いても何も変わっていないんだが、木の下にセイウンスカイが寝ていたりナリタブライアンが寝ていたりと今日のトレセンも平和です。じゃなくて2人を叩き起す。

 

「サボり魔共!起きろ!授業は!?」

 

「ん?あぁ…姉貴のトレーナーか。」

 

「ダメですよ〜。授業中なら大きな声は〜。」

 

「おめぇらな…。とりあえず起きろ!目を覚ませ!」

 

「セイちゃんならいつでもおめめパッチリですよ〜。」

 

「おうそうか。」

 

俺はセイウンスカイの一言でイラッとしたので携帯を取りだした。セイウンスカイは「携帯取り出しても無駄ですよー。」と笑いながら言う。俺はある人に電話を掛け、すぐ来てもらうことにした。そして数分後、セイウンスカイは顔を青くして、俺の横に立っていた。

 

「って訳だ坂本。」

 

「うん。なるほど。」

 

「あの〜…セイちゃん用事思い出したんですけど〜。」

 

「ん?授業は?」

 

「あっトレーナーさんやめてください…。それはセイちゃんに一番効きます。」

 

「うん。知ってる。」

 

「それならやめましょうよー!トレーナーさん連れてくるのはセイちゃん憲法に違反しますよ〜?」

 

「憲法なんて大事な。」

 

「私からしたら大事なんですよー?」

 

「うん。それで?」

 

「それでってなんですか!?」

 

「そっか。」

 

「まあ、それぐらいにしとけ今葉。」

 

「じゃあ、連れて行ってくれ。」

 

「わかった。」

 

坂本はセイウンスカイを連れて行き、俺はナリタブライアンが残っていた。

 

「ああ。私には気にするな。」

 

「気にするよね。一応生徒会副会長だよね。」

 

「そうだな。」

 

「俺はブライアンを置いて、散歩を続けるとトラックで授業をしていた中等部を見つけた。」

 

俺は自販機で飲み物を飲みながら見てみる。すると、パッと目に入ったのはグラスだった。俺はとりあえず各ウマ娘を確認してみるとグラスが先生と話している。そして、グラスが俺の前に来て「トレーナーさん授業してみてください♪」と言い、俺の手を持って芝に下ろされた。

 

「この方はグラスワンダーさんのトレーナーさんです。」

 

「えっと?先生?」

 

「今葉トレーナー、どうすればレースで勝てるか教えて頂けませんか?」

 

「えー…。わかりました…。」

 

俺は急な無理難題なことを任せられ…ウマ娘達もグラスもキラキラとした目で見てくる。グラス…お前はもうレースでないだろ…と思いながら言葉を考えた。

 

「まず…えー…レースで勝ちたいと思うことが大事です。グラスが無敗伝説を作った理由は『ウマ娘の頂点に立つ』の意思があったからこそ強かったんです。そしてウマ娘とトレーナーは二人三脚です。トレーナーが考えたトレーニングに文句があるのなら文句を言ってもいいですよ。そしてあなた達が提案して、それを照らし合わせて合わせるのがいいのです。私もグラスがわがままで大変でした。でもこれからです。グラスはもう走らないって言ってますが、皆さんがグラスの後を継いでくれると信じてます。以上…です!」

 

「ありがとうございました!今葉トレーナー!急遽な話でしたけど上手くまとめてもらってありがたいです。」

 

「いえいえ、それでは。」

 

俺は逃げるようにトラックから道に戻り、散歩しているとチャイムがなりグラスが後ろから話しかけてきた。

 

「トレーナーさんありがとうございます♪」

 

「ほんと無理やりだよ。」

 

「ふふ♪かっこよかったですよ? 」

 

「それはありがとう。着替えておいで。」

 

「はい♪」

 

俺は散歩道を戻り、食堂に行く途中で木の葉がいい感じに紅葉を始め、俺は「もう秋か。」と思いながら食堂に着くと、ウマ娘達が食事を取っていた。席は空いてなさそうに見えたが制服に着替えたグラスが俺の事を呼んでくれた。

 

「トレーナーさんこっちです。」

 

「ん?」

 

「トレーナーさん、一緒に食事いかがですか?今なら私が食べさせてあげますよ?」

 

「さすがにみんなの前では?」

 

「そうですか?トレーナーさんは私のモノって見せつける必要がありませんか?」

 

「独占力ですか…?」

 

「違いますよ〜?普通の事じゃないですか?」

 

「グラス目が怖いデス…。」

 

「エェェルゥゥゥ?」

 

「ケ!?急にエルが睨ませマシタ!」

 

「相変わらずだな…」

 

「グラスちゃんのトレーナーさんってグラスのどこが好きなんですか!」

 

「「えっ?」」

 

スペシャルウィークはキョトンとしていた。俺らは顔を合わせて考える。

 

「(ここは食堂…バカ恥ずかしいことを言える場でもない。でも、スペシャルウィークにキングヘイロー、セイウンスカイ、エルコンドルパサー、グラスと居る。特にグラスが俺の横に居る。本人の前で早口でいい所をペラペラ言うと完全に引かれる…。うーん。)」

 

「トレーナー…さん。真剣にお願い…します…/////」

 

「(ちょ!?)」

 

グラスは俺の顔を見て顔を赤くなっている。俺はその顔に責められる。「どうもできないじゃん!」って言う状況で、周りの期待も高まる。キングヘイローだけが唯一別のことを考えているように見える。まあ、後輩と仲良くしているのならいいが。その前に自分の身を何とかしなければならない。

 

「そ…そうだな…。可愛らしくて、それで他人を第1に考えそして、大人しく可愛いかな!」

 

「「「わぁー!」」」

 

「トレーナー…さん。同じ言葉2個入ってますよ?」

 

「さすがにな?」

 

「それもそうですけど…。」

 

「な?」

 

俺はグラスにジェスチャーで「( ̄b ̄)シーッ」とする。グラスは何かを言おうとするがやめたようだ。

 

「やっぱりグラスちゃんのトレーナーさんとグラスちゃんは相思相愛ですね!」

 

「そうだな。」

 

「私…恋愛とか分からないんですよね。」

 

「スペちゃん、恋愛は簡単ですよ?『この人と一緒に居るとドキドキする』や『ワクワクする』ですね。」

 

「うーん。それじゃ、私の好きな人はみんなかな!」

 

「そう言うもんじゃないよスペ。」

 

「そうなると…やっぱりトレーナーさんかな?」

 

恋バナをしている時に、俺らの後ろをスペシャルウィークのトレーナーが通っていき、俺はたまたまそのトレーナーの顔見た。その顔は驚いた顔と嬉しい顔が半分に分かれていた。

 

「トレーナーさんどんな顔ですか。」

 

「あれ?心の声漏れた?」

 

俺とグラスが話している話題を聞いたスペシャルウィークは俺らの後ろを見て自分のトレーナーがいることを見て顔を真っ赤にした。俺らは目を合わせてそっと逃げた。

その後、スペシャルウィークとトレーナーは顔が合わせにくくなったと聞いた。

俺らは野外ステージに来て話していた。

 

「さっきのは大変だったわね。」

 

「そうだね〜。」

 

「確かに大変だった。」

 

「スペちゃん大丈夫でしょうか?」

 

「スペちゃんなら大丈夫デスヨグラス。」

 

「うーん…。」

 

「心配なら見に行けばいいのに。」

 

「そうですけど…ところでトレーナーさん電話鳴ってますよ?」

 

「ん?ああ。出てくる。」

 

俺はグラスに言われた通り携帯が鳴ってたので少しウマ娘達から離れ電話に出た。

 

「こちら今葉。」

 

『らりるれろ!らりるれろ!』

 

「はい?」

 

『すまん。俺だ俺。』

 

「ああ。たかし?どうしたの?」

 

『そうだよ母ちゃん!ちょっとお金じゃない!』

 

「うるさいぞ中山。」

 

『テイオーのトレーニング手伝ってくれ。』

 

「なんで。」

 

『俺じゃあ勝てないから。』

 

「ライス?」

 

『YESライス。』

 

「ふーん。頑張れ。」

 

『無慈悲な!』

 

「俺…松風にも相談されたから…なんとも。」

 

『なるほどな。じゃあ情報くれ。』

 

「こいつ正々堂々と勝負ってならんのか。」

 

『すまない…そんなものメルカリとAmazonで売ってしまった。』

 

「普通は売れないだろ…。」

 

『それが売れたぞ。松風にな。』

 

「あいつ頭おかしいだろ。」

 

『ってことで!来てくれよ?』

 

「へいへい。」

 

中山は電話を切り、俺は気疲れしていた。戻った時にグラスが赤面して座っていた。俺が電話している間に俺との経験談でも詰め寄られたのだろうか?いや、何もしてないけど。

 

「あっ…トレーナーさん。」

 

「どうした?風邪か?」

 

「あっいえ!なんでも…ありません…よ?」

 

「エルコンドルパサーさんが問い詰めたんですよ。やめといた方がいいと言ってたのだけどね?」

 

「ケ!?急の裏切りデース!キング!」

 

「裏切ってもないから…。」

 

「なるほど?つまり、エルが問い詰めたと。」

 

「待って欲しいデース!トレーナーさんだけには…。」

 

「無理。」(プルルルル)

 

「無慈悲デース!」

 

俺はエルコンドルパサーと話しながら、エルコンドルパサーのトレーナーに電話をかけエルコンドルパサーを連れていってもらった。

少ししてからグラスが元に戻り、中山との会話を伝え中山のトレーナー室向かった。特に誰にも絡まれることも無く、ハヤヒデも少しの間のオフレースなのでゆっくりしている頃だろうと考えつつ、トウカイテイオーがライスシャワーに勝てるかを片隅で考える。

 

「トレーナーさん。ライスさんに勝つのって難しいですか?」

 

「グラスなら普通に勝てるけどテイオーはどうだろうな。」

 

「そこまで難しいんですか?」

 

「難しいってわけじゃないんだ。まあ、これ松風から送られてきた映像な。」

 

グラスに携帯を渡し動画を見せた。そこに映っていたのは、ライスなのだがいつもの覇気が一味二味も違っていた。グラスも少し苦笑いをしていた。

 

「これがライスさんですか?」

 

「ああ。グラスと同じ青い炎が見えるが…炎が強くなってる気がするんだよ。」

 

「やっぱりマックイーンさんが関係してるんですか?」

 

「かもしれないし、違うかもしれない。そこはなんとも。」

 

「なるほど…。無敗伝説を作ったトレーナーさんでも分からないことはあるんですね。」

 

「もちろんだ。」

 

こうして話していると中山のトレーナー室に着いた。普通に開けて入るとトウカイテイオーと話している中山が居た。

 

「遅かったな。」

 

「すまない。グラスの同級生に絡まれてたんでな。」

 

「そうか。さて、このトレーニング方法を見てほしいんだが。」

 

「次は天皇賞・秋だったか。ライスにマックイーンと強い奴らが出るレース。勝算は?」

 

「はっきり言って五分五分だ。」

 

「五分五分じゃだめだ。もっと確率を上げるべきだな。」

 

「ふむ。じゃあどうすれば?」

 

「ライスはパワーとスタミナを上げてくる。それならテイオーはスピードとパワーだろう。」

 

「先行で逃げ切れってことか。」

 

「かなり厳しい作戦だ。無理そうならやめてくれても構わない。」

 

「いや、無敗伝説のお方の提案だ。その作戦で行く。テイオーそれでいいか?」

 

「トレーナーが決めたことにボクは文句ないよ!」

 

「相変わらず、テイオーは中山の言うこと聞くな。」

 

「へっへー。ボクとトレーナーは一心同体だからねー!」

 

「テイオー…さすがに…。」

 

「トレーナーさん…私達も…。」

 

「ダメです。」

 

「ダメですか…。」

 

「既婚者は違うな。」

 

「だね。甘々の甘太郎だよ。」

 

「テイオーに中山…俺らまだ結婚してない。」

 

「「えっ?」」

 

「えっじゃねぇーから。」

 

俺とグラスは中山のトレーナー室から出て、自分のトレーナー室に戻ってくるとハヤヒデが座っていた。

 

「ん?ああ、君か。」

「何しとん?君、今オフレースだよね?」

 

「そうだね。春までレースはないが休む訳には。」

 

「休んでくれ。」

 

「わかった。」

 

「トレーナーさん。先程たづなさんから手紙を頂いたんですが…。」

 

「どれどれ?えっ…嘘やん…。」

 

「何が書いてあったんですか?」

 

「天皇賞・秋が終わった2週間後に小学生をトレセンに招待するらしい。」

 

「忙し…くないですね。私たちは。」

 

「そうだな。でも、まだ続きがあってこの案内を俺ら同期でするらしい。」

 

「あー…なるほど…。」

 

「私の中で1番タキオン君のトレーナー君が危ないと思うんだが…。」

 

「俺もそう思う。」

 

この手紙を読み終わったあと、トレセンの地図を広げどこに行くかの話し合いが始まった。「ここに行くべきだろう。」とハヤヒデは芝を選ぶ。グラスは食堂を選ぶ。俺はトレセンの校舎を選ぶ。

 

「うん。どこも行かなくちゃいけないな。」

 

「ですね…。」

 

「全て行くのはどうだろうか?」

 

「それしかないよな。」

 

「そうなりますね。」

 

「なら、全て行く方針で行こう。」

 

この話し合いをしている間に外は夜になっていたのでグラスとハヤヒデを寮に戻し、俺はある集まりに参加していた。

 

「またせたな。」

 

「遅いじゃないか今葉。」

 

「担当を帰してたんだ。」

 

「まあ、いいと思うが。」

 

「中山がそう言うなんて珍しいこともあるんだね。」

 

「…。じゃあ始めようか。」

 

「坂本がしゃべったぁぁぁぁ!」

 

「俺は喋るぞ?」

 

「とりあえず、今回のトレセン観光に任せられた私たちだが…。各自決めてきてくれたかな?ついでに私は天皇賞・秋で忙しく決まっていないんだ。」

 

「松風に続き俺も忙しくて決めていない。」

 

「俺は決めてきたが…多分今葉と同じだろう。」

 

「ああ。全てだよな。」

 

「間違いないな。」

 

「じゃあ全ていいんじゃないか?」

 

「適当だな松風。」

 

「まあ、私たちがする意味がわからないんだがね。」

 

「1番下でもないな。」

 

「君の後輩が来ているんだろ?キングヘイローのトレーナーだったかな?」

 

「ああ…。そうだな。 」

 

「いいじゃないか。私のことを避けているようだけどね。」

 

「それはお前が悪い。今週末までに決めといてくれ。」

 

「天皇賞・秋までに?」

 

「そうだ。急に決めた理事長が悪い。」

 

「そうだな…。」

 

〜時間が飛び〜

天皇賞・秋の当日になった。相変わらず、東京競馬場に人がたくさん入っている。バ場は綺麗な芝でグラスとハヤヒデも見に来ている。

 

「さて、マックイーン対ライス対テイオーか。」

 

「有名なウマ娘達が一気に戦うんですから。例えるのなら、あの時の宝塚記念かと思いますよ。」

 

「ふむ。なるほどな。1番人気はやっぱりライス?」

 

「いえ、3番人気にライスさんです。そして、2番人気にテイオーさん。1番人気にマックイーンさんです。」

 

「ライスに天皇賞・春を負けさせられたから…あまり期待されてないようだな。」

 

「そうですね。マックイーンさんも強いんですけどライスさんが…やっぱり…。」

 

「だよね。」

 

「にしても、新しいウマ娘が初レースに参加するとかいいな。グラスは気になる子居たか?」

 

「そうですねぇ…。」

 

グラスが携帯を見ながら気になる子を確認する。

 

「やっぱり、あの子じゃないか?」

 

「松風…。お前来てたのか。」

 

「もちろんさ。私のライスのレースだよ?来るに決まってるじゃないか。」

 

「まあ、そうだな。んで?どの子?」

 

「あの子さ。名前は…と。ファインモーション…ね。」

 

「最近、アイルランドから転入してきた…えっとお嬢様だっけ?」

 

「そ。なんでも、アイルランドの有名な方の娘だとかでね。」

 

「そういえば…前に後輩が言ってたな…。『なんか、アイルランドから来たウマ娘を担当してる同期が居るんですけど…担当のこと【殿下】って呼んでるらしく。』だと。」

 

「ふぅん。また奇妙な話だね。本当にお嬢様だったりしてね。」

 

「そのまさかだ。」

 

「マクトレさんじゃないですかーヤダー。」

 

「その言葉失礼だぞ無敗伝説の今葉。」

 

「うわぁ…厨二臭い…」

 

「でも実際の話だろう?」

 

「間違っては…ないが。」

 

「メジロ家でもその話が行われたな。」

 

「何サラッと惚気話始めてんだ?この先輩は?」

 

「とりあえず聞けよ。」

 

「はい。」

 

「メジロ家でも会議が行われてだな。マックイーン、パーマ、ライアン等と話し合いでな。」

 

「なるほど。それで結果は…?」

 

「現状維持となった。」

 

「うん。でしょうね。」

 

「おい、松風。」

 

マクトレは松風を呼び、松風と話し出した。俺はグラスの横に戻り、グラスは「うーん。」と唸っていた。

 

「どうだ?決まったか?」

 

「そうですね…。確かにファインモーションさんは強い気がします。このまま1年間無敗になると思いますよ。」

 

「そうか。おっ、次がメインレースだな。」

 

「天皇賞・秋…ですか。スペちゃんも勝ったレースですね。」

 

「そういえばそうだな。」

 

「ところで…坂本トレーナーさんと中山トレーナーさんはどちらに?」

 

「中山は…その辺の客席に。坂本はトレセンで有馬記念のためにトレーニング中。」

 

「そうですか。」

 

俺とグラスが話していると「いやぁ、おまたせしたね。」っと松風が戻ってきた。

 

「もうレースかい。見ていこうかな。」

 

「ライスも強いからな。マックイーンもテイオーも強いからな。」

 

「もちろん、ライスが勝つのを信じているんだ。」

 

(レース実況に入ります )

実「ウマ娘達が追い求める1帖の盾。鍛えた脚を武器に往く栄光への道!天皇賞・秋!このレース最も人気を集めているのは秋の三冠ウマ娘トウカイテイオー!1番人気です。人気と実力を兼ね備えたライスシャワー3番人気です。さあ、ライスシャワーに2度天皇賞・春を勝てずにいるメジロマックイーン!2番人気です!ライスシャワーとの真っ向勝負に期待だ!」

解「火花散らすデットヒートに期待しましょう。」

実「各ウマ娘ゲートにはいって体勢整いました。スタートです。各ウマ娘揃ってキレイなスタートを切りました。」

解「これは位置取りが熾烈になりそうですね。」

実「先行争いはライスシャワー17番8番。トウカイテイオー落ち着かない様子。これから第2コーナーへかかっていきます。期待通りの結果を出せるか?1番人気トウカイテイオー!ライスシャワー快調に飛ばしていきます。さぁ、ハナに立ったのはライスシャワー!このままリードすることできるのか?第2コーナーを抜け、向こう正面に入った。先頭は9番単身で飛ばしていきます。続きました8番早くも激しい競り合い。3番手にライスシャワー。4番手17番。内には4番。メジロマックイーン並びかけてきた。そしてその内トウカイテイオー。うしろ6番。2番並びかけてきた。外から3番。外を通りまして13番。そしてその外マ18番。内を回って5番。一バ身差11番。あとは1番。外を回って14番。後方2番手に7番。15番現在シンガリだ。9番先頭を進みますがこれは正解でしょうか?」

解「9番!彼女の脚質に合っていますね。」

実「現在1番手は9番。続いて7番。トウカイテイオー並びかけてきた。4番手にメジロマックイーン。4番追走。内をついて8番。大ケヤキを越え4コーナーへ。互いに脚を溜めている展開!これは直線勝負になるか!?さぁ、外から先頭をうかがうのはトウカイテイオー!トウカイテイオーここで抜け出した!メジロマックイーン、ハナを進む!さぁ、誰が最初に仕掛けるのか!?最終コーナー最初に立ち上がったのはメジロマックイーン!栄光まで400。抜け出したのはメジロマックイーン!だが後続も追いすがる!メジロマックイーン脚色は衰えない!メジロマックイーンリードは二バ身トウカイテイオー追いすがる。200を通過。3番手争いはライスシャワー、4番。先頭をメジロマックイーン、変わらない!先頭をメジロマックイーン!お見事!メジロマックイーン!着差以上の強さを見せた勝利です。ついに!ライスシャワーを打ち破ったメジロマックイーン!1着です!2着はトウカイテイオー。3着はライスシャワー。」

(長いですね。終わり。)

 

「ライスが…負けた…?」

 

「なるほど。スタミナ切れと言うところか?」

 

「そうですね。最初に飛ばしすぎたと思いますね。」

 

「そうか…。はは…そうだね。私の作戦ミス…だったかな。」

 

「松風お前は先に帰れ。ライスはこっちで連れて帰るから。」

 

「そうかい…。今葉…今日は暇かい?」

 

「暇だな。酒か?」

 

「そう…だね。じゃあ、ライスは…うん。君に任せたよ。」

 

「わかった。」

 

松風は絶望したように人混みの中に消えていった。俺らはライスに会いに行った。

 

「あっ、お姉…あれ?グラスさんのトレーナーさん?」

 

「やぁ、ライス。レースお疲れ様。」

 

「お姉様はどこですか?」

 

「体調壊して先に戻った。」

 

「そうだよね…ライスが負けちゃったから。」

 

「違う。ライスは頑張ったからな。ほら、戻るぞ。」

 

「うん。」

 

俺らはライスを連れ、トレセンに戻った。寮にある俺の部屋を見るともう電気が付いていた。グラスにライスを任せて俺は自室に帰った。

 

「今戻りましたよーっと。誰がいるか点呼!」

 

「…1。」

 

「2!」

 

「3」

 

「…4かな。」

 

「俺で最後だな5!」

 

「えっと…?黒沼トレーナーに中山、坂本、松風、沖田トレーナーか。」

 

「ライスは…。」

 

「ちゃんと送ってきた。」

 

「なぁ、今葉。」

 

「どうしました?黒沼トレーナー。」

 

「いや、こいつ何があったんだ?」

 

「今日天皇賞・秋だったんですが…ライスが3着で終わったんです。」

 

「それは…気の毒だな。」

 

「その通りなんですよ。」

 

「とりあえず!飲んで忘れようぜ!松風!な?」

 

「君は元気だね…私は全然元気になれないよ。」

 

「こりゃだめだな。」

 

「すいません…沖田トレーナー…。」

 

「いや、いいんだ。こうゆう仕事は慣れてるからな。」

 

「そうですか。」

 

「そう言えば、俺はこいつについて教えておくが酒を飲むとめんどくさいやつだ。」

 

「そうなのか坂本…。」

 

「ああ。よく絡まれていたからな。」

 

「過去形…。」

 

「タキオンと会ってからあまり無くなったんだがな。今日の件はかなりきつかったらしい。」

 

「そうか。まあ、飲め。」

 

「私は飲むからな!飲むからなぁぁぁぁぁ!」

 

松風の叫びから始まった酒盛り。中山は早々に酔いつぶれ、坂本はゆっくり酒を飲むが松風にウイスキーストレートをコップに入れる。

 

「いや…これは飲めないからな?」

 

「私の酒が飲めないのかぁぁぁぁ!?」

 

「うっ…これだ。覚えておけ今葉…!さらばだ!」

 

坂本は遺言みたいなことに言いながらウイスキーを飲む。そして、コップを置いた坂本は顔を真っ赤にして話し出した。

 

「やっぱり、俺の担当は可愛いと思うんだよ。オグリもカフェもスカイもな。その中でもやっぱりスカイの驚き顔も可愛いよなぁ〜。つい最近だって今葉からの…」

 

坂本は担当に対する愛をペラペラを話し出した。その姿には黒沼トレーナーと沖田トレーナーはドン引きとは行かないが苦笑いになる。俺は酒をチビチビ飲みながら酔っ払いどもの様子を見とく。この酒盛りは一晩中続き、俺の部屋に残っていたのは黒沼トレーナーと沖田トレーナー以外のトレーナーだった。

〜時間は少し飛んで〜

「さて、同期皆に集まってもらったのは他でもない!今日!案内だな。」

 

「そうだね。」

 

「そうだな。」

 

「そうだ。」

 

「ってことで、行く場所は決まっているんだが、理事長よりコメントを頂いている。」

 

「読んでどうぞ。」

 

「『トレーナー諸君!今回の件は圧倒的感謝ッ!しかし、1人で連れていくのは大変だと思い!担当を連れていくことをここに決めた!』だと。」

 

「だから、各担当が1人ずつ居るんだね。」

 

「そうだ。だが、1つ言わせてくれ。」

 

「どうした?」

 

「1週間後にファン感謝祭あるよな?」

 

「あるね。」

 

「トレーナーダービー再びだそうです。」

 

「(´・ω・`;)」

 

「言いたいことは分かる坂本。」

 

「それと、担当の勝負服でするんだと。」

 

「(゚д゚lll)」

 

「坂本が喋らなくなったね。」

 

「そ、それで…参加するのは?」

 

「いい質問だ中山。参加するのは…。」

 

「いや、私に当てさせてくれ!」

 

「いいだろう。松風!やって見せろ!」

 

「黒沼トレーナー…。」

 

「正解。」

 

「(´^ω^`)ブフォww」

 

「松風…笑うな。わかってる。ミホノブルボンの勝負服でやるんだぞ…。」

 

「やめてくれwwwあの後ろだけには付きたくないwww」

 

「わかる。さすがにバレンタインだろ。」

 

「待て待て。ファン感謝祭ってウマ娘が走るんじゃなかったか?」

 

「なんか今回からは新イベントを作りたいらしい。」

 

「他には誰がいるんだい?」

 

「黒沼トレーナー、沖田トレーナー、俺、松風、坂本、中山、俺の後輩、マクトレ、ファイトレだ。」

 

「うわぁ…私だけがなんか…違和感ある。」

 

「とりあえず!みんな!予定通りに!」

 

「「「了解!」」」

 

俺らは会議室から出て、トレセンの校門の前で小学生を乗せたバスを待つ。

 

「ところで今葉、バスって何台で来るのかな?」

 

「2台。」

 

「ふぅん。そうかい。」

 

「そう言ってたらあれだな。」

 

観光バスがトレセンの前で止まる。小学生達が沢山降りてくる。その時に見たことがある2人がいた。

 

「あっ!グラスワンダーさんのトレーナーさん!お疲れ様です!」

 

「お疲れ様〜。ダイヤちゃん。」

 

「お疲れ様です!」

 

「はいお疲れ。キタちゃん。」

 

「またトレセンに来れて嬉しいです!」

 

「お2人はここはいるの決まってるもんね。」

 

「そうですね!トレーナーさんが私のトレーナーさんになるって約束してくれたんですもんね!」

 

「大々的に言わないでよダイヤちゃん。」

 

「いいなぁダイヤちゃん。」

 

「まあまあ、そのうちいい人見つかるよ。」

 

「そうですか…?」

 

「そうだよ。」

 

俺はキタちゃんの頭を撫でて、学校の人と話す。

 

「今回案内してもらえる…方々ですか?」

 

「はい。私たちが案内します。とりあえず、体育館に行きましょう。」

 

「わかりました。」

 

教師は小学生達に「みなさーん!いきますよー!」と叫び小学生達を並ばした。俺らはそれを見て、教師がこっちを向いたので俺らは歩き出した。

 

「にしても多いね。今葉。」

 

「そうだな。」

 

「担当達は体育館待機だったよな?」

 

「そうだね。」

 

コソコソと松風と話しながら、体育館に着く。そして、小学生達を体育館に入れ、俺らは担当たちと合流した。

 

「ってことで、俺たちが今回皆さんを案内するトレーナーさん達です。1人ずつ自己紹介する?」

 

「でいいんじゃないかな?」

 

「なら、俺から。えっと…グラスワンダーとビワハヤヒデを担当してます。今葉勝馬です。」

 

小学生達からは「あれが噂の…」と聞こえてくる。松風は「さすが今葉」とニヤニヤとこっちをみている。俺は他のやつに自己紹介を投げた。

 

「次にニヤニヤしてるこいつ。自己紹介。」

 

「ご紹介されました。松風華麟です。私の担当はライスシャワーとアグネスタキオンです。じゃあ、次は坂本かな?」

 

「ああ。俺は坂本桜花。担当はオグリキャップとマンハッタンカフェだ。次に中山。」

 

「はいはい。俺は中山翔夢!担当はトウカイテイオーとマルゼンスキー。」

 

「ってことで、俺らトレーナーの紹介だったわけだけど。次はウマ娘の紹介でもしようか。はい、任せたグラス。」

 

「わかりました〜。グラスワンダーです♪」

 

「オグリキャップだ。」

 

「ボクがトウカイテイオーだよ!」

 

「えっ!ええっと…ライスシャワーですぅ…。」

 

「どうして私まで連れてきたのかなトレーナーくん…。ビワハヤヒデだ。」

 

「今葉!ハヤヒデ連れてきてるのは聞いてないぞ!」

 

「なんか…そこにいたから…。」

 

「それなら大丈夫か。」

 

「私は大丈夫じゃないんだがね…。」

 

「大丈夫だ。さっき、理事長に連絡しといた。公欠になってるからな。」

 

「全く君は…。」

 

「すまないな。」

 

ハヤヒデを説得し終わり、子供たちの案内をするために分かれるように指示をする。何故か2分割にしかできない。どうしてだ?教師にはちゃんと言っておいたはずなのに…。

 

「え…えっと。これでいいのかな?」

 

「いいんじゃないかな」(イケボ)

 

「うるさい。松風。」

 

「はいはい。」

 

俺が案内する方にはキタちゃん、ダイヤちゃんがいた。すぐに先頭に来て俺に話しかけてくる。

 

「今日はどこに行くんですか?」

 

「そうだなぁ。色んなところ見に行こうか。」

 

子供たちは俺の言葉に笑顔を見せた。そして時間になり、子供たちを連れトレセンを回り始めた。まずは食堂。ウマ娘達が居ない間に回る。

 

「ここが私たちの食事を作ってくれる食堂ですよ〜。オグリ盛りやスペ盛りなど沢山大盛りの種類もありますね。」

 

グラスが説明してくれる。俺も大盛りの種類があるのは初めて知った。続けざまにライスが続ける。

 

「ここはね。みんなの憩いの場なんだよ。だから、ここはお昼時になるとみんなで食事をとるからみんな仲良いんだよ。」

 

ライスがウマ娘達全員が仲良い理由を説明した。松風は「ライスが…ライスが…説明してるよ…今葉。」とハンカチで目を抑えながら言う。俺はその時思ったのは「(こいつに…普通の感情ってあるんだな。)」だった。

次に向かったのはトレセン校内の教室だ。今は授業をしているから中には入れないが外から見れるように脚立が置かれていた。

 

「君たちは勉強は嫌いかな?」

 

ハヤヒデが子供たちに質問をする。子供たちは「きらーい!」と言う。

 

「ここは一応でも学校だからね。勉強は普通にあるんだ。」

 

子供達は「えー!」と言いながらも授業中のウマ娘達に興味津々だった。

 

「ここは中等部だから…キタサンブラックとサトノダイヤモンドはここになるな。」

 

ハヤヒデが2人を名指ししてそう言うと子供達から「すげぇー」や「絶対応援する」って言われて2人は恥ずかしそうに俯く。

 

「期待されるウマ娘ほど強いからな。頑張れよ2人とも。」

 

「「はい!」」

 

そして、教室ゾーンを抜け次にトレーナー室ゾーンに入った。トレセンの校舎はそこまで広いわけは無いので各一トレーナーにトレーナー室があるわけじゃない。俺らはたまたま手に入れた訳だが、今日の案内するトレーナー室は松風のだった。

 

「さぁ、入りたまえ。私のトレーナー室だ。」

 

松風とのトレーナー室と聞くと、アグネスタキオンのせいで薬品だらけのトレーナー室になっているんじゃないかとヒヤヒヤする。子供たちに影響するわけであるから…。

 

「今葉は大丈夫さ。私はしっかり掃除しておいたからね。」

 

「その言葉信じるぞ。」

 

「もちろんさー!」

 

そう言うと松風はトレーナー室のドアを開ける。中にはごく一般的なトレーナー室が用意されていた。

 

「ここが私達の部屋だよ。さぁ、ぐるりと見回るといいよ。分からないことは私かこの人に聞くといい。」

 

「俺でもわからんことはお前もわからんだろ。」

 

「それも…そうだね。なんとかなると思うよ。」

 

子供たちは松風のトレーナー室を順に見ていく。まずは真ん中に置かれたトレーナーの机と椅子。書類が死ぬほど積んであるのは夢だろうか?1枚取ってみると、最終的に俺に回ってくる書類も含まれている。「なるほど、いつも俺が多忙の理由はこいつのせいか。」と思いつつ、松風が意気揚々と子供たちに説明を続ける。

 

「私達も書類が来ればサインもしくは確認しなければならない。私はそれが苦手でね。」

 

「何が苦手だ。」と俺は小さく呟くと「聞こえているよ今葉くん。」と笑いながら、こっちを向く。地獄耳かあいつは。

次のホワイトボードを見ている子供たちに近づき、松風は書いている内容を説明した。

 

「これは先日あった天皇賞・秋の作戦内容さ。本当は他言無用なんだけど、こうしてた方が『仕事してます。』感出ていいと思ってね。」

 

「こいつアホだろ。他言無用って言ってるのに見せるのかよ。」

 

「その方が説明しやすいんじゃないかな?今葉。」

 

「そーですね。」

 

一通り見終わったのか子供たちはトレーナー室から出ていく。そして、俺も松風のトレーナー室から出ていき、子供たちの先頭に立った。

 

「次は…芝に案内します。今頃なら…誰か走ってる?グラス。」

 

「今なら…そうですね〜…。」

 

「会長のクラスが走っているんじゃないか?」

 

ハヤヒデが会話に入ってくる。俺は携帯を取り出してトレセンの時間割を確認する。

 

「あー…ほんとだな。」

 

こうして、俺らは会長のクラスが走っているであろうトラックに来た。

 

「さて、あそこに立っているのは誰かわかるかな?」

「はい!」

 

「はい。キタちゃん。」

 

「シンボリルドルフさんです!」

 

「じゃあ隣のは?」

 

「シリウスシンボリさんです!」

 

「さすがだね。あの二人はある意味ライバル…だよな?」

 

「ふむ。確かにそうだと思うぞ。」

 

シンボリルドルフがこちらに気づき、手を振ってくる。子供達も手を振り返す。そして、シンボリルドルフとシリウスシンボリがスタートするために位置に着いた。

 

「皇帝の走りか。久しぶりに見るなグラス。」

 

「ですね。」

 

シンボリルドルフとシリウスシンボリが走り出した。2人は並びながら走る。子供たちはシンボリルドルフとシリウスシンボリを応援する。俺らトレーナーとウマ娘は静かに見守った。

先にゴール板を通り抜けたのはシンボリルドルフだった。

 

「おお!」「すごーい!」

 

「予想通りだな。」

 

「そうだね。」

 

俺らトレーナーはシンボリルドルフが勝つと予想していた。子供たちは興奮しているようだった。

時間は流れ、全てを建物を回り終わり体育館に戻ってきた。

 

「改めて思うとトレセン広いな。」

 

「確かに広かったな。」

 

「ですね〜。」

 

俺とグラス、ハヤヒデが話していると教師がこっちに来て話しかけてきた。

 

「あの…生徒達と写真を…撮りたいのですが…」

 

「あー…大丈夫?みんな。」

 

全員頷いたので、教師に「大丈夫ですよ。」と伝えるとカメラマンを連れてきた。

 

「じゃあ並んでくださーい。グラスワンダーさんもうちょっと近寄ってください。」

 

「はい♪」

 

「こうして2人で撮るのは初めてだなグラス。」

 

「そうですね〜♪これからも撮りますから覚悟しといてくださいね♪」

 

「撮まーす!はいチーズ!」カチャ

 

この写真は俺ら同期と各担当の部屋に飾られた。




はいはい。( ゚∀゚)o彡゜徹甲弾!徹甲弾!
あっ違う。ども綾凪九尾です。
まず、2ヶ月ほど?休んでしまったことをここにお詫びします。理由としましては普通に忙しかったです。
学生から社会人にクラスチェンジしたのが第1の理由ですね。
本当に忙しかった…。
あっそうそう。2万文字行きたかったですけど…明日ってほら、この小説投稿されて1周年なので記念に合わせて記念小説なるものを書いておきました。その名も「作者に質問第1弾」なんですが。
はい。そうです。今葉くんが私に質問すると言う謎のやつです。
あーっと!その前に!
私、ある人をおすすめしなきゃいけないんだった。
「かっぱー」って言う小説書く人なんですけども…。
3ヶ月ほど約束の期限から過ぎてるんです!許せません…。私の中のブラックリスト名入りですよ。
そのかっぱーさんなんですが…。小説ジャンル異世界物かな?戦闘系とも言ってた気がする。(投稿場所はカクヨムらしい。)
まあ、容赦なく絞めます。
次のターゲットは「幻想薔薇組」だよなぁ?
小説出せないって文句垂れてるんですよね。私も忙しいってんのに!ほんとにもう!
とりあえず、こいつも絞めるとしよう。
さてさて、愚痴になってしまいましたが…お待ちしてもらって本当に申し訳ないと思います。
だって!だって!時間の流れ早いもん…。
次!次は!ファン感謝祭orクリスマスです!私の気分で決めます!でも…今日が天皇賞・春なのに…天皇賞・秋の投稿って…ええ....(困惑)ってなりますね。
じゃあ、まあ…時間が迫ってるので!ここで切ります!では!次回3週間後に出せたらいいね!
綾凪九尾でした!失礼します!
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