えっと?なんだっけ?
「なぁ、今葉。」
「なんだ、坂本」
「俺ら…なんで無人島にいるの?」
「いいじゃねぇか。担当もいるんだから。」
「うん。まあね?でもさ?理事長に話したら無人島で強制トレーニングって何?あと3日でレースだけど?」
「寒いな。毛布毛布。」
「なんでお前らは毛布とか持ってきてるんだよ。」
「これ毛布じゃなくてハヤヒデの髪の毛で作ったやつね。」
「もう意味がわからん。」
俺らは無人島に来ている。会話でわかる通り理事長にトレーニング方法を相談した結果である。急に飛行機に乗せられたと思えば目隠しをされ、船に乗せられてここに来た。まあ、それは坂本のみで俺らは目隠しもされずに連れてこられた。何故か、俺らとオグリ用の食材は用意されており、坂本の食材だけは現地で取ってくることになっているらしい。坂本はどうやらその事に怒っているのだろうか?
「いや、まだな?俺らならわかる。なんで、沖田トレーナーまでいるんですか!」
「すまないな!俺はゴルシに連れてこられたんだが…あいつ…どこ行った?」
「海の上走って帰りましたよ。」
「げっ!?俺置いていかれたのかよ…。今葉すまねぇが俺もいいか?」
「沖田トレーナーの為ならば仕方ないですね!坂本は自分で火作ってどうぞ。」
「なんだこいつ…。」
「ほれ、チャッカマン。」
「テンキュー。これで火が…。」
坂本はチャッカマンを点火しようとしたら、チャッカマンの先から「パフ」と旗が出てきた。旗には「残念!」と書かれていた。
「あんのロリ理事長がぁぁぁぁ!」
「叫ぶな。体温低くなるぞ。」
「トレーナー君。ここならば風から身を守れるぞ。」
「ありがとうハヤヒデ。グラス大丈夫か?」
「大丈夫ですよ〜。」
俺らは物陰で冬の海風を防いでいた。オグリもこっちに来ている。しかし、坂本だけは唯一砂浜で火をつけようと必死に木を擦る。だが、この風の中火がつく訳もなくしょんぼりとして帰ってきた。
「はぁぁ…マジマンマミーア」
「なんでぇイタリア語…?」
「…やな!この…うま…やないか!」
「なんか…聞こえんか?関西弁と言うか…?」
「聞こえたな。」
確かに聞こえた。関西弁で何かを話しているようだ。俺はグラスから隠し持っていた薙刀を借りて、その声が聞こえたところに突撃する。
「今葉何する気だ!?」
「ヤクザかもしれん!これを渡す。吹け!」
「そんな無茶を…何を吹けばいいんだよ。」
「突撃ラッパ。」
「えっ…?えっ?」
「分かりますよ。坂本トレーナーさん、これは至って普通です。」
「えっと…?」
「よし!皆!薙刀は持ったな!行くぞ!」
俺は走り出した。坂本はわからずながらも突撃ラッパを吹く。しかしそれは阪神のファンファーレだ。とりあえず、俺は突撃をする。そこにいたのは…。
「上手いやんトレーナー!」
「どうもどうも。」
「おりゃ…?」
「なんや?おっ、最強ちゃんのトレーナーやん。」
「タマモやんけ。」
「ウチやで。もしかしてあんたもここに飛ばされたんか?」
「いや?俺は坂本の付き添いでな?」
「あ〜…オグリか。なるほどなぁ。せや!このお好み焼き食うか?」
「ふむ。頂こう。」
「どや?美味いやろ?」
「せやな。」
「お前ら…何を話しているのか?」
「相変わらず、関西弁わからんねんな〜。ウチが教えてあげたるわ!」
「お…おう?頼むタマ。」
なんかお好み焼きを食べていると目の前でタマトレに関西弁を教えるタマモクロスが居る。あの方から来たグラスは不思議そうに薙刀を分解してカバンの中に入れた。
「ええか?まず、なんちゃらや!って言うのが関西弁の基礎やで!もちろん、〜〜やで!とかも使うからな!」
「なるほど…?」
「ふむふむ。せやな。」
「せやろ。トレーナーが理解するまでウチはトレーナーに教え続けるで!」
タマモクロスは俺らに目もくれずにタマトレに関西弁を教え続ける。タマトレはどんどん顔を青くしてフラフラしだした。まあ、関西弁は難しいのだろう。最初の砂浜に戻ってくると坂本が「うぉぉぉぉぉぉ!」と木を摩擦で火を付けようとしていた。
「まだしてたんだな。」
「戻ったのかトレーナー君。」
「どうだ?様子は?」
「ふむ、煙は出ているらしいがなかなか火種が出来てないようだ」
「ふーん。グラス。」
「はい?どうされました?」
「薙刀2本。」
「わかりました〜♪」
グラスはカバンの中から折りたたみ式の薙刀を用意する。そして、2本を組み立てくれた。
「グラスが1本。俺が1本使う。ハヤヒデ、枯れ草を近くに置いてから離れておいて。坂本!これが簡単な火の付け方だ!」
「いきますよトレーナーさん。」
「いくぞ!せーの!」
俺とグラスはタイミングを合わせて薙刀と薙刀をぶつける。そして、ぶつけた際に出た火花を枯れ草に付いた。枯れ草は燃えだし、今日の焚き火ができた。
「え?えっと…えっ?」
「練習しといてよかったなグラス!」
「そうですね〜♪」
「さすがだねトレーナー君。」
「やっぱりこいつおかしいよ…。松風とは違うやばさがあるような?」
「気の所為じゃねぇか?さてと、ご飯作ろっと…ん?」
「なにか聞こえますね。どうしますか?トレーナーさん。」
「そうだな…。坂本なにか聞こえるか?」
「いや、何も聞こえないが…。」
坂本達は聞こえてないようだが、確かに「カラカラ」と聞こえた。その後タマモクロスの声で「ウチは…ウチは絶対やらんからなぁぁぁぁぁ!ああああああああぁぁぁ!」と叫び声が聞こえた。その叫び声を聞いた坂本は「ああ…奴だ…奴がいる。」と震えながら影に座り込む。俺らはのんびり火を見ながら話す。
「奴だねぇ。」
「あの方ですねぇー」
「まあ、分かってはいたがやはり来ていたな。」
「さて、俺らは巻き込まれたくないし帰るか。」
「ですね。」
「薙刀でいいですか?」
「そうだな…うん。じゃあ薙刀用意しといて。」
「さっきのを分解してないので使えますよ〜♪」
「なら、海に向かって…。」
「トレーナー君、あれをするのなら剣の方がいいんじゃないかな?」
「剣なんて…ないぞ?」
「トレーナーさん。一応持ってきたんですが…。」
「よし。構えるぞ。」
俺はグラスから渡された剣を構えた。グラスとハヤヒデは後ろに離れていった。
「俺…魔術わかんないんだけどなぁ…。『束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流!受けるがいい!約束された勝利の剣《エクス〇リバー》!』」
剣を振り下ろすとビームが出て海を割る。見た目はモーセの奴だが、やっていることは全然違うのだが。
「よし。行くか。」
俺らは海底を歩いて本州まで帰る。そして、電車に乗ってトレセンに戻ってきた。戻ってきて思ったが無人島よりもトレセンで過ごした方が全然楽だった。
「休んでいくか?お二人さん。」
「そうですね…。トレーナーさんの方が疲れているんじゃないですか?」
「あ〜…あれか。なんとかなるでs…。」
俺はその時気を失った。グラスとハヤヒデは急いで俺の身体を抱き抱えてベットに入れる。
◇◇◇◇◇◇
「困りましたねぇ〜。」
「大丈夫だと思うんだがね。」
トレーナーさんは倒れてしまって、あまり話さないハヤヒデ先輩と2人っきりでトレーナーさんの部屋。私はとりあえず、お茶を飲む。
「ワンダー君。」
「どうされました?」
「もう走らないんだよね?君は。」
「そうですね〜…。私が走る意味はもうないと思うんですよね。」
「トレーナー君のために走っていたのかい?」
「いえ、最初はトレーナーさんのためではなく…ウマ娘の頂点を目指していたんですよ。そうですね…変わったのはスペちゃんと走った有馬記念からだと思います。」
「ふむ。しかし、その時はどう思うようになったんだ?」
「そうですね…。」
その時どう思っていたのは難しいですね。これって言う説明ができない。
「難しい話をしてしまったかな?」
「いえ、そうですね。説明しずらいって感じですが…スペちゃんと走ってわかったんです。私、トレーナーさんがいないと何も出来ないって。だから、大事な人なんだと思ったんですよ。だから、私はトレーナーさんを手に入れようと思ったんですよ。」
「そう言うことなんだな。私は恋愛が分からないんだ。まあ、私がトレーナー君の隣に立つことは無いようだ。」
「そうですね。しかし、未来的にどうなるか分かりませんよ?」
「君とトレーナーくんを見ているとわかるよ。君たちは今幸せそうだ。」
「幸せですよ。本当に未来がどうなるか分かりませんからね?」
ハヤヒデ先輩は少し落ち込んでいるように見える。しかし、憲法にも「トレーナーと担当ウマ娘が結婚した場合でも、別の担当ウマ娘との重婚は認められない」と書かれている。とても残念のような気がする。
「ワンダーくん…?何を考えているんだ?」
「いえ、なんでもありません。」
「ふっ。そうか。君、今眉間に凄い皺を作っていたから何かを考えていたと思ったんだがね。」
「私でも、悩み事はしますよ?」
「トレーナーくんのことかな?」
「違いますよ。毎日毎日トレーナーさんのこと考えてると思ってませんか?」
「実際思っているよ。」
「そうですけどね?」
「そうだろうね。」
少しからかわれた気がする。私は時計を見て「あっお昼時ですね。」とつぶやく。ハヤヒデ先輩も「そうだな。昼時か。」と返事をする。そして、会話がなくなる。私は何を話せばいいのだろうか。
「そういえば、知っているかい?」
「何をですか?」
「最近トレセンの近所で行われた「ウマ娘子供杯」を。」
そんなものをはトレセンに居れば情報が入ってくるはずなのに、一切私はそれを知らない件について。その前になんですか?そのネーミング✕のレース名は…。
「いえ、知りません。」
「そうか。そこでだな。キタサンくんが出たらしい。」
「珍しいですね。あの子優しそうですから、そんなレースに出ないものだと。」
「最近、おかしいそうだ。ダイヤくんとは仲がいいがなんかギスギスしてる感じがあるそうだが…。まあ、喧嘩でもしたのだろう。」
「ところで、どうしてハヤヒデ先輩はそんなこと知っているんですか?」
「どうしてって…このレースはトレセン生徒会主催だからな。ブライアンから聞いたんだが…。他の生徒は知らなくて当然だ。」
なるほど。そう言うことだったのか。生徒会主催ならば知っているウマ娘も一部だけと言うかことか。しかし、どうしてキタサンさんとダイヤさんがギスギスしているんだろうか。まあ、2人が入学するのはもうちょっと先になるはずだ。あれ?待って?今何月でしたっけ?
「今は12月だ。それにあの二人が入学するのはもうすぐだぞ。」
「あれ?私今声に出してました? 」
「そんなことを考えてそうな顔をしていたから答えたまでだよ。」
「そうですか。そういえば4月入学でしたか…。」
「そうだな。んで、そのレースには色んなトレーナーが見に来ていたそうだが、やはりキタサンくんは人気だったようだよ。」
「ふむ…。キタサンさんは何を考えているんですかね?」
「トレーナー君を呼ぶことを意識しているのか…それとも走りたいのか…分からないな。」
「そうですね…。」
そうだ。困ってる人を助けたいのが「キタサンブラック」と言う子。レースに負けて泣いている子を横目に見ていたのだから、いつもの「キタサンブラック」では無いことがよくわかった。何を考えているのだろう。
「とりあえずだ。2人はもうすぐ私たちの後輩になるのだから、気構えておいた方がいいと思うぞ。」
「それもそうですね。とりあえず、お昼にしましょうか。」
そう、私が言うとハヤヒデ先輩は「トレーナー君の冷蔵庫にバナナが入っているはずだ。私はそれで構わない。」と言ってトレーナーさんの冷蔵庫を開けた。本当にバナナが置かれており、それを机の上に置く。私は簡単なお昼ご飯を作り、机に置く。一応、トレーナーさんの分も作っておいたが起きる気配がないのでハヤヒデ先輩と2人でお昼を食べる。何も会話なく、お昼を食べ終わる。そして、ハヤヒデ先輩は「タキオン君に呼ばれているのを忘れていたよ。じゃあ、トレーナーくんのことを任せたよ。」と言ってトレーナー寮を出ていった。1人でトレーナーさんの部屋に座り込む私。一瞬でも気を抜くと「私は何をしているんだろう」と思ってしまう。とりあえず、目を閉じて瞑想でもしようか。
〜無人島〜
「ちょっと待てや!クリーク!ウチは絶対にせへんからな!話聞いとんのか!」
「暴れないでくださいねータマちゃん。」
「アカン…こいつ話聞かん…。」
「頑張ってくれタマ。」
「お前はウチを見てるだけか!」
「タマならできるはずだ。」
「オグリ!そう言って巻き込まれたくないだけやろ!トレーナー!助けてな!」
「うん?ああ、お好み焼き美味いぞー。」
「何してんねん!」
俺こと坂本桜花は奴ら(今葉)においていかれたため、クリークのトレーナーとタマモのトレーナーで話し合いをしていた。担当達は仲が良さそうで何よりだ。
「待て待て!ウチが楽しそうに見えるか!?」
「などと申しております。同志タマモトレーナー。」
「うむ。ばぶばぶの刑だな。」
「ちょ待てや!トレーナー!」
「はーい大人しくしましょうね〜。」
「嫌や…!こんなところでウチは…倫理観を失う訳には…アカンねん!」
「それで完成です!」
「やられた…。」
クリークの早業でタマモは服装を私服から幼稚園児の服装に変えられた。その前になんでそれを持っているのか小一時間問いたい。
「持っていくって聞かなかった。」
「こうなるのなら、俺ら参加したくなかった。」
各トレーナーは話し合い最終的には非バブバブ三原則を用意した。
「じゃあ、最年長のタマモトレーナーお願いします。」
「じゃあ、坂本のお願いなので俺から。1つ!『遠征時幼稚園児の服装を持ってこない。』」
「次にクリークトレーナー。」
「2つ!『クリークか参加する時はタマモを連れていない。』」
「3つ!『理事長に相談しない。』」
「これで非バブバブ三原則をここに刻む。俺らは同盟であり、良きトレーナー仲間だ。坂本、クリークトレーナー。何があろうと俺はお前らを裏切らない。ってことでみんな帰るためにどうする?」
「ふむ。エク〇カリバーするべきか?」
「待て待て坂本。それは違うだろ。」
ここは圏外であり、帰る方法がない。そんなことを考えていると、近くに船が通りかかった。俺らはその船に手を振ると、船がこちらに近づいてきた。
「やっと帰れるんだな。」
「帰りましょう…トレセンに!」
「理事長…のせいで…。」
どんどん近づいてくる船を見るとなんか見た事のある人物が操艦していた。
「やぁ!こんなところで会うなんて奇遇だね!坂本!それとも私を探していたのかな?」
「えっ…。」
「なーに。私たち同期だからね。問題ないよ?私はちょっと船で世界一周をしに向かってたんだけどね。」
「…えっと?バカ?」
「よし。君ら乗りまたえ!この船は空を飛べるからトレセンまですぐだよ!」
「その改造はどこ印ですか?」
「タキオン印さ!さぁ、乗ったかい!行くよ!」
俺ら各トレーナーは日記にこう書き残した。
『もう二度と、松風の船には乗らない。』
〜トレセン〜(今葉視点)
「!!!( ゚д゚)ハッ!!!!」
意味もなく目が開く。どうやら、寝すぎたようだ。2人は帰ったのか?と思い上半身を起き上がらせるとベッドに伏せるように眠っているグラスがいた。
「ンンンンンン?なんでェ?今何時?」
時計の針は20時を指している。もう夜らしい。いや、待てよ…?
「待て待て!今思ったら寮の門限過ぎてるやん!どうしよ!携帯携帯!」
携帯を見ると何も連絡が無い。とりあえずたづなさんに連絡を取る。
『もしもし?どうされましたか?今葉トレーナー』
「あのすみません!グラスが寮に戻ってなくて!理事長のあれで連れていかれたんですが!」
『大丈夫ですよ。その件なら問題ありません。グラスさんの門限ですが…もうありませんよ?』
「どうしてですか?」
『実は理事長との会議でグラスさんは婚約をしているので大体は今葉トレーナーの部屋に居るだろうとなりまして…それでもう必要ないのでは?と生徒会に話してみると《それもそうだな。》となり、なくなりました。』
話が飛躍してるぅぅぅぅ!?どうやったらそう言う考えに行き着くのか教えて欲しい!逆にどうなったらそうなるの!?俺はじたばたするとグラスが起きた。
「おはようございますトレーナーさん…いや、今はこんばんはですね。」
「う、うん。グラスさん帰らなくていいんですか?」
「そうですね…門限が無くなったのですけど…戻った方がいいのなら戻りますよ?」
「戻りたくないのならここに居たらいい。」
「ありがとうございます♪」
その場の勢いで言ってしまったことを自分で後悔する。なぜそんなことを言ってしまったのだろうと。しかし、ここは男として1度言ってしまったことを訂正することは出来ない。
「トレーナーさん…お腹は空きましたか?」
「あ〜…そうだな。なにかあるのなら欲しいな。」
「お昼に作ったもので良ければありますよ?」
「お昼ここで食べたのか…。ってことはバナナは…。」
「はい♪ハヤヒデ先輩が食べてましたよ?」
「だろうな…。まあ、いいんだが…。」
「じゃあ、温めてきますね。」
「ありがとう。」
グラスは立ち上がり、キッチンへ消えていく。俺は寝室で1人ポツンと天井を見上げる。
「見慣れた天井だ。」
某ロボットアニメの言葉を独り言で言う。そして、携帯を見ると坂本からの連絡があった。
『よくも置いていってくれたな。結果的に帰ってきたのはいいがもう二度と松風の船には乗らん。』
と書いてあり、俺にはさっぱりわからなかった。なぜ、松風が出てくるのかもわからなかった。する時電子レンジの「チンッ!」と言うとこが部屋内に響く。どうやら温め終わったらしく、グラスは小走りで色々用意をしていた。
「お待たせしましたトレーナーさん♪」
「簡単なもので良かったんだが…?」
「すみません。久しぶりのトレーナーさんの部屋でしたので少し…気合いを入れすぎました。」
「まあ、美味しそうだからいいんだけどな?」
「あらあら〜トレーナーさんはお口がお上手ですね〜♪」
「嘘じゃないからな。」
グラスに見つめられながらグラスが作ったご飯を食べる。これがまたちゃんと作られていた。
「いや、うめぇ。」
「簡単ですからね?」
「いやいや、これで簡単なら手の込んだものはどうなるんだよ。」
「ええっと…。お重箱に入って出てきますね。」
「すげぇ。」
「嘘ですよトレーナーさん。」
「さすがにな。」
そんなこんなを話していると俺の携帯が鳴る。せっかくのグラスとの時間なのだが、その電話相手を見て直ぐに出た。
「はい?どうされました坂本さん?」
『どうもこうもない!有馬までもうすぐなんだからもうちょっとは助けようと…』
「あ〜。その前にさ?」
『なんだ?』
「おかえりwww」
『バカにしてんのか。』
「してないしてない。とりあえず、俺が作ったメニュー表を見て考えてみたらどうだ?」
『うーん。まあ、そうなるよな。』
「そうしかない。」
『なら、明日俺のトレーナー室で。』
「へいへい。」
電話は坂本が切り、通話が終わる。そして、グラスの方を見てグッドポーズを取る。グラスはちょっと悩んだ後に俺の方を見て笑う。俺はグラスが作った料理を食べ終わり、グラスはその食器を持って台所に歩いていった。そして、書類の山の中に入っているある書類を取り出す。
『ファン感謝祭のお知らせ』
至って普通のファン感謝祭のお知らせの書類だ。生徒たちにも配られて、日頃の感謝をファン達に伝えるのがこのファン感謝祭だが、最後の1行がおかしい。
『伴い、ファン感謝祭の最後にはトレーナー達もファン達に感謝を伝えるためにトレーナーダービーを開催することをお伝えします。詳しいことは後にお伝えしますので、ご参加のトレーナー様はお待ちください。』
どう考えても俺らが走っても意味が無い気がするのは気のせいだろうか?グラスもこのことは知っており、すごいこの話をするのは嫌な事だ。しかし、どう思っているのかは聞かないといけないことだ。
「はぁ…。どうしたもんか。」
「トレーナーさん?どうしましたか?ため息なんか吐いて。」
「あぁ…これだよ。」
「あらあら。これはトレーナーダービーのことですね。スペちゃんやエルが楽しみにしてましたよ?」
「グラスはどう思ってんだ?」
「私ですか?そうですね…。」
グラスが答えようとしたその瞬間に俺の携帯が鳴る。俺は電話の音でグラスが何を言ったのかわからなかった。とりあえず、電話に出てる。
「はい?」
『私だ。』
「はい?松風さん?」
『私だ。』
「なるほど。私私詐欺。電話切ろ。」
『待ってくれたまえ!私だよ!アグネスタキオンさ!』
「なんでタキオンが俺の電話番号知ってるのかを小一時間問いたいが…まあ、いい。なんですか?」
『世間話をだね。』
「はい。切る。」
『それは残念だね。それともイチャラブタイムかな?』
「違う。そんなこと言うのやめてくれ。」
『そうなのかい?君のことだからそう言えば喜んで答えてくれると思ったのだけどね。』
「んなわけないだろ。要件は?」
『なーに。私は君に聞きたい。私のモルモットくんを知らないかい?』
「松風なら、坂本と一緒に帰ってきたんじゃ?」
『そうだったんだがね?トレーナー室を見ても居なかったのさ。』
「なら、部屋に戻ってるんじゃないか?」
『と思うんだがねぇ。ほら、今行くとかなりめんどくさいと思わないかい?』
「まあ…門限も過ぎてるし…うん。出れないよね。」
『そうなんだよねぇ。電話にも出ないかもしれないからねぇ〜。どーするべきか。』
タキオンと俺が話していると、グラスが入ってくる。
「それでしたら、隠れて抜け出せばいいのでは?」
『なるほど!その方法があったね!今すぐデジタル君に伝えてみよう!』
タキオンはグラスの提案を受け入れ電話を切る。グラスは「いいことしました〜♪」と頬に手を当てて笑っている。そして、その日はもう眠った。
翌日、俺は坂本のトレーナー室にまた来ている。
「おはよう坂本。」
「待ってたぞ今葉。」
「要件は?」
「ああ。昨日戻ってきた俺らは新たなトレーニング方法を思いついた。それは砂浜ダッシュだ!」
「うん。普通にするな。」
「その通りだ。だが、砂浜でレースをする。」
「ダートか。俺らの中にダートが得意のやつ居ないぞ?」
「大丈夫だ。オグリ1人でタイムを測る。」
「そうか。なら、俺はどうすればいい?」
「いや?報告だけだが? 」
「ん?」
「だから報告だけだが? 」
「ええ....(困惑)」
「そうなるだろう。そうだな。」
「なら、俺はそろそろ自分のトレーナー室に戻ろうかね。」
俺は坂本のトレーナー室から出て、廊下に出てきた。廊下にはマンハッタンカフェが立っていた。
「あ…。お疲れ様です。」
「カフェか。どうした?」
「いえ、明日はレースなのでそろそろトレーナーさんを見に行くつもりなんですが…。」
「そうか。中にいるからな。」
マンハッタンカフェは俺と話してから坂本のトレーナー室に入っていった。俺は自分のトレーナー室に戻るために廊下を歩く。トレーニング場はウマ娘とトレーナーの声が聞こえてくる。校舎からトレーニング場を見るとタマモクロスとスーパークリークがトレーニングしていた。
「ふむ。なかなか面白いな。」
「そうだねぇー。私もああやってトレーニングをさせたいもんだよ。」
「なら、ちゃんとやってくれないか?松風。」
「そう言われても、ちゃんとしてくれないんだよねぇ。」
「ちゃんとしない、トレーナーだもんな。」
「酷い言われようだよほんと。」
「そういえばもうすぐ年末だね。何か考えたかい?」
「何を考えろと?」
「帰省だよ帰省。私は帰省しないけど。」
「俺もそろそろ帰らないとなぁ。」
「君も大変だね。グラス君も帰るんだろ?」
「まあ、そうなるな。」
「なら、早く用意しておかないとね。」
「そうだな。そういえば、タキオンが心配してたぞ。」
「ああ、昨日はすまないね。タキオンやライスに報告するのを忘れていたよ。」
「タキオンが連絡してきたぞ?」
「君…どうしてタキオンが君の電話番号を知っているんだい?」
「お前の携帯のデータでも見たんじゃないか?」
「ふぅん。それは有り得そうだね。」
「ちゃんとデータは扱ってくれ。んじゃ、自分のトレーナー室に戻るわ。」
「明日、君はどうするんだい?」
「明日なぁ。待機でいいかな。わざわざ、中山まで行くのもなぁ。」
「でも、君が来たら中山は盛り上がると思うけど?」
「仕方ない。行くか。」
「盛り上がるからって行くんだね。」
「まあ、いいじゃねぇか。なら、用意しに行くか。」
俺は松風と離れ、自分のトレーナー室に入った。中にはグラスとハヤヒデが話していた。
「トレーナーさんって明日行くんですかね?」
「行く意味が無いが同期の力を見るためには行くのかもしれないな。」
「(おっと…結果的に行かないといけないやつじゃないですか…。)」
2人は俺に気づき、グラスが「明日どうするんですか?」と俺に話しかける。
「えっと…行きます。はい。」
「用意してきますね!」
「あっはい。ハヤヒデは?」
「ハヤヒデ先輩はもう出ていきましたよ?」
「はやーい…。」
「私も寮に戻りますね。」
「ああ。用意しといてくれ」
俺らは明日のために早めにトレセンから出て、中山競馬場に行く用意をする。
翌日、昼から中山競馬場に来た。年末の競馬場に人が集まる。俺とグラス、ハヤヒデは観客席でコースを見る。
「今日はオグリのリベンジ戦だからか、人が多いな。」
「URAですね。1年ぶりのリベンジですから…今回クリークさん来ているんですよね?」
「そうだ。今日のレースはオグリくんの復活を意味する。私もつい楽しみにしてしまっていたよ。」
「確かに同期の担当のレースだからな。」
俺らはそれを話していると周りにグラスとハヤヒデのファンが取り囲んでいた。
〜控え室〜
「トレーナー。いい気分だ。」
「それは良かったオグリ。落ち着いて勝ってきてくれ。」
「もちろんだ。トレーナーに勝利をプレゼントするから待っててくれ。」
オグリはそう言って、控え室を出ていった。数分後にタマモクロスが中に入ってくる。
「なんや?もうあいつ行ったんか?」
「行ったぞ。どうした?」
「いや、レース前に話したかったんやけど…まあ、ええわ。」
タマモクロスは「うちは負けへんからなオグリのトレーナー。」と言ってオグリの控え室から出ていった。俺も観客席に向かう。
〜本バ場〜
「おっすオグリ。」
「ああ、タマか。あの時のリベンジをさせてもらうからな。」
「オグリちゃんにタマちゃん私のことを忘れないでくださいね〜。」
「そういえばクリークも居るんやったな。ここでうちが勝ってもう二度とあの服着やんからな!ええな!」
「なら、私はタマちゃんの心を折るまでですからね。」
「待て待て、そんなことで本気出すことはないやろ!うちの事なんやと思ってるんや!」
「?タマちゃんはタマちゃんですよ?」
「当たり前やろ!」
「クリーク今日はよろしく頼む。」
「オグリちゃん、前回は負けましたけど今回は勝ちますからね。」
「ああ、私はクリークとタマに勝つからな。」
「やれるもんやらやってみ!うちはそう簡単に負けると思ってたら痛い目見るからな!」
こうして、話しながら3人はゲートインしていく。
『オグリキャップは前回のURAでタマモクロスに惜しくもクビ差で負けてしまいましたが、ここでリベンジをするのでしょうか?』
『昨年のレースと同じウマ娘が参加しています。しかし、彼女達も成長しているでしょう。特にスーパークリークは色んなレースに参戦し、勝ち続けていますから期待が大ですね。』
〜実況〜
実『年末の中山で争われる夢のグランプリ有馬記念!あなたの夢私の夢は叶うのか!このレース最も人気を集めているのは一昨年の菊花賞ウマ娘スーパークリーク。1番人気です。2番人気は有馬記念連覇中のオグリキャップ。満を持して3連覇に挑みます。3番人気はURAチャンピオンタマモクロス。実力は他には引けを取りません。』
解『私が1番期待しているウマ娘達ですね。気合入れて欲しいですね。』
実『各ウマ娘ゲートイン完了。出走の準備が整いました。スタートです。各ウマ娘綺麗なスタートを切りました!』
解『これは位置取りが熾烈になりそうです。』
実『先行争いは14番12番4番。期待通りの結果を出せるか?1番人気スーパークリーク!第4コーナーカーブ14番快調に飛ばしていきます。先頭集団を見ていきましょう。長丁場のこのレースですが14番早くも先頭に躍り出た。4番追走。4番14番2人の競り合いが続いています。』
解『いいライバル関係になりそうですね。』
実『まず1周目、正面スタンド前に入った。前からは大きく開きました。隊列は縦長になってます。』
解『仕掛けどころが難しいリースになりそうですね。』
実『現在1番手は4番。続いて14番。少し後ろから8番。それを見るように12番。ここまで先頭集団。先頭は依然4番。2バ身リード!第1コーナー回って第2コーナー。4番まだリードをキープしています。続きました12番。14番並びかけてきた。その後からは8番。1バ身離れてオグリキャップ。スーパークリークここにいます。その内を並んで3番。』
〜本バ場〜
「(クリークが後ろにピッタリ付いてくる…。)」
「(オグリちゃんの後ろに付いて、最後の直線の前で一気に抜く!)」
〜実況〜
実『少し離れて7番。その外並んで16番。内で10番。その後ろ2番。2バ身3バ身開いて13番。あとは11番。1バ身離れて9番。15番並んでくる。最後方タマモクロス。2コーナー回って向正面先頭は依然として4番。1バ身差14番。1バ身離れて12番。1000mを通過。1バ身離れて8番。オグリキャップ5番手。少し後ろから7番。3番続いている。外から16番。1バ身差スーパークリーク。2バ身3バ身開いて10番。2番並びかけてきた。2バ身差13番。外めを突いてタマモクロス。1バ身離れて11番。後方2番手に9番。15番最後方だ。第4コーナーを進んで直線へ向かう!』
解『ウマ娘達がどう動くのか目が離せません!』
実『まだ差がある。ここから先頭を捉える娘は出てくるのか!中山の直線は短いぞ!後ろの娘達は間に合うか?さぁ、いよいよ直線だ。どのタイミングで誰が仕掛けるのか!?』
〜本バ場〜
「オグリ!うちはお前に負けれへんねん!」
「タマ!それは私もだ!」
「2人とも私を忘れないでください!」
「うちが」「私が」「いえ、私が!」
「「「1番や」だ」です!」
〜実況〜
実『オグリキャップ!速い速い!タマモクロスも負けじとオグリキャップに追いつく。スーパークリークもタマモクロスの後ろから2人に近づく。この3人の勝負が続く。200を通過。先頭は少し頭出ているオグリキャップ!オグリキャップ!リベンジ達成なるか!2番手争いはタマモクロス、スーパークリーク。』
実『オグリ1着!オグリ1着!見事ファンの大声援に応えました!スーパーウマ娘!オグリキャップです!』
〜実況終わり〜
中山競馬場は大歓声だった。あのURAで負けたオグリキャップが完全復活を意味するレースだったからだ。ファンたちは大歓声を上げ、ある者は涙を流してオグリのウィニングランを見守った。
〜本バ場〜
「はぁ…はぁ…やったぞトレーナー!」
「はぁぁぁ…また負けてもーたわ。」
「いい勝負してたんですけどね。それにタマちゃんに負けてしまいました。」
「これであの服着ひんからな!」
「そんなー…。」
「2人とも。」
「なんや?」「どうしました?」
「楽しかったぞ。」
「ふん。それはうちもやで。オグリ!次は負けへんからな!」
「私もタマちゃんと同じ意見ですね。」
「次のレースでも負けないからな。」
「それはうちのセリフや。オグリ。」
中山競馬場は今日1日大歓声が消えることは無かったらしい。
やる気がマリアナ海溝に沈んで行った綾凪九尾です。
まず沈んだ理由として疲れました。はい。
仕事、教習所、仕事としんどいんです。だからこうしてのんびり出していくことになったんですが、この青き炎の終わらせる目標月が再来月なんです。もう無理です。マジ無理ぃ、連続投稿しよう。となって欲しかったのにあと1年分ぐらいの話が残ってます。HAHAHAクソッタレ。
なるべく早い投稿を心がけてここで後書き終わり
待ってた皆さん遅れてしまって申し訳ないどす。
タマモの関西弁が上手いのは私が関西人だからです。
それでは、see you♪