「ふぅ…久しぶりのトレセンだな。なんだって、用事で少しの間帰れなかったからな。さて、寮に行こうかな。」
校門の方でトレセンを見るが、何も変わっていない。俺はキャリーケースを引っ張って、自分の寮へ帰る。また何も無い毎日が始まればいいと最初は思っていた。
「おや…これはこれは…今葉くんじゃないか。」
階段の所に立っていたのは松風。こいつが俺を持っているなんて明日は槍でも降るのだろうか?
「なんだよ松風。」
「いや、今日1日生きれるかなって思ってね。気をつけるべきだよ。」
「は?なんだよ。俺が死ぬみたいな言い方じゃないか?」
「その通りになるかもしれないってだけさ。」
俺と松風がそう話していると、寮の上の方から「ドドドド」と走ってくるような音が聞こえる。その音に俺は聞き覚えがあり、キャリーケースから組み立て式薙刀を取り出して構える。
「君は本当に危機管理がしっかりしてるね。」
「お前にはわからんだろ。あいつの本当の恐ろしさを。」
そう言ったタイミングで松風を飛び越す影を俺は見逃さない。振り上げられた棒状の物を薙刀で受け止める。
「あらぁ?久しぶりに帰ってきましたねトレーナーさん。でも、ちょっと力弱くなりましたね。」
その影は間違いない。グラスだ。薙刀の扱いならば、グラスの方が上だ。どうもできない。
「何してたんですか?私なんかほっといて、別の仕事にうつつを抜かすのは些かどうかと思うんですよね。指揮官業は楽しかったですか?トレーナーさん。」
「ま、待て!グラス!話せばわかる。な?1回話そう。」
グラスは薙刀を一度下げる。しかし、地面にぶっ刺す。もし対応してなかったら、俺は地面と同じようになっていたのかもしれないのか…と少し冷や汗をかきながら、俺も薙刀を下ろす。
「わかってますか?私がどれほど寂しい思いしたか…。サトノさんの所と松風トレーナーさんの所の全力を使ってトレーナーさんを探したんですよ…。」
そう言って、俺に涙でぐしゃぐしゃの顔を見せる。
「すまない…。わかってる。グラスの気持ち…わかる。」
俺はグラスを抱きしめようと近づく。しかし、グラスは再び薙刀に手にする。
「そうやって指揮官業の時にケッコンしてたんですよね!トレーナーさんっていつもそうですよね!私の想いなんだと思ってるですか!」
「いや、あれは俺であって俺じゃない…。」
「他には先生にもなってたみたいですね!」
「それも…俺であって俺じゃないと言いますか…。」
薙刀を向けて尋問される俺は自室へ引っ張られていく。そして、正座をさせられる訳だが。
「やぁワンダーくん。ついに帰ってきたのだな。」
「トレーナーさんが帰ってきたって本当ですか?」
部屋にはビワハヤヒデとメジロアルダンが入ってきた。
「まったく、トレーナーくんには頭を悩まされたよ。一体どんな顔をして帰ってきたのかな?」
「あ、あのハヤヒデさん。助けてください。」
「さすがに、私たちをほっておいたくせにそんなことを言えるなんて反省しているようには見えないが?」
「あの…ほんとすいませんでした。あの…これお土産で…」
俺が恐る恐るとお菓子を出せば、グラスはそれを受けとり「これはこれは…」と言う。これで怒りが収まれば、俺はここでまだ生きていける。
「こんなもので許してくれるほど、私たち優しくないですよ。覚悟してください。問答無用です。」
「はい…本当に申し訳ありません。」
こうして、俺の謝罪の旅が始まる。知らない内に新たなウマ娘が居たりと、俺が居た時よりも賑やかになっているようだ。
「あの…グラスさん。」
グラスは俺を睨むようち見る。
「なんですか。腕離しませんから。」
「いや、痛いんですが…。」
「私たちを捨てたトレーナーさんの腕なんて折れればいいんです。ここで折りますか?」
圧がすごい…いや、さすがに折るのはしないと見ていると力がどんどん入ってくる。
「あ、あの…グラスさん?ちょ…ちょっと?痛い…痛いんですが…。」
グラスはにっこり笑顔で俺のことを見る。俺はこの時確信した。グラスは俺の腕を折る気だと。
「待ちましょうよ。話し合いをしましょう。」
俺はグラスの反応を待つ。周りのウマ娘の目線を感じながら…。
「……。」
グラスは黙る。それを見て俺は固唾を飲む。俺はどうすればいいですかこれ…。
「嫌です。」
やっぱりそうなりますよね!俺が悪いもん!10対0で俺の悪いもん!土下座ですか?焼き土下座ですか?何するば許してくれますか!?
「これからずっと離れないでください…。」
「ずっとって…具体的に?」
「一日中…365日24時間です。」
俺はグラスの返事を聞いて口を開けて、声が出ない。誰だよ、グラスを病ませたの。俺だわ。とりあえず、返事をしないといけない。
「わーお…」
これしか出なかった。仕方ないといえば仕方ない。どうすればいいんだ?ここで、目の前をハヤヒデが通る。俺すぐに声をかける。
「助けて…ハヤヒデ…助けてください…。」
ハヤヒデは俺の声に気づいて、すぐ肩に手を置いて「トレーナーくん。これは全て君が悪いんだから諦めてくれ。」と言って歩いていった。
「待って!助けてくれ!本当に!」
俺がハヤヒデに助けを求め続けると、肩に手が置かれ指が食いこんでくる。
「イタタタタ!離して…さ、刺さってるって!」
そして、トレセン中に俺の声が響き理事長に呼び出しを食らったのはまた別の話。
どうも…皆様お忘れだと思う綾凪九尾です。
同人誌制作から帰って参りました。書き方がだいぶ変わってしまって、読みにくいかと思いますが許してください
そして、2年間の急な活動休止。本当に申し訳ありません。
同人誌活動は…書きたいものが書けなくなってしまって今は休止しております。
ですので、時間ある限り投稿を開始しますので
再び応援のほど、お願いします。
ご指導ご鞭撻の程をよろしくお願い致します。