横に寄り添う青き炎   作:綾凪九尾

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宝塚記念ヲカケル(第6レース)

同期と同期の担当ウマ娘が生徒会長『シンボリルドルフ』に呼ばれ、生徒会室に来ていた。シンボリルドルフは俺らを睨みつけていた。

 

「ここに呼んだのは他でもない。君たち、重賞に勝っているようだね。」

 

重い空気に筋の通った声が生徒会室に響く。

俺らは少し後ずさりしてしまう。しかし、シンボリルドルフの睨みによって俺らは動けなくなる。

 

「私の異名は何かわかっているのかな?グラスワンダーのトレーナー君。」

 

シンボリルドルフは俺に質問してきた。俺はオドオドしながら答えた。

 

「あっ…えっと…『皇帝』です…か?」

 

「うむ、そうだ。それでだ。テイオーは『帝王』オグリキャップは『芦毛の怪物』ライスシャワーは『漆黒のステイヤー』グラスワンダーは『不死鳥』だ。」

 

シンボリルドルフは俺らの担当ウマ娘の異名を読み上げた。そして、圧をかけるように言葉を放った。

 

「少し君たち…中央を舐めてないか?いや、中央を舐めるな。」

 

生徒会室は一瞬で無音の空間となった。しかし、シンボリルドルフはある1人を見て汗を流した。その1人とは松風だった。

 

「ちょっと…君。眩しいんだが…」

 

「偉大な人が輝いて見えるものだよ。」

 

「「「「はっ?」」」」

 

担当ウマ娘達は震えるだけだったが同期トレーナー(松風を除き)とシンボリルドルフの言葉が重なった。

空気がまた重くなり俺は生徒会室から抜け出した。

 

「(あんな場所に居てられるか!!俺は逃げさせてもらう!)」

 

グラスも後を追って走ってきていた。トレーナー室はすぐに追いつかれる可能性があるのでトレーナー寮に走って向かった。

自分の部屋にグラスを入れ、2人で息を切らせて机を囲んだ。2人でお茶を飲み一息した時に電話がなった。電話番号的に担当記者のだった。俺はその電話を出た。

 

「はい?どうしました?」

 

「どうも今葉さん。グラスさんのレース決めました?」

 

「あー。この時期でしたら…宝塚とかですかね?」

 

「なるほど、わかりました。記事書かせてもらいます!」

 

「どうぞ〜。ん?…ってことはCMもする?」

 

「もちろんですよ〜。もちろん、同期に皇帝様も流れますので。」

 

「えっ…マジか。」

 

最後に恐ろしい言葉が聞こえた。会長のあの言葉は脅しではなく、警告だったのか?グラスの方を向くと覚悟を決めた顔で俺の目を見つめていた。

 

「トレーナーさん。私は会長さんに勝ちたいです。」

 

「強敵だぞ?それでもか?」

 

「もちろんです。(最後に)走りたいですから♪」

 

「そうか。わかった。」

 

この日の翌日からグラスとハヤヒデと俺のトレーニングが始まった。グラスは宝塚記念のために、ハヤヒデは菊花賞のためにトレーニングした。来る日来る日グラスは厳しいトレーニングをした。ある日、俺はトレーニング方法を考えていたら、ハヤヒデに話しかけられた。

 

「少しいいかな?トレーナー君。」

 

「ん?ハヤヒデ?どうした?」

 

「グラス君の件なんだが…」

 

「グラス?グラスがどうした?」

 

「明日、並走してみても良いだろうか?」

 

「んー。いいぞ。勝負してみるか?」

 

「いいのか?」

 

「久しぶりの並走だからな。グラスも喜ぶだろう。」

 

「そう…か。そうだな。負けないように努力するよ。」

 

「頑張ってくれ。」

 

ハヤヒデが寮に向かって歩いていった数分後トラックを1周してきたグラスが駆け寄ってきた。

 

「トレーナーさん。先程、ハヤヒデ先輩と話しているように見えたのですが…どうしたのですか?」

 

「ああ。そのことなら大丈夫だ。明日ハヤヒデと並走してみてくれ。もちろん本気でな。」

 

「良いんですか?」

 

「構わん。ハヤヒデからの提案だからな。」

 

「そうですか。なら、お相手します♪」

 

「手加減はするなよ。」

 

「そんな、無礼を働く私ではありませんよ♪」

 

グラスは笑顔で「お疲れ様でした〜♪」と言ってハヤヒデ同様寮に向かった。俺はベンチに置いていた書類を集めて、クリップで止めようとした時風が吹いた。1枚飛んでいってしまい、必死に追いかけた。すると、前を歩いているウマ娘に引っかかり止まった。そのウマ娘が書類を手に取ると周りを見渡してきたので話しかけた。

 

「ちょっとそこの君。それは俺のなんだ。取ってくれてありがt」

 

「ああ。お前が姉貴のトレーナーか。」

 

「姉貴?誰だ?ハヤヒデ?」

 

「姉貴のトレーナーのくせに私を知らないとはな。」

 

「あっ!ナリタブライアンか!」

 

「当たりだ。わからなかったのか?」

 

「わからなかったじゃなくて…ハヤヒデ曰く『ブライアンは私に似ているところがあってだな。髪の毛は…ブライアンの方がサラサラだが…ごにょごにょ』と。」

 

「似ているところか。まあ…あるだろうな。」

 

「てっきり、ハヤヒデと同じように芦毛なもんだと…」

 

「フッ。姉貴だけだよ。あの髪色は。あれはあれで綺麗と思うんだがな。」

 

「それはわからんこともない。」

 

「お前とは気が合いそうだな。UMANEはやっているか?」

 

「一応。業務連絡用だが。」

 

「なら貸せ。ふむ。これで登録できた。姉貴のことならなんでも聞いてくれ。それじゃな。」

 

「おつかれ。」

 

俺はナリタブライアンと話終わるとトレーナー寮にある自室のドア前に着くと中から騒がしい声が聞こえてきたので、ドアを開けると中に同期達がどんちゃん騒ぎしていた。

 

「おんどらぁ!何しとんじゃゴラァ!」

 

「何とはなんのことかな?今葉」

 

「黙れ!年中発情期発光野郎!」

 

「なっ…」

 

松風が部屋に隠し持っていた本のことは同期たちにバレていて俺はそのことを突きつけた。それを聞くなり、中山が反論してきた。

 

「今葉今のは言い過ぎだろ?」

 

「何言ってんだ!デートの時何も提案できずに帝王様に任せきりの奴が反論できるんか?えぇ?」

 

「あっ…すいません。」

 

中山は俺に反論され即座に謝った。次は流れ的に坂本だが坂本は何も言わず酒を飲んでいた。

 

「何も言わんのかい!」

 

「あえて言わない方向ってことだ。」

 

「意味がわからん。とりあえず、儂の部屋の合鍵作ったんか?!」

 

俺は中山と松風に問い詰めた。中山は萎縮し何も言わないが松風が口を開いた。

 

「えっとだね。まず、この2人が今葉の部屋で酒を飲んでいたんだよ。」

 

「なんでそうなるんだよ。」

 

「この萎縮した中山の言葉はこうだった。『同期愛が詰まった合鍵で開けた。』とか。」

 

「ここに来て洒落か?おもんねぇわ!もしここでエアグルーヴがいたらやる気下がってたぞ!」

 

「君は…何を言っているんだ?」

 

「わかんねぇよ!」

 

俺はキレ気味に返事しながら酒を飲んだ。酒を飲んで少しずつ落ち着いていった。松風が話しかけてきた。

 

「んで、今葉」

 

「ん?」

 

「宝塚…って言えばわかるかな?」

 

「ああ、宝塚ね。」

 

「シンボリルドルフが出るってことは私たちもそれなりの覚悟が必要だと思わないかな?」

 

「そうだな…って今日あれじゃないか?」

 

「あれ?えっと…ああ!私たちのCMの日だね。確か全員分が流れるやつだったかな?」

 

「そうだ。テレビ付けるか。」

 

「そうだね。」

 

俺と松風はテレビをつけるとそれを聞いていた中山と坂本が続いてテレビを見た。するとあるCMが始まった。

 

「2021年宝塚記念。阪神に皇帝が帰ってくる。皇帝を打ち倒すのは不死鳥か?それとも帝王か?または芦毛の怪物か?そのまたは刺客か?全国のファンが送る夢の舞台。ウマ娘たちの一瞬の判断で夢や未来が変わる。この伝説を今目に焼き付けろ。」

 

『標的はただ1人。七冠の皇帝だった。今、行くか?いや、まだか。いや、今か。不死鳥は皇帝を倒すことはできるのか。不死鳥の判断で未来が変わる。この不死鳥の名は【グラスワンダー】』

 

『七冠の皇帝を止めるのは帝王しか居ない。父たる皇帝のプレッシャーに勝ち、皇帝を止めれるのか。天才はいる。悔しいが。そのウマ娘の名は【トウカイテイオー】』

 

『【オグリキャップ】復活。安田記念を制し、全国にもう一度「芦毛の怪物」の名を轟かせた。この怪物は皇帝まで倒してしまうのか。安田記念を走るオグリキャップを見てファンは神はいる。そう思った。』

 

『人は言った。このウマ娘のことを「ヒール」と。だが違った。2度の天皇賞・春で王者に立った。皇帝シンボリルドルフの快進撃を阻もうとする漆黒のステイヤー。ヒールかヒーローか、悪夢か奇跡か。そのウマ娘の名は【ライスシャワー】』

 

『ある男は言った。「レースには絶対はないが、そのウマ娘には絶対がある。」勝利よりも3度の敗北を語りたくなるウマ娘。【シンボリルドルフ】。"永遠なる皇帝"。不死鳥などの並みいる強豪をねじ伏せ、日本をもう一度我が手に…』

 

宝塚記念のCMの後、宝塚記念に出るウマ娘の説明が入ったが…やはり同期たちの紹介文はすごいと思った。今回のレース最も厄介になりそうなウマ娘は全員だ。同期もシンボリルドルフも全員。手を抜いてトレーニングする訳にはいかないと思って周りを見ると全員が下を向きながら笑っていた。同期全員で武者震いをしていた。俺は翌日のトレーニングを考え直すために全員を叩き出した。

同期達を叩き出した後、俺はノートを広げ同期達やシンボリルドルフに勝てるためのトレーニングは何かを考え出した。

翌日、グラスとハヤヒデの併走を見るために各トレーナーやウマ娘達が見物に来ていた。グラスとハヤヒデは確認をするように話し合いをしていた。

 

「グラス君。君には最後の末脚がある。最終コーナーの所を少し早く勝負をかけてみるのはどうだろうか?」

 

「なるほど。確かにそれだと差ができますね。」

 

「ああ。グラス君にとってこのレースが最後なのは理解している。そのために私も手助けはするつもりだ。」

 

「気づいてたんですか?」

 

「何、そんなこと君の青い炎を見ればわかるさ。では、そろそろ時間だな。」

 

ハヤヒデはスタートラインとして立っているトウカイテイオーの前に立った時に俺に向かって叫ぶ。

 

「トレーナー君!!用意は大丈夫か?!?!」

 

「はぁぁい!!大丈夫だぁぁ!!」

 

ハヤヒデの確認を返し俺はゴールラインとしてタイマーを持った。

 

(グラス視点)

ハヤヒデ先輩は皐月賞、東京優駿を逃しているものの2着に付けている。気を抜けば負けてしまう相手…トレーナーさんとハヤヒデ先輩がしてくれたことやれることはやるだけ。

私が深呼吸をしてスタートラインに立つ。見物しにきた人達の声援がすごい…でも、それに目も当てれない。それほど手を抜けない相手だから。私は利き足に力を入れスタードダッシュに備える。そして

 

「よぉーいドン!」

 

大声でスタートコールがされ私とハヤヒデ先輩は走り出した。今回私は先行作戦で行く予定らしく先行トレーニングをした。しかし、ずっと先行で走っていたハヤヒデ先輩は先に行く。私はその後ろに付けて抜ける機会を待つ。コースは半周。早めに勝負をしなければ…。ここです!

 

「トレーナーさんのために!私は勝つ!!」

 

私はハヤヒデ先輩に言われた通り早めに勝負に出た。見物しに来た人達の声援なんて聴こえない。私は私だけのただ一つの世界。私こそが『青い』不死鳥になるのだから。

私はハヤヒデ先輩を追い抜きトレーナーさんの前を通過した。

心の高まりがよく聞こえる。でも、ここで勝たないと最後の最後で黒星が付いてしまう。だから、私は会長…いや、『皇帝《シンボリルドルフ》』に勝たなければならない。

 

(今葉視点)

グラスは最終コーナー前に勝負を仕掛けたと同時にグラスから青い炎のようなオーラが出てきた。たまによく目の奥に見えた炎と同じあの炎がオーラとして出てきていた。俺はついにグラスが最後の卵の殻を破った気がした。ついにグラスは無敗最強の不死鳥になる。ハヤヒデとグラスで話し合っていた。グラス達を寮に戻して俺は翌々日のレースに備えてトレーナー達と打ち上げをした。

 

「んー…なんで?」

 

「何が謎なのかな?」

 

「俺は坂本と中山と松風呼んだんだがな。」

 

「ふぅん。なるほどね。」

 

「誰だよお前!」

 

「すまないね。タキオンに薬飲まされてアイアンマンにさせられたんだがね。かっこよくなったと思わないかい?」

 

「アイアンマンって着るんじゃなかったっけ?」

 

「そんなことどうでもいいじゃないか。」

 

隣にアイアンマンが居る謎の空間になっている俺の部屋。酒を片手に話をしているが1人だけ「ジャキ!ウィーン。ギガガガガ」と音を鳴らし酒を飲んでいる。全員荷物を持って来たが1人だけ荷物持たずに部屋に来ていた。

 

「んー…松風。」

 

「ナンダ」

 

「あーロボットになってらっしゃる。」

 

「言イ方ガアルンジャナイカ?」

 

「いや、荷物は?」

 

「荷物?運送済み」

 

「早すぎんだろ。」

 

「君たちのもしてあるよ。もうないだろ?」

 

「いつの間に持って行った!?」

 

知らぬうちに持っていかれた荷物に気づいて俺、中山、坂本は立ち上がり松風を見た。

 

「驚いたかな?私の家御用達の運送会社が居てね。私の親がよく運送してもらうんだよ。」

 

「松風って何者なんだろう」

 

謎になりつつ全員を部屋から追い出した。1人で酒を飲んでいるとインターホンが鳴った。

 

「はいはい?誰だ?まぁーた松風が来たんか?」

 

「やぁトレーナー君。」

 

「ハヤヒデ?」

 

「ああ。トレーナー君ご飯食べたかな?」

 

「酒とつまみしか食べてないんだ。どうしてだ?」

 

「いや、先程ブライアンにカレーをせがまれてしまってな。余ったからトレーナー君にと思ったんだが。ふむ、飲んでたな?明日朝一の出発なのに飲んでいるとは、トレーナーとしての自覚がないのではないか?」

 

「すいません。以後気をつけます。」

 

「飲んでいるのなら仕方ない。私はここに泊まろう。」

 

「んー。帰れ。」

 

「起きれなかったらどうするつもりだ。」

 

「うっせ。帰れ」

 

「外泊届けのことを気にしているのか?トレーナーくん。」

 

「そりゃ気にするだろ。」

 

「大丈夫だ。取っている。」

 

「どうして俺の担当は全員事後報告してくるんだ!」

 

悲鳴にも似た俺の声はトレセンのトレーナー寮に響いた。

あとはもう記憶が無い。カレーを食べてからハヤヒデに「風呂に入ってさっぱりして来た方がいい」と言われ風呂に入った。出た時には布団が引いてあり、白いもふもふした塊をモフりながら寝たのを覚えている。(あれ?意外と記憶ある…?)

翌朝、セットしていたアラームがなる。

 

「ん…んー…じ…時間…か。」

 

「おはようトレーナーくん。」

 

「なんか…でけぇのいる。」

 

「でかいとはなんだ…でかいとは。ハイパー癖毛なのだから仕方ないだろう?」

 

「なら…早く寝癖直してください…朝食は新幹線で食べるから…」

 

「わかった。」

 

ハヤヒデがカバンの中に入れていたヘアオイルの匂いが部屋中に広がる。匂いは薔薇?っぽくハヤヒデはヘアオイルとドライヤーを持って鏡とにらめっこしていた。俺は歯を磨き、荷物は持っていかれたので必要最低限のものをリュックに入れて準備する。少ししてからグラスが来て、ハヤヒデとばったり会い少し修羅場ったが説明するとグラスはすんなりと怒りを収めた。ハヤヒデが髪の毛いじりが終わり、ハヤヒデを見るといつものもふもふハヤヒデだった。

 

「笑いたければ笑えばいい…」

 

「笑ってる訳では無い。あれだけしていつも通りなんだなって」

 

「トレーナー君は昨日の記憶が無いみたいだが、昨日髪の毛乾かしてる時はストレートなんだぞ?」

 

「へいへい。そろそろタクシー来るから準備して。」

 

トレセン前の道路に4台のタクシーが止まっていた。

外に出ると、坂本と中山が立ち話をしていた。

 

「今日こそはあいつのグラスに勝って俺のテイオーが強いことを証明させてやる。」

 

「それは無理だと思うが…」

 

「いいや。テイオーならしてくれるはずだ。」

 

何故か、グラスを倒すことを第1に考えているみたいだが…1番倒さなければならないのは"永遠なる皇帝"シンボリルドルフの方ではないかと俺とハヤヒデ、グラスは考える。

俺は荷物を持ってトレーナー寮を出る。タクシーの方に3人で歩いて向かっていると、見たことはある見てはいけない人がやばい方のタキオンと覚悟の決めた漆黒のスレイヤーを連れて男子トレーナー寮を見ている。

俺は目を合わさないようにしたが話しかけられた。

 

「うむ。朝日登る時我らの出陣なり。」

 

「どなた…ですか?」

 

「我、松風と申す。」

 

「俺の知ってる松風はもっとサイコパスみたいな話し方なんだけど…」

 

俺は混乱しているとやばい方のタキオンが話してくれた。

 

「やぁ、ハヤヒデ君のトレーナー君。」

 

「あっ…どうも。」

 

「なーに。少し新薬の実験さ。まさか、こんな副作用が出るって言うのは予想外だったが。ふぅん…モルモット君の身体は不思議だね。」

 

「俺からしたら…あなたが謎ですよ…」

 

俺らは松風達から逃げるように自分たちのタクシーへ向かう。そこで1人のウマ娘に会った。

 

「あっ…グラスワンダーさん…のトレーナーさん。」

 

「えっと…君は…マンハッタンカフェ…でいいのかな?坂本の担当ウマ娘で」

 

「はい。あっ、先程は大丈夫でしたか?」

 

「うーん。レース前に精神逝きそう。」

 

「ですよね…私のトレーナーさんはどこにいますか?」

 

「まだトレーナー寮…いや、降りてきてるな。まあ、俺らは行くから。あいつらに伝えといて。それじゃ」

 

「はい。また阪神競馬場で。」

 

タクシーに乗り込んだ俺らは東京駅までタクシーで向かい、新幹線で新大阪駅まで乗り電車で阪神競馬場ヘ向かった。2時間40分の新幹線、電車の旅。仁川駅に到着し、阪神競馬場がある街に着いた。しかし、レースは15:40からで今は12:30。昼ごはんの時間だった。グラスは自分で握ってきたと言うおにぎりを1つ駅で食べていた。時間もあることでハヤヒデとどうするかどうかをスマホで調べていると、松風から電話がかかってきた。

 

「やぁ!私の大事な同期よ!元気にしていたかな?」

 

「うーん。お前の声聞くとなんか…生きてるなーって思う気がしないですね。」

 

「ふぅん、なかなか面白い冗談を言うようだね。元気そうだ。ところで、君今暇だろ?」

 

「えっ…ああ。暇だな。」

 

「ホテルに向かうといい。早めにチェックインできるように私が手配しておいたからね。私の努力を無駄にしないでくれよ?それじゃ、ばいびー大事な同期野郎!」

 

嵐のように電話をかけ嵐のように電話を切っていった。

俺はどう相手すればいいのかわからず、何となくで返事していた。とりあえず、ホテルに向かうことにした。

仁川駅から宝塚駅に向かい、乗り越し精算をしてからホテル宝塚にチェックインした。

グラスをリラックスさせるために散歩を勧める。

 

「グラス。大丈夫か?」

 

「はい。覚悟はとうに決めています。」

 

「力むな。落ち着け。」

 

「あっ…すみません。トレーナーさんも一緒にお散歩行きませんか?」

 

「俺と一緒でいいのなら。」

 

俺とグラスはホテルを出て、少し散歩をする。

 

「トレーナーさんは、私が引退した時…どうしましたか?」

 

「それはまた難しい質問だな。そうだな…それでもグラスの隣に立っておきたいのが本音だな。グラスがいいのなら…ね?」

 

「もちろん。トレーナーさんは私やハヤヒデ先輩を支えてくれるトレーナーさんです。でも、こんな時しか言えません。」

 

「えっ…何を言うの?」

 

「トレーナーさん。心して聞いてください。」

 

「わかった。」

 

「私はトレーナーさんがいて走れたんです。だから…これからも支えになって、私をもっと支えてください。精神的にも…身体的にも…」

 

「なるほど。つまり結婚しろってことか。」

 

「誰もそんなことは言っていません!」

 

「いやいや、プロポーズぞ?今のは」

 

「違います。全く…トレーナーさんと話すと気が紛れます。今日のレース…怖いんです。」

 

「生徒会長が相手だもんな。」

 

「はい。生徒会長を倒せるか…その力が私にあるのか…そんなことを考えて頭から離れません。トレーナーさんどうすればいいと思います?」

 

「そうだな。勝てたら、何かプレゼントするよ。」

 

「プレゼント…ですか。はい!待ってますトレーナーさん♪」

 

いい時間帯になり、俺らトレーナーズと担当ウマ娘達は阪神競馬場に向かった。

 

「久しぶりだな。阪神競馬場…去年以来だ…」

 

「今葉はそうか。去年も確かグラスが1着だったか。」

 

「そうだ。スペシャルウィークを抑えて1着だ。これ写真。」

 

「グラスが泣いてるのか?」

 

「嬉し泣きだよ。とりあえず、自分たちの担当に会いに行こう。」

 

俺らは関係者通路を通り担当の部屋に向かう途中、放送が聞こえた。

 

「本日は阪神競馬場にお越しいただきありがとうございます。本日のメインレースである宝塚記念に出走予定の『トウカイテイオー』は鼻血により、出走取消となりました。繰り返します。宝塚記念へ出走予定の『トウカイテイオー』は鼻血により、出走取消となりました。」

 

突如、言われる重大な問題。今日は同期4人の担当ウマ娘が走る予定だったのに、まさかの事態にあたふたするもグラスは落ち着いていた。

 

「トレーナーさん。落ち着きましょう。トウカイテイオーさんは仕方ありません。私たちで会長を倒します。」

 

「ああ。倒してこい。」

 

グラスがまた椅子に座ると、ノックの音がしスタッフが「グラスワンダーさん。そろそろ本バ場入場です。」と言って、ドアを閉めた。

 

「では、トレーナーさん。行ってきます♪」

 

「ああ。行ってこい。」

 

俺とハヤヒデは客席に座り双眼鏡を覗いた。

宝塚記念が始まろうとする中観客は歓声をあげる。

グラスワンダーにライスシャワー、オグリキャップ…そしてシンボリルドルフに。

今勢いのある3人に生きる伝説が登場したのだ。当たり前だろう。時刻は15:20そろそろファンファーレが流れる頃だろうと思っていると真ん中のスクリーンに今回宝塚記念に出るウマ娘の紹介が始まった。これが終わる頃にファンファーレが流れる。グラスは落ち着いたように周りの同期の子たちと話している。スクリーンの紹介が終わると、合奏隊がファンファーレを鳴らした。

 

(この後、レースが始まりますが…ほとんど実況、解説のセリフしかありません。今回はレースに力を入れてますので)

 

実況「票に託されたファンの夢。想いを力にかえて走るグランプリ・宝塚記念!」

「現在1番人気は天皇賞・春連覇中のライスシャワー」

「虎視眈々と上位を狙っています。芦毛の怪物3番人気オグリキャップ」

「対抗するのは有馬記念連覇中のグラスワンダー。2番人気です。宝塚をも連覇するのか。」

「永遠なる皇帝シンボリルドルフ。惜しくも4番人気。3人を止められるのか。」

解説「火花散るデットヒートに期待しましょう。」

実況「ゲートイン完了。出走の準備が整いました。」

「スタートです。各ウマ娘キレイなスタートを切りました。」

解説「みんな集中してましたね。好レースが期待できそうです。」

実況「先行争いはセイウンスカイ、ライスシャワー、8番。さぁ、激しい先行争いはで前に出たのはセイウンスカイ。8番並びかけてきた。激しい先行争い。」

「ライスシャワーここにいます。3バ身離れてグラスワンダー。少し離れてシンボリルドルフ。差がなくてエルコンドルパサー。内9番。さらに内に4番。内から行く3番。外オグリキャップ。そして、その外スペシャルウィーク。」

「さぁ、1コーナーから2コーナーへ向かっていくウマ娘達。セイウンスカイ快調に飛ばしていきます。ライスシャワー、ペースが速い。先頭がやや速いのか隊列は縦長になっています。後方にいるウマ娘が差し替えせるのか。気になる開きです。」

「先頭は依然セイウンスカイ1バ身リード!続いて、ライスシャワー。そして8番。少し後ろから9番。すぐに続いてグラスワンダー。あとはシンボリルドルフ。」

「第2コーナーを抜け、向こう正面に入った。順位を振り返っていきましょう。」

「依然先頭はセイウンスカイ、続きましたライスシャワー。3番手に8番。4番手シンボリルドルフ。さらにグラスワンダー。そして外めを詰めます9番。さらに3番。すぐに続いてエルコンドルパサー。少し離れて4番。その後からオグリキャップ。その外並んでスペシャルウィーク。そしてその内を回ってタマモクロス。それを見るようにスーパークリーク。そして外を回って14番。10番追走。それを見るようにナリタタイシン。そしてその後ろを回って17番。」

 

「セイウンスカイ、先頭を進みますがこれは正解でしょうか?」

解説「セイウンスカイ、彼女の脚質には合っています。」

実況「まもなく第4コーナーカーブ。」

解説「ウマ娘達がどう動くか目が離せません!」

実況「まだ10バ身以上の差があるぞ!ここから捉えることは出来るのか!」

「いよいよ直線だ!どのタイミングで誰が仕掛けるのか!?」

「グラスワンダーここで抜け出した!最終コーナー最初に駆け抜けて来たのはグラスワンダー!」

「グラスワンダー!強い!強すぎる!完全に抜け出した!グラスワンダー!先頭は!グラスワンダー!これは強い!」

「200を通過。ライスシャワー、オグリキャップ、シンボリルドルフが仕掛けてくる。ライスシャワー追いすがる。これは強い!2番手争いはライスシャワー、オグリキャップ。グラスワンダー見事1着!有馬に続いて宝塚も連覇した!過去にこんなウマ娘はいただろうか!?2着はライスシャワー。3着オグリキャップ。4着にシンボリルドルフ!」

 

(レース実況はこれで終わりです。これだけに20分かけて写し書きです。(実話))

 

俺の目の前でグラスはゴール板を駆け抜けた。グラスは最後俺の方を見て笑ってゴール板を駆け抜けた。俺はターフに降りてグラスをハグをする。

 

「グラス!よくやった!お前ならできるって信じてたぞ!さすが俺の担当だ!可愛いヤツめ!撫でさせろ!」

 

「トレーナーさんやりました。やりましたよ。もっと褒めてください♪」

 

「よしよし!今日は宴会だな!」

 

「はい♪」

 

周りの目を顧みず、抱き合う2人。ライスシャワーは泣き。オグリキャップはシンボリルドルフと話す。こんな異様な宝塚記念はグラスワンダー1着。ライスシャワー2着。オグリキャップ3着で幕を閉じ、ライブをした。ライブの歌は『ユメヲカケル』。トレーナーと共に夢を追いかけて走るような歌だ。俺はグラスが歌って踊っているところを見ると、昔をフラッシュバックさせ目から水が流れる。ハヤヒデは黙って俺の背中を支えてくれた。グラスは笑顔で俺の方に踊りを見せる。

 

「君と夢をかけるよ♪何回だって 巻き起こせスパート♪」

 

グラスは俺と一緒に夢を走れただろうかと思っていたが…この歌を踊っているグラスを見るとそんなことを気にしなくても、グラスは満足しているように見えた。

全て俺の夢を変えたのはグラスワンダーだった。

グラスは時に厳しく、時に優しくしてくれた。

だけど、見捨てはしなかった。俺はそれにどれだけ助けられたか…ハヤヒデは「そうだな…そうだな。」と言って背中をさすってくれた。ライブが終わるとグラスはこっちに来た。

 

「トレーナーさん…」

 

「ズズズズズズ…どうじだグラス」

 

「もう…泣かないでくださいね。私はあなたを居て幸せですから。1つプレゼントをください。」

 

「なんでもぎぐぞ。」

 

「その前に、鼻水拭いてください。」

 

「アッハイ…」

 

鼻水を拭き、鼻をかんだ。改めてグラスの話を聞いた。

 

「それで…プレゼントの指定はなんだ?」

 

「それは1つです♪」

 

「えっ?」

 

「トレーナーさんです♪私と結婚してください♪」

 

「!?!?」

 

急なプロポーズに焦る俺。ハヤヒデの顔を見ると「なんだ。まだ結婚してないのか。」的な表情をしている。周りの同期たちと「は?結婚してないのかよ。」みたいな目で見てきた。しかし、1つ問題があった。

 

「グラス。その提案は嬉しいが俺らは付き合ってないぞ?」

 

「しっかり説明しないとダメですか?」

 

「ダメだな。」

 

「つまり、私が卒業するまでは付き合う。卒業したら結婚してくださいってことです。」

 

「なるほどなるほど。わかった。俺もグラスが好きだからな。」

 

「トレーナーさん!」

 

「グラス!」

 

「「大好きだぞ!(です!)」」




遅れたことを許してください。
まず、遅れた理由を一つ一つ説明していきます。
実は、この6話。
ギリギリまで資料がありませんでした。
私も「夏休み中だから徹夜して書けばええやん。」って思っておりました。
1つ目の遅くなった理由はこの資料(レース実況解説)のやつです。
2つ目が…高熱です。
8月5日に謎の寒気があり、熱を測ると37.8だったのでロキソニンを飲み、寝ようとしました。しかし、親が出かけ先から帰ってきてこのことを話すとまた体温計を持ってきて測ると38.2になっていました。
この熱の最高は39.4でして、出す日には熱で下がっていましたが病み上がりということで見送りとなりました。
そして3つ目。
モチベですね。
モチベがなくなりつつあります。小説を書くのは楽しいんですが…早く書かなければならないと言う考えの元やっているので、精神がついてこない感じですね。
この3つの件がありまして、投稿が遅れてしまったことを深く反省しております。
次の話の予定は決まっております。
スマホアプリ「ウマ娘」だと宝塚記念の次のイベントと言えば合宿です。ですので、次は夏系の話です。
最後に他のウマ娘の話がないのは疲れたからですね。
テイオーの話はまた今度にするとします。今回走れなかったテイオーはどうなっていたのかって感じで。
それではあとがきはこれぐらいにして、
この小説を読んで頂きありがとうございました。
この小説は私…綾凪九尾の主力にしますので、まだまだ続けますよ。
ところで、結婚するにしても指輪つけた方がいいですか?
婚約指輪ですけど…つけた方がいいですかね?
アンケートやってみるので回答お願いします。
それでは、お待ちくださりありがとうございました。
また3週間後お会いしましょう。
次は7000文字に戻します!

グラスワンダーとの婚約指輪はつけた方がいいですかね?

  • 付けた方が良い。
  • 付けなくていいのでは?
  • そのまま結婚しろよ
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