反省はしているが、後悔はしてない(キリッ)。
メインヒロインは朱乃です。
ハーレム要員は今のところ
・小猫
・ゼノヴィア
・オーフィス
となっております。(逐次追加予定)
夜、この時間帯は、普通の人間なら明日の活動に備えるために体を休ませる時間であり、この時間帯で活動する生物は皆、闇の世界で生きる者ばかりである。
そう・・・それが例え、人間社会に潜む異形であってもだ。
「フフフ・・・もうすぐだ。もうすぐで俺の計画は完遂する」
廃棄された倉庫の中で小さく笑いながら呟くはぐれ悪魔の男。
主を失い、世を彷徨っていたはぐれ悪魔は、己を捨てた主に復讐するべく、この廃倉庫で復讐の為の準備をしていた。
そして、男の計画は遂に最終段階を迎え、復讐を開始するべく、廃倉庫から出ようとしたその時
「ウイース、どうも~ポピパ大好き芸人で~す」
「!? 何もんだ!?」
突如掛けられた声に反応して、はぐれ悪魔は慌てて振り向く。
そこにいたのは、ぼさぼさにセットされた銀髪に鋭い目つき、身体は細身で身長は一般男性の平均身長より少し上くらい、銀色のフード付きパーカーに紺色のジーンズを着ている少年が、気怠けな様子ではぐれ悪魔を見つめていた。
「何もんだ!?って言われて、馬鹿正直に名乗る奴がいるか?そんな奴、モンキー・D・ルフィだけで十分だろ?」
「何訳の分かんねぇこと言ってんだ!ぶち殺すぞ!」
「ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーやかましいんだよ。発情期でももっと静かにしてっぞコノヤロー」
悪魔を前にしているにも関わらず、少年は怖がるどころか何処か気怠けな態度で話す。
そんな少年の態度が気に障ったのか、はぐれ悪魔は顔を歪ませながら掌を少年に向けた。
「死ねぇ!」
掌から魔力を放出しようとした瞬間、少年の姿が消えた。
突如消えた少年に悪魔は手に溜めていた魔力を消し、少年を探そうと慌てて辺りを見渡す。
「おせぇよ」
少年はいつの間にか悪魔の背後におり、その背中で告げた。
その直後、悪魔の体が真っ二つに割れた。
「あ?」
悪魔は自身が斬られたことを認識できずにそのまま消滅した。
悪魔が消滅したのを確認すると、静寂が残った廃倉庫で少年はため息を吐いた。
「はぁ~・・・せっかくの土日だってのに、隣町まで来て、はぐれ悪魔の討伐とはぁついてねぇなぁ・・・」
そう言いながら、いつの間にか持っていた木刀を'特に何かする動作も無く'消滅させると、少年は倉庫から出ていき、そのまま夜の闇へと消えていった。
侍の国、僕らの国がそう呼ばれていたのは今は昔の話。
今現在この国では、妖怪や幽霊。天使、堕天使、悪魔などといった様々な異形が人間社会の中に混ざって暮らしている。
そんな国で生きる一人の少年、
彼は現在、山の中を彷徨っていた。
「あぁ・・・いったいいつになったら駒王町に着くんだ?」
とある事情で隣町に来ていた彼は、現在駒王町に帰るために山道をバイクで走らせていた。
ぼさぼさに整えられた銀髪を揺らしながら、気だるけな目で周りを見渡す陸兎。
しかし、どれだけ見渡しても辺りは木々が生い茂ている森ばかり。
幾度なく続く同じ景色に飽き飽きしながらも進んでいくと、陸兎の視界に鳥居が映った。
「ん?あれは・・・神社か?」
陸兎は階段前にバイクを停めると、そのまま階段を登り、鳥居に近づいた。
鳥居の奥には本殿らしき建物が見え、陸兎はここで一休みしようと鳥居をくぐったその時
「あら?こんな所にお客さんなんて珍しいですわね」
声を掛けられ、振り向くと凛とした黒髪を一本に纏め、巫女服を着た少女が箒を持ちながら陸兎に笑みを向けていた。
「あんた、ここの神主か?」
「いえ、私はここでお手伝いをさせていただいているだけですわ。ここへは、どのようなご用で?」
「昨日、隣町まで仕事しに行ってたんだよ。んで、帰る途中でここを見つけたから、一休みしようと思ってな」
「まぁ、わざわざこんな山奥まで、どうもご苦労様です」
「ヘイヘイ、ご気遣い感謝なこって」
ペコリと頭を下げた巫女を一瞥すると、陸兎は本殿前にある階段に座り、上半身を仰向けにして倒れた。
その様子を見て、陸兎がかなり疲れていることを悟った少女は一つの提案をする。
「せっかくですので、中の方でお休みになってはいかがですか?」
「え?いいのか?」
「えぇ。それに、こんな場所で寝られては、他の参拝客の迷惑になりますわ」
「あぁ?参拝客なんて一人もいねぇ――「何か?」はい、すんません」
「ウフフ、いいですわよ」
目の前にいる少女が怒っている笑みを向けていることを悟った陸兎が慌てて謝ると少女は微笑みながら陸兎を案内した。
少女に案内されるがままに陸兎は境内を歩く。
やがて、一つの和室に辿り着き、少女は陸兎を座布団の座らせると、一旦部屋を出たが、しばらくすると湯吞を乗せた御盆を持ちながら戻ってきた。
「お茶です」
「どうも・・・お!中々美味いな」
「ウフフ、ありがとうございます」
少女が出したお茶を美味しそうに飲んでいる陸兎に、少女も満足気に微笑んだ。
「自己紹介がまだでしたわね。私は姫島朱乃、駒王学園の3年生ですわ」
「姫島ねぇ・・・二大お姉さまの一人がこんな所で巫女のお仕事をしているとはなぁ。俺は・・・」
「知っていますわ。駒王学園三大イケメンの一人、八神陸兎さん。それとも、問題児さんの方で呼べばよかったですか?」
「呼び方なんざどうだっていい」
特に興味なさそうな様子で返す陸兎。
そんな様子の陸兎にも、朱乃は笑みを崩さずに問いかける。
「ところで問題児さん、問題児さんは、隣町にはどのようなご用件でいらっしゃったのですか?」
「用ね・・・その前に、一つ聞いていいか?」
「? えぇ、何なりと」
一瞬、キョトンとしたが、すぐに笑みを浮かべる朱乃。
しかし、陸兎の次の言葉によって、その表情は驚きに変わった。
「あんた・・・悪魔か?」
「っ!?・・・ご存知ですの?」
「あぁ、俺は異形を知っている側の人間だ。それに、あんたの纏っている気、少なくとも人間のモンじゃねぇからな」
「・・・それだけで、私を悪魔だと見抜くなんて・・・正直、驚きましたわ。それで、私が悪魔だと知って、あなたはどうなさいますか?」
朱乃が少し警戒するかのように問いかけると、陸兎は微笑みながら答えた。
「別に退治しようだなんて思ってねぇよ。少なくともあんたは、そこいらにいるはぐれ悪魔よりかは、まともみてぇだしな。それに、本当に悪い悪魔だったら、お茶に毒とか仕込んで俺の身ぐるみを剝がしたりするだろ?」
「そうですか・・・もしかして、そのお仕事と言うのは・・・」
「あんたの予想通り、隣町に潜んでいやがったはぐれ悪魔の討伐だ」
そう説明すると、朱乃はなるほどと言わんばかりの表情で頷いた。
その後、学校での生活など世間話に花を咲かせており、ある程度話をした所で陸兎は立ち上がった。
「そんじゃ、そろそろお暇するとしますか」
「もう行かれるのですか?」
「俺も暇じゃねぇんだよ。これから、討伐完了の報告もしねぇと行けねぇし」
「そうですか・・・外まで送りますわ」
少し残念そうな顔をしながら、朱乃は陸兎と共に外に出た。
二人は鳥居の前に立ち、顔を見合わせる。
「そんじゃな。お茶、美味かったぜ。姫島」
「朱乃」
「あぁ?」
「そう呼んでください。苗字で呼ばれるのは、あまり好きではないので」
「そうか・・・んじゃ、また学校でな、朱乃」
そう言うと、陸兎は鳥居をくぐり、階段を降りていった。
朱乃は陸兎が去っていく様子を無言で眺め、やがて、バイクを走らせる音が聞こえると小さく呟いた。
「不思議な方でしたわ。男の方なんて苦手ですのに、こうもお喋りしてしまうなんて・・・」
男嫌いのはずの自分が、今日出会ったばかりの少年と親し気に会話できたことに、朱乃は複雑な気持ちを抱いていた。
「またお会いしましょう。八神陸兎君」
少なくとも悪い気分でない。そんなことを思いながら、朱乃は神社を去っていくバイクの音に耳を澄ませていた。
そして同日、赤龍帝を受け継ぎし少年が人間としての生を終えた。
オリ主の見た目は「アルゴナビス」の旭那由多みたいな感じです。