ハイスクールD×D 銀ノ魂を宿し侍   作:イノウエ・ミウ

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タグに追加された通り、今回の話ではあのキャラが登場します。


ペットを買う時は計画的に

ドッチボールという名の戦闘から数日後。

リアス達オカルト研究部は現在、使い魔の森という場所に来ていた。

 

「何だか、不気味な森ですね・・・」

 

見慣れない森に不安そうな顔になるアーシア。

リアス達は警戒しながら辺りを見渡していると、上から声が聞こえてきた。

 

「ゲットだぜぃ!」

 

声に反応し上を見上げると、木の枝の上に立っているランニングシャツにキャップを後ろに被っている中年の男がいた。

 

「俺は使い魔マスターのザトゥージだぜぃ!」

 

「ポケモンマスターになるのが夢だけど、全然リーグ優勝できないサトシ?」

 

「そうそう、ポケモンゲットだぜぃ――って違う!俺は使い魔マスターだ!毎回リーグに挑戦しては、大人の事情で優勝させてもらえないスーパーマサラ人ではない!」

 

陸兎のボケに対して、乗りツッコみで返すザトゥージ。

 

「彼は使い魔に関してのプロフェッショナルよ。三人共、この人の説明を聞いて、自分に合った使い魔を手に入れてみせなさい」

 

「「はい!」」

 

「・・・ん?」

 

リアスの言葉に力強く返事した一誠とアーシアに対して、ふと気配を感じた陸兎は後ろを見る。

早速出発しようとしたが、前の方にいた陸兎がリアス達の方を向いて問いかける。

 

「なぁ、行くのはいいんだけどよ。その白い奴は一緒に来んのか?」

 

陸兎の問いに一誠が答える。

 

「白い奴って、もしかしてザトゥージさんか?いくら何でも、いい歳してランニングシャツにキャップを後ろに被ったクソださファッションのおっさんを連邦の悪魔と一緒にしたら、ガンダムに失礼だろ」

 

「お前は俺に対して失礼だぜぃ」

 

一誠の言葉に青筋を立てるザトゥージ。

 

「いや、そうじゃなくて・・・ほら、お前らの後ろにいるでかい奴」

 

「何言ってんだ?後ろに・・・って、うわっ!?」

 

一誠が振り向くと、そこには白くて巨大な犬がいつの間にか座っており、リアス達は驚きながら巨大犬を見る。

 

「わぁ!可愛いワンちゃんです」

 

「いや、見た目は可愛いと思うけど、でかすぎだろ!」

 

「えっと、ザトゥージさん。この子も使い魔なのかしら?」

 

「いや、こんな使い魔、俺も見たことがないぞ。見た感じ、犬型の使い魔みたいだが、それにしては少し大きすぎねぇか?」

 

未知の使い魔に疑問を抱くザトゥージをよそに、陸兎はリアス達の方を見て喋る。

 

「やれやれ、使い魔つってたから、どんな珍生物が出ると思ったら、発情期を少しだけ終えたワン公じゃねぇか。しかも、こいつ妙に俺になついてねぇか?」

 

「全然なつかれてねぇじゃねぇか!頭がっつり噛まれてるぞ!血が流れまくってるぞ!」

 

「陸兎さん、早速仲良くなっていますね。羨ましいです」

 

「アーシア!?それ、仲良くなっているって言わないから!ただ、食われかけているだけだから!」

 

平然と話していた陸兎だったが、彼の頭にいつの間にか巨大犬が嚙みついており、陸兎は頭から血を流していた。

そんな陸兎に対してアーシアは羨ましがり、一誠は頭を嚙まれて尚平然としている陸兎と間違った解釈をしているアーシアにツッコみを入れた。

巨大犬と彼らのやり取りを見て、木場がリアスに聞く。

 

「えっと・・・どうします、部長?」

 

「そうね・・・害はなさそうだし、一緒について来ても良さそうかしら?」

 

特に害はなさそうだと判断したリアスは、巨大犬も一緒に連れていくことにした。

 

 

 

 

使い魔の森を進んでいく陸兎たち。

すると、ザトゥージが足を止め、前の方に指差した。

 

「あれを見ろ」

 

ザトゥージが指差した方を見ると、大鷲ぐらいの大きさをした蒼いドラゴンが木の枝の上で羽を休めていた。

 

蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)、蒼い雷撃を扱うドラゴンの子供だぜぃ」

 

蒼雷龍を見つめるリアス達の隣でザトゥージが説明する。

一誠はザトゥージの説明を聞きながらまじまじと蒼雷龍を見ていると、朱乃が提案してきた。

 

「イッセー君は赤龍帝の力を持っていますし、相性はいいんじゃないかしら?」

 

「そっか・・・よし!蒼雷龍!君に決め――」

 

「あぁ!」

 

蒼雷龍を使い魔にすべく、一誠が前に出た途端、アーシアが小さな悲鳴を上げた。

悲鳴に反応し、一誠が慌てて振り向くと、彼女の体にねばねばした緑色の何かが落ちてきた。

 

「ちょ、コラッ!」

 

「あらあら、はしたないですわ~」

 

「ぬるぬる・・・キモ・・・」

 

更にリアス、朱乃、小猫の体にも緑色の何かが落ちていき、体に付着した。

すると、彼女たちの服が徐々に溶け始めていった。

 

「うおおおぉぉぉーーー!!!な、なんて素敵な展開なんだ!」

 

そして、この光景を見て、当然興奮しざるを得ない男が我らがエロス一世である。女性陣がスライムによって服を溶かされる姿を見て、一誠は鼻血を出しながら叫んでいた。ちなみに、木場とザトゥージは目元にだけ付着しており、陸兎と巨大犬は既に落下地点から離れて成り行きを見守っていた。

 

「こいつはスライムだぜぃ。女性の服を溶かす以外、特に害は無いんだが・・・」

 

「服を溶かすだと!?」

 

目元にスライムが付着しながらザトゥージが説明すると、隣で聞いていた一誠が大きく反応した。

 

「部長!俺、このスライムを使い魔にします!」

 

「ちょっとイッセー!使い魔は悪魔にとって重要な物なのよ!ちゃんと考え――あぁ!?」

 

「考えました!今日からお前は俺の使い魔だ、スラ太郎!」

 

既に名前を付けており、スライムを使い魔にする気満々の一誠。

その時、陸兎と同じようにスライムの落下地点から離れていた巨大犬がスライムと悪戦苦闘中のリアス達の方に寄り、大きく息を吸い込んで大声で吠えた。

 

「ワォ―――ン!!!」

 

大声で吠えた瞬間、リアス達にへばりついていたスライムは巨大犬の叫び声によって、ほとんどがバラバラに吹き飛ばされて四散した。

 

「スラ太郎ぉぉぉぉぉぉ!!な、なんていうことだ・・・!だが、しかし!お前の意志は俺がしっかりと受け取ったぞ!」

 

相棒(勝手に任命)の死に一誠はショックを受けるが、残ったスライムによって破れかかっていた服が全て溶けて、リアス達の生まれたての姿が見れそうになり、再び興奮し出した。

そして、遂にリアス達の生まれたての姿が見え始め、一誠のテンションが最高潮に達しかけたその時

 

「やれ」

 

「ワン!」

 

ガブ!

 

「うわぁ!なんだ!?急に目の前が真っ暗に!?」

 

陸兎に命じられた巨大犬が一誠の頭に齧り付いた。

一誠は自身の頭に齧り付いている巨大犬を必死に引き剝がそうとした。

 

「クソ!こいつ、放せ!これじゃ、部長たちのすんばらしい生まれたての姿が見れねぇじゃねぇか!あ、ちょ、そこはやめっ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!???」

 

必死の抵抗も虚しく哀れ一誠は巨大犬の甘嚙みの餌食となった。

その光景を見て、呆れるように陸兎が呟く。

 

「やれやれ、これだからエロス一世は。男はなぁ、どんな状況に陥っても、武士のように常に冷静な心を持つのが常識ってモンだろうが。たかが、女の裸が丸出しになっただけで発情するとはぁ情けない奴だぜ」

 

「そう言って、しっかりガン見してるじゃないですか、この変態先輩」

 

真顔でリアス達をガン見する陸兎目掛けて小猫がパンチしたが、陸兎はそれをひらりと躱した。

 

「フッ、当然だろ。女の裸には男の夢と希望が詰まってんだ。それを見ないで何を見ろと言う!」

 

「そんな夢と希望、さっさとゴミ箱に捨てて来てください」

 

陸兎を殴ろうと何回もパンチを繰り出す小猫だが、陸兎は余裕な表情で次々と躱していったが・・・

 

「フハハハハッ!当たらなければどうということはないのだよ!お前は大人しくその貧相な裸体を一生俺に見せつけているが――いいっ!?」

 

ガブ!

 

「あ・・・」

 

いつの間にか後ろにいた巨大犬によって、陸兎は頭を嚙まれた。

体を動かさず屍のように頭を嚙まれる陸兎と一誠、無我夢中に二人の頭を嚙んでいる巨大犬。その光景を無言で見ていた小猫は、見なかったことにして、体にへばりついているスライムの撤去を始めるのであった。

 

 

 

 

「「あああぁぁ・・・」」

 

「大丈夫ですか、お二人共?」

 

巨大犬に嚙まれ続けられていた陸兎と一誠は現在アーシアの神器で治療されていた。

頭から流れ出る血を止血してもらった二人は起き上がり、アーシアの方を見る。

 

「はい、終わりました」

 

「ありがとう、アーシア・・・?」

 

アーシアにお礼を言った一誠だが、彼女の腕に抱かれている蒼雷龍を見て目を丸くする。

 

「実はイッセーさん達が気絶している間、この子になつかれてしまって、そのまま使い魔として契約したんです」

 

そう言って、アーシアは嬉しそうに蒼雷龍の頭を撫でると、蒼雷龍は気持ち良さそうな顔をした。

その光景を見て、一誠が羨ましがっている横で、リアスが陸兎に問う。

 

「それで、結局この子はどうするの?」

 

リアスが巨大犬の方を見て言う。

一応は助けられたが、この巨大犬が得体の知れない生物だってことは変わりない。

そのまま放っておくか、或いは倒してしまうか。巨大犬の扱いに悩んでいると陸兎がザトゥージに問いかける。

 

「おっさん、こいつペットとして使えると思うか?」

 

「ペット?んまぁ、害はなさそうだから、使い魔としては十分使えるとは思うが」

 

ザトゥージの言葉を聞いた陸兎はリアスの方に向いて言った。

 

「こいつは俺が面倒を見る。それでいいか?」

 

「え?・・・まぁ、危害はなさそうだし、陸兎になついてたから、使い魔としては、ある意味陸兎と相性は良いと思うわ」

 

「決まりだな」

 

そう言うと、陸兎は巨大犬の方に顔を向けた。

 

「つーわけだ。今日からお前は俺の使い魔(ペット)だ。テメェが飽きないよう、毎日こき使ってやるから光栄に思えよ」

 

「ワン!」

 

「おう!よろしくな!えっと・・・」

 

巨大犬の方に寄り、頭を撫でようとした陸兎だったが、途中で難しい顔をして悩み出した。

気になったリアスが問いかける。

 

「どうしたの?」

 

「いや、こいつって名前が無いだろ。だから、名前を付けといた方が呼びやすいと思ってな」

 

「それもそうね・・・それで、どんな名前を付けるの?」

 

定春(さだはる)

 

陸兎が発した名前に固まるリアス達。リアスが代表して名前の理由を問う。

 

「えっと・・・どうして、そんな名前を付けようと思ったのかしら?」

 

「うーん・・・なんか、定春って名前に聞き覚えがあるというか・・・元々、こんな名前だったんじゃないかっていうシンパシーを感じたんだよ」

 

シンパシーってなんだよと思ったリアスだったが、ツッコむとめんどくさくなりそうだったから、納得することにした。

結局、白い犬の名前は定春と名づけられ、陸兎の使い魔となった。

そして、蒼雷龍と契約したアーシアと違い、一誠は使い魔と契約することができなかった。

ちなみに、陸兎と契約した定春だが・・・

 

「それじゃあ、これからよろしくお願いしますわね、定春」

 

「ワン!」

 

「はぁ~、これから食費が増えそうだ・・・」

 

部室に定春が住めそうな場所が無かった為、陸兎の家に住むこととなった。




次回、オリジナルの話を一つ挟んでから、戦闘校舎のフェニックスに入りたいと思います。
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