決め手はマダオ(まるでダメなお兄さん)とマダオ(まるでダメなおb・・・お姉さん)の組み合わせが見たいでした。
陸兎のヒロインが多い気がするけど、年中おっぱいおっぱい言ってる変態男子より、問題児だけどやる時はやるちょい悪イケメンの方がモテるよね!
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とある日の日曜日。
この日陸兎は朱乃と一緒に買い出しに来ていた。
「これで一通りの物は買ったな」
「えぇ、他に買うものはなさそうですわね」
一通り買い物を済ませた二人は歩きながら話していた。
「しかしまぁ、相変わらず
そう言いながら、陸兎は辺りを見渡す。
二人が現在いる所は観光地として有名な浅草であり、一見普通の街並みだったが、街の至る所にあやかしが潜んでいる。
しかし、あやかしは悪魔である朱乃や高い霊力を持つ陸兎を除いて、一般の人間には見えない存在である。
その為、街歩く人々はあやかしの存在に気づくことなく、何気ない日常を送っているのである。
「そうですわね。私たち悪魔には見える存在も普通の人間には見えないのですから」
「まぁ、悪魔や堕天使と違って、人間は基本的に特別な何かってモンがねぇからな。俺や剣夜みたいに霊力が高い奴とか少数しかいねぇだろうしよ。こうして、自分では見えない何かに気づかぬまま、人間ってのは生きてるわけよ」
何処か思うような顔で呟いた陸兎は、ふと何か思い出したかのように口を開いた。
「そういや、確かここら辺にあれがあったよな・・・朱乃、この後予定はあるか?」
「特にありませんけど」
「んじゃ、ちょっくら寄り道しようぜ」
そう言うと、陸兎は歩き出し、朱乃も後に続く。
数分間歩き、陸兎がやって来たのは浅草の裏路地だった。
「ここだ」
「これは・・・ただの壁みたいですけど・・・」
裏路地の壁を不思議そうな顔で見ていた朱乃だったが、壁からただならぬ気を感じて顔を変える。
「!? この気・・・もしかして!?」
「そのもしかしてだ」
そう言って、陸兎は壁に向かって足を踏み入れた瞬間、壁に吸い込まれるように消えていった。
朱乃も同様に壁・・・いや、壁の形をした入口に入っていった。
入口に入った朱乃は辺りを見渡しながら喋る。
「ここは・・・
「あぁ、あやかしが住まう隠された地だ」
二人の目に映る景色は一見普通の河川敷に見えるが、流れている清い水や所々に咲いている紫の花が神秘的な雰囲気を感じさせる。更に奥の方には和風の建物がずらりと建てられているが、どれも現世に比べると少し不安定で、現世の物を見よう見まねで建てられたように感じる。
その場所を陰陽師やあやかし、三大勢力はこう言う。
隠世とは、あやかしが住まう世界である。人が住まう世界、
二人が先程足を踏み入れた場所は浅草など、あやかしが隠れ潜んでいる地域でたまに現れる現世から隠世へ繋がる門であった。
隠世の景色を見渡しながら先へ進んでいくと陸兎に向かって声を掛ける者が現れた。
「八神しゃま~」
「あぁ?」
声がした方へ振り向くと、小さな河童みたいな生物が陸兎に向かってちょこちょこと歩いて来た。
「よう、久しぶりだな。ただ飯食らい」
「久しぶりでしゅね。それとただ飯食らいは余計しゅ」
親し気に話す陸兎と小さき河童。気になった朱乃が陸兎に問う。
「もしかして、この子も妖怪ですか?」
「あぁ、己の愛くるしい体を利用して、人の飯をしょっちゅうたかるただ飯食い共だ」
「失礼でしゅね。河童たちは親切なお人にご飯を分けてもらっているだけでしゅよ。ところで、そちらの美人さんは誰でしゅか?」
そう言いながら、小さき河童こと
「私は姫島朱乃。悪魔ですわ」
「悪魔?聞いたことがないでしゅね」
「簡単に言やぁ、外国版あやかしだ」
「なるほど、つまり河童たちと同じわけでしゅね。よろしくでしゅ!」
「うふふ、よろしくね」
朱乃の事を自分と同じあやかしだと勘違いしてる手鞠河童だが、朱乃は特に不機嫌な様子になることもなく、自身の手のひらに手鞠河童を乗せ、頭を撫でながら微笑んだ。
しばらくの間、手鞠河童と話していた陸兎たちだったが、新たに聞こえてきた声に反応して振り向く。
「うぅ・・・」
そこにはボロボロになっている手鞠河童がこちらに向かってふらふらと歩いていた。
「た、助けてくださいでしゅ・・・」
「おいおい、どうしたんだそんなボロボロで?」
「実は・・・」
手鞠河童の話によると、彼らは牛のあやかし牛鬼が仕切っている食品サンプル工場で朝から晩まで過酷な労働を強いられており、給料も日給千円ときゅうり一本だとのこと。
お陰で手鞠河童たちは日々の過酷の労働により身も体もボロボロになっている。この手鞠河童は見張りの目を搔い潜り、何とか隠世まで逃げて来たのだと言う。
事情を聞いた陸兎はめんどくさそうな顔でため息を吐いた。
「はぁ~・・・はぐれ悪魔といい、あやかしといい、何処の異形にも馬鹿はいるモンだな」
「八神しゃま・・・」
「分かってら。あやかしの問題となると、放っておくわけにはいかねぇしな」
仕方ないといった表情でそう言うと、陸兎は朱乃の方を見る。
「つーわけだ。悪ぃな、朱乃。ちょっくら馬鹿共を〆てくるから先に帰ってくれ」
「そうですか。なら、私もご一緒させていただきます」
「はぁ!?」
「一人で行くより、二人で行った方が何かあった時にお互い助け合えるでしょう?それとも、こんな来たこともない場所で帰り道も分からない私を一人置いていく気かしら?」
「たく・・・付いて来たけれゃ勝手にしろ」
仕方ない、と言った感じで朱乃に言った陸兎。
そんな様子の陸兎を見て、手鞠河童たちはにやけながら陸兎に言った。
「おやぁ、八神様、もしかして照れてるでしゅか?」
「不良のツンデレなんて今時流行らないでしゅよ」
「うるせぇ!ただ飯食らい共!」
隠世から現世へ戻って来た陸兎たちは手鞠河童に言われた地下工場へやって来た。
「ここか・・・」
工場を見上げながら呟く陸兎。
二人は警戒しながら工場の中へと進んでいき、地下の階段を降りたその時
ガシャン!
「「!?」」
奥の方から激しい物音が聞こえ、二人は早足で奥へ進む。
そして、奥の部屋に入ろうとした時、部屋の中から巨大な牛のあやかし牛鬼と、その牛鬼と真っ正面から対峙している紅葉のような紅い髪に、所々に釘が打ち付けられているバットを持った少女の姿が見えた。
部屋に入ろうとした二人は入るのを止め、入口から薄っすらと顔を出し、様子を見ることにした。
「あの方は・・・?」
「おいおい、なんでお前がここにいるんだよ・・・」
不思議がる朱乃と違い、陸兎は困ったような顔で少女を見ていた。
巨大な牛鬼と対峙している少女は余裕そうな態度で牛鬼を見つめて、その態度が気に食わなかったのか牛鬼は憤怒の表情で少女に襲い掛かった。
「おのれ陰陽師め!鎌倉の時に限らず、二度も我らの居場所を奪うつもりか!だが、俺は鎌倉で名を馳せた牛鬼!かの大戦で源頼光と後に十師族と言われた退魔師と戦った牛御前の末裔だ!貴様ら人間に負ける道理などない!」
襲い掛かろうとしている牛鬼を朱乃が止めようと雷を放出しようとしたが、陸兎に止められた。
どうして止めるの?と言いたげな目線で見つめる朱乃をよそに、陸兎は少女の方を見ていると、少女は自身に襲い掛かっている牛鬼に向けて笑みを浮かべた。
「馬鹿ね。私はあんたよりずっと大物よ」
その瞬間、少女は持っていたバットを牛鬼目掛けて思いっ切り振って、工場の壁まで吹き飛ばした。
「アハハ!場外さよならホーーームラン!」
「まぁ・・・」
「相変わらず、豪快な鬼嫁っぷりだな」
大将と思われる牛鬼をバット一本で吹き飛ばした少女に朱乃は感心し、陸兎は乾いた目で呟いた。
すると、少女の背後から仲間と思われる牛鬼が少女目掛けて拳を振り下ろそうとした。
「ツメが甘いぞ真紀」
「後ろにも目ぇ配れ、鬼嫁」
だが、その前に食品サンプルと『洞爺刀』(霊力は纏わせてない)が牛鬼の顔面にぶつけられ、牛鬼は後ろから倒れた。
『洞爺刀』を投げた陸兎と真紀と呼ばれた少女は食品サンプルが投げられたと思わしき場所へ振り向くと、そこには学生服を着た黒髪のイケメンがいた。
「別に言われなくても気づいてたわよ。ていうか、馨はともかく、なんで陸兎もいるのよ?」
「隠世にいる最中、ただ飯食らい共に頭下げられて仕方なくここに来たんだよ。たく、夫婦揃って、こんな所にまでデートしに来てんじゃねぇよ。ここは一般人が来るとこじゃねぇぞ」
「俺だって分かっているさ。でも、さっき弱っている手鞠河童に会ってな。そいつらから事情を聞いた真紀が勝手にここに来たんだよ」
「だったら、尚更お前が止めろよ。元旦那なんだし、元妻のやんちゃぐらい気合いでどうにかしろ」
「気合いで止めれたら苦労はしないさ。お前だって知ってるだろ?真紀がこういうのを放っておけない事を。それとも、お前なら止めれるのか?あの鬼嫁を」
「・・・無理だな」
「だろ・・・」
親し気に会話をする三人を見て、またもや置いてけぼりをくらった朱乃が陸兎に問う。
「あの~、お知り合いですか?」
「お、そうだったな。こいつは天酒馨。女の方は茨木真紀。どっちもあやかしが見える人間だ。しかも、前世の記憶を持っていて、その前世がかの有名な酒吞童子と茨木童子だ」
「まぁ!確か、大昔に日本で起きた人間と妖怪との戦いで数多くの妖怪の軍を率いたと言われている二匹の鬼ですわね」
「まぁ、合っているよ。結局は負けて滅んだんだけどな。まさか、こうして人間に転生するなんて思ってもいなかった」
「ちなみに、私たちは転生後も高い霊力を持っているから、あやかしとかも普通に見えるのよ。だから、前にたまたま暴れているあやかしの現場に居合わせた事から陸兎とも知り合いなのよ。勿論、陸兎が十天師って言われてて、退魔師の中でめちゃくちゃ強いって事も知ってるわよ」
何故か胸を張って自慢げに言う真紀と言う少女。
それに対して、馨と言われたイケメンは朱乃の方を見て問いかける。
「それにしても、陸兎が女を連れて歩いているなんて、珍しいことでもあるんだな。えっと・・・あんたは?纏っている気からして、ただの人間じゃなさそうだが・・・」
「まぁ、貴方も陸兎君みたいに私の正体を見抜いたのですか?これは驚きました。では、それらの事も踏まえて・・・私の名前は姫島朱乃。ご察しの通り、私は人ではなく悪魔ですわ」
「え?・・・もしかして、あの悪魔か!?」
「噓!?ここら辺では駒王町って町に何人か潜んでいるとは聞いてたけど、実際に会えるなんて・・・」
「なんだ、お前らも悪魔のことを知ってたのか?」
「噂程度だけどな。前世の頃、悪魔や三大勢力に関する話を日本にやって来た異国のあやかしから聞いたんだ」
流石元あやかしの王なだけあって、異国の異形の情報は抜かりなかったようだ。
そんなことを思いながら、陸兎は三人に向かって言う。
「それよりも、俺はともかく一般人のお前らと悪魔の朱乃はそろそろここを出た方がいいぞ」
「そうだな。もうすぐここに浅草あやかし労働組合が来る予定だ。陰陽師の中で一番有名な退魔師の陸兎ならまだしも、俺たちは一般人だ。特にそっちの姫島さんは悪魔なんだろ?もし連中に鉢合ったら、騒ぎになるぞ」
馨がそう言うと、陸兎たちは急いで工場から出ようとしたが、その前に、床に倒れている大将と思わしき牛鬼の方へ陸兎が寄ってきた。
「おい、そこの
「そ、その白い頭に木刀・・・貴様まさか!?あの
「その名前で呼ぶんじゃね。そいつは普段俺の脳みその最奥に入れてあんだ」
何か言いかけた牛鬼を陸兎は『神速』で近づき、顔面を蹴り飛ばした。
気絶した牛鬼のうめき声と手鞠河童たちの喜びの声をBGMにしながら、陸兎たちは食品サンプル工場を出た。
その後、馨たちと別れた陸兎と朱乃は駒王町に帰るべく浅草の駅へと向かっていた。
「それにしても、意外でしたわ。まさか陸兎君に十門寺君や七星さんの他に妖怪が見えるご友人がいたなんて」
「意外は余計だ。仕事上、こういった見える人間と絡むことなんざ、何度だってある・・・って、何笑ってんだ?」
「うふふ、ごめんなさい。でも、良かったですわ。陸兎君って、周りとはあまり関わらないタイプの人間だと思っていましたので、十門寺君やイッセー君の他に、きちんとお友達がいて安心しましたわ」
「別に好きで絡んでる訳じゃねぇよ。でもまぁ・・・こういった見える奴ら同士で関わり合うのも悪くないとは思っているぜ」
「そうですわね」
素っ気なく言う陸兎に朱乃は微笑みながら、二人は帰路へとつくのであった。
・手鞠河童
『浅草鬼嫁日記』に登場するあやかし(妖怪)。名前の通り手鞠サイズの河童。
・天酒馨
『浅草鬼嫁日記』の登場人物。一見普通の高校生(イケメン)だが、前世は鬼のあやかし酒吞童子。
・茨木真紀
『浅草鬼嫁日記』の登場人物。見た目は活気のある女子だが、前世は鬼のあやかしであり、酒吞童子の妻である茨木童子。
ちなみに、大昔に起きた人間と妖怪の戦いとは『浅草鬼嫁日記』で起きた人間(源頼光率いる武士や退魔師の軍)対酒吞童子率いるあやかしの軍との戦いを指している。
日本サイドを原作より強化しようと思い、登場させた『浅草鬼嫁日記』のキャラ達。尚、本編での出番はそんなに無い予定(下手したら出番がライザー以下になるかもしれない)。
次回から第2章、戦闘校舎のフェニックスに入ります。