ハイスクールD×D 銀ノ魂を宿し侍   作:イノウエ・ミウ

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チェーンソーの扱いには気をつけろ

レーティングゲーム当日の深夜、部室に集まったリアス達はゲームが開始される時間になるまで待機していた。

皆が黙って待機する中で、陸兎は一人ソファーに座って寝息を立てていた。

すると、ソーナと椿姫、それと剣夜が部屋に入ってき、扉が開く音によって陸兎は目を覚めた。

 

「生徒会長と副会長、それに十門寺も。なんでここに?」

 

「レーティングゲームは両家の関係者に中継されるの。彼女はそれの中継係」

 

疑問符を浮かべた一誠にリアスが説明する。

 

「自ら志願したのです。リアスの初めてのゲームですから」

 

「ライバルに恥じない戦いを見せてあげるわ」

 

ソーナとリアスが会話してる横で、剣夜が陸兎に話しかける。

 

「やぁ、陸兎。調子はどうだい?」

 

「ふわぁ~、問題大ありだボケぇ。今何時だと思ってんだ。人間ならとっくにお眠の時間だぞ。夜勤料請求するぞ、給料もっと上げろ」

 

「うん、問題ないみたいだね」

 

いつも通りの陸兎に剣夜は笑顔で言った。

すると、部室に魔法陣が出現し、そこからグレイフィアが現れた。

 

「皆様、準備はよろしいですか?開始時間になりましたら、こちらの魔法陣から戦闘用フィールドに転移されます」

 

「転送用フィールド?」

 

グレイフィアの言葉に疑問を述べる一誠。

そんな一誠の疑問に、朱乃が答える。

 

「ゲーム用に作られる異空間ですわ。使い捨ての空間ですから、どんなに派手な事をしても大丈夫」

 

そう言って「うふふ」と微笑む朱乃を一誠は引き気味に見ていた。

 

「私は中継所の生徒会室に戻ります。武運を祈っていますよリアス」

 

「それでは皆さん、ご武運を。それと陸兎が何かやらかしたら、ゲーム終了後すぐ僕に言ってください」

 

「お前はオカンか、チートイケメン」

 

陸兎の文句を聞きながら、剣夜たちは部室を出た。

その直後にグレイフィアが口を開く。

 

「それと今回の戦いには魔王ルシファー様もご覧になられます」

 

「そう、お兄様が・・・」

 

「え?お兄様!?部長のお兄さんって魔王なんですか!?」

 

驚く一誠の横で木場が説明する。

 

「『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』ことサーゼクス・ルシファー。サーゼクス様は大戦で亡くなられた前魔王ルシファー様の後を継いで魔王になったんだよ」

 

「それで部長さんがグレモリー家の後継ぎに・・・」

 

アーシアが呟く横で陸兎はぶつぶつと呟いてた。

 

「魔王ねぇ・・・まぁ、悪魔と言ったら定番中の定番だな。レベルは50くらいありゃ倒せるか?パーティー編成はそうだな・・・勇者は勿論だが、攻撃枠にバトルマスターか魔法戦士、それと回復要因に賢者を入れて――」

 

「いや、そんなドラクエみたいなRPG要素で簡単に倒せるわけないでしょう。ていうか、倒したらダメでしょうが」

 

魔王討伐計画をRPG風に立てている陸兎にリアスがツッコんだ。

無論、これは陸兎の冗談であり、「冗談、冗談」と陸兎が言うと、グレイフィアは「はぁ~」とため息を吐くと、リアス達に向けて言った。

 

「そろそろ時間です」

 

「分かったわ。行きましょう」

 

グレイフィアに言われ、リアス達は魔法陣の中に入る。

すると、魔法陣が光り輝き、リアス達はバトルフィールドへ転移された。

 

 

 

 

目を開いた一誠が最初に見せたのは困惑の表情だった。その理由は目を開いた先に見えた景色が先程と変わらず部室だったからである。

 

「まさか転移失敗・・・?」

 

何度か自分の未熟さのせいで転移できないことがあり、今回もまた自分のせいで部員全員がバトルフィールドに転移できなかったと思い込み顔を青くする一誠。

しかし、その心配は部室に響いた声によって杞憂に終わった。

 

『皆様、今回のレーティングゲームで審判を務めさせていただきますグレモリー家の使用人グレイフィアでございます』

 

校内放送のように流れているグレイフィアの声が部室に響く。

 

『今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考にし、リアス様が通う駒王学園のレプリカを用意しました』

 

「レプリカ?」

 

「外をご覧なさい」

 

リアスに言われ、カーテンを開ける一誠。

すると、外の景色は見慣れた暗い夜の空ではなく、オーロラが漂う神秘的な空。そして体育館や新校舎などの建物、その周りにある木の位置まで丁寧に再現されていた。

驚く一誠とアーシアに木場と朱乃が説明する。

 

「ここは異空間なんだ」

 

「そこに学校をそのまま再現したのですわ」

 

「へぇー、異空間を作るのはまだしも、建物まで再現しやがるとはな」

 

「悪魔の技術力ってどんだけ凄まじいんだよ」

 

駒王学園の建物まで細かく作り上げた悪魔の技術力に陸兎と一誠は感心した。

 

『両陣営、転移された先が本陣となります。リアス様の本陣は旧校舎のオカルト研究部の部室、ライザー様の本陣が新校舎の学長室。相手の本陣に『兵士』が侵入を果たせばプロモーションが可能になります。それでは、ゲームスタートです』

 

ゴーン、ゴーン

 

グレイフィアの説明が終えて、レーティングゲーム開始の鐘が異空間に響いた。

 

「陸兎先輩、これを」

 

小猫はピンク色の玉を陸兎に渡した。

 

「これを耳に入れてください。それで遠くにいる相手と話しができます」

 

「なるほど、現世で言う通信機みたいなモンか」

 

小猫の説明を聞いて、陸兎は通信機を耳に入れた。

その横でリアスが駒王学園の地図を取り出し、机に広げた。

 

「敵本陣は新校舎、校庭を突っ切るのが一番早いんだけど・・・」

 

学園の地図を見ながら、リアスは作戦を立てる。朱乃、木場、小猫の三人も加わり、作戦会議は本格的に進んでいく。

そして、その様子を見守る陸兎と一誠とアーシアの三人。

 

「戦うって難しいんですね」

 

「あぁ、そうだな。ところで、八神は作戦会議に参加しないのか?」

 

「俺はこういうのは向いてねぇからな。こそこそ作戦を立てるのは剣夜の役目で、俺はどっちかというと、敵本陣で暴れまくる戦車スタイルだ」

 

「な、なるほど・・・随分と個性的なんだな」

 

一誠が引き気味に納得すると、リアスが全員に向けて命令する。

 

「まずは防衛ラインの確保よ。裕斗と小猫は森にトラップを仕掛けてちょうだい。朱乃はトラップが設置したら森周辺に幻術を掛けておいて」

 

「俺はどうすんだ?」

 

リアスが眷属たちに命令する中で陸兎が己の役割を問う。

 

「そうね・・・貴方はトラップを仕掛け終えるまで朱乃の護衛をしてもらえるかしら。いつどこでライザーの眷属が潜んでいるのか分からないしね。その後は小猫と一緒に体育館の制圧に動いてちょうだい」

 

「りょーかい。そんじゃ、さっさと行こうぜ」

 

「そうだね。それでは部長、先に行って参ります」

 

「エスコート、よろしくお願いしますね。陸兎君」

 

そう言いながら、陸兎たちはそれぞれ行動に移すべく、部室から出ていった。

部室に残ったのはリアスと一誠とアーシアの三人。一誠が少し困ったような顔でリアスに問う。

 

「あのー部長、俺たちはどうすればいいですか?」

 

「アーシアは私とここに残ってちょうだい。回復サポート要員の貴方が倒れたら元も子も無いわ。イッセーはそうね・・・」

 

リアスはしばらく考えた後、ソファーに座ると、一誠に向けて命令した。

 

「貴方はここで横になりなさい」

 

「え"ぇ?」

 

思いもよらなかったリアスの命令に一誠はマヌケな声を上げた。

その後、一誠は膝枕という名の悪魔の力の封印を解く儀式を行い、憧れの部長の膝枕に一誠は終始嫌な笑みを浮かべていた。そして、そんな一誠とリアスをアーシアはほっぺを膨らませながら羨ましそうに見るのであった。

 

 

 

 

一方、中継所の生徒会室ではソーナと椿姫と剣夜の三人が現在の様子を中継で見ていた。

 

「リアス様が動きましたね」

 

「駒が不足している分、完全に本陣を固めるのは不可能。となると、速攻で推していくしかないですね」

 

椿姫とソーナが現在の戦況について話していると、ソーナが剣夜に話しかける。

 

「剣夜、貴方はどう思う?」

 

「そうだね・・・確かに、今のグレモリー眷属が勝つには短期決戦が望ましい。こちらのスタミナが切れる前に一気に『(キング)』を取ることが重要かもしれないけど、ただ取ろうとするだけでは勝てないと僕は思うな」

 

それはソーナ達も分かりきっていることだ。戦略も無しに闇雲に特攻するだけでは王は落とせない。

二人に目線を向けながら、剣夜は自分の考えを言う。

 

「グレモリー眷属が勝つ為の一番の勝利の決め手は、こちらの強い駒が如何に早く相手の駒を倒せるかだね」

 

「早く倒すこと?確かに、相手の駒を早めに落とせば、その分リアス達は有利になるけど、どうしてそれが一番の決め手なのかしら?」

 

「いくら相手の駒を倒しても、向こうの『王』がグレモリー眷属側の『王』を倒してしまえば、その時点で負けだからね」

 

「・・・まるでリアスがライザー・フェニックスより弱いって言い方ね」

 

剣夜の言いたい事はこうだ。速やかにフェニックス眷属を駒を落とさなければ、グレモリー眷属がフェニックス眷属と戦っている間に、ライザーがリアスを倒してしまうことがあるということだ。

ソーナ自身もその可能性については考えていたが、言外に親友がライザーより弱いと言われ、剣夜を睨んだ。

 

「誤解をしたのなら謝るよ。これはあくまで僕の主観的な考えだし、勝負なんて戦ってみないと分からないものだよ。でも、僕がリアス・グレモリーの立ち位置なら、この方法を使うよ。少ない駒であろうと、工夫すれば全ての駒は倒せるし、少ない駒だからこそ、いくらでも工夫のし甲斐がある。一番は、こちらの『王』が取られる前に相手の駒を全滅させること。後は全ての駒をこちら側に集めて、確実に相手の『王』を取る。これが今のグレモリー眷属が取れる最善の策だと僕は思うな」

 

剣夜の説明を聞いて、一応は納得したソーナ。その隣で今度は椿姫が口を開く。

 

「ですが、眷属が5人しかいないリアス様に対して、ライザー様の眷属はフルの15人。相手の駒を如何に早く全滅させるのが決め手だと剣夜君は言いますが、この数では相手の駒を素早く倒すのは愚か、全滅させることすら難しいと思われます」

 

「そうだね。でも、これはレーティングゲーム。いくら駒が多くても、その駒一つ一つに相手の駒を倒せる強さがあれば、いくらでもやりようはある。何より・・・」

 

剣夜は少し間をおいてから二人に向かって言った。

 

「今回のグレモリー眷属には『女王』よりも更に厄介な駒が一つだけあるからね・・・」

 

そう言いながら、剣夜はモニターに映っている友の姿を見つめた。

彼は今、グレモリー眷属の『兵士』と『戦車』と一緒に体育館へと入っていった。その姿を見て、剣夜はモニター越しに呟く。

 

「陸兎・・・君はどう動くんだい?」

 

 

 

 

陸兎、一誠、小猫の三人はリアスの命令に従い、体育館へやって来た。

体育館に入り、ステージ裏に身を潜めた所で足を止める。

 

「・・・いやがるな」

 

「はい・・・気配からして四人です」

 

「そこにいるのは分かっているわよ。グレモリーの下僕さん達!」

 

体育館の中から声が聞こえ、隠れるのは無意味だと悟った陸兎たちはステージ裏から堂々と姿を現した。

ステージから見下ろした陸兎たちの視線に映ったのは、チャイナ服を着た少女と双子と思われる小柄な少女たち、それと先日一誠を棍で突き飛ばそうとした少女ミラだった。

 

「敵は四人か」

 

「はい、見た感じ『兵士』が三人に『戦車』が一人。特にあの『戦車』、かなりレベルが高いです。単純な戦闘力なら『女王』レベルです」

 

「マジかよ。まぁ、こっちの不利は分かってたことだ。やるしかねぇ」

 

そう言って、一誠は『赤龍帝の籠手』を出現させた。

 

「私は『戦車』を相手します。『兵士』は陸兎先輩とイッセー先輩に任せます」

 

「なら、俺はあの双子っぽい奴らを相手してやるよ。イッセーはあの青髪にこの間の借りを返してやんな」

 

「オッケー。んじゃ、行こうぜ!」

 

それぞれ戦う相手が決まったところで、陸兎たちは一斉に動いた。

一誠たちがそれぞれ戦う相手に攻撃を仕掛ける中で、陸兎は『洞爺刀』を出現させて、双子目掛けて振り下ろす。

双子はそれを後ろに跳んで躱すと、懐からチェーンソーを取り出して、陸兎に振り下ろした。

 

「「バーラバラ!バーラバラ!」」

 

「うおっ!?」

 

思いもよらなかった武器に驚きながらも、『洞爺刀』で防いだ陸兎だが

 

「ぐっ!はじかれる・・・!?」

 

チェーンソーの凄まじい回転刃は『洞爺刀』の刃をはじき、陸兎は二撃目が来る前に何とか後ろに下がると、双子に向かって大声で叫んだ。

 

「コラッ小娘共!そいつは草を刈る為の道具だぞ!それを躊躇なく人に向けんじゃねぇ!」

 

「何わけ分かんないこといってるんですか!」

 

「さっさとバラバラになってください!」

 

物騒な事を言いながらチェーンソーを振り回してくる双子に文句を言う陸兎だが、双子は何食わぬ顔でチェンソーを振り回す。

 

「たく、今どきジェイソンの真似事(※ジェイソンはチェーンソーを使いません)をする小娘がいるとはなぁ。しょっちゅう人に銃を突き付ける麗奈と言い、しょっちゅう人に釘バットを振り回す真紀と言い、最近の小娘は随分アグレッシブだなおい」

 

文句を言いつつも、双子が振るうチェーンソーを次々と躱す陸兎。

 

「あぁもう!しつこい!」

 

「さっさとバラバラになってくださーい!」

 

「さっきから、バラバラバラバラ人に向けて適当にチェーンソー振り回しやがって。チェンソーマンの世界の人間かよテメェら・・・」

 

ぶつぶつと呟きながら、陸兎はチェーンソーを振り上げながらこちらに向かって跳んできた双子に向けて、叫びながら『洞爺刀』を振った。

 

「とっとと、チェンソーマンの世界に帰りやがれ小娘共!!」

 

「「きゃーーー!!」」

 

霊力は纏ってなかったため、双子の体が真っ二つになることはなかったが、『洞爺刀』を振った勢いとその風圧は凄まじく、小柄な双子の体を体育館の壁まで吹き飛ばした。

 

「やるな八神!俺も負けてらんねぇぜ!」

 

そう言いながら、一誠はミラの棍棒を『赤龍帝の籠手』で防ぐと、反対の方の拳で棍棒を砕く。

そして、棍棒を砕かれて驚くミラの隙をついて、彼女の右肩に手を触れた。

 

「バラバラになれ!これが俺の必殺技!『洋服破壊(ドレス・ブレイク)』!」

 

一誠が指を鳴らした途端、ミラの着ていた服が下着ごと弾け飛んだ。

 

「イヤーーーーーー!!」

 

服が弾け飛び、全身真っ裸になったミラはその場に蹲って悲鳴を上げた。

 

「フハハハハ!!脳内で女の子の服を消し飛ばすイメージ永遠と妄想し続けて、俺は持てる魔力の才能を全て女の子を裸にする為に使い切ったんだ!これぞ俺の必殺技!『洋服破壊』だ!」

 

この原作ハイスクールD×Dの主人公とは思えない最低最悪な行為に、ライザーの眷属は全員汚物を見るような目で一誠を睨み、更には仲間であるはずの陸兎と小猫すら同様の視線を一誠に向けた。

 

「最低最悪の攻撃ですね」

 

「全くだ。とてもじゃねぇが、主人公がする攻撃じゃねぇな」

 

「あんな主人公、ジャンプにいたら炎上ものですね」

 

「あんなのと同列にされたら、炭治郎やデクに失礼だな」

 

「お前ら言いたい放題だな!」

 

言いたい放題の二人に一誠はツッコんだ。

その時、三人の通信機からリアスの声が聞こえてきた。

 

『三人共、聞こえる?朱乃の準備ができたわ。速やかに体育館から出てちょうだい』

 

「っ!?分かりました」

 

リアスの指示に従い、三人は体育館の出口へ向かう。

 

「逃げる気!?重要拠点を捨てるつもりか!?」

 

後ろからチャイナ服を着た『戦車』の声が聞こえたが、三人は速やかに体育館から出た。

その瞬間、体育館に巨大な雷が落ち、その雷は体育館を破壊した。

 

『ライザー様の『兵士』三名、『戦車』一名戦闘不能』

 

グレイフィアの放送が聞こえる中、陸兎たちは上を見上げる。

そこには、巫女服を着た朱乃がいた。

 

「朱乃先輩の通り名は『雷の巫女』その力は知る人ぞ知る存在だそうです」

 

見上げる陸兎と一誠の横で小猫が説明する。先程の雷は彼女が仕掛けたものだった。

顔を赤らめながら自身が破壊した体育館を見下ろす朱乃を見つめていると、通信機から再びリアスが話しかけてきた。

 

『まだ、相手の方が数は上よ。朱乃の魔力が回復次第、私達も前に出るわ。それまでに各自、次の作戦に向けて行動してちょうだい』

 

「はい、えっと・・・次の作戦は・・・」

 

「裕斗先輩とグラウンドで合流して、一気に相手を殲滅します」

 

小猫が次の作戦について一誠に説明する。

 

「そうか。なら、さっさと木場と合流するか。行こうぜ、八神、小猫ちゃん」

 

「触れないでください」

 

小猫の手をつなごうとした一誠だったが、先程の『洋服破壊』のせいか、小猫に拒絶された。

 

「だ、大丈夫だよ。味方に使うわけないだろ」

 

「それでも、最低な技です」

 

そう言いながら、小猫はグラウンドへ向かって歩き出した。

その後ろ姿を見ながら、一誠は頬を指で搔きながら困ったような顔で喋った。

 

「完全に嫌われちゃったかな・・・?」

 

「いっそ、全世界の女子から嫌われろ汚物」

 

「ひでぇ言われよう!?気持ちは分からなくないけどさ!」

 

横でぎゃーぎゃー言っている一誠を無視して、陸兎は小猫を追いかけようとしたその時

 

「!? 避けろ小猫!」

 

「え?」

 

陸兎が突如大声で叫び、小猫が振り向いて反応したその時

 

ズドーン!!

 

小猫がいた場所に突如巨大な爆発が起きた。

 

「ちっ!遅かったか!」

 

「小猫ちゃん!」

 

陸兎と一誠がすぐさま爆発に巻き込まれた小猫の下へ駆け寄る。

陸兎たちが近づいた時には煙が晴れて、小猫の姿が見えたが、小猫はボロボロの状態で倒れていた。

 

「小猫ちゃん!しっかりするんだ!」

 

「うぅ・・・すみません、もっと部長のお役に立ちたかっ――あぁ!」

 

その言葉を最後に小猫の体は光り輝き、やがて淡い光と共に消滅した。

小猫のリタイアに一誠は悔しそうに俯き、陸兎は上を見上げて爆発を起こしたと思われる人物を睨む。

 

「うふふ、まずは一人目」

 

そこにはライザー・フェニックスの『女王』ユーベルーナが不敵な笑みを浮かべながら、こちらを見下ろしていた。

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