ハイスクールD×D 銀ノ魂を宿し侍   作:イノウエ・ミウ

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バイクに乗る時はかっこいいと思う言葉を叫べ

ライザーとのレーティングゲームから翌日。

昨日のレーティングゲーム終了後、傷ついた一誠を兵藤家へ送った陸兎は、この日の夜、一誠の見舞いの為、再び兵藤家へとやって来た。

玄関前に立ち、インターフォンを鳴らす。すると、扉から現れたのはアーシアだった。

 

「陸兎さん・・・」

 

「よっ、イッセーの調子はどうだ?」

 

「イッセーさんはまだ目覚めていません」

 

悲し気な表情でそう言うアーシアに「そうか」と返しながら、陸兎は兵藤家へ入る。

アーシアに案内され、一誠の部屋に入ると、ベットの上で上半身を起こしている一誠がいた。

 

「イッセーさん!目が覚めたんですね!良かった!」

 

「アーシア・・・それに、八神・・・」

 

目元に涙を浮かべながら一誠に抱きつくアーシア。

一誠は寝起きだからなのか、ぼんやりとした目で辺りを見渡してたが、ふと思い出したのか、慌てた様子で聞いてきた。

 

「そうだ!勝敗は!?」

 

「勝負はグレモリー眷属の負けだ。お前が倒れている最中に部長が降参したそうだ」

 

「そんな・・・!」

 

レーティングゲームの結末を知り、一誠は悔しそうな顔で拳を握りしめる。

 

「ごめん、俺がもっと強くて、お前が来るまでに耐えていれば・・・」

 

「謝んな。寧ろ謝るのは俺の方だ。なにせ、俺は向こうの『女王』を倒した後、お前らがボーボボ擬きと戦っている間、救援に行かないで近くの建物から戦いの様子をずっと眺めてたしな」

 

「なっ!?」

 

陸兎の言葉に目を見開く一誠。

彼の次の言葉が出る前に、陸兎は事情を説明する。

 

「なんで来てくれなかったんだって言う前に理由を話しておくぞ。一つは、俺が部長の眷属でないこと。もし、眷属でもない俺がボーボボ擬きを倒したら、部長にはレーティングゲームに勝つために、或いは婚約を解消するために強い人間を雇った卑怯者やらの汚名が着せられるのは明白だった。だから俺は、全力を出さなかったし、ボーボボ擬きとの戦いでは、手を出さずに傍観して、お前らだけでヤローを倒すべきだと思った。そうすれば、仮にお前らが負けたとしても、不評のほとんどは最後の戦いで戦わず、その場から逃げ出した俺に向けられるしな。もう一つは・・・お前のためだイッセー」

 

「俺の・・・ため?」

 

呆然としている一誠に、陸兎は真剣な表情で言う。

 

「お前・・・部長の事好きだろ?」

 

「!?・・・あぁ、そうだよ。あの人が一番に自慢できる最強の『兵士』になりたいって思っている」

 

一誠も一瞬戸惑いつつも真剣な表情で質問に答えた。

 

「赤龍帝を宿している以上、お前はこの先もっと強くならないといけない。ましてや、テメェの護りてぇモンを護るためなら尚更だ。俺や周りの奴らがいつもいるとは限らねぇし、もし一人になった時、テメェの大事なモンをテメェ一人でも護れる力をお前に付けてほしかった。以上が、俺があの時お前らの戦いに手を出さなかった理由だ。今のを聞いて、まだ納得できないんだったら・・・好きなだけ俺を殴るこった」

 

「・・・いや、俺にお前を責めたり殴ったりする資格なんてない。全ては俺の力不足のせいだ」

 

そう言いながら、一誠は力弱く呟く。

 

「あいつに言われたんだ。威勢が良くても、力が無ければ守れるものは守れない。全くその通りだった。あれだけ大見得切ったのに、手も足も出せないまま惨めにやられて・・・最後まで部長に迷惑掛けて・・・最強の『兵士』になる。部長とそう約束したのに・・・チキショー・・・!」

 

「イッセーさん・・・」

 

目に悔し涙を流しながら、自分の弱さを嘆く一誠。

そんな一誠に、アーシアは何て声を掛けたらいいのか分からず、黙って聞いていた陸兎は一誠の前に立って口を開いた。

 

「・・・お前の取るべき道は二つだ。一つは全てを諦めて、大人しく望まない結婚を受け入れること。もう一つは・・・もう一度あのボーボボ擬きに挑んで、今度こそ部長を取り戻すこと。そして、俺はそのための手段を持っている」

 

そう言いながら、陸兎が取り出したのは赤い魔法陣が描かれた二枚の紙だった。

 

 

 

 

レーティングゲームが終わって、しばらく経った後

 

「少しいいかい?」

 

気を失った一誠を担ぎ、彼の自宅へ向かおうとした陸兎をある人物が呼び止めた。

声がした方に振り向くと、グレイフィアと自分を呼び止めたと思われる赤髪の青年がいた。

 

「あんたは?」

 

「私はサーゼクス。リアスの兄にして、冥界を治める魔王の一人だ」

 

「へぇー、あんたが魔王か・・・なるほど、確かに強ぇな」

 

そう言いながら、赤髪の青年ことサーゼクス・ルシファーをまじまじと見つめてた陸兎は来訪の目的を問う。

 

「そんで、魔王様が俺に何のようだ?」

 

「少し君に会ってみたいと思ってね。日本神話が誇る最強の退魔師の集団、十天師が一人『白鬼(びゃっき)』八神陸兎君。それとも、白鬼(しろおに)って呼べばいいかな?」

 

「・・・あんたがどこでそれを聞いたのか知らねぇが、とりあえず『白鬼(びゃっき)』の方で頼む。白鬼(しろおに)って呼び方はあんま好きじゃねぇしな」

 

そう言って、顔をしかめる陸兎を見て、何か察したサーゼクスは話題を切り替えた。

 

「先のレーティングゲーム、見事だと言っておこう。フェニックス眷属を6人も倒し、最後まで無傷でゲームを切り抜けた実力。流石は最強の退魔師と呼ばれるだけある」

 

「そう褒めんなよ。最後に至っては、チビって、何もできなかったんだしさ」

 

「おや?あれはリアスの名誉を守るために、わざと手を出さなかったのではないのかい?それとも、何か別の理由でもあったのかい?」

 

「さぁ、どうだろうな」

 

お互い微笑みながら会話をする陸兎とサーゼクスだが、二人の間の空気はただならぬプレッシャーを感じ、隣にいたグレイフィアは若干顔を強張らせた。

 

「まぁ、その辺に関しても詳しくは聞かないでおくことにするよ。さて、もっと話したいところだけど、生憎私も忙しいものでね」

 

そう言うと、サーゼクスは懐から二枚の紙を取り出した。

 

「これを君にやろう。この後行われる予定の婚約パーティーの招待状みたいな物だ。それと・・・もし、そこの彼が目覚めた時、彼にまだリアスを救う気持ちがあるのなら・・・いや、この先は言う必要はないか」

 

そう言いながら、サーゼクスは二枚の紙を陸兎に差し出した。

陸兎はそれを暫し見つめていたが、無言でそれを受け取ると、サーゼクスは満足気に微笑んだ。

 

「それじゃあ、また会える時を楽しみにしているよ」

 

そう言うと、サーゼクスは後ろに振り向いて去っていった。グレイフィアも陸兎に一礼して、彼の後を追った。

 

 

 

 

「――つーわけだ」

 

「魔王様が俺に・・・」

 

そう呟きながら、意を決した表情で一誠は陸兎が持っている紙を手に取ろうとした。

だが、一誠が手に取る前に、陸兎は腕を上に動かして紙を取らせないようにした。

 

「一つ聞くぞ。こいつはあくまで会場に行けるだけの代物だ。そこに行ったからといって、部長が戻るとは限らねぇんだぞ」

 

「分かっているさ、そんなこと」

 

「・・・どうやって、取り戻す気だ?」

 

「!?」

 

陸兎の言葉に一誠の顔が若干揺らぐ。

 

「その身で思い知っただろ?ヤローの強さを。ヤローはお前より圧倒的に強い。何の策も無く、もう一度戦っても、馬鹿でも結果は見える。ましてや、お前の傷はまだ完治してねぇ・・・下手したら死ぬぞ?」

 

「ダメですよイッセーさん!そんな体で行って、もしまたボロボロになったら私――!」

 

陸兎の言葉を聞いてたアーシアは一誠を止めようする。

しかし、一誠は顔を二人の方に向けながらゆっくりと口を開く。

 

「・・・お前の言う通りだよ八神。俺はあいつに全然敵わなかった。性格どうとかはともかく、強さだけ見れば、あの野郎は俺より強い・・・でも、それが何だってんだ!約束したんだ。部長の思いに応えられる最強の『兵士』になるって。だったら、どんなに惨めだろうが!不可能って言われようが!主の思いに応えるために戦う!それが、兵士(へいし)ってモンだろ!」

 

一誠の表情は揺るがない信念に満ちていた。

周りから惨めと言われようが、一誠はリアスのために戦い続ける。一誠はリアスに命を捧げた兵士(へいし)なのだから。

 

「・・・例えテメェが絶対に敵わない相手でもか?」

 

「あぁ、そうだ!例えそれで、俺が死んだとしても――あ痛ぁ!?」

 

陸兎のデコピンを額に食らった一誠は背中からベットに倒れた。

 

「テメェが死んでどうすんだ?命を懸けて主を護るならまだしも、テメェ自身が死んで、主を悲しませる兵士がいるとしたら、そんな野郎は兵士以下だ・・・でもまぁ、及第点といったところだな」

 

そう言いながら、満足気に立ち上がった陸兎は一誠に背中を向けた。

 

「出発の準備をしろ。俺は外にいるから、準備ができたら外に来い」

 

そう言い残して、陸兎は部屋から出て、そのまま外に出ると、玄関の近くに置いてあった自身のバイクに寄りかかった。

 

「フゥー・・・」

 

一息つきながら上を見上げる。空はレーティングゲームの幻想的な空ではなく、いつもと変わらない星が少しだけ見える夜空。外の空気も春の夜とは思えないくらい冷たかった。

変わらぬ夜空を見上げてた陸兎の耳に、この間話した時に言っていた剣夜の言葉が聞こえてきた。

 

『力は無いはずなのに格上の相手に挑もうとする無鉄砲さ。まるで、君みたいだ』

 

「あぁ・・・お前の言う通りだ。あいつは立派な悪ガキだ」

 

夜空を見上げながら呟いていると、家の入口から一誠とアーシアが出てきた。

 

「悪ぃ、待たせた」

 

「気にしてねぇよ。ん?何だそれは?」

 

一誠に紙を渡しながら、彼の持っている物について問い掛ける。

 

「聖水と十字架だ。どっちもアーシアから借りた。あの鳥野郎をぶっ飛ばすためにな」

 

「そっか。そんじゃ、行こうか」

 

「お二人共、どうかお気をつけて」

 

アーシアに見送られながら、二人は紙を上に掲げた。

その瞬間、二人の上に魔法陣が出現し、二人は転移されるのであった。

 

 

 

 

場所は変わって、ここは婚約パーティーが行われる会場。

ここには、ライザーとリアスの婚約を祝うべく、両家の関係者やその眷属たち、その他の上級悪魔など大勢の悪魔が集まっていた。

 

「言いたい放題だね。ライザー様の妹さん」

 

上級悪魔に自身の兄を自慢しているレイヴェルを遠目で見ながら木場が呟いた。

朱乃、木場、小猫の三人も正装して、婚約パーティーに参加していた。今回のレーティングゲームに参加した者でパーティーに来ていない者は、ライザーによって重傷を負った一誠とそんな彼を看病するために彼の自宅に残ったアーシア。そして、一誠を自宅に運んだ陸兎の三人のみ。

 

「二人共、分かっていると思いますけど・・・」

 

「はい、まだ終わってません」

 

「えぇ、彼は必ず来ます」

 

三人はこの婚約パーティーで必ず一誠がリアスを攫いに来ることを予想していた。

その時、炎と共にライザーが姿を現し、会場全体に響く大声で喋った。

 

「冥界に名だたる上級悪魔の皆様。此度の婚約パーティーにお集まりいただき、誠にありがとうございます。今宵のパーティーは、我がフェニックス家と名門グレモリー家にとって、歴史に残るものとなるでしょう。それでは紹介致します。我が妃、リアス・グレモリー!」

 

ライザーの声と共に魔法陣から白いドレスを身に纏ったリアスが現れた。

美しき花嫁の登場に会場にいる者達が「おー」と声を上げたその時、歓喜でいっぱいの会場にそぐわない音が入口から聞こえてきた。

 

ブロロロロ・・・

 

「ん?」

 

小猫が僅かに聞こえてきた音に反応し、入口の方に振り向く。

 

ブロロロロ・・・!

 

「おい、何か聞こえないか?」

 

「何の音だこれは?」

 

他の者達も、何らかの音に気づいて、会場を見渡す。

 

ブロロロロ!

 

「これは・・・バイクのエンジン音?」

 

「あらあら」

 

木場が音の正体に気づき、その横で朱乃がこれから起こることを予想し、微笑んでいた。

その音はだんだん大きくなっていき、会場にいる全員が音が聞こえてきている入口の方を見たその時

 

「アクセルシンクロォォォォォォ!!!」

 

入口の扉が勢い良く開かれて、バイクに乗っている陸兎が叫び声を上げながら飛び出してきた。

陸兎は後ろにしがみついている一誠の襟首を掴んで、思いっ切り投げる。

 

「おら、行って来い!」

 

「ちょ、おま、あぁーーーーーー!?」

 

陸兎に思いっ切り投げ飛ばされた一誠は人混みの上を通り、ライザーの前へと落ちた。

 

「いてて・・・覚えてろよ八神・・・部長!約束、果たしに来ました!」

 

陸兎に恨み言を言いつつも、一誠は立ち上がり、リアスに向けて叫んだ。

 

「貴様!あの時の下級悪魔か!?」

 

「下級悪魔じゃねぇ!俺はオカルト研究部二年、兵藤一誠!部長の・・・リアス様の処女は俺が貰う!」

 

「なっ!?取り押さえろ!」

 

ライザーに命令され、衛兵たちは慌てて一誠を取り押させようとしたが、彼らの前に陸兎が立ち塞がった。

 

「おっと、男が女攫うために男見せようとしたんだ。邪魔すんなよ」

 

手元に『洞爺刀』を出現させ、笑みを浮かべながら立ち塞がる陸兎。

更に、その後ろから朱乃たちもやってきて、陸兎同様先に行かせまいと立ち塞がった。

 

「随分派手な登場したね」

 

「花嫁を攫いに行くんだ。こんくらいのサプライズは必要だろ?」

 

「うふふ、大胆でしたわ」

 

「サプライズはその辺にして、さっさと倒しましょう」

 

軽い会話をしながら、彼らは衛兵たちと戦闘を始めた。

一方、会場にいる者達は、突然現れた陸兎と一誠に混乱し、啞然と見ていると、サーゼクスが前に出て説明し出した。

 

「彼をここに呼んだのは私です。少し余興をしたいと思いまして」

 

彼が言うには、ドラゴンの力を確かめるべく、赤龍帝の力を宿す一誠とフェニックスの力を宿すライザーをここで戦わせて会場を盛り上げるつもりなのだと言う。

サーゼクスの説明に一部の者は渋い顔をしたが、「伝説のドラゴンとフェニックスの勝負はいい余興になる」とサーゼクスが言うと、渋々納得した。ライザーもまた、魔王の頼みを無下にすることはできず、勝負することを承諾した。

一通り説明を終えたサーゼクスは一誠に問い掛ける。

 

「さて、兵藤一誠君。余興とは言え、せっかくの勝負だ。何か賭けないと面白くない。君が勝ったら望みを一つ叶えてあげよう。何を望む?」

 

「俺の望みはただ一つ、リアス様を取り戻すことです」

 

サーゼクスの問いに一誠は迷いなく答えた。

勝負することが決まり、即席のバトルフィールドへ転移した一誠とライザーはお互い睨み合う。

 

「一度痛めつけて尚、再びこの俺に挑むとはな・・・覚悟はできているんだろうな?」

 

「あぁ!10秒でケリを付けてやる!」

 

「ふんっ!ならば、俺はその減らず口を5秒で聞けなくしてやる!」

 

「行くぜ!うぉーーーーーー!!」

 

一誠は己の力と知識を全て出し切ってライザーへ挑む。

全ては主であるリアスの婚約を解消し、彼女の願いであるリアスとして自由な恋愛をさせるために・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、なんやかんやでライザーに勝ち、なんやかんやでライザー妹とフラグが立ち、なんやかんやでリアスを救い婚約を破棄することができた一誠でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ってぇーーーーーー!!このシーンは俺と部長が恋仲になる為の一歩を歩みだす重要なシーンだぞ!それをなんやかんやで適当に済ましてんじゃねぇよ!そもそも、この小説、俺の扱い雑過ぎじゃねぇか!?俺、仮にも原作の主人公だぞ!このままじゃ、俺モブキャラも同然になっちゃうぞ!第3章から俺ここにいないかもしれないぞ!お前ら、それでいいのかよおい!?

(´Д⊂Σ『次回予告』ぶはぁっ!?

(゚Д゚)⊃『次回予告』ちょ、行かせねぇぞ次回予告。原作でもやってる戦闘シーンをいちいち書くの面倒だから適当に流す気だろおい!

Σバン!『次回予告』あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」




『次回予告』
次回、第3章 月光校庭エクスカリバー




の前にいくつか番外編挟みます。

<オマケ> ハイスクールD×D最終回?

フェニックス家の屋敷。本来なら婚約パーティーが行われるはずだったこの屋敷は現在、燃えていた。
屋敷の中は燃えながら瓦礫となって崩れ落ち、落ちていく瓦礫に当たらないよう逃げ惑う人々。
そんな燃えている屋敷の中を威風堂々と立っている二人。フェニックス家三男ライザー・フェニックスとグレモリー眷属の『兵士』兵藤一誠。
彼らは今、リアス・グレモリーの婚約の座を掛けて決闘を始めるところだ。

「俺はただ壊すだけだ。この腐った世界を」

「なんか、どこぞの鬼兵隊が混じってる気がするんだけど・・・まぁ、いいか。ケリをつけようぜ!」

そう言いながら、一誠はライザーとぶつかり合う。
全ては己が主である部長を幸せにし、願えば部長のおっぱいを吸うために。

「イッセーーーーーーー!!」

一誠の背後から、主であるリアスの叫びが燃える屋敷に響いた。




「はぁ・・・はぁ・・・」

瓦礫の中から顔を出した一誠はふと辺りを見渡す。
屋敷だった建物はその面影を残すことなく崩れており、地面を覆いつくす程の瓦礫が辺りに散らばっている。
そして、瓦礫の中に埋もれている人物を見て、一誠は目を見開いた。

「ぶ、部長・・・?」

彼が目にしたのは、血を流しながら倒れているリアスだった。彼女は息をしておらず、既に事切れていた。
いや、リアスだけでない。

「朱乃さん!小猫ちゃん!アーシア!木場!八神!」

彼の知っているオカルト研究部の部員全員が辺りに倒れており、既に彼らも動かぬ屍となっていた。

「そんな・・・そんな・・・!」

一誠は認められない現実に膝をつく。
倒れているリアスを掬い上げ、起こすように彼女の体を揺らすが、彼女が目覚める様子はない。

「うわぁーーーーーー!!」

何もかも無くなり静寂と化した場所で、一誠の虚しい叫びが響くのであった。




どうしてこうなった。
気づいたら一誠は真っ白な虚無の空間にいた。
何もない世界で、一誠はひたすらに思う。俺はただ部長のおっぱいを吸いたかっただけなのに・・・

「でも、部長に付いていく事を決めたのはイッセー君自身だろう?」

「イッセー君が選んだ道だからこそ、こうして今、後悔してらっしゃるのでは?」

「大丈夫です。イッセー先輩は既に手遅れって言っていい程の変態ですから」

「イッセーさんは間違っていません。欲望に忠実なだけです」

「・・・特に無いからパス」

「イッセー、貴方のエロスは一体何処にあるのかしら?」

一誠の耳に部員たちの声が響く。
では、と一誠は自分に問う。自分はどうすれば良かったのだと、一体誰のおっぱいを吸えば良かったのだと。
自問自答する一誠だったが、ふと彼が推しているガールズバンドのボーカルの声が聞こえてきた。

「まん丸お山に彩りを、丸山彩でーす!」

その時、一誠はようやく一つの答えへと辿り着くことができた。

「そうか・・・俺は部長のおっぱい大好きのエロスじゃなくていいんだ」

一誠は立ち上がり、己が導き出した答えを言った。

「俺には・・・パスパレが・・・麻弥ちゃんのおっぱいがあるんだ!」

その時、虚無の空間が突然駒王町の街並みへと移り変わった。
そして、一誠の周りを自身の見知っている人達が囲んで、彼に拍手を送っていた。

「おめでとう」(←朱乃)

「おめでとう」(←木場)

「おめでとう」(←小猫)

「おめでとう」(←アーシア)

「おめでとう」(←ソーナ)

「おめでとう」(←剣夜)

「おめでとう」(←麗奈)

「おめでとう」(←ドライグ)

「おめでとう」(←リアス)

「おめでとさん」(←陸兎)

皆から祝福の言葉が告げられる中で、一誠はここにいる皆に向けて最高の笑顔で感謝の言葉を言った。

「ありがとう」




エロスに、ありがとう




リアス・グレモリーに、さようなら




そして、全てのパスパレファンへ




おっぱい❤
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