ED「ワンダフルデイズ」
※イッセーが非童貞になっていたので修正しました。
VR彼女は童貞のロマン
月曜日、週の始まりを告げる曜日であり、憂鬱になる者が多い曜日でもある。
八神陸兎もまた、昨日の疲れが残っているからか、気怠い様子で教室へと入っていく。
「おはよう、八神君。今日もカッコイイね」
「おはよう、今日も一日馬鹿騒ぎしようぜ腐女子共」
「よう、八神。死んでくれ」
「オーケー、後でテメェのケツの穴に竹刀ぶち込んでやっから覚悟しとけよ?」
教室でクラスメイトといつも通りの挨拶を交わしながら自分の席に座ろうとする。
「くらえ!八神陸兎!!積年の恨み!今日こそ晴らしてくれる!!」
「うおおおおおお!!」
「はぁ~・・・」
いつも通りのうるさい叫び声にため息を吐きながら、陸兎は頭を下げた。
その直後、彼の顔があった場所に左右から拳が通った。行き場を失った拳は、出したと思わしき人物たちの顔面に飛んでいき
「「ふべぇ!!」」
「懲りないわね~あんたら。あんたらみたいなエロの塊が八神君に勝てるわけないでしょ」
そう言いながらやって来たのは、眼鏡を掛けた少女、桐生藍華である。
桐生は呆れながら、倒れている元浜と松田を一瞥すると、元浜が口を開いた。
「チキショー、いつもはエロトークで盛り上がる仲なのに、どうして問題児である八神だけがモテて、俺たちはぞんざいに扱われるんだ」
「そうだ!そうだ!理不尽だ!」
「理不尽も何も、覗きをしてる地点で既にあんたらと八神君との差は天と地よ。それに問題児って言っても、八神君のやったことと言えば、去年の体育祭の騎馬戦で全員の鉢巻きどころか身ぐるみを剝がして完勝する、放送室を乗っ取ってラジオの生放送をする、授業中に校長室で寛ぐ・・・ごめん、やらかしてきた事に関しては、あんたらより問題児だったわ」
「おい、そこは問題児じゃないって言い切れよ」
最終的に問題児という言葉に同調した桐生に思わずツッコむ陸兎。
すると、教室から見知った顔が入ってきた。
「お!我らが盟友イッセー!おはよう!」
「あ、ああ・・・おはよう・・・」
教室に入ってきたのは、元浜や松田と同じく、覗き常習犯として有名な兵藤一誠であった。
元浜の挨拶に覇気の無い様子で返す一誠。心なしか体調も悪いように見える。
そんな一誠を怪訝そうな顔で見つめていた陸兎だが、金曜までの一誠と今の一誠との変化に気づき、目を丸くした。
「(あれ?なんか、イッセー・・・悪魔に転生してね?)」
彼の纏っている気が明らかに人間の物では無かった。それに、金曜までと違って、彼の身に強大な力が宿っているのを感じた。
しかし、悪魔になった経緯が分からない。金曜まで普通の人間だった一誠が土日にいったい何が起きたのか。
そんなことを考えていると、一誠が元浜と松田に問いかけていた。
「なぁ・・・本当に夕麻ちゃんのこと覚えてないのか?」
「昨日の夜にも、そのことについてメールで聞いてきたよな?何度も言うけど、そんな子聞いた覚えないぞ」
「イッセーの夢だったんじゃないのか?」
二人の言葉を聞いて、顔をしかめる一誠。
「(なるほどな・・・)」
一方、三人の話を聞いてた陸兎は、一誠の身に起きた出来事をある程度察することができた。
おそらく一誠は、昨日その夕麻ちゃんという彼女に殺され、その後悪魔に転生したのだろう。
彼女が一誠を殺害しようとしたのは、彼の中にある何かを見つけ、自分たちの脅威になる前に破壊しようとした。その何かというのは、十中八九彼の中に眠っている
「俺は信じるぜ、イッセー」
「ホントか!?八神!」
陸兎の言葉に、一誠は安堵の表情を向ける。
そんな一誠の肩に手を置き、陸兎は真剣な表情で言った。
「イッセー、お前は昨日・・・一日中VR彼女にハマってたんだな」
「違ぇよ!!夕麻ちゃんは二次元の彼女じゃねぇよ!」
まさかの夕麻ちゃんVR彼女説に思わずツッコむ一誠。
しかし、陸兎は憐れむような視線を向けながら続ける。
「皆まで言うな。確かに、VR彼女は彼女のいない童貞に夢と希望を与える素晴らしいゲームだ。だが、童貞のお前はVR彼女で童貞を卒業する為に、二次元の女を自分の彼女だと言う変態を超えたオタク変態に成り下がってしまったんだな・・・うぅ、悲しいな・・・」
「イッセー、お前って奴は・・・」
「今度、飯でも奢るよ」
「お前ら、そんな憐れみの目で俺を見んな!つか、VR彼女で童貞卒業ってどういうことだ!?流石の俺もゲームのキャラを自分の彼女だって言うオタク個性は持ってねぇよ!」
「でも、童貞って事には変わりないでしょ?」
「そうだよ!チキショー!リア充爆発しろ!!」
憐れみの目を向けている三人に一誠はツッコむも、桐生に童貞という現実を突き付けられ、その場で叫んだ。ついでに、周りにいる女子たちが汚物を見るような目で一誠を見ていた。
「クソー・・・本当に夕麻ちゃんは俺の妄想彼女だったのか・・・?」
お前は昨日、その彼女に殺されたんだよって言うのは簡単だが、それを言っても混乱させるだけだ。
「心配すんな。VR彼女で満足できねぇなら、いつかSAOみたいなVRMMOが発売された時に、NPC女子の堕とし方をお前に伝授してやるよ」
「いや、NPC女子の堕とし方って何!?なんで、お前がそんなもん知ってんの!?」
なので、適当に一誠をあしらうと、自分の席に戻るのであった。
座る直前、未だ腕を組みながら思案している一誠を一瞥した。
「(地獄へようこそ、イッセー。ここから、お前の非日常の始まりだぜ)」
心の中で一誠に激励を送りながら、陸兎は今度こそ自分の席に座った。
昼休み、陸兎はとある人物がいる教室に訪れていた。
「剣夜、いるか~?」
教室のドアを開け、剣夜という人物に向けて声を掛ける陸兎。
すると、剣夜と思われる金髪の少年が陸兎の下にやって来た。
「なんだい?君が僕に用があるなんて、珍しいじゃないか?」
彼の名前は十門寺剣夜。白みのある金髪、整った顔立ちに、それに見合った爽やかな雰囲気、大学生と間違われてもおかしくない高身長。その上、成績も常に学年トップであり、スポーツも万能、生徒会にも所属している。
そんな学園一の人気者とも言える彼に、陸兎は臆することなく話しかける。
「話がある。ちょっくら、屋上に付き合え」
「・・・分かったよ」
ただならぬ雰囲気を感じ取った剣夜は、素直に従い、陸兎と共に教室から出た。
そして二人は、隣同士並びながら、屋上へと向かった。
ちなみに、剣夜はイケメンの部類に入る見た目と、その見た目通りの爽やかな雰囲気から、学園では駒王学園三大イケメンの一人に君臨している。
一方の陸兎もまた、性格はともかく見た目に関してはちょい悪イケメンの部類に入り、こちらも剣夜同様に三大イケメンの一人と言われている。
そんな二人が並んで廊下を歩いている。つまり、どういうことかと言うと・・・
「キャーーー!!見て!剣夜様と八神君が一緒に並んで歩いているわ!」
「駒王学園三大イケメンの内、二人が揃う光景なんて、中々見られないわよ!」
「剣夜様×八神君来たぁーーー!!」
「いいえ!八神君×剣夜様よ!」
腐女子が歓喜する光景の出来上がりである。
「ちっ、うるせぇ腐女子共だ」
「ハハハッ、元気があって何よりじゃないか」
そんな腐女子たちの歓声の中を陸兎は鬱陶しそうに、剣也は歓喜している女子たちに微笑みながら通っていった。
屋上に着いた二人は向かい合って話し出す。
「それで、話ってなんだい?
「兵藤一誠についてだ」
そう言うと、剣夜は笑みを崩し、真面目な表情になった。
「やっぱり、君も気づいたみたいだね」
「あぁ、薄っぺらだったがあいつの纏っている気、あれは間違いなく悪魔のモンだった。いったいいつから、あいつは悪魔に転生したんだ?」
「そのことについて、今朝ソーナに聞いたんだ。そうしたら、リアス・グレモリーが既に彼を自身の眷属にしたみたいでね。何でも、昨日の日曜日に堕天使に殺された彼を彼女が駒を使って悪魔に転生させたらしいんだ。しかも、厄介なことに転生させられた本人はその自覚がないというオマケ付きでね」
「おいおい、自分の眷属になったことを説明してねぇのかよ。そのグレモリーって奴、何考えてんだよ」
呆れていた陸兎だが、ふと「ん?」と疑問の声を上げた。
「死んだ奴を悪魔に転生させたって簡単に言ってるけどよ。よくよく考えたら、これって重大問題じゃね?」
「・・・そうだね。悪魔に転生させたことはともかく、これに関しては到底無視できない問題だ」
そう言いながら、困った顔をする剣夜。
しばらく思案していた剣夜だが、顔を上げて陸兎に伝える。
「ひとまずは兵藤一誠の監視をしてくれ。もし、悪魔の自覚が無いまま、堕天使や
「りょーかい。やれやれ、ヤローのストーカーなんて誰得だよ」
「それと、もし途中で堕天使と戦うことになっても、リアス・グレモリーとその眷属には見つからないようにしてくれないかな。彼女たちには、日を改めて話す予定だから」
「ヘイヘイ、できる男は辛いねぇ~」
剣夜の指示に気怠そうに応えながら、陸兎は任務を遂行するべく屋上から出ていった。
残った剣夜は、屋上から見える駒王町の景色を見つめながら呟いた。
「今代の赤龍帝の目覚め、それに伴った堕天使の活発化・・・ホント退屈しないよ、この町は・・・」
その呟きは、誰にも聞こえることなく、屋上に吹いた風と共に消えていった。
十門寺剣夜(じゅうもんじ けんや)
見た目は「機動戦士ガンダム OOF」のピクサー・フェルミ。