翌日の放課後、オカルト研究部の部室へ入った陸兎、一誠、アーシアの三人にある人物が声を掛けてきた
「やぁ、赤龍帝。それと、昨日ぶりだね十天師」
「な、なんでお前がここに!?」
「身に覚えのある気配がすると思ったら、やっぱりお前だったか・・・」
陸兎と一誠に挨拶したのは、駒王学園の制服を身に纏ったゼノヴィアだった。
この間まで教会の聖剣使いだったはずの彼女がこの場にいることに、一誠とアーシアは驚いた。陸兎は部室に来る途中でゼノヴィアのオーラを感じ取っていたため、特に驚いていなかった。
「お前なんでここにいんだよ?しかも、悪魔になってるし・・・」
「え?悪魔って・・・」
陸兎の言葉に一誠が反応しながらゼノヴィアの方を見ると、彼女の背中から黒い翼が生えた。
「神がいないと知ってしまったのでね。そこの八神陸兎に言われて、自分の道を自分で考えた結果、破れかぶれで悪魔に転生したんだ」
「破れかぶれにも程があるだろ・・・んで、お前はどんな駒なんだ?」
「『騎士』よ。デュランダル使いが加わったのは頼もしいわ」
陸兎の質問に答えたのはリアスだった。ゼノヴィアが加わったことで、木場に並ぶ『騎士』が揃ったことで、気分良さげだった。
「今日からこの学園の2年に編入させてもらった。よろしくね、イッセー君」
「真顔で可愛い声を出すな!」
「ふむ、イリナの真似をしたのだが、中々上手くいかないものだな」
「・・・種田さんスゲーな」
イリナの言動を真似したゼノヴィアに一誠がツッコむ一方、彼女の凄まじい声の切り替えっぷりに、陸兎は彼女の中の人を称賛していた(メタい)。
その後、ゼノヴィアはアーシアに謝り、アーシアがそれを許すと、今度は木場に話しかけ、再び手合わせしたいと言い、木場も望むところだと答えた。
すると、今度は陸兎の方に近づき、彼に話しかける。
「八神陸兎。君には感謝している。あの時、君の言葉が無ければ、私は暗い道の中を迷い込んだままだった」
「そりゃどうも。まっ、悪魔に転生するとは思ってなかったけどな」
「それで・・・その・・・君に一つ頼みたいことがあるんだ」
ゼノヴィアは少し顔が赤くなっており、モジモジとした様子で喋っていたが、やがて女は度胸と言わんばかりの顔で叫んだ。
「私を・・・君の家に住ませてくれないだろうか!?」
ゼノヴィアから発せられた衝撃発言に辺りがシーンとなった。
陸兎はゼノヴィアの言葉に呆然となっていたが、困惑しながらも彼女に理由を問う。
「えっと・・・なんで、俺ん家に住みたいって思ったんだ?」
「・・・今まで私は、神こそが全てだと思って生きてきた。その神がとっくの昔に死んでいて、私のこれまで神に全てを捧げてきた人生は何だったのかって自暴自棄になっていたよ。でも、例え神がいなくても、この世界は続いていく。神がいなくても、私はここで生きている。そう思えるようになったのも、そのきっかけをくれたのも、紛れもなく君だ」
「だから」とゼノヴィアは真剣な表情で自分の想いを言った。
「私はこの目で見てみたい。君という侍について、もっと知ってみたい。それが、私の選んだ道だ」
陸兎の顔を正面から見ているゼノヴィアの表情は真剣だった。
そんな彼女の決意を聞いて、陸兎はどうすればいいのか分からず、同居人の意見を聞こうと、顔を朱乃の方に向けた。
視線の意味を察して朱乃は、すぐさま自分の意見を言った。
「私は構いませんわよ。定春君に続いて、ゼノヴィアちゃんも増えたら、きっと賑やかになりそうですわ」
そう言いながら、朱乃は楽しそうに微笑んだ。
同居人からも許可をもらい、陸兎は再度ゼノヴィアを見る。こちらを見つめる彼女の目は至って真剣だ。
数秒お互いの顔を見つめ合っていた陸兎とゼノヴィアだったが、やがて陸兎が仕方ないと言った様子で頭に手を当てながら口を開いた。
「分かったよ。俺みたいな問題児でも、お前が何かを得られるってんなら、それを見つけるまで、好きなだけ俺ん家にいてくれ」
「ありがとう。八神陸兎」
「違うだろ。ゼノヴィア」
「!?・・・そうだな。これからよろしく頼む。陸兎」
そう言って、二人は握手を交わした。
その後はリアスがオカルト研究部の活動再開を宣言し、彼らのいつも通りの日常が再び始まるのであった。
場所は変わって、ここは大勢のあやかしが住まう世界、隠世。
この隠世には、天神屋という隠世で古くから愛され続けている老舗宿がある。
そして、その天神屋の隅っこには、夕がおという小料理屋が存在していた。
「よし、明日の仕込みはこれで終わり!」
その夕がおで、仕込みが終わってひと段落ついた人間の少女が疲れ切った様子で椅子に座った。
緑の着物を着て、若女将の雰囲気を持つ少女の名は津場木葵。人間の身でありながら、訳あってこの夕がおで小料理屋を営んでいる少女である。
「お疲れ様です葵さん。疲れてませんか?」
椅子に座っている葵に狐のような尻尾が九つも生えている銀髪の少年が話しかける。
少年の名は銀次。今は人間の見た目をしているが、その正体は九尾である。天神屋では若旦那を務めており、今は葵が営む夕がおで手伝いをしている。
自身を気遣う銀次に、「大丈夫」と返す葵。
そこにガラガラと夕がおの入口の扉が開き、中から一人の男が入って来た。
「やぁ、葵。調子はどうだい?」
「あ!大旦那様!」
「・・・何しに来たの?大旦那様」
男に笑顔を向ける銀次に対して、葵は素っ気ない態度で男に接した。それもそのはず、目の前にいる男は自分を隠世に連れて来た張本人なのだから。
二人が言っていた大旦那という男は、その名の通り、天神屋の大旦那を務めている鬼神である。彼は葵の祖父が天神屋に残した借金の肩代わりとして、当時普通の大学生だった葵を隠世に連れていき(半ば強制的に攫った)、彼女を自分の嫁にしようとした。
しかし、葵は嫁入りすることを断り、祖父の借金は自分が働いて返すと宣言し、現在は夕がおの店主として、借金返済に励んでいる。
そんな彼女は、自分を無理矢理隠世に連れて来た大旦那に苦手意識を持っている。大旦那もそれを承知しており、素っ気ない態度を取る彼女に苦笑いした。
「相変わらずの塩対応だね。まぁ、いいけど。顔を出した理由かい?それは勿論、君の顔を見に来たのさ。しばらくの間、俺は現世に出張することになったからな」
「大旦那様が現世に?何かあったのですか?」
問いかける銀次に、大旦那が説明する。
「近頃、この日本で異国のあやかし同士による会談が行われるんだ。その会談の日本神話代表として、俺が出ることになったんだ」
「大旦那様がですか!?」
「そうだ。他の神様やあやかし達は、この間日本のある町で起きた堕天使の騒動の後始末に追われてな。皆、忙しくて手が付けられないみたいなんだ。それで、手の余った者達の中から誰が会談に行くのかを決めた結果、俺が貧乏くじを引くことになったわけさ」
やれやれと言わんばかりに喋る大旦那の言葉を聞いて、葵が一つ気になったことを大旦那に問う。
「ちょっといい?異国のあやかしって、ひょっとして悪魔や天使様のこと?それに、大旦那様がさっき言った堕天使って・・・」
「なんだい葵。君は彼ら異国の者の存在について知っていたのかい?」
「昔お祖父ちゃんから聞いたの。日本にあやかしが隠れ潜んでいるように、世界には悪魔や天使様などの様々な異形が人間の中に混ざって暮らしているって」
「その通り。ちなみに、遥か大昔に天使、堕天使、悪魔との間に三つ巴の大きな戦争が起きたんだ。今回の会談は、その和平を結ぶための会談だ」
「そんな重要な会談に、大旦那様が呼ばれたの!?」
貴重な会談だと知り、葵は思わず驚いてしまう。和平を結ぶのはいいことだが、もし上手くいかなかったら、再び戦争が起こるかもしれない。
そんな葵の不安を感じ取った大旦那は、彼女に向かって微笑んだ。
「まぁ、重要な会談って言っても、どの勢力も戦争以降は大きく衰退したみたいだし、余程のことがない限り、もう一度戦争するってことは、ほぼ無いと思うよ」
そう言うと、大旦那は後ろに振り向いた。
「というわけで、しばらくの間天神屋を留守にするから、何かあれば、他の従業員たちに言ってくれ。それじゃあ」
「はい。いってらっしゃいませ大旦那様」
「・・・いってらっしゃい」
銀次と葵に見送られながら、大旦那は夕がおを出た。
そして、天神屋の外に出たところで、ふと隠世の夜空を見上げた。
「異国のあやかしが人間が住まう現世で。しかも、この日本の地で会談か・・・昔なら、到底考えられないことだ。これもまた、時代の移り変わりとでも言うのかい?アザゼル・・・」
隠世の夜空を見上げながら、大旦那はかつてこの天神屋に来たことがある堕天使総督の名を呟いた。
更に場所は変わって、ここは日本陰陽師協会の本部。東京駅からすぐの近くの高層ビルの秘密の地下に存在する陰陽師の巣窟である。
その中にある会議室では現在、十師族同士による緊急会議が行われていた。
と言っても、各当主たちが会議室に集まっているわけではなく、会議室には縦長の丸テーブルがあり、その上にモニターが十台置かれている。当主たちはそこからリモートで会議に参加していた。ただし、どの家系もモニターに顔を出しておらず、声のみの参加となっている。
「以上が、堕天使の幹部コカビエルが起こした騒動の全容となります」
十天師の頭目を担う剣夜が報告書を読み上げながら、各当主たちに今回起きた出来事について説明した。
会議の内容は、先日『神の子を見張る者』の幹部コカビエルが起こした事件について、各当主たちの意見を聞き、今後の三大勢力の動きに対しての対策を踏まえての話し合いを行う予定だ。
数あるモニターの内、今回の会議の議長を務める
「ふむ、まずは聖剣の破壊及び堕天使幹部の討伐、ご苦労様でした」
「フンッ!異形共の力を借りずとも、貴様ら十天師の力だけで、何とかなっただろうに」
そう呟いたのは、
不満いっぱいの様子で呟いた三ノ輪家の当主を、五蝶家の当主が咎める。
「口を慎みなさい。一歩間違えたら、町に住まう一般人が巻き込まれるところだったのですぞ」
「だが、三ノ輪家の言い分も分からなくはない。我々の国を異形共の好き勝手にされたら溜まったものではない」
三ノ輪家に賛同するかのように喋ったのは、
「だいたい、悪魔が治める町を守ること自体が間違っているのだ。聞けば、その町にはあの凶悪な二天龍の片割れである赤龍帝が居座っていると聞いているが?」
「なんだと!?それが本当なら無視できない事態だぞ!」
「全くだ。すぐに排除した方が、この日本のため――」
「お言葉ですが」
言いたい放題言う当主たちの言葉を遮るように、剣夜が力強い声で言う。
「僕たち十天師は、あくまでこの国の人々を護り、秩序を乱す者を排除するために存在しています。赤龍帝や、その主であるリアス・グレモリーは多少の問題はあれど、少なくとも人々に害をなす存在でないことは確かです。それに、駒王町の領主リアス・グレモリーは魔王サーゼクス・ルシファーの妹。もし、彼女に手を出した場合、どうなるかはお分かりですよね?」
剣夜の言葉に、先程まで不満を言っていた当主たちは顔をしかめる。
魔王の身内に手を出せば、魔王の怒りを買い、最悪人間と悪魔の戦争に勃発する恐れがある。そうなれば、身体、技能共に劣る人間は圧倒的に不利と言える状況になり、万が一勝てたとしても、お互い甚大なダメージを負うことは明白だ。故に当主たちも強気にはなれない。
悪くなった場の空気を変えようと、五蝶家の当主が口を開いた。
「止しましょう。少なくとも彼らは、我々の国の民を守るために戦ってくれたのですから。それよりも、今はもっと重大な事について、議論すべきでしょう」
「重大な事だと?それはいったいなんだと言うのだ?」
「それは・・・今度、日本で行われる天使、堕天使、悪魔の三竦みによる会談についてです」
五蝶家の当主の言葉に、ほとんどの当主がモニター越しでざわつきだす。
すぐさま、異形に対しての当たりが強い三ノ輪家の当主が反論した。
「ふざけるな!奴ら、この国を自分たちの所有物だと思っているのか!」
「忌々しい奴らだ。あくまで借りている土地の分際で、神聖な日本の地を何処まで汚すつもりだ・・・」
二色家の当主がそう呟くと、他の家系の当主たちも不満を漏らす。
十師族と言っても、全ての家系の者が同じ考えを持っているわけではない。大半は異形に対しての当たりが強い過激派であり、五蝶家などの穏健派はごく僅かだ。
人間は昔から異の存在を嫌う。時代が変わっても、人間の異形に対しての憎しみが消えるわけではない。寧ろ、五蝶家などの穏健派がいるのが珍しい方だ。
場に不満が捲き散る中、十師族の中で中立の立ち位置にいる二家の内、
「皆さん、少し落ち着きましょう。私たち陰陽師の人間がいくら言ったところで、向こうからしたら、部外者の遠吠えに過ぎませんわ。どうしても気に入らないと言うのなら、力づくで止めてみてはいかがかしら?三大勢力のトップが集まる会談を」
四羽家の当主の言葉により、会議室は静まり返った。一時の感情だけで三大勢力に戦争を仕掛ける程、当主たちは馬鹿ではない。
場が静まったのを確認した四羽家の当主は、会談の話題を出した五蝶家の当主に問いかける。
「それで、その会談が今回の会議に何の関係があるのかしら?」
「ふむ、実はその会談では、三大勢力のトップだけでなく日本神話の代表、更に人間側の代表にも会談の見届け人として参加して欲しいと、天照大神様のお声を聞いた巫女様からのお告げがあったのです」
「そして、その人間代表を私たち十師族の中から決めるというわけですね」
四羽家の当主の言葉に頷く五蝶家の当主。
日本神話のトップ、天照大神。その神の声が聞けるという五蝶家に属する巫女が、天照大神から会談のことについて聞いたのだという。
しかし、会談に出席することに対して、どの家系も手を上げることはしなかった。会談に行くのが面倒とか、そういうわけではない。ただ単に、異形共と同じ空気を吸うのが嫌だという理由で、会談に参加しようとは思っていないからだ。
勿論、全ての家系がそう思っているわけではないが、ほとんどの家系が子供染みた理由で参加しようとしない現状に、五蝶家の当主は頭を悩ませていた。
一向に手が上がらず、時間だけが過ぎていく中、四羽家の当主がある男に向けて口を開いた。
「十門寺さん。貴方、先程から一言もおっしゃっておりませんけど、何か言いたいことがあるのではないかしら?」
各当主たちの目線が一斉に一つのモニターに集中する。
そのモニターの中で、男はただ黙って、今までの会議の内容を聞いていた。
他の当主たちとは異様な雰囲気を漂わせており、モニター越しでも、その異質さが伝わる程、男は異常だった。
この男こそ、十門寺剣夜の父にして、十師族最強の家系、十門寺家の現当主である。
四羽家の当主に言葉を求められて尚、彼は黙ったままだったが、数秒経った後に、ふと口を開き
「つまんね」
退屈そうな声で、ただその一言だけを述べた。
当然、他の家系の者達(四羽家だけは「フフッ」と小さく微笑んでいた)は困惑しており、五蝶家の当主が代表して問いかける。
「つ、つまらないとは、いったいどう意味ですかな?十門寺君」
「この会議がだ。そんなもん決める為だけに、わざわざこいつらを呼んでまで決めようとしてんじゃねぇよ」
「な、なんだと!?貴様!この日本の今後を左右する大事な会議をつまらないだと!?」
十門寺家の当主の言葉に、反論する三ノ輪家の当主。
だが、反論された本人は、特に気にする様子もなく、言葉を続けていく。
「どいつもこいつも、さっきから聞いてりゃ、同じようなことを飽きずに言いやがって・・・テメェらの小せぇ価値観で物事に白黒付けて、思い通りにならなかったらガキみてぇに吠えまくる・・・そんなガキ共の遠吠えを近くで聞かされる側は溜まったモンじゃねぇ」
「我々は陰陽師だぞ!異形共を滅するのは当然のことだろ!」
「その通りだ!この世界を異形共の好きにさせないために、我々人間が異形共を排除せねばならんのだ!」
「そして、いずれは我々人間一人一人の手で、この世界を作り上げていくのだ!それを――」
「黙ってろ、三下共」
「「「!?」」」
反論してきた過激派の当主たちを、十門寺家の当主は重厚感のある声で黙らせた。
「
十門寺家の当主から放たれた力強い言葉とその重みに、反論してた当主たちは何も言えずに、ただ黙って十門寺の文字が書かれたモニターを睨みつけた。
そんなことを知りもしない十門寺家の当主は、視線を五蝶家の当主のモニターに向ける。
「分かっただろ?こいつらに頼んだところで無駄だってことが」
「ふむ・・・しかし、そうなると、会談に参加するのは・・・」
「だから、俺が行ってやるよ」
先程まで会議の様子を退屈そうに聞いてたはずの十門寺家の当主が、突然会談の参加に立候補し、当主たちの間に驚きと困惑が広がる。
五蝶家の当主が確認のため、十門寺家の当主に問いかける。
「確かに、十師族の中で中立の立ち位置にいる十門寺君なら、問題ないと思われますが・・・よろしいのですか?」
「どの道、他の家系があれな以上、行けるとなりゃ、オメェら穏健派か俺ら中立の家系しかいねぇだろ。面倒だが、向こうの連中がそれぞれのトップを出してくんだ。こっちもガチの面子で出迎えてやるのが礼儀ってもんだろ。それによぉ・・・
モニター越しからでも感じる凄まじい闘気に圧倒される当主たち。会議室で聞いてた剣夜も、父のモニターから放たれる異質なオーラに冷や汗をかいた。
その闘気に圧倒されつつも、いち早く我に返った五蝶家の当主が口を開いた。
「理由はともあれ、十門寺家は我々十師族の中で最も力を持つ家系・・・いいでしょう。十門寺君、会談の参加、お願いできますかな?」
「あぁ、任せときな」
「では、今度行われる三竦みの会談。人間代表として十門寺君が参加することでいいですね?皆さん」
五蝶家の当主がそう問いかけると、他の家系の者達は異議なしと賛成した。中には三ノ輪家など黙ったままの家系もいたが、反対してるわけでもないので、賛成として受け取った。
会談に出席する家系も無事決まり、今回の会議を終わらせようとした五蝶家の当主は、最後に十門寺の当主に問いかけた。
「十門寺君。本来ならこんなことは言うべきではないのですが・・・万が一、その会談で何らかの狂いがあって、異形たちが君たちに牙を向くようなことがあれば・・・」
五蝶家の当主の問いかけに対して、十門寺家の当主は見えないモニターの先で豪快な笑みを浮かべながら言った。
「心配いらねぇよ。もし、そいつらが日本・・・いや、世界の敵に回るようなことになれば・・・俺が滅ぼしてやるよ。例え相手が、魔王だろうと神だろうとな・・・!」
天使、堕天使、悪魔。そして、あやかしと人間。それぞれの思惑が飛び交う中、時代のうねりは着実に訪れようとしていた。
以上で第3章完結となります。
ここから二つ程番外編を挟んでから第4章に移りたいと思っています。
また、第4章では原作で言う三大勢力会談の話となっています。魔王少女や堕天使総督などと言った原作キャラは勿論、前回登場した無六龍牙、今回の最後に登場した大旦那や十門寺家の現当主など、たくさんのキャラが登場します。お楽しみに。