リアス達がギャスパーの救出に向かっている一方、会議室では突如一つの魔法陣が出現した。
「サーゼクス様!」
「この魔法陣・・・まさか!?」
グレイフィアとサーゼクスが魔法陣に反応する。悪魔にとって、見覚えのある物だったからだ。
「御機嫌よう、現魔王サーゼクス殿にセラフォルー殿」
そんな言葉と共に、魔法陣から眼鏡を掛けた女の悪魔が現れた。
「あ、貴女がどうしてここに!?」
「先代レヴィアタンの血を引く者、カテレア・レヴィアタン!」
セラフォルーが驚き、サーゼクスが女の名前を言う。
「世界に・・・破壊と混沌を!」
挨拶を終えたカテレアは、手に持った杖を上に掲げる。
その直後、杖の先が光り出し、膨大な爆発が起こった。
会議室は跡形も無く壊されたが、中にいる者達は全員無事だった。
「三大勢力のトップが共同で防御結界・・・フフフ、なんと見苦しい!」
自身の魔法を防がれて尚、カテレアは余裕のある笑みを浮かべている。
そんな彼女にサーゼクスが問う。
「どう言うつもりだ?カテレア」
「そちらが行ってる会談の、正に逆の考えに至っただけです。神と魔王がいないのならば、この世界を変革すべきだと」
「カテレアちゃん、止めて!どうしてこんな・・・」
セラフォルーがカテレアを説得しようとするが、カテレアはセラフォルーを見た途端、憎悪の眼差しで彼女を睨んだ。
「セラフォルー・・・私からレヴィアタンの座を奪っておいてよくもぬけぬけと!」
「わ、私は・・・!」
「安心なさい。今日、この場で貴女を殺して、私が魔王レヴィアタンを名乗ります」
魔王であるセラフォルーに、自信満々に宣言するカトレア。
「やれやれ、悪魔共のとんだクーデターに巻き込まれたかと思ってたが・・・」
「和平を止めるのが目的じゃなさそうだな。それなら、会談が始まる前に襲うだろうし、トップが揃っている場を敢えて襲撃したということは・・・」
アザゼルと大旦那の言葉を聞いて、ミカエルが結論付ける。
「貴女の狙いは、この世界その物というわけですね?」
ミカエルの問いに、カテレアはすぐに頷いた。
「えぇ、ミカエル。神と魔王の死を取り繕うだけの世界など必要ありません。この腐敗した世界を私たちの手で再構築し、変革するのです!」
狂気に満ちた笑みで己の野望を語るカテレア。
「くだらねぇな」
そこで反応したのは、心底つまんなそうな顔をしている道玄三武郎だった。
それを聞き逃さなかったのか、カテレアは不快そうな表情で道玄三武郎を睨んだ。
「そこの人間、今何と言いました?」
「くだらねぇんだよ。変革なんて言っときながら、やってることはテロときた・・・小せぇ、何もかも小せぇんだよ。そんな奴が世界を変えるなんざ、できるわけねぇだろ。テメェのそのちっぽけな器じゃ、何も変えることはできねぇよ」
「下等生物が私を愚弄するな!」
道玄三武郎の言葉に激情したカトレアは、杖を道玄三武郎に向けて、魔力弾を放った。
誰も止める暇もなく、魔力弾が道玄三武郎に当たろうとした瞬間・・・
「あ?」
その言葉と共に、道玄三武郎は飛んできた魔力弾を軽く左手で払った。まるで、周囲を飛び回る小蝿を払い除けるように・・・
ドーン!
「なっ!?」
簡単に魔力が払われて、驚愕の表情となるカテレア。
「失せな、小娘」
次の瞬間、カテレアの目の前に拳を構えた道玄三武郎が現れ、彼女の腹をグーで殴り付けた。
ドン!!
「ガハッ!?」
凄まじい衝撃音と共に、カトレアは何が起きたのか考える間もなく、そのまま吹き飛ばされ、旧校舎の壁を破壊した。
そして、場面は前回の最後に戻る。
ギャスパー達の救出に成功した陸兎たちは、吹き飛ばされて壁に衝突し、ボロボロな状態で倒れているカテレアに驚いていた。
「カテレア・レヴィアタン!どうしてここに!?」
「誰ですか?部長」
「嘗て戦争で滅んだ旧魔王の血を引く者よ。戦争が終わっても、徹底抗戦を望んだため、冥界の隅に追いやられた悪魔。でも、これはいったい・・・?」
リアスが疑問に思っていると、カテレアは起き上がり、憤怒の表情となった。
「お、おのれぇ・・・!下等生物がよくも・・・!」
口からは血を吐き出し、体も痣だらけだが、その顔は酷く歪んでおり、殺意の塊とも言えるほどだった。
警戒する一誠たちに気づかぬまま、カテレアは悪魔の翼を展開すると、瞬く間に道玄三武郎の下へ向かう。
「よくも偉大なる血を引く私の体に触れたわね!絶対に許さない!私は真なる魔王の血を引く者よ!下等生物如き、一瞬で屠ってあげるわ!」
魔力を放出しながら、カテレアは道玄三武郎に殺気を向ける。
そんな彼女を道玄三武郎は、眼中に無いと言わんばかりに見つめ、それでカトレアの怒りが更に増したその時、割り込む者がいた。
「待ちな大将」
そう言いながら、道玄三武郎を呼び止めたのはアザゼルだった。
「こいつの狙いは俺たち三大勢力みたいだからな。これ以上、あんたらの手を煩わせるわけにはいかねぇ。ここから先は・・・俺が相手してやるよ」
立ちふさがるアザゼルに、カテレアは顔を顰める。
「アザゼル・・・!退きなさい!堕天使総督が私の邪魔をするな!」
「随分お怒りのようだな。けど、あんな風に言われて当然だろ。お前らのやってることなんざ、陳腐でくだらねぇ、物語であっさり退場する悪役がやることだぜ」
「黙れ!これ以上、私を愚弄するな!」
アザゼルの挑発を受けて、カトレアは標的を彼に変え、魔法を放つ。
アザゼルは背中から黒い羽を生やすと、宙に飛んで魔法を躱す。
そのまま二人は空中で戦いを始めた。
「よろしいのですか?父上」
「構わねぇよ。小物の相手なんざ興味ねぇ」
結果的に獲物を横取りされる形になり、良かったのかと父に聞く剣夜に対して、本人は元々カテレアのことなど眼中に無かったので、全然気にしてなかった。
「ひとまず、我々はこの状況をなんとかしないといけないな」
「そうですね。多勢に無勢、消耗戦に持ち込まれるのは避けなければ・・・」
カテレアはアザゼルに任せて、サーゼクスとミカエルはこの状況を何とかしようと思案する。
「今、グレイフィアがゲートの解析を行っています」
「それまで時間を稼がなきゃいけないってこと?」
サーゼクスの言葉に、セラフォルーが問いかけると、木場が名乗りを上げた。
「なら、僕たちが敵の攻撃を防ぎます!」
彼は既に聖魔剣を手に持っていて、彼の両側にはゼノヴィアとイリナ(ローブを外し、戦闘服になっている)もいた。二人もそれぞれの武器を手に持っている。
「元からミカエル様の警護としてお供したんです。これくらいの事はやらせてください」
「心配入りません。私たちには、頼りになる仲間がいますから」
そう告げると、三人はこちらを攻撃している魔術師に斬りかかった。
それを見た麗奈は、剣夜に進言する。
「剣夜様、私たちも・・・」
「分かっている。この状況を見て、十天師の頭目として放っておくわけにはいかない」
そう言うと、剣夜は魔術師たちの方に体を向ける。
「『錬成』」
剣夜がそう言った瞬間、彼の両手に二本の剣が錬成される。
そして、作った剣をそれぞれの手に持つと、剣夜は戦場に飛び込んで、魔術師を次々と斬っていく。
麗奈もまた、手元に氷をモチーフにした青白い銃を出現させ、魔術師を凍らせていく。
そんな風に戦っていると、ギャスパー達の救出に成功した陸兎たちが援軍に現れた。
「皆、無事か!?」
「イッセー君!」
木場が嬉しそうな顔で反応する。
陸兎たちはサーゼクスから状況を聞くと、ギャスパーをサーゼクスの近くに預け、木場たちに加勢する。
「要するに、ゲートが閉じるまでここを守ればいいんだな!?」
「そんじゃまっ、もうひと働きするか!」
状況はこちらが優勢になったが、向こうも数が多く、決定打には至っていない。
そんな中、後ろで陸兎たちが戦っているのを見ていたギャスパーが叫んだ。
「リアス部長!陸兎先輩!」
突然自分の名前を呼ばれて、リアスと陸兎はギャスパーを見る。
「僕は・・・僕は先輩のような誰かを護れるカッコイイ男になりたい!僕を拾ってくれたリアス部長の期待に応えたい!だから!・・・僕も仲間の為に戦います!」
そう言いながら、ギャスパーは腕に付けていた神器を制御する腕輪を外した。
それを見たリアスは、慌てながらギャスパーを止めようとする。
「お止めなさい!お兄様、ギャスパーを止めて――」
「やめろ!あいつは今、男になろうとしてんだ。黙って見届けてやれ」
リアスを制止した陸兎は、真剣な表情でギャスパーに視線を向ける。
「僕だって・・・僕だって・・・!男なんだぁーーー!!」
ギャスパーが叫ぶと、彼の体から光が広がり出した。
「あらあら?」
「いったい何が・・・?」
「分かりません」
光が収まった瞬間、朱乃やソーナなど今まで止まっていた者達が動けるようになった。
すぐさまセラフォルーがソーナに抱きつく。
「ソーナちゃん、お帰り☆」
「お、お姉様!?」
「ギャスパーが暴走した停止状態を打ち消したってこと?」
「やりやがった!スゲーぞ、ギャスパー!」
リアスが呟く横で、一誠がギャスパーを褒める。
ギャスパーは力を使い果たしたのかぐったりとしており、動けるようになったアーシアが後ろから支えた。
「敵のゲートも停止しています」
「これで一安心ってことね☆」
グレイフィアの報告を聞き、セラフォルーが安堵する。
「そろそろ遊びは終わりにしようか・・・
一方、上で戦ってたアザゼルは、自身が開発した人工神器『
「あちらはそろそろ終わりそうですね」
「それなら、こっちも一気に終わらせようか」
麗奈の呟きに剣夜がそう返した瞬間、彼の周囲には大量の剣が作られた。
その数はパッと見ただけでも百を超えていて、赤い空が剣で覆いつくされる。
「散れ」
剣夜の一言と共に、停止してた剣が一斉に降り注ぎ、魔術師たちを襲う。
猛スピードで降り注ぐ無数の剣を前に、魔術師たちは成すすべもなく、その身を斬られて、命を刈り取られていく。
「す、スッゲー、敵が一気に倒されていく・・・」
「末恐ろしいよ。あれだけの量をあんなスピードで飛ばせるなんて・・・」
その光景に一誠は圧倒され、木場は剣夜の力に戦慄する。
降り注いだ剣は、一瞬で百を超える魔術師を葬った。
運良く生き残った者もいたが、陸兎たちによって倒され、この場にいる魔術師は一人残らず無力化された。
「ああああああ!!」
アザゼルと戦ってたカテレアもまた、自身の命を懸けた攻撃をアザゼルの片腕を犠牲に防がれて、その隙にアザゼルが投げた光の槍を頭に食らい、消滅した。
「まだまだ改良の余地はありそうだな。ひとまず誓約神器レベルを目標にしとくか。もう少し付き合ってもらうぜ相棒・・・さてと、向こうも片付いたみたいだし、これで終わり――っ!?」
ドーン!
カトレアを倒し、禁手を解いたアザゼルは、一息つこうとしたが、突如背中から爆撃を受けた。
「なっ!」
突然アザゼルが地面に衝突し、一誠は驚きの声を上げる。
アザゼルはダメージを受けながらも服に付いた土を払いながら、攻撃をしてきた人物を見上げる。
「っててて、ヤキが回ったもんだ・・・なぁ、ヴァーリ」
「悪いな、アザゼル。こちらの方が面白そうだったんだ」
「ヴァーリ!裏切り者はテメェか!」
ヴァーリの言葉から、一誠は裏切り者は彼であると察した。
対するアザゼルは、そんなことを気にしておらず、ヴァーリに一つ問い掛ける。
「なぁ、ヴァーリ。一つ聞きたいんだが・・・うちの副総督のシェムハザが、三大勢力の危険分子を集めている集団の存在を察知していてな。確か、『
アザゼルから言われた『禍の団』の言葉に、サーゼクスとセラフォルーが反応する。
「『禍の団』・・・」
「危険分子を束ねるなんて、相当な実力者じゃないとそんなこと・・・」
セラフォルーの疑問に答えるようにアザゼルが言う。
「んで、そのまとめ役が『
「ドラゴンだって!?」
「無限の竜神・・・神も恐れた最強のドラゴン・・・!」
一誠とリアスが大きく反応する。他の者達も、無限と言わしめる強大なドラゴンがテロリストのトップである事実に驚いている。
しかし、陸兎だけは違う意味で驚いていた。
「(オーフィスって・・・まさか、この間のあいつ?)」
そう。つい先日、同じ名前をした幼女と彼は出会っているのだ。一緒に町を歩いて、ラーメンを食べた事は、陸兎にとって思い出に残っている出来事だ。
「(え?あのゴスロリ幼女、そんなスゲードラゴンだったの?いやいやいやいや!確かに、めちゃくちゃヤバい気配を感じたけど、俺普通にあいつとラーメン食ってたんだけど!仮にもテロリストのボスだぞ!いくら何でも自由過ぎるだろ!いや、もしかしたら別人の可能性も・・・そうだよな。あんな不思議ロリがボスな訳ないよな!見た目はロリ、中身はBBAのキャラは、よく色んな作品で見るけど、そんな特定の客層を集めるようなキャラ設定をテロリストのボスがする訳ないよな!)」
「どうしたんだい?陸兎」
「い、イヤ、ナンデモナイヨー」
汗をダラダラ流しながら思案する陸兎を気に掛けた剣夜に声を掛けられて、陸兎は片言になりながら誤魔化した。
そんな彼をよそに、ヴァーリは話を進める。
「それは違う。確かに俺はオーフィスと組んだ。だが俺もあいつも覇権だの世界だのに興味はない。力を利用しようとしてる連中が勝手に付いて来ただけだ」
「なるほどな。てっきり、カトレアと仲良くつるんでたのかと思ったぜ・・・魔王の座を奪われた同士でな」
「魔王の座ですって!?」
「どういうこと!?」
アザゼルの言葉に驚くセラフォルーとリアス。
「俺の名はヴァーリ・ルシファー。死んだ先代魔王の血を引く者。前魔王の父と人間の母との間に産まれたハーフなんだ」
ヴァーリから告げられたその事実に、ほとんどの者が驚愕の表情となる。
「そうか。人間との・・・私たちが知らないわけだ」
「真の魔王が血縁でありながら、半分人間であるが故に、偶然にも『白い龍』を宿すことができた。全く、冗談みたいな存在だよお前は」
「奇跡という言葉は、俺のためにあるのかもな」
そう言いながら、ヴァーリは光の翼の後ろに何枚もの悪魔の翼を生やして見せる。
「こいつは過去と現在、そして未来においても、最強の白龍皇になるだろう」
アザゼルがそう呟いた途端、動き出したのは龍牙だった。
「面白れぇ。最強の白龍皇か・・・相手にとって、不足はねぇな」
龍牙は笑いながらヴァーリの前に立つ。
「強い奴と戦いたいんだろ?なら、俺と殺り合おうぜ。俺は十天師でテメェは潰すべきテロリスト。戦う理由としては十分過ぎるだろ」
「そうだな。コカビエルの時も、その後も、ずっと君と戦えなかったからな。ここで雌雄を決しよう・・・それにしても、君も中々数奇な運命に合っているじゃないか」
「あ?」
突然自身のことを言われて、龍牙は疑問を浮かべる。
「君のことを少し調べさせてもらったよ。何でも、君と四宮聖良は親に捨てられたらしいな」
「え!?」
ヴァーリの言葉に、聞いてた一誠は驚きながら龍牙を見る。
当の本人は明らかに不機嫌な顔をしており、近くで聞いてた聖良は顔を俯かせていた。
「親に捨てられた君たちは、その後最強の退魔師を育成する研究所で育てられ、そこで殺し合いの毎日を送った。生き残る為に同胞たちを殺し、薬物を摂取され続けた君たちは、人間を超えた肉体と殺しの技術を得た・・・中々波乱に満ちた人生じゃないか。君が始原の龍に選ばれたのも納得だ」
「・・・よし分かった。白龍皇、テメェは俺が直々に殺してやるよ」
笑いながら言う龍牙だったが、その体からはあらん限りの闘気と殺意が溢れ出ていた。
ヴァーリは満足そうにしながら、視線を一誠の方に移した。
「しかし、運命は実に残酷だ。俺や無六龍牙は壮絶な人生を歩んでいるというのに、兵藤一誠だけは普通の人生ときた。つまらない、あまりにもつまらなすぎて笑いが出たよ」
「なんだと!?」
いきなり話を振られた上、自分の人生をつまらないと言われ、不機嫌になる一誠。
龍牙もまた、一誠を見ながら彼を小馬鹿にするような顔をする。
「なるほどな。お前とあの赤ガエルのオーラに違いがあり過ぎると思ったら、どうやら悪魔になるまでは、何も知らねぇモブだったってことか」
「そうだ。俺たちと彼の間には天と地以上の差がある・・・そこで、こういう設定はどうだ?」
間をおいて、ヴァーリは一誠に告げた。
「俺が君の両親を殺し、君は復讐者となる」
「なっ!!?」
その発言に一誠は驚愕の表情となる。
「親を俺のような貴重な存在に殺されれば、多少は重厚な運命に身をゆだねられると思わないか?君の両親だって、老いて普通に死んでいくつまらない人生より、そっちの方がよっぽど劇的だ」
一誠の様子を気ともせず、ヴァーリは淡々と喋っていく。
すると、傍で聞いてた龍牙は高笑いした。
「ハハハハハ!そいつは良い!こんな力を持っただけのはた迷惑な異形を産んだんだ!死んで償わねぇといけねぇよなぁ!?」
「な、なんてことを・・・!」
「あんのクソ馬鹿・・・!」
二人の悪魔のような考えに、アーシアは震えており、陸兎は仮にも十天師という重い立場にいるにも関わらず、許可なく一般人を殺害しようと企む同僚に悪態付く。
そんな中、家族を殺すと言われた本人は、静かな怒りを燃え上がらせていた。
「殺すぞ、この野郎」
初めて会ってから、さぞ聞いたことがない低い声に、戦慄するグレモリー眷属。
「重厚な運命?償う?父さんや母さんがテメェらになんかしたのかよ?なんで・・・なんで、俺の父さんと母さんがテメェらの都合に合わせて殺されなくちゃならねぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!」
『
一誠の怒りに応えるように、『赤龍帝の籠手』が光り輝き、瞬く間に一誠の体を包んだ。
光は一誠の体を纏い、全身を赤い鎧に変えていった。
やがて光が止むと、彼は禁手化の姿となり、力強く宣言した。
「テメェらなんかに、親を殺されてたまるかよ!!」
体から強力なオーラを放出させる一誠を見て、ヴァーリは嬉しそうに笑う。
「見ろアルビオン!兵藤一誠の力が桁違いに上がったぞ!」
『神器は強い想いを力の糧とする。純粋な怒りがお前と始原の龍に向けられているのさ。それこそ、ドラゴンの力を引き出せる真理の一つだ』
「そう言う意味では、俺より彼の方がドラゴンと相性がいいというわけか」
白い龍アルビオンとの対話で納得するヴァーリ。
一方、龍牙もまた、一誠の強大なオーラに怯む様子はなく、笑みを浮かべながら喋る。
「なるほどな。龍を宿してるだけあって、パワーは並みの雑魚悪魔よりあるようだな・・・なら、こっちも少しガチでいくかぁ!」
そう言った直後、龍牙はドン!と地面を力強く踏んだ。
「霊力展開!『
龍牙の足元に龍の紋様が描かれた陣が展開され、そこから霊力の柱が空まで上がり、中心にいた龍牙を包み込む。
一誠たちはこの光景を見たことがある。嘗てコカビエルと戦った時に陸兎がやった技だ。
やがて柱が消えて、柱の中心にいた龍牙の体を白い靄のようなものが纏っていた。
バハムートの黒と霊力の白、二つのオーラが混ざり合い、彼の周囲を異質な空気が包む。
「お前、さっき言ったよな?俺を殺すって・・・」
緊迫した空気の中、龍牙は手をピストルのような形にして、ゆっくりと一誠の方に向ける。
「っ!?」
次の瞬間、背筋がゾクッとし、一誠はほぼ無意識に体を逸らした。
ズドーン!
そのコンマ一秒、彼がいた場所の後ろで激しい衝撃が起こり、校舎の一部が破壊された。
「な、何!?」
「今のはいったい!?」
リアスと木場が驚きの声を上げる。他のグレモリー眷属やソーナと椿姫、イリナも驚愕の表情となっている。
一誠は驚きながら龍牙を見ると、彼の指先から霊力が煙のように上がっていた。
龍牙は『異能殺し』の力で指先に溜めた霊力をピストルのように撃ったのだ。もしも、咄嗟に体を逸らさなかったら、一誠は霊力の玉に撃ち抜かれていただろう。
こちらを警戒しながら見てくる一誠に、龍牙は力強く言った。
「やれるもんならやってみろ!本物の殺しがどういうものか、その薄汚ねぇ体に刻んでやるよ!」
「え?この章での俺の戦闘シーンこれで終わり?俺、この小説の主人公だよね?皆にチヤホヤされて、ライバルと熱い戦いを繰り広げる存在だよね?なんで、原作主人公と原作主人公のライバルとオリキャラの三つ巴の戦いを枠から見物するキャラに成り下がってんの?確かに、前回の話で大活躍してたけどさぁ。主人公なんだからこう、もっと出番あっていいと思うの。そもそも、なんで
ありません!
陸兎の戦闘シーンは今章ではもうないです。ここからは一誠VSヴァーリVS龍牙の三つ巴の戦いになります。