ハイスクールD×D 銀ノ魂を宿し侍   作:イノウエ・ミウ

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全国数万人のサーゼクスファンの皆様、大変お待たせしました。遂に待ちに待った魔王様回です。
尚、吹いたらコキュートス行きの刑です。


接待は時に運も必要となる

和平会談が終わり、夏休みが近づいてるこの日、オカルト研究部に一つの依頼が届いた。

 

「キャバクラの助っ人、ですか?」

 

「えぇ、なんでも、今度予約してる客がとんでもないVIPで、それに臆した従業員が逃げ出したらしいの。それで、うちと契約してる店長さんが助っ人を頼めないかって」

 

一誠に依頼内容を説明するリアス。

その近くで説明を聞いてたアーシアが陸兎に聞く。

 

「キャバクラってなんでしょうか?」

 

「女が男を誘惑して、ありったけの金と男の純情を奪う魔性の戦場だ」

 

「な、なんて危険な場所・・・!」

 

「ほとんど間違ってないけど、アーシアにいらん知識を与えるな」

 

陸兎の過剰な説明に呆れながら、一誠はリアスに問い掛ける。

 

「それで部長、この依頼受けるんですか?」

 

「勿論よ。依頼を受けた以上、グレモリーの悪魔として断るわけにはいかないわ」

 

「ほう・・・ってことは、部長たちのキャバ嬢の姿を拝めると・・・」

 

リアス達の(無駄に胸が目立つドレスを着た)キャバ嬢の姿を想像し、テンションが上がる一誠。

 

「よっしゃー!いっちょやってやるぜ!」

 

「あらあら、張り切ってますね」

 

「相変わらずですね・・・でも、依頼となら、断るわけにはいきません」

 

「キャバクラですか・・・どんなお仕事なんでしょうかね?」

 

「なんにせよ。やるからには全力だ!」

 

「ぼ、僕も頑張ります!」

 

一誠に続き、朱乃、小猫、アーシア、ゼノヴィア、ギャスパーとオカルト研究部の面々が次々とやる気を見せる。

その様子を見て、リアスは満足そうに微笑みながら部員全員に言った。

 

「それじゃあ!早速依頼されたお店に行きましょう!」

 

『おー!!』

 

 

 

 

そして、依頼された店へやって来た陸兎たちだったが・・・

 

「さぁ皆!オカルト研究部全員参加の大仕事よ!気合い入れて行きましょう!」

 

「いや、ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ!!」

 

各々が着替えて、リアスが準備完了と言わんばかりに喋った途端、一誠が全力で叫んだ。

 

「まずは部長を始め、女性陣の皆さん!キャバ嬢の姿が素晴らしいです!一生見てられます!そして、ギャスパー!お前もドレスを着てるのは・・・まぁ普段から女装してるし、キャバ嬢の姿になっているのは百歩譲って理解できる!・・・しかし!なんで俺や木場と八神も女装して、しかもバスタオル巻いてるだけってどういうことですかぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

女性陣やギャスパーがそれぞれ色とりどりのドレスに身を包んでいる中、男三人の服装はタオルを一枚体に巻いただけという何とも寒そうな恰好であり、頭にかつらを被っただけの雑な女装までしていた。

自分や陸兎と木場の服装に異議を唱える一誠。

そこに、今回の依頼主である店長(男)が申し訳なさそうに口を開いた。

 

「いやーすまないね。何せうちは女性従業員しかいなくてね。男用のスーツが一着も無いんだ。オマケに、手伝ってくれる子がこんなにたくさん来てくれるとは思わなかったから衣装が足りなくてね・・・」

 

「安心しなさいイッセー。バスタオルは古来から男を誘う悪魔の布と言われているのよ。タオルとは違うのよタオルとは」

 

「バスタオルにそんな由来あるわけないでしょう。バスが付いただけで、グフにはなれませんから」

 

リアスの訳分からない発言に、三つ編みのかつらを被った一誠がツッコミを入れる。

すると、白髪のかつらをツインテールにしている陸兎と金髪のロングヘアかつらを被った木場が一誠の肩をポンっと置きながら話しかけた。

 

「腹括れ。今の俺らは都会の遊郭に迷い込んだソープ嬢だ。逃げ場なんて存在しねぇ。大人しくテメェの小せぇバベルの塔を捨てろ。イッセー子、木場美」

 

「誰がイッセー子だ!俺のバベルはまだ健在だ!そう簡単に折れてたまるかよ!」

 

「アハハハハハ・・・まぁ、こうなってしまったし、僕らは僕らのできる範囲で頑張ろう、イッセー子君」

 

「お前までイッセー子って言うんじゃねぇ!後ろに子を付けりゃ、誰でも女になるわけじゃねぇんだよ!」

 

すっかり営業モードになった二人に、一誠は再度ツッコむ。

その時、この店の男性店員が急いでいる様子で店長に声を掛けた。

 

「店長!例のお客様がご到着しました!」

 

「そうか。今からお客様を迎え入れる。すまないが、何人か付いて来てくれないかね?」

 

「分かったわ。私たちで出迎えてあげましょう」

 

リアスがそう言うと、オカルト研究部の女子は店長の後に続いて店の外に出た。

 

「どんな人だと思う?この店に来る偉い人」

 

「さぁ、部員全員で助っ人頼まれたんだから、相当偉い人なんじゃないか?」

 

「うぅ・・・緊張してきました」

 

「しっかりしろギャー子。今の俺らはキャバ嬢。男を惑わて金をふんだくる魔性の女になりきるんだ。ちなみに、俺のことは天パー子と呼べ」

 

残った男子たちが軽く話しながら待っていると、入口の扉が開き、リアス達とその後ろにお客様と思わしき人物が入ってきた。

 

「ほう、ここがキャバクラという場所かい。アザゼルに勧められて来てみたが、中々楽しそうな場所じゃないか」

 

そう言いながら、店に入ってきたのは、赤いスーツを着た紅髪の男。ついこの間まで三大勢力の和平会談に悪魔のトップとして参加しており、一誠たちにとっては非常に馴染みのある人物。

そう、冥界を治めし魔王の一人、サーゼクス・ルシファーその人だった。

予想だにしなかった大物の登場に、陸兎と一誠は心の中でこう叫んだ。

 

「「(魔王かよォォォォォォ!!)」」

 

 

 

 

まさかの客だったが、ひとまずは店のソファーに座る一同。

ソファーの真ん中にサーゼクスが座り、彼を挟むようにリアスと朱乃が座っており、朱乃の隣に女子たちが、リアスの隣に女装した一誠を始め、同じく女装した男子たちが座っている。

リアスがサーゼクスのグラスにワイン(割と高めなやつ)を注ぎながら質問する。

 

「お仕事は何をされているのかしら?」

 

「私は冥界を治める魔王の一人、サーゼクス・ルシファーだ。だが、魔王だからといって気を遣わなくていい。気軽にサーちゃんと呼んでほしい」

 

「まぁ!私のお兄様と同じ名前なのね!冥界というお店に野草を納めているなんて、とても大変そうですね」

 

「そうでもないですよ。ついこの間、大切な会談があって、トラブルこそ起きましたが、最終的に上手くいきましたから。しかし、貴女は私の妹に似てますね。特にその美しい紅髪」

 

「そういう貴方も、私のお兄様そっくりだわ。でも、流石のお兄様でも、キャバクラには来ないと思うわ」

 

「(えぇー!部長!その人貴女のお兄さんですよね!なんで気づかないの!?)」

 

「(魔王様もなんで普通に話してんだよ!その人そっくりさんじゃなくて、あんたの妹そのまんまだよ!)」

 

兄妹であるにも関わらず、お互い気づいてないのか赤の他人かのように話すリアスとサーゼクスに、一誠と陸兎は心の中で叫ぶ。

というより、陸兎と一誠以外は誰一人気づいた様子がなかった。まぁ、悪魔のトップであるサーゼクスがこんな風俗店に来るとは誰も思っていないだろう。サーゼクスもサーゼクスで、リアスがキャバクラで働いているとは思っておらず、精々そっくりさんだろうとしか思っていなかった。

そんな二人の焦りなど知らず、周りは楽しそうにサーゼクスと話していると、店長が手に複数の棒を持ちながらやって来た。

 

「いやはや、大分盛り上がってきたことですし、ここは一つ、魔王様ゲームでもしましょうや!」

 

「魔王様ゲーム・・・それはどういった遊びですか?」

 

「この棒には魔王様と各々の番号が書かれています。棒を引いて、魔王様を引いた人は番号を指名して、その番号の人に好きな命令を下して、指名された人はそれを実行する。まぁ、王様ゲームみたいなものですね」

 

説明しながら棒を差し出そうとする店長を一誠が呼び止めた。

 

「それなら、俺・・・じゃなくて、私が棒を持ちます。わざわざ店長が持つ必要はありません」

 

「おう、気が利くね」

 

笑みを浮かべる店長から棒を受け取る一誠。

その際に魔王様の棒だけ分かりやすくように前に出した。

 

「(よし!後はサーゼクス様に魔王様の棒を引かせるだけ。さぁ、サーゼクス様!この棒を引いてください!)

 

そう思いながら、一誠は魔王様の棒をサーゼクスに差し出そうとしたその時

 

『っ!!!!』

 

「ちょ、えぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

アーシアを除く女性陣が一斉に飛び出して、壮絶な棒の取り合いを始めた。

棒を持っていた一誠は、その勢いによって吹き飛ばされ、床に転がってしまった。尚、女性陣の近くにいた店長も吹き飛ばされ、そのまま気絶した。

一誠はすぐさま手元を見るが、あの一瞬でリアス達が引いたのか棒はほとんど無かった。

 

「(あ、あの一瞬で・・・ま、魔王様の棒はどこに・・・!?)」

 

「あ!あたし魔王様だわ」

 

そう言って、魔王様の棒を見せたのは陸兎だった。

その様子を見て、一誠は心の中で安堵する。

 

「(流石八神!空気を察して、いち早く魔王様の棒を引いてたのか!でも、八神が魔王様じゃ意味が・・・)」

 

「それじゃあ・・・4番の人、下着姿になってくれるぅ?」

 

「(おぉ!この命令なら、サーゼクス様も満足するし、俺らも女子の下着姿が見れて一石二鳥!)」

 

陸兎の一石二鳥な策略に歓喜する一誠。

そんな中、4番を引いた人物が服を脱いで下着姿になった。

その人物は・・・サーゼクスでした♪

 

「「(魔王かよォォォォォォ!!)」」

 

陸兎と一誠が心の中で叫ぶ。

赤いスーツを脱いだサーゼクスは、パンチ一丁で。しかも、もっさりブリーフでソファーに座っていた。

 

「ヤベーよ、なんで4番引いてんだよ馬鹿魔王。しかも、よりにもよって、もっさりブリーフだよ。恥の上塗りだよ」

 

「グレモリー家男子は代々もっさりブリーフ派だ」

 

「ヤベーよ、聞こえてたよ。しかも、一家の男子揃って毎日もっさりライフだよ」

 

グレモリー家の衝撃の事実に驚きながらも、陸兎と一誠はこの状況どうにかしようと考える。

 

「とにかく、早くあのパンツ一丁から元の姿に戻さないと、俺たち打ち首コキュートス行きだぞ」

 

「俺かお前が魔王様の棒を引いて――」

 

しかし、二人がそんなことを考えている間にも、魔王様ゲームは進行していた。

 

「お!今度は僕が魔王様だね」

 

「――って、いつの間にか二回戦始まってるぅ!」

 

一誠が驚いている中、魔王様の棒を引いた木場は少し考えてから口を開いた。

 

「それじゃあ・・・3番の人がこの中で一番寒そうな人に服を貸してあげるのはどうかな?」

 

そう言うと、木場は陸兎と一誠の方にウインクをした。

 

「(木場美ぃ!お前分かってるよ!マジでスゲーよ!プロのキャバ嬢だよ!)」

 

一誠が木場のファインプレーに感激する中、3番を引いた人が命令を遂行した。

その人物は・・・またもやサーゼクスでした♪

 

「「(魔王かよォォォォォォ!!)」」

 

ブリーフを脱ぎ(脱いだブリーフはギャスパーが頭に被っている)、股下の'魔王'を丸出しにするサーゼクス。

 

「ヤベーよ、小説だから読者には見えないけど、股下にモザイク付いちゃったよ。しかも、'あっち'の方は足軽だよ魔王」

 

「グレモリー家男子は代々、'あっち'の方は足軽だ」

 

「ヤベーよ、聞こえてたよ。これ100%打ち首コキュートス行きだよ」

 

足軽のサーゼクスを見ながら陸兎が喋っていると、ギャスパーが顔を顰めながら頭に被っていたブリーフを脱いだ。

 

「すみません。臭いがキツいから脱ぎますね。凄く臭いですし・・・」

 

「(ちょっと!サーゼクス様涙目になってるよ!明らかに泣いてるよなあれ!)」

 

自分のブリーフを散々に扱われ、涙目になるサーゼクスを見ながら一誠が心の中で叫ぶ。

 

「(クソっ、こうなったら、もう逃げるしか――)」

 

「あ、今度は私が魔王ですね」

 

「――って、また勝手にやってるし!」

 

そんなことを考えている間にも、魔王様ゲームは続いており、魔王様の棒を引いた小猫が命令を下さい。

 

「それでは・・・5番の人、お客様用のブリーフを買って来てください。正直、見てられないです」

 

「(小猫ちゃ~ん!この明らかにアウトな空気を察知していたんだな!流石だよ!)」

 

一誠が小猫のファインプレーに感激する中、5番を引いた人が命令を遂行した。

その人物は・・・やっぱりサーゼクスでした☆

 

「「(やっぱり魔王かよォォォォォォ!!)」」

 

陸兎と一誠が心の中で叫ぶ中、サーゼクスは生まれたての姿で、足軽な魔王の魔王をぶらんぶらんさせながら店を出ていった。

 

「まずいぞ!魔王様、足軽のまま外に出たぞ!」

 

「追いましょう部長!流石に全裸はマズいですよ!」

 

「そ、そうね!皆、追いかけるわよ!」

 

陸兎と一誠の言葉に、流石のリアスも事の重大さに気づき、眷属に声をかけながらサーゼクスを追いかける。

全裸で町中を走り回る魔王とそれを追いかけるキャバ嬢集団。

当然、そんな恰好で走り回っていれば、自然と町歩く人々の目に付く。

 

「か、会長!今のって、魔王様ですよね!なんで全裸になって走ってるんすか!?」(←驚く匙)

 

「・・・ごめんなさい匙。私は何も見てないわ。サーゼクス様と何故かキャバ嬢になって追いかけているリアスなんて・・・」(←死んだ目をするソーナ)

 

「アハハハハハ!陸兎!随分と愉快な恰好をしてるじゃないか!」(←爆笑する剣夜)

 

「笑い事じゃないですよ。何やってるんですかあの人達は・・・」(←呆れる麗奈)

 

「おい!見たか今のイッセー子(三つ編みの子)!めっちゃ可愛かったよな!しかも、ソープ嬢!大胆過ぎて惚れちまったぜ!」(←中身が一誠とは知らず、イッセー子に一目惚れした元浜)

 

「元浜もか!?よし!どっちが先にあの娘に告白できるか競争だ!」(←同じく一目惚れした松田)

 

「え?なにあれ?主のお祈りに行こうとしてたら、パンツ一丁の男の人が通り過ぎたんだけど・・・しかも、ゼノヴィアにアーシアさん!?悪魔になって、主よりも変質者を信仰するようになったのね(涙)」(←号泣するイリナ)

 

「今の・・・魔法少女ミルキーに出てくる幹部、変態パン一君よね!サーゼクスちゃんも大胆なコスプレをするのね☆」(←嬉しそうにするセラフォルー)

 

「(サーゼクス!なんで裸!?でも、裸も魅力的♡)――じゃなくて!なんて恰好をしてるんですかサーゼクス様!と、とりあえず早く追わないと!」(←顔を赤くしつつも追いかけるグレイフィア)

 

人間、悪魔問わず、駒王町にいる人々が全裸で走るサーゼクスとそれを追いかける陸兎たちを目撃し、様々な反応をするのであった。

 

「やれやれ、随分と賑やかな夜だこった。人間も妖怪も悪魔も、どいつもこいつも楽しそうに馬鹿騒ぎしやがって・・・」

 

そして、そんな町の様子をアザゼルは高いビルの屋上から眺めていた。

夜でも騒がしい駒王町を微笑ましく眺めながら、アザゼルは呟いた。

 

「ホント、退屈しねぇな。この町は」




<オマケ>
キャバ嬢男子たちの軽い紹介
・天パー子
陸兎のキャバ嬢姿。銀さんのように天然パーマ混じりのツインテールかつらを被っている。服装もバスタオルを体に巻いただけのソープ嬢スタイル。

・イッセー子
一誠のキャバ嬢姿。自分と同じ髪色の三つ編みかつらを被っている。銀魂で言うと、ソープ嬢となった新八のような髪型。当然、服装もソープ嬢。

・木場美
木場のキャバ嬢姿。元の金髪にこれまた同じ金髪でサラサラヘアーのロングかつらを被っている。こちらも巻き込まれる形でソープ嬢。

・ギャー子
ギャスパーのキャバ嬢姿。元から女装男子なので特に変化なし。服装もソープ嬢ではなく、普通にドレスを着ている裏切り者


というわけで、将軍かよォォォ改め、魔王かよォォォ回でした。この小説を書き始めてからやりたいと思ったネタをやれて、私としても満足です。当然ですが、この先の話でもサーゼクス様は将軍のような扱いを時より受けることになります。基本的に幕間でやりますが、稀に本編でもやるかも?
この後は第3章~第4章に登場したキャラ紹介を行い、ハイ魂は一旦の休止になります。
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