スローライフしたかった黄金騎士   作:ユーザーU

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やっと、村が見えて来た。

 

足が痛い。

 

でもそんな事はどうでもいい。

 

リルアを考えると涙が出そうになる。

 

だから、もっと速く……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ」

村まで後少し、ホントは牙狼を纏って病院の崖まで飛びたいけど今召喚すれば体力的に気絶する。

村の大きな木造の簡素な門を通ると村の皆が一斉にこっちを見てきた。

「速く!!」

ロン爺が今まで聞いた事も無い覇気の有る声で俺に叫んだ。

「うん」、自分でもちゃんと言えたか必死すぎて分からないがそう言って返事した。

崖の前に着くと、明かりの点いた病院が見えた。

「すぅ……!!」

息を深く吸うと崖をかけ上がった。

呼吸もしないまま崖の上に着くとさすがに限界が来て必死に息を吸い込んだ。

もう目の前だ。

ドアを乱暴に開けて急いでヤツが薬と呼んだ物をポケットから取り出した。

「先生!!」

中にはコロとルナぐらいの年のポニーテールをした女性が居た。

「せっセルヴィぃ…!!」

泣きそうな声でコロが口を開いた。

「先生は!?」

そう言うとコロはカーテンのかかったルナのベッドを見た。

その目線を追って俺もベッドに目を移した。

「セルヴィが来たのか!?」

その声が聞こえるとカーテンの中から先生が現れた。

先生の姿が見えた瞬間、俺はまるでそのまま倒れこむような足取りで先生へ近寄った。

「これを…!!」

薬を先生の手に無理矢理握らせるように渡すと先生の顔をまるで懇願するように顔覗き込んだ。

「これは……まさか…!?」

先生はこれが何なのか知っているような、驚きや混乱が入り交じった表情を見せた。

「お願いします」

そう言った後、急に目眩が襲って来て床に手をついた。

そして先生は何も言わずカーテンの中へ入った。

変わらず目眩は俺を襲い続け、意識が持って行かれそうになる。

「あぁあ!!……クソ…こういう時に限って…」

 

小声で文句を言うとそのまま俺は気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ベッドの上でシュイ先生から伝えられたのはルナの容態は安定した事。

そして、現在の状態から予想するともうすぐ目を覚ますという事だった。

 

自宅

 

「…おい、ザルバ」

自宅の天井を見つめながらそう呟いた。

「なんだ?」

ザルバの不機嫌そうな声が隣から聴こえる。

今日家から帰って来たらベッド横の小さい棚の上にザルバを置く為の骸骨の胴体見たいな台座と赤い目のような飾りが中央に付いている禍々しさを少し感じさせ、下側には 紐の先にアクセサリーが付いた金色のジッポタイプのライターがあった。

そしてザルバは今はその台座の上だ。

「いつになったら起きるんだろうなぁ」

「さあな」

俺の無気力でまるで独り言のような問いかけにつまらなそうに即答した。

「あのなー、ちょっと昔話していい?」

「昔話?」

不思議そうな反応は無視してそのまま話を始める。

「俺とルナは変わった育てられ方をしててさ、小さい頃は村の人達が毎日かわりばんこで面倒見て貰ってた…」

「なんでだ?」

ザルバも興味を持って来てくれたのか知らないが、反応が良くなって来た。

「そりゃあね…ルナは親が行方不明、俺は村の門の所に赤ちゃんの時にかごの中に入った状態で置いてあったらしいよ?」

「なら、誰かの養子に何故ならなかったんだ?」

「村がちょうど軽く貧しい時だったから全員でかわりばんこになったらしい、だから俺の名前は村の人達が考えてくれた、そしてそんな事の後さらにたまたまルナも俺が来たのと同じ月に親が行方不明になった」

「幼なじみの上に境遇とか育ちかたも似てる、だから仲が良くていつも一緒だった」

ザルバからの質問に答えると少しだけ口を閉じた。

「だから、頑張れる」

そう言った時にドドドドッドンとリズム良くドアがノックされた。

 

「……は?」

俺の様子が尋常ではないことに気づいたのかザルバが口を開いた。

「どうし「ここに居ろ」

ベッドから飛び起きるとドアを凝視した。

「そもそも俺様は動けない」

嫌味の声が飛んで来るがそんなのは無視してドアに近づいて行く。

ドアノブに手をかけ、開けた。

「おはよ!!」

いつものように元気に挨拶するルナの腕や足、そして首には火傷の跡がクッキリとあるがこの時は罪悪感よりも嬉しさが強くてニヤニヤしていた。

「よかった…やっと起きた……」

「その…ごめんね」

「ありがと、俺の所に来てくれて」

「えっ?」

 

「ありがとう」

今度はちゃんと、普通に笑えたと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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