異世界から原初の神も来るそうですよ?   作:黒銀レイア

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少し遅くなってしまいました。すみません

 お気に入り登録が11件もあって驚きました。期待に応えられるようにがんばります!


黒ウサギの登場だそうですよ?

「で、さっきから黙りを決め込んでるオマエは?」

 

 

(さてさて、何て答えたものかな?)

 

(う~ん。ボクの神名(まな)を名乗ってもいいけど、それじゃあ面白くないし、地球(げかい)に降りるときの偽名でいいかな)

 

この間、僅か1秒程度である。

 

「ボクは冥。崩條(ほうじょう) (めい)だよ、冥って読んでくれたまえ、不良くん?」

 

 自身の偽名から本当の名にたどり着けるかな?という意味を込めながらそう名乗るのだった。

 

「そう。よろしく冥さん」

 

「ヤハハ、俺は不良じゃないぜ。」

 

「いえ、不良でしょう?」

 

 

心からケラケラと笑う十六夜。

 

傲慢そうに顔を背ける飛鳥。

 

我関せずと無関心を装う耀。

 

ニコニコと愉しげに辺りを見回す冥。

 

 

 そんな彼らを物陰から見つめる怪しげな人物が一人。

 

(うわ~、なんだか一癖も二癖もありそうな方ばかりですねぇ。……いえ、だからこそ)

 

 わりと失礼なことを考ているこの人物こそ、彼らを呼び出した張本人なのだが、召喚された彼らが協力する光景が想像できず憂鬱そうにため息を吐いたのだった。

 

 

「それで、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねぇんだよ」

 

「そうね。説明なしじゃ動きようがないもの」

 

「……この状況に落ち着きすぎているのもどうかと思う」

 

「キミがそれを言うかい?」

 

(全くです!慌ててくれないと出て行けないではないですか)

 

 物陰に隠れた(隠れているつもりの)人物はこっそりとツッコミを入れた。

 

(はぁ、悩んでいても仕方ないデス。これ以上不満が噴出する前に腹を括りますか)

 

「仕方がねぇな。そこに隠れてる奴にでも聞くとするか」

 

 覚悟を決めて、いざ出ようと思っていた黒ウサギはビクッと震えて再び物陰に隠れた。

 

「あら?貴方も気づいていたの?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ。そこの猫を抱えた奴も、じろじろ辺りを観察してるオマエも気づいてるんだろ?」

 

「……風上に立たれたら嫌でも分かる」

 

「あれで隠れてるつもりだったのかな?」

 

「へぇ、面白いなお前ら」

 

 ビクビクと震えながら出てきた黒ウサギは皆の様子を伺いながら懇願する。

 

「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?えぇ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「なるほど、今日はウサギ鍋だね!」

 

「あっは、取り付くシマも無いですね♪

って、最後の方、恐すぎなのですよ!?」

 

 黒ウサギはバンザーイと両手を上げて、降参のポーズをした。 

 

(肝っ玉と勝ち気は及第点といったところ。この状況でNOといえるとは……まぁ、扱いにくいのは難点ですが)

 

 黒ウサギが冷静に四人を値踏みをしているところに忍び寄る影が一人。

 

「えい」

 

「ふぎゃっ⁉︎」

 

 黒ウサギに近づいた耀は彼女の耳を思いっきり引っ張った。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!?触るまでなら黙って受け入れますが、いきなり黒ウサギの素敵耳を引っこ抜きにかかるとはどの様な了見ですか!?」 

 

「好奇心の為せる技」

 

「自由にも程があります!!」

 

 耀は黒ウサギから離れたがそこを狙う十六夜と飛鳥。

 

「へえ、このウサ耳本物なのか」

 

「じゃあ私も」

 

「ちよっとお待ちを!?そこの方も助けて下さ……って、寝ている!?」

 

「………くぅ…くぅ……」

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「あ、あり得ないのですよ、まさか落ち着いて話を聞いてもらうまでに一時間もかかってしまうとは。学級崩壊とはこのようなことを言うに違いないのです」

 

「いいんじゃない?ボクたちは楽しめたんだし」

 

「あなたは寝ていただけじゃないですかー!?」

 

 

 黒ウサギの嘆きが響き渡るのだった。

 




こんな感じでいいのでしょうか?
 こうした方が良いよなど、アドバイスや感想などお待ちしております。

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