*1-1-9での安晴さんの名前ミス指摘ありがとうございました。
マジで見逃してたしIMEの名前登録が間違ってた……フルネーム登録では合ってたのに苗字名前別変換……。
<Chapter1-1-10-Y>
「あの、男の義務は二倍になるのに権利は半分になるっていう!?」
「その結婚で間違ってはないと思うよ。 酷く悲観的だけど。」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ彼へ、冷たい視線を向けていました。
(彼と……結婚?)
お父さんに呼ばれ、玄十郎さんの後を付いて行って。
そこで紹介されたのは、叢雨丸……ムラサメ様の主になったという、
ムラサメ様の仰られる事を疑うわけでは有りませんが。
それでも、今まで誰も抜けなかった神刀を抜いたということは未だに信じられずに。
けれど、その証拠が床にある。
「お父さん、一体何を……け、結婚だなんて!」
「芳乃も今、将臣君をこのまま帰すわけに行かない事には同意してくれただろう?」
「それは、そうですが……。」
土地神様から授けられた神刀、叢雨丸。
そして、その対処が出来るのは私と――――。
だから、他の人は巻き込めない。
巻き込みたくない、私がするべきことだから。
お母さんを悲しませた私こそが。
終わらせなければならない事なのだから。
「それに、今の芳乃には必要だと思うんだ。」
「意味が分からないから!」
「親の心子知らずってやつかなぁ。」
お父さんが私のことを心配してくれているのは知っている。
でも、その心配から怪我を
祓って、祓って。
いつかは終りが来ると信じて、祓い続ければきっといつかは。
「とにかく将臣君、そういう事でお願いできるかな?」
「ちょっと、お父さん!」
私への話はそこで終わり、とばかりに切られてしまう。
有地さん……少年とまだ話すことがあるのだと告げて。
(担い手になったって言っても……!)
今日巻き込まれたばかりの少年に頼って何かが解決するとも思えない。
日々が大怪我や、下手をすれば死ぬことだってあるお役目に巻き込みたくもない。
それをしなければいけないのは、朝武の血筋の私の役割。
そう自覚した時から、ずっとずっと続けてきたことなのだから。
(――――でも。)
ずっと昔、言われたことを思い出す。
あの時だけ出会った、通りすがりみたいに去っていった少年。
まだ、お役目の重さを理解していなかった頃。
まだ、今のような関係になる前。
口には決して出さなかったのに、何かを察して言ってくれた言葉。
『なにかつらいことがあったら、おれがたすけてやる!』
そんな、子供だからこその言葉。
でも、その時はその言葉に救われた。
何も求めずに、ただ辛そうだから、と。
そんな私を思ってくれる、心に救われた。
(――――あの人は、今何処にいるんだろう。)
私の事を知って、助けてくれるのだろうか。
他の誰かを助けていて、すっかり私のことなんか忘れてしまったのだろうか。
それは……何故か。
とても
そういえば。
彼の髪の色は……少年のモノと似ているな、と。
無意識の中で、そう思った。
<Chapter1-1 End>