恋心、想花の如く。   作:氷桜

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オヒサシブリデース。
ラキスケなど知らぬ、そんな回。


<Chapter2-5-7>

 

<Chapter2-5-7>

 

そんな事(けいしょく)を済ませながら少し。

食事に集中することも出来ず、さりとて目の前の魚を残すわけもなく。

普段よりもやや長めに掛かった時間を経て。

街中を散策しながらも1つ2つと雑談――必要なモノを買うのに最短で回れるルートとか――を相談しつつ。

時計を確認すれば、そろそろ向かって良さそうな時間帯に近付いていた。

 

「そろそろ、かなぁ。」

「ええっと……あ、そうですね。」

 

ゆっくり行くには丁度良いです、と呟いて。

……普通に歩いて少し前に着くかな、と思っていた俺の想定を上回る発言。

 

田舎だから足腰が強いのか。

或いは忍者だから移動速度が凄いのか。

でも忍者で移動速度ってあんまり聞かない気がする。

上下方向への移動……高度を活かした動きとかは何だかんだで創作でも見かけるものだけど。

ちらり、と下半身へと目線を向けて。

気付かれないように目線を戻した。

 

「?」

 

首を傾げられつつも、横に並んで歩き出す。

大通りから少し外れた、案内をされながらに通るような道。

この混み具合なら此処を曲がったほうが。

この道を通ると丁度あの辺りに出るんです。

そんな解説をされながらに、普段とは違う道を進んでいく。

 

()()……都会とはまた違う街の造成。

慣れてきた、とは言いつつも。

見知らぬ道が直ぐに顔を出し、それ自体に興味を惹かれる。

 

「どうかしましたか?」

「いや、何となく。 あの辺の道とか気になって。」

「道が、ですか?」

 

指差した方向(みち)に目を向けて。

極当たり前の様子で、先程のように首を傾げる。

この考え方も多分、地元に居続けているなら分かりにくいものなのだろうか。

 

「何処に繋がってるのか、何処を通れば近道できるのか。 そういう考え。」

 

ああ、と言葉を紡ぎ。

何というか、子供を見るような目で見られて少し変な感情を抱く。

 

「何その目。」

「いえ、特に。」

 

ついつい言葉も尖ってしまう。

目は口ほどに、なんて言葉があるように。

口にしないまでも、示す意思が伝わるように何となく通じる。

もどかしくて、同時になんだか――――。

 

「……まあ良いよ、分かりにくいとは思うし。」

 

そんな言葉と合わせて、頭の中の思考を一度切って。

改めて前を向き直し。

 

「ど、どいてくださーい!」

 

「……へ?」

「え?」

 

二人で同時に呟いた……ような、気がする。

声色は先程向けていた方向と真反対からで。

そちらを向けば、見知らぬ顔をした誰かがこちらに向かって走って――――。

 

「将臣さんッ!」

 

その時に取った行動は、奇しくも似たようなモノ。

殆ど反射的に茉子ちゃんの前に滑り込むように移動して。

合わせ、茉子ちゃんが俺の斜め前に足を進めて両手を開けた。

 

気付いてから数秒と経っていなかったと思う。

咄嗟に動けたのは、恐らくは夜の今までの経験と祖父ちゃんとの修行があったから。

ただ、()()()()()()()理由にまでは思い当たらずに。

 

「先に謝ります……!」

 

茉子ちゃんの呟き声を切掛に、時間の流れが加速する。

受け止めようと腰を入れる俺。

それに対し、彼女は。

走ってくる誰かの浮いている片手を取り、くるりと一回転させるようにするのが見えた。

 

少しだけ。

それでも確実に速度は落ちて。

胸元に来たところで反対の肩を抑えて一息。

 

「はわ……はわわぁ……。」

 

目を回したようにブツブツと呟く。

金髪の、見目麗しい少女。

髪色と、ひと目で美少女と言い切れる外観と。

はち切れる程の胸元が特徴的()()()、そんな子で。

 

「…………へぇ。」

 

耳元で聞こえたような、ゾクリとするような声に。

少しだけ、背筋が寒気立った。

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