恋心、想花の如く。   作:氷桜

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彼と彼女の二人の話。
主人公のChapter最後視点。


<Chapter2-5-10>

 

<Chapter2-5-10>

 

その後に起こったことと言えば単純で。

幾つかの店で消耗品類と、穂織特有の服装を一着。

後は簡単に何処にどんな物があるのかの紹介を全員で行った程度。

 

『そういえば、コンビニエンスストア? でしたか? というのはないのですかね?』

『あー、町外れに一軒だけあるけど……それはその内でいいかな?』

『ハイ! でしたら、そのときは教えてください!』

 

主に(普段どおりに見える)廉太郎がメインで行動し。

()()という立場に近くなるリヒテナウアーさんが質問するような形を取っていて。

俺と茉子ちゃんは少しだけ遅れて着いていく。

 

『……悪い人ではなさそうですね。』

『まあ、祖父ちゃんが選んだんだし元々心配まではしてなかったけどね。』

 

そんな会話をこっそり交わしながら。

俺達に気付くこともなく、二人は普通に案内をする側とされる側の態度を見せていた。

 

『今日はお世話になりましたであります!』

『……いや、リヒテナウアーさん。 其処は「なりました」でいいんだけど。』

『そうなんです? あ、それと。 わたしはレナ、と呼んで頂ければ!』

 

そんな時間を過ごしていれば直ぐに空は赤く染まり。

最後にもまた少し騒がしく……そして、ファーストネーム(なまえ)で呼んで欲しいと言い残すレナさんと、ツッコミを入れている廉太郎。

途中でそんな二人に手を振って別れ、また二人で歩き出し。

野菜や魚を買い込んで、がさりと布袋を揺らしながら。

木々に包まれた、少しだけ山なりに向かう――――神社に向けて二人で進む。

 

「今日は助かったよ。」

「いえ、ワタシも好きでしたことですから。」

 

この土地にやってきてから、二人で歩くことが増えてきた。

その相手はその場合場合によって違うけれども。

その誰しもが、考えが間違っていなければ一定以上に好意的で。

だからこそ助かっているし――――だからこそ、居心地がいいと思えている。

 

「好きで、って言っても折角の休日だったわけだし……。」

「ですから()()()()()()()、なんですよ?」

 

とは言っても。

俺自身の内心に秘めている言葉があるように。

ずっとの昔の、子供の頃の思い出が根源にあるというように。

誰しもが、年月を重ねたことで変わっていく事もあるはずだ。

 

「俺に付き合うのが?」

「ええ。 玄十郎様へのお手伝いでもありましたし。」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()でしょうし。

乾いた口調で、そんな言葉を風に乗せる。

 

「代わりとか……。」

「ワタシは忍者ですからね。 それに、まあ。 色々とありますから。」

 

言葉を閉じ込め、いつものように笑みを浮かべる。

見慣れたような、曖昧な笑顔。

特徴的ないつもの癖を混ぜない、単純に浮かべたような顔の変化。

 

「色々、ね。」

「色々、です。 これでも大変なんですよ? もう慣れましたけど。」

 

夕方の灯りが顔を照らす。

少しだけ眩しくて、目を薄く閉じつつも彼女を見詰める。

見つめ返されて、小さく浮かべた笑顔は互いに口を閉ざすには十二分で。

けれど――――互いに、ぽつりぽつりと話す言葉は途切れなかった。

 

「将臣さんの方はどうなんですか?」

「どう……そうだな、もう少ししたら祖父ちゃんから剣を教え直して貰える予定。」

 

そうですか、と呟いて。

十秒、二十秒が経過して口を開く。

 

「二人はこう遅くなることあるの?」

「滅多に……というのが正しいのでしょうね。 どうしても芳乃様でなければ、ということは殆どないのですが。」

 

ただ、それでも付き合いはある……みたいなところか。

()()()()、という立ち位置はそれ程までに重いのだろうし。

だからこそ同時に、俺の『婚約者』という立ち位置は普通では考えられないのだろうから。

 

「そっか……ムラサメちゃんも帰ったら怒ってなければいいんだけども。」

「大丈夫ですよ。 お優しい方ですから。」

「優しい――――でいいのかなぁ。」

 

俺には姉も弟も、それこそ兄弟姉妹誰もいないけれど。

もしかすると、小春のような……或いは芦花姉のような。

姉や妹に近い立場と言うのはああいう感じなんだろうか、なんて。

あり得ない空想を浮かべて、一人苦笑いを浮かべる。

 

「お優しい方ですよ。 ずっと見守っていてくれているのですから。」

「それ自体は否定しないけどね……なんか俺に対しては当たりも強いし。」

「甘えてるんじゃないですか?」

「甘え、かなぁ。」

 

他愛も無い会話。

少しずつ近付く神社。

そんな中、少しだけ思ってしまった先程の考え。

 

「さて! 腕によりをお掛けしますね!」

「いつも以上を期待できるの、それ?」

「フフフ~。」

 

例えば、もしかしたら。

茉子ちゃんの『役割』を、彼女自身はどう思っているのか。

それを問い掛けるには。

未だ、時間が足りない。

PCを利用したネタとか仕込んでも許される?(レナルートのアレもあることだし)

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