恋心、想花の如く。   作:氷桜

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彼女視点。
実際再構成するならクローズアップしたい部分が多すぎる。


<Chapter2-5-11-M>

 

<Chapter2-5-11-M>

 

私服の上にエプロンを纏う。

いつもの、慣れた服装変え。

違う点と言えば、この家の主がいないことくらいでしょうか。

 

「……さて、っと。」

 

()はムラサメ様の機嫌を取ってくると言い残して部屋へ。

大体何処に何があるかは知ってしまっていますけれど、部屋に戻ったのならばきっと。

叢雨丸の手入れに近いことなんでしょう、と自分の中で納得しつつ。

 

(今日は煮魚にしましょうか。)

 

()()()()()、なんてものは作れない。

ワタシという人間が、今の現状でそんな物に手を出せるはずもない。

ただ偶然、彼が一人になってしまう日が来たから。

それを助けるために――――いつものように、料理を作るだけ。

 

(醤油と……お酒と、味醂はそろそろ買ってこないとですね~。)

 

手慣れた行動。

もうずっと繰り返してきた、今では日常を超えて楽しみの一つにすらなり始めている料理。

家ではお母さんに任せることが多いのだけど……。

それを言っても、苦笑いを浮かべるくらいだと信じたい。

 

(お味噌汁と……副菜はあんまり合いませんけど、キャベツでも炒めますか。)

 

手と頭が別に働く。

普通に生活していれば当たり前の行動で。

けれど、芳乃様や安晴様がおられる時には取ることなんてなかった行動。

()()()()()()()()()()()()()()()()()――――のだろうか、なんて。

自分に問いかけても、答えの出ない問い掛け。

 

(でも。)

 

ふと、ぴたりと手が止まる。

一年前までは、もっと焦っていた気がする。

もっと迷っていて、余裕なんてなかったような気もする。

今だって、祟り神を鎮める()()は行い続けていて。

けれど、此処まで変わった大きな理由はきっと。

 

(将臣さんが叢雨丸に認められてから……()()()()()()。)

 

その事実は、多分誰もが薄々気付いている。

知らないのは恐らく、彼自身だけ。

以前を知らない、変わる前の小さな閉塞感を知らない彼自身だけ。

 

(……。)

 

それを思うと、少しだけ胸が苦しくなる。

心に浮かべてはいけない感情が、浮かべてはいけない相手へ向かってしまう。

()()()()()()の彼が、彼であったということに心を高鳴らせてしまったことと。

その相手が――――。

 

考えない。

心を沈める。

慣れているのだから。

ワタシは、忍者として。

それでも。

 

(…………ズルい。)

 

そんな感情が、泡のように心に浮かぶ。

ぷつぷつと、くつくつと。

料理の立てる小さな沸騰音だけが、台所の中を支配していた。

PCを利用したネタとか仕込んでも許される?(レナルートのアレもあることだし)

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