少し先でそれ込みのネタとかちょっと詰め込んでみます。
……そこそこ長いチャプターになりそうです。
<Chapter2-6-5>
授業と授業の合間に一通のメールと、一本の電話をした。
メールの宛先は芳乃ちゃんと茉子ちゃん。
内容は簡易的に。
『放課後、ちょっと確認したいことがある。 校舎裏で。』
そんな内容を送り。
もう一本の電話は祖父ちゃん宛に。
『昨日の今日で申し訳ないけど、もしかすると
そんな内容。
特に後者は急になんて滅多にない事を知っているからか疑問に思っていたが。
『気にし過ぎなら良いんだけど……。』
と、はっきりしない予感のような本心を混ぜつつにお伺いを立てて何とかして貰った。
……実際何事もなかったとしても、ムラサメちゃんには相談案件だろう。
二人にも、後回しに出来ることがあれば後に回して貰って夜の調査に同行を依頼したい。
余裕があれはみづはさんにも相談したいところなんだけど。
(言葉にできるのか? こんな感覚だけの話で。)
芳乃ちゃんのようにはっきりと分かるモノがあるなら別なんだが。
或いは前々から経験していて……とか、自分の中で信用が置けるならはっきり口にするのに。
そんな悶々とした思いを抱えながらの授業を終えて昼休み。
「マコ!」
そんな声を上げつつ、彼女に近付いていくレナさん。
当然のように茉子ちゃんの近くには芳乃ちゃんがいるわけで。
その三人を取り囲むように、女子が密集している。
普段よりも頭数が多く感じるのは、独自のグループで食事を取っている組も近付いているからだろう。
必然的に女子全員が集まれば、他の男子達だけになるから……普段よりも閑散としている感覚を受ける。
俺達も、普段食事を一緒に取る田宮や大平はもう少し近く……少しでも話を拾おうとしているくらいだ。
ただとはいえ、だ。
「同じクラスになれて嬉しいです!」
「ワタシもですよ。
とは言え、この学院は一学年につきクラスは一つしかありませんけれども。」
そんな形で
「常陸さん、ひょっとして知り合い?」
「先日少しありましてね~、その時に。」
「はい。 マコにも、オカミにもお世話になりましてー。」
当然疑問に思った女子生徒が問い掛けて。
大雑把に何があったかの説明をする。
ただ、何となく疑問なのは廉太郎の名前が出てこない事。
視線を向ければ。
「……出来るだけ黙ってくれるように頼んだんだよ。 殆ど無駄だろうけどな。」
やはり耳を立てながらも、小声で呟く声。
そんだけ気にするならもっと前に出てもいいだろうし、と言えればいいんだろうけれど。
(……なんとなーく、一目惚れ? とかそっちっぽい気がするんだがなー。)
なんというか小春に向ける目線ではないし。
少なくとも遊びとかそういう余裕が余り見られる目線ではない。
ただ、普段の生活上。
俺自身が言えることでもないし、その言葉は内心に控える。
「そうか?」
代わりに出したのは、純粋な疑問からの言葉。
殆ど、と言えるほど無駄でもないとは思うが。
「心子さんの名前でも出れば一発だろ。
後は……仲居見習いを雇う余裕がある温泉宿がどれだけあるんだ、って話でもあるし。」
「そう言うってことは……実際、其処まで厳しいのか?」
詳しくは教えてくれねえ、と弁当を掻き込んでいく。
観光地である以上、常に新しい来訪客を呼び込む必要性があるのは間違いない。
だからこそ、客足の統計――――或いは普段から見る客数を何となくでも数えれば大凡の予想は付く。
以前に少しだけ、此奴自身から聞いたくらいで。
はっきりと
「お前は忙しい時期に手伝いに来る位だったからなぁ。」
「悪かったな。 で?」
「ん~……。」
周囲を少しだけ見た。
釣られて目線だけを周囲に向ける。
朝方感じていた、奇妙な感覚は未だに漂ったままで。
窓を開けて外の空気と入れ替えても、何処か沈殿したままのように変わる様子を見せない。
……やはり別の何かでもあるのか。
「
「対応は?」
「まだだ。 何かするにしたって祖父ちゃんなりに話通せなきゃ俺はまだ何も出来ないしなー。」
不貞腐れたような口調で。
それでも、内心は焦ってもおかしくない内容。
……こういうとこでも見てんのかなぁ、祖父ちゃん。
そんな事を思いつつ、飲み物を口にして。
改めて女子集団へと目線を戻せば。
「改めまして。 レナ・リヒテナウアーです。 宜しくお願い致しますです!」
「朝武芳乃です。 此方こそ、宜しくお願いします。」
そんな挨拶を交わしながら、握手をしようと手を伸ばし。
ばちり。
白く、黒く光るような違和感と共に。
二人が同時に手を離す姿を、目撃した。