「さて、これからどうするかなんだが」
来年の有馬記念に向けて翔とツインターボは目標レースの再設定を始めた。ファン投票で出走が決まる以上しっかりとレースに出走してファンの心を掴まないといけない。
「出るレースはG1中距離を中心とする。ここまでいい?」
「うん!」
「取り敢えず夏合宿以降の予定からなんだが、前回同様最終調整は天秋を使う。いい?」
「勿論!」
「じゃあ夏合宿までの予定なんだが、その間の中距離G1となると二つしかない。大阪杯と宝塚記念だ。他は超長距離の天春にマイルのヴィクトリアマイルと安田記念だからな。ファンは十分集まってくれてるし、サイレンススズカに完全に能力負けしたのを考えるとレースよりもトレーニングでターボの能力を底上げしたいんだ。ターボは大阪杯と宝塚記念どっちがいい?宝塚記念もファン投票だけど先の有馬記念で多分人気が更に増したから出走できると思うけども…………」
「宝塚記念は合宿直前だよね?出ていいの?」
「なあに、早めに合宿への調整に入ればいいさ。好きな方を選んでくれ」
「うーむ…………」
うんうん悩んだ末ツインターボが選んだのは
「なんか凄そうだから宝塚記念!」
「オッケー、出走登録しとく。じゃあトレーニング、始めよっか。正直スリップを使ったとはいえあのサイレンススズカについていけるスピードはあったんだ。となれば鍛えるのは当然………」
「スタミナ、だね!」
「ああ!今までと何ら変わらないがな!ターボはスタミナ以外は完璧………ではないけども最優先はスタミナだ。今日は坂路行くぞ、取り敢えず2本、行ってこい!」
「分かった!」
因みに坂路トレーニングの時は坂路の申し子と呼ばれるほどに坂路を走り込むミホノブルボンがよくいるため、並走トレーニングも行う。複数人でやる方が一人ぼっちでトレーニングやるよりも効果的だ。
★★★
トレーナー室
「良し!取り敢えず申請完了。後は枠が取れるよう祈るだけだな」
トレーニングを終えたあとに翔は宝塚記念の出走登録を行った。ファン投票で出走が決まるとはいえ出走する気が無いウマ娘に投票されないように、出走する気があるウマ娘だけに投票出来るようなシステムになっている。
「ターボは固定ファンが多いからな。多分大丈夫かな」
出走枠は当然限りがあり、票の多かった者から順に決まっていく。当然他にも人気のウマ娘は多い。年代もごちゃ混ぜなので当然サイレンススズカが出る可能性も、下手すれば皇帝が出走する可能性も十分にある。人気があるウマ娘は往々にして強いウマ娘だ。はっきり言って強いウマ娘だけを集めた魔境。それが宝塚記念及び有馬記念だ。
「サイレンススズカは2500mも走れるとはいえ主戦場はマイル及び短めの中距離だ。むしろ宝塚記念こそ出走するだろう。出走ウマ娘が確定するのはレースの一週間前。それまでに出そうな有力ウマ娘を分析しなければ」
そう言う翔の脇には様々な資料が積まれていた。サイボーグ、皇帝、帝王、女帝、はたまた異次元の逃亡者まで。有馬記念より短い宝塚記念は距離的なハードルが低い分有馬記念に出られない有力ウマ娘が集まる傾向にある。
「ファン投票の中間発表は…………うわぁ」
思わずドン引きした。上位18位になんとかツインターボは入っていたものの他の面子が恐ろしいことになっていた。
「サイレンススズカにシンボリルドルフ、ミホノブルボンにゴールドシップ、しれっとナイスネイチャまで。勘弁してくれよ」
そんな面子に食い込むツインターボ。他が他なだけに霞んでしまうがそれだけツインターボは一般的に強いと言える娘になっていた。
「スタミナさえ足りればターボは強いんだ。これで賢さも高ければ文句なしなんだが贅沢は言うまい。強みを更に伸ばす方が簡単で効果的だ」
相変わらずトレーニングはプールと坂路。最近は名が広まったこともあってか並走トレーニングも増えている。ツインターボの成長っぷりはとどまるところを知らない。
★★★
ある日のこと
「ん?出走のお願い?」
宝塚記念に向けてトレーニングを重ねるある日、翔の元に一枚の書類が届いた。
「差出人は…………福島レース場とな?何でまた」
書類を読み進めると
「なるほどねぇ」
書かれていた内容はざっくりと言うと
福島は中央だけど小規模な上G1が開催されないから来場者も少ない!
↓
どないしょ、せや!今ツインターボってウマ娘が人気急上昇中や!レース場活性化のために出走してくれんか?七夕賞
ということだ。
「ええっと七夕賞、七夕賞っと…………まあ出れんことは無いな」
幸いなことに夏合宿明けのレースで天秋とも期間が空いているから出走は可能だ。
「連続出走にはならないし大丈夫かな。ターボ次第だな」
このあとG1ではないが人気を買われたことに満足したツインターボは二つ返事だった。こうしてG1だけだったツインターボの出走予定表にG3レースが組み込まれた。すると翔は
「G3か、今までG1しか考えてなかったな。そういえば、七夕賞と天秋ってもう1レース入れられるくらいに期間空いてるし何か無いかな、中距離G1こそ無いけれどもG2、G3なら…………結構あるな、G1だけ見てちゃダメだな。ターボに勝負勘を身に付けさせるためにも無理の無い範囲で出走したいところだが……………おお!」
翔の目に止まったのは中山で開催されるG3レース。G2ですらなくG3だがそのレースには翔の関心を引いたある文言が記載されていた。
「一着には天秋の優先出走権が与えられる………か」
ファン数を満たしていてもそれはあくまでも出走権を得ているだけにすぎない。多くのウマ娘が出走したがるG1はとにかく枠が限られており出られない可能性も十分にある。何せ何百といるウマ娘の中から出られるのはフルゲートでも最大で18人まで。
「今までは出走出来てたけどもできない可能性もある。となれば確実に天秋に出走するためにも、勝負勘を付けさせるためにも出走しないという選択肢は無いな」
こうして急遽ツインターボの出走予定表にG1ではない七夕賞とオールカマーが加わった。
★★★
宝塚記念数日前
「出走ウマ娘確定っと。やっぱり予想通りだな」
枠順まで確定した宝塚記念。その出走表には
「予想通りのサイレンススズカ、よしよし、ターボも入ってる。シンボリルドルフとトウカイテイオー、そしてゴールドシップか。ライスシャワーまで。毎度のことながら恐ろしい面子だよ宝塚記念」
8枠13番のサイレンススズカ。それに対してツインターボは7枠11番
「逃げで内枠が取れないのは辛いな。こればっかりはどうしようもない。でもサイレンススズカも今回は外枠だ。スタートの差はほぼ無いな」
レースは実力と運の両方が揃って初めて勝利が見える。それでも絶対ではない。だからこそウマ娘のレースは人々の心を掴んで離さないのだ。
「次こそはサイレンススズカを負かしてやる。油断もなにもしない」
前回と同じ失敗は繰り返さない。慢心を捨て去り宝塚記念に向かった。
アンケートが綺麗に二極化してやがる。どないせーっちゅーねん。後一週間で締め切ります 。その時に多い方を採用します。
最終的なツインターボの賢さは?
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必要最低限(300前後)
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普通(400前後)
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ちょい賢い(500前後)
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容赦なし、天才(600オーバー)