逃げウマに憧れて   作:ガチタン愛好者

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短くてすまない。ダイジェスト感を感じたらすまない。ただ無理して尺を稼ぐくらいなら物語を進めようと思ったんです。


第十五話~宝塚記念・夏合宿~

パーンパパパーンパパパーンパーンパパーンデデデン!

 

聞きなれぬファンファーレは年に一度だけ、宝塚記念でのみ使用されるファンファーレ。専用のファンファーレがあるG1は宝塚記念だけである。

 

「票に託されたファンの夢、思いを力にかえて走るグランプリ・宝塚記念!今年もこのレースがやってきました。あなたの夢、私の夢は叶うのか?三番人気は絶対なる皇帝、シンボリルドルフ。今日も皆は皇帝の神威の前にひれ伏すのか?二番人気は超快速の飛ばし屋、今日は逃げ切るか、はたまた逆噴射か。ツインターボ。そして不動の一番人気、たとえ皇帝であっても届かぬ絶対なるレース。速さは自由か、孤独か。サイレンススズカ。外枠ですが今日も圧倒的なレースとなるか?各ウマ娘ゲートイン、態勢完了」

 

ガッチャン!

 

「ああっと!!立ち上がった!ゴールドシップが立ち上がりました!見事な出遅れ!満員のスタンドからはあーっという悲鳴と歓声です!他のウマ娘は綺麗にスタートしました。まず最初に飛び出したのは言わずと知れた異次元の逃亡者サイレンススズカ。前走と同じく後ろをぴったりとツインターボがマークします。大逃げ二人から大きく離されて三番手にトウカイテイオー、ライスシャワー、中団を形成。後方集団です。シンボリルドルフここにいた。ナイスネイチャ、グラスワンダーと続きます。そこからさらに大きく離されて最後尾はポツンと一人ゴールドシップですが明らかにやる気が見られません。出遅れでやる気を無くしたか?さあまもなく1000m通過ですが57秒4です。安定してこのタイムを出すサイレンススズカ!そしてそれについていくツインターボは紛れもなく強者と言えるでしょう。間もなくレースも中盤ですが先頭の二人と三番手とはおよそ8バ身ほど離れています。後続も徐々に差を詰めていっています。先頭の二人とその他と最後尾のゴールドシップという非常に縦長の展開となっております。この二人が出走するレースはご覧のように規格外のリードが生まれます!さぁ!間もなく最終コーナーですが後ろは追い付くか?かなりのリードです。そして前走ではここで逆噴射をしてしまったツインターボですが今回はどうでしょうか!?ぶつかるかぶつからないかのギリギリの距離です。ほぼ密着です!後ろをグングン突き放してこれは明らかなセーフティリードだ!今年の宝塚はこの二人に絞られたか!凄い!凄いぞツインターボ!今回は逆噴射が起きそうにありません!ですが前を走るサイレンススズカを捉えてはいるものの抜かせない抜かせない!もうすぐゴールですがここでツインターボが横に振った!並んだ並んだ!そのままああっ!ツインターボ逆噴射だ!ゴール前数mのところで逆噴射!サイレンススズカ先頭でゴールイン!逆噴射をしてしまったツインターボですがゴール直前だったためそのまま二着でゴールインです!三着には大きく離されてライスシャワー!残念ながら後一歩届かなかったツインターボ。ですが明らかに見えています!異次元の逃亡者のその先が!これは次のレースが楽しみです!確定しました。一着にサイレンススズカ、二着にはツインターボ。大きく離されて三着には見事な末脚でライスシャワーが入りました」

 

因みに大逃げでハイペースになったレースはあのトウカイテイオーでさえ息を切らしてのゴールとなった。平然としていたのはやる気無く走ったゴールドシップとヘビーステイヤーのライスシャワーだけだった。

 

★★★

 

レースを終え、ウイニングライブを終えたツインターボは翔と共に帰路についた。

 

「一着は取れなかったがよく頑張ったな。こりゃあ次にサイレンススズカと走った時は勝てるかもしれないぞ?」

 

「うん!前走と違って今回は背中が見えた!とっても悔しい!でも嬉しい!ターボがここまで成長できたんだって!ありがとね!トレーナー!」

 

「おいおい、感謝はサイレンススズカを破ったときの為に取っておけ。まだ勝った訳じゃ無いんだぞ」

 

「はーい」

 

前回のボロ負けからトレーニングを積み重ねたツインターボはあの異次元の逃亡者を捉えかけた。脚質の統一が進んでいる昨今のレースで、実力のある大逃げが二人もいる現状にURAは今だかつて無い盛り上がりを見せていた。

 

★★★

 

「はいはい今年もやってきました!夏合宿!」

 

宝塚記念を終えた二人は意気揚々と二度目の夏合宿にやって来た。といってもやる内容は去年と変わらない。遠泳とランニング。しかし去年と明らかに異なる点が存在した。それは

 

「ターボが一番だぁ!」

 

「ツインターボのペースアップを確認。こちらもギアを上げます」

 

「ターボさんに!ついてく!」

 

G1で凌ぎを削る有力ウマ娘が並走するようになったのだ。なにせ去年の夏合宿では初見殺しでダービーを勝っただけであり、並走を希望するウマ娘はいなかった。しかしあれ以降一着は取れていない。とはいえ大逃げとして十分に強者と認められたツインターボは警戒されると共に並走を希望されるようになった。恐らく彼女らのトレーナーはツインターボの大逃げに慣れさせようという目的でやらせているのだろう。大逃げは普通の逃げとは違うので、仕掛けるタイミングやどんなに差を広げられても動揺せずに仕掛ける精神力が必要となる。しかし当の本人達は

 

「やっぱり速いな!皆!」

 

「ツインターボの成長速度の向上を感知。こちらもトレーニングの増量を検討します」

 

「スタミナでは勝ててるけど………やっぱり加速と最高速度はターボさんが上だね。もっと頑張らないと、がんばれーライス、がんばるぞー、おー」

 

ツインターボで強くなろうというよりも並走そのものを楽しんでいる節がある。ウマ娘は本能レベルで走ることを好む種族であり、「あいつより、もっと先へ」という闘争本能はあれど、その根っこにあるのは「走るのが楽しい」という一点に尽きる。一人でのトレーニングよりも、複数人でのトレーニング方が圧倒的に効果的なのもこの為だ。

 

「また走ろうね!」

 

「スタミナの残留を確認。まだ行けますが?」

 

「ライスもまだまだ行けるよ?」

 

「ぐぬぬぅ、ようし!もう一回だぁ」

 

挑発にのせられたツインターボは案の定スタミナ切れを起こし、砂浜に顔面から突っ込んだのは言うまでもない。最初と比べれば比較になら無いほどにスタミナが付いたとはいえ、流石に3000mオーバーを平気な顔をして走りきるステイヤーには敵わないようだ。

 

★★★

 

そして夏合宿を終えた二人は新幹線でもって福島は福島レース場にやって来た。G1ではないのであの派手な勝負服は持ってきていない。ただ

 

「ツインターボさんですか!?握手してください!」

 

「ツインターボさん!サインください!」

 

駅を出てからが大変だった。というのもツインターボの私服も原色のオンパレードで、これまた非常に派手で目立つ。加えてその髪色と相まって注目度は最高である。しかも

 

「サイン……………どう書いたらいいの!?ああ、写真?いいよいいよ!」

 

ツインターボ本人はノリノリでファンサービスをするものだから一向にレース場にたどり着けない。人気がこれだけ上がって嬉しいと思う反面、前々日に現地入りして正解だったと翔は思った。ついでに次回以降は自家用車でレース場に向かおうと本気で検討するのだった。

 

最終的なツインターボの賢さは?

  • 必要最低限(300前後)
  • 普通(400前後)
  • ちょい賢い(500前後)
  • 容赦なし、天才(600オーバー)
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