逃げウマに憧れて   作:ガチタン愛好者

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ついにターボ師匠に勝負服が!ストーリーで漸くターボ師匠を拝めました。筆者はブライアンを持っていないので。原作再現の実況は笑いました。どうせなら「その後ろに、うわぁ」も欲しかったです。
星3確定チケットはスペちゃんでした。持ってなかったので大満足です。


第十七話~産經賞オールカマー~

産經賞オールカマー当日 中山レース場地下バ道

「ターボ、聞くまでもないが調子は?」

 

「絶好調!」

 

「よし、スローペースは完璧。今回出走してる中に大逃げはいないし、驚異のライスシャワーはスパートに時間がかかるし、イクノディクタスも逃げじゃないから騙しやすい。有利ではある。でもレースに絶対は無いからな。手を抜けとは言わないがG3だ。気負わずに………緊張はしてなさそうだな。ならよかった。行ってこい!」

 

「おう!見てろよ!ターボの走り!」

 

★★★

 

「さあ曇り空の元行われますG3競走、産經賞オールカマー。中山芝2200m、バ場状態は良バ場の発表です。3番人気は5枠7番イクノディクタス、2番人気には2200mは少し短いか?6枠8番ライスシャワー。そして堂々の1番人気は言わずと知れた大逃げウマ娘。7枠11番ツインターボ。前走七夕賞で見せた大逃げをまたまたかますのか?各ウマ娘ゲートに収まって態勢完了」

 

ガッチャン!

 

「ゲートが開いてスタートが切られました。各ウマ娘綺麗なスタートです。さあ正面スタンド前を通っての先行争い、ツインターボがどんどんどんどん加速していっています。さあツインターボが加速していく。その後ろにハシルショウグン、モガミキッカと続いていきます。そして2番人気のライスシャワーは現在6番手の位置にいます。1コーナーのカーブに入っていきますがツインターボが、大逃げをまたまた打ちます。ご覧のような差をつけて、気持ちよく先頭を逃げるのはツインターボ、ツインターボが2番手以下に大きく差をつけて逃げていっています。大きく離されて2番手にはホワイトストーン、その後ろに更に開いてハシルショウグンここにいます。間もなく1000m通過ですが先頭のツインターボは59秒5です。………59秒5!?ツインターボにしてはかなりのスローペース!これはもしや長らく目にしなかったあの日本ダービーの再来か!?しかし、手元の時計を見ないと分からない。巧妙なスローペースです。誰もこのペースに気がついていないのか?あれよあれよと2番手との差は開く一方です。さあ、この場内のどよめきは。ツインターボのとにかく逃げ、ツインターボのとにかく逃げ、何バ身開いているか、とても今の実況では分からないくらい、大きく、大きく差をつけて逃げていっています。っとああ!後方にいたライスシャワーがここで動いた!ライスシャワーここで動いた!持ち前のスタミナを武器にどんどん追い上げて現在ライスシャワーは3番手まで順位を上げています。ですが、ツインターボが逃げる。ツインターボが逃げる。今回はスローペースということもあってか垂れません垂れません、むしろ加速しています。明らかにペースが上がっているツインターボ。さあ早くもツインターボだけが、ツインターボだけが4コーナーのカーブに入ってきました!ツインターボが大きく逃げる!ツインターボが大きく逃げる!必死に追い上げるライスシャワーは2番手まで上がってきたが未だにツインターボとは5,6バ身程!先頭ツインターボ!少しずつ追い上げるがライスシャワーこれは届かないか!?ライスシャワーこれはもう無理!11番のツインターボ!見事に決めたぞ!逃亡者ツインターボ!ダービー以来のスローペースで!周りを騙して見事な勝利です!これは作戦勝ち!」

 

G3とは思えないほどの大歓声を受けて、ツインターボは秋の天皇賞への切符を手にした。

 

★★★

ライスシャワー視点

 

ガッチャン!

 

[やりにくい…………]

 

恐らくこう思ったのはライスシャワーだけではないだろう。何せ加速を続けて2番手を大きく離して逃げるツインターボ。ついていかねばという気持ちを理性で押さえ込む。

 

[まだ、まだだめ。流石にライスでも最初から最後まで全力だとスタミナが持たない]

 

普段では目にすることのない大差。どうしても焦って脚が前へ前へと進みそうになる。

 

[ツインターボさんは、いつもの大逃げだ。尻尾も耳も凄いたなびいてる。いつか垂れるはず。せめて、ライスのスタミナが足りる最終コーナー手前までは、我慢!]

 

それでもついつい焦ってしまう。歴戦のG1ウマ娘でさえこうなのだ。他のウマ娘がどうなのかは考えるまでもない。しかし、ここでライスシャワーの歴戦の勘が告げた。

 

[あれ?思ったよりライス疲れてない?………………まさか!?]

 

快調に飛ばすツインターボは遥か先。ステイヤー故にスパートに時間がかかるライスシャワーにとっては厳しい差。そして残りすぎているスタミナ。疲れを感じない脚。

 

「くっ!やられた!」

 

大急ぎでスパートをかける。3番手、2番手と順位を上げるがツインターボとは大差。

 

[忘れてた。ツインターボさんはこういう走りも出来るんだった!]

 

ダービーで苦渋を飲んだスローペース。しかし、それ以降は一切やらずに大逃げ一択。大逃げを警戒してのレース展開をしたならば当然、気がついたときには時すでに遅し。結果は

 

「6バ身か。やっぱりライスは息切れしてない。やられたなぁ」

 

残りすぎたスタミナは使いきること無くゴールしてしまった。ふと横を見ると。

 

「ぜぇ、ぜぇ…………はぁぁぁぁ」

 

倒れ、疲れはてた様子のツインターボ。

 

「凄い。ちゃんとスタミナを使いきってる。全力だったんだ。いつもより残ったスタミナをちゃんとゴールまでで出しきったんだ」

 

目立たない長所だが、ツインターボはレースにおいてスタミナが残るということは一度もない。それは大逃げだからでもあるが、ツインターボは全力を出しきる事が得意なのだ。これもまた一種の才能である。言うほど全力を出しきるのは簡単ではないのだ。倒れて動かないツインターボに手を差しのべるライスシャワー

 

「ツインターボさん、見事でした。完敗です。でも次は負けませんよ?」

 

引っ込み思案のライスシャワーだが、レースに対する情熱は人一倍だ。だからこそ不幸にするとか言いながらもレースに出て、勝っている。不幸にするという悩みも、必ず勝てるという強い自信の表れである。ツインターボはその手を取り

 

「うん!また走ろうね!」

 

得難い好敵手。得意な距離は違えどツインターボとライスシャワーはそう言える関係となった。

 

★★★

天皇賞(秋)数日前トレーニング後

 

「まあ大方予想通りか」

 

出走ウマ娘が揃い。枠番も確定した。恐らく前回以上に熱い戦いが予想される秋の天皇賞。

 

「二人とも内枠。神様の思し召しかねぇ」

 

そこに刻まれていた枠番は

 

1枠1番 サイレンススズカ

1枠2番 ツインターボ

 

「運命かねぇ。神に愛されてるのかな。サイレンススズカは」

 

現状1番人気のサイレンススズカ。恐らく出走するときまで1番人気だろう。現に今までサイレンススズカは全てのレースで1番人気である。そして開催日は11月1日、東京R11

 

「ここまで1が並んだなら着順も…………いや、よそう。担当を信じなくて何がトレーナーだ!」

 

今まで無かった大量の1が並ぶウマ娘。しかも現時点で最強と言えるウマ娘。

 

「でもツインターボはだいぶ強くなった。サイレンススズカがなんぼのもんじゃい!」

 

鼓舞する翔。次こそはと思えた宝塚記念。あちらも成長しているとはいえ徐々に差は縮まっている。

 

「早くも胃が痛くなってきた。落ち着け落ち着け」

 

案外緊張に弱い翔だった。

 

★★★

同日 トレーニングコース 夕暮れ時

 

「フゥフゥフゥ…………」

 

「おーい、そろそろやめろー」

 

「でも…………」

 

「調子が良いのは分かるが走りすぎだ。只でさえ普段からオーバーワーク気味だというのに」

 

「………はい」

 

「考えてることは分かるさ。ツインターボだろ?」

 

「ええ」

 

「お前は誰だ?」

 

「サイレンススズカです」

 

「そうだ。誰もが背中しか見ることが出来ない異次元の逃亡者、サイレンススズカだ。調子は良くて実力も十分にある。いつも通り、気にせずに先頭を走ればいいのさ」

 

「分かりました。汗を落としてから行くので先に帰ってて下さい」

 

「おう、待ってるぞ」

 

去り行くトレーナーを見ながら

 

「まだ行けそうね。後2周程度なら………」

 

異次元の逃亡者と超快速の飛ばし屋。両雄激突の時はもうすぐだ。

 




1枠1番1番人気、11月1日、東京第11レース。まあ、そういうことです。聡明な読者さんならこれからの展開が予想できるでしょうからここで読むのをやめるのも一つの手ですよ。
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