各距離のレースがあるドリームトロフィーリーグ。ツインターボが出走するのは当然中距離の部。長距離ともども有力ウマ娘の数がとても多く、それ故熾烈な戦いが展開される。
「さぁサマードリームトロフィー、芝中距離の部。今年は中山芝2200mで争われます」
「1枠1番。超快速の飛ばし屋、ツインターボが入ります。その横にメジロパーマー、ダイタクヘリオス。世紀末覇王テイエムオペラオー、メイショウドトウ。今回はどちらが勝つのでしょうか?その隣はスイープトウショウと続きます。ナカヤマフェスタ。変幻自在の脚質マヤノトップガン。鋭い差し脚グラスワンダー、トーセンジョーダン。今日も今日とてマーベラス!マーベラスサンデー、メジロマックイーンがいます。芦毛の癖毛ビワハヤヒデ、アドマイヤベガ、小柄でも実力は十分ゼンノロブロイ。筋肉自慢のメジロライアン、白い閃光タマモクロス、そして大外枠に黄金の不沈艦ゴールドシップです。大逃げがこれだけいるレース、面白いやら恐ろしいやら、とにかくとんでもないレースになることは容易に想像できます。各ウマ娘ゲートイン………」
ガッチャン!
「スタートです。ゴールドシップはいつもの出遅れ。ですが追い込みの彼女にとってはむしろアドバンテージか?そしてやはり先頭をぶっちぎりで争うのはツインターボ、メジロパーマー、ダイタクヘリオスの三人だ!行った行った大逃げだぁ!そして逃げを選択したはずのマヤノトップガンですが先行の位置。大逃げはこれがあるから面白い!どんどん後続を突き放して三人が我先にと先頭を争う!抜いて抜かれてのデッドヒート!1000mを57秒台で駆け抜ける三人!後続はゴールドシップまで団子状態!というか団子じゃないと追い付けないぞ!?集団は先頭の三人とそれ以外で縦長の展開だ。レースは中盤に差し掛かるところで既に後続はスパート態勢だ!これもまた大逃げがいるときの醍醐味です!我先にと加速しますが団子状態故になかなか抜け出せません!それを尻目におおっと!?ここでダイタクヘリオス失速!脱落だぁ!ツインターボとメジロパーマーが未だに減速しながらデッドヒートを続けている!大外から飛んできたのは最後尾にいたはずのゴールドシップ!?そして集団の先頭を走っていたマヤノトップガンと共に猛追!ツインターボとメジロパーマーはデッドヒート故かかなり失速している!ああ!捕まった!捕まった!しかしそのまま縺れ合ったままゴール!……………一着は!差しきった差しきったマヤノトップガンだぁぁぁ!逃げで走っていたので差しきるという表現が正しいのか分かりませんが一着はマヤノトップガン、二着にゴールドシップ、三着にはメジロパーマーが入りました。ツインターボはかろうじて四着です」
★★★
「ダメだった!」
「だな」
一応は入着できたのでライブこそあったものの脇役である。
「やっぱりトゥインクルシリーズとは次元が違うな。当たり前のようにベストタイミングでスパートをかけてくる」
ツインターボのような大逃げはトゥインクルシリーズであればスパートのタイミングを見誤って追い付けないということもあるがそこはドリームトロフィーリーグ。全員が自分のベストタイミングでスパートをかけてくるため大逃げであろうとも余裕で捕まる。何せウマ娘の肉体的な限界はほぼ同じなのでゴールする時にひどいときはほぼ全員が横一線ということもザラ。それだけ実力が高い次元で拮抗しているということである。
「ドリームトロフィーリーグにおいては脚質は関係ないのか。良い勉強になったよ」
「今までより後ろからの迫力が桁違いだったぞ!」
「それでも掛からないのは大逃げ故なのかな」
掛かる事がないほどに道中突き放し、掛かるほどに距離を詰められたときには掛かっていようが関係ないほどにスタミナを消費している。トゥインクルシリーズではツインターボを潰そうと無理して並ぶウマ娘もいたがドリームトロフィーリーグにそんなウマ娘はいない。何故なら全員が勝ちに行っているからだ。
「さて、次のレースは当然中距離のウィンタードリームトロフィーだ。恐らくサイレンススズカが移籍してくる。漸く一緒に走れるぞ」
「うん!ターボも楽しみ!」
「俺もだよ」
あの怪我からウィンタードリームトロフィーはちょうど一年後となる。復帰ができる程度の骨折であればリハビリと失った筋力の取り戻しに長くても半年。宝塚記念で勝って移籍が濃厚だろう。ドリームトロフィーリーグは夏レースの千秋楽宝塚記念の前にサマードリームトロフィー。年末の大一番有馬記念の前にウィンタードリームトロフィーがある。やはりURAとしてはトゥインクルシリーズを前面に押し出している以上最後を飾るのはトゥインクルシリーズだ。つまり
「サマードリームトロフィーが終わった。つまり宝塚記念はもうすぐだ。サイレンススズカは出走登録を済ませてる。まあ勝つだろうな。問題はどこまで仕上がってるかだが」
「でもターボがスズカと走るのはウィンタードリームトロフィーでしょ?その頃には怪我する前位には戻ってるんじゃない?」
「だろうな。むしろそれ以上かも。相手にとって不足はないな」
「うん!ウィンタードリームトロフィーが待ち遠しい!」
ドリームトロフィーリーグの洗礼を浴びたツインターボ。ウィンタードリームトロフィーでの再戦を夢見て宝塚記念の観戦と洒落混むのだった。
★★★
そして待ちに待った宝塚記念。サイレンススズカは怪我の復帰戦だ。復帰戦でG1。しかも人気投票型に出られる辺りにサイレンススズカの人気が伺える。そして当然のごとく一番人気。
「5枠9番。再びターフに戻って参りました異次元の逃亡者。サイレンススズカです。やはり一番人気は誰にも譲らない!………」
ガッチャン!
「スタートです。出遅れはありませんがサイレンススズカ素晴らしいスタートです。まるで他のウマ娘が出遅れたかのようだ」
ただでさえ上手だったスタートに磨きがかかり
「逃げる逃げるサイレンススズカ!リードは5バ身程!」
病み上がりなど何のその。完璧な仕上がりのサイレンススズカは他のウマ娘を嘲笑うかのようにぶっちぎりの一着を勝ち取った。奇しくもこの日も日曜日だった。
「ついにターフに戻ってきたサイレンススズカ!あの日が沈黙の日曜日ならば!今日は栄光の日曜日でしょう!異次元の逃亡者完全復活!」
この実況は多くの人々の心に深く刻まれた。今までに怪我から帰ってきたウマ娘は数多くいたがやはりサイレンススズカは特別なのだろう。そしてレース後のインタビューでは
「やはりこのあとはドリームトロフィーリーグですか?」
「ええ、約束したから。もう一度一緒に走ろうって」
「それはやはりツインターボさんでしょうか?」
「そう」
短く答えたサイレンススズカは記者からカメラに視線を動かして
「私は戻ってきたわ。ウィンタードリームトロフィー。悔いの無いように走りましょう!」
実質宣戦布告だった。これにはマスコミも大盛り上がり。各メディアがこぞって
[異次元の逃亡者。超快速の飛ばし屋と再び合間見える!]
[サイレンススズカとツインターボ。終生のライバル再び!]
等と書き立てた。この時レースに関わる全ての者はこう語った。
「今年ほど年末が待ち遠しい年は無かった」と
そして舞台は年末の東京レース場へと移る。
出走ウマ娘は過去の例のレースの優勝ウマ娘を集めました。数が足りないので他のもいますけど。中山芝2200m、そういうことだ。ドリームトロフィーリーグに移籍してるのかどうかとか関係ない!見てみたいこのカオスなレース!ゴルシとかマックイーンいるけど長距離部門どうなってるんやろ。シーラネ。実際にあったら馬券が荒れに荒れるぞこれ。
すまん。筆者のモチベーション的にスズカの復帰戦は省略させていただいた。だって本命はターボとのウィンタードリームトロフィーなんだもん。