君たちの走りに心奪われたトレーナーだ!!   作:祈手志願者

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ゴルシをツッコミ役にしたかったので初投稿です

何故か続いたので大体一週間おきの定期連載(予定)だぞ!少年!!


2.初めましてだな!チームフラッグ!

朝の一件から数時間が経ち、ランチの為の昼休憩になった。

あの後、私がただ、純粋にウマ娘たちを愛していること。それをなんとか伝えられ、トレーナー免許永久剥奪の事案を何とか避け、たづなさんから追加の叱責と学園の説明を一通り受け、秋川理事長との顔合わせが済んだのだが。

 

「まさかチームを作らねばならぬとはな……」

期限に余裕は有るものの、最低で5人のウマ娘を集めねば。地方に左遷、なんてことになりかねん。

勿論、地方にも磨けば光るウマ娘もいるだろうが……ふ、私も強欲ということか。

中央では優秀なウマ娘が数多く居ると聞く。流石に一人のトレーナーにつき一人のウマ娘では人員がいくらあっても足りないと言うことだろう。

 

「さて、腹ごしらえも済んだことだ、散歩がてら人、いやウマ探しに行くとしよう」ガチャゴト

 

バシッ「おぉい、トレーナー!」

このかしましい声は、ゴールドシップか。

 

「おお、ゴールドシップではないか!もしや我がチームの参加希望者か!?」

 

「っだーぁ違う!ていうかなんだいきなりチームって!直球速球暴走太郎かよ!」

 

「そんな知り合いはいないが」

 

「そういうことじゃねえんだよ!トレーナーのその躊躇いのない無遠慮なとこがな……ってなに説明させてんだよ!」

 

「ならさっさと用件を言え、私は我慢弱く落ち着きのない人間なのだよ」

 

「あーそりゃ朝の件だよ朝の。トレーナーのせいでアタシは遅刻しかけたんだぞ!一言くらい謝ったっていーじゃねえか」

 

「その節はすまなかった」スッ

 

「お、おう、分かりゃいいんだよ分かりゃ……」

 

ガバッ「で、私のチームに入る気はないかね」

 

「っておい!なんだその急な話題転換は!ま、生憎だけどアタシにはもうトレーナーが――」

 

「いや、もういないのだろう?」「えっ」

 

「確かに選抜レースに出場するにはトレーナーの許可が必要だ。だが君の書類には不自然な点が多かった。あまりに詳細に書かれ過ぎている。数年来の付き合いがあるトレーナーが書いたような、内容でだ。」

「それで偽造を疑ってな、君のトレーナーと書かれた人に聞いてみたよ、私には制御出来そうにないのですぐに辞退した、とな」

 

「……待ってくれ、なんでそんなに詳しく知ってる?」

 

「君には最初から目をつけていた、ということさ。その才能、好意を抱くよ」

 

「いやそういうことじゃなくて、その書類って、個人情報の塊で――」

 

「案ずるな、ほとんど黒塗りで隠してあったさ」

そんな些末ごとなど気にしていられん。それでは私の今の願いなど叶えられんからな。

 

「いやだからそれいちトレーナーが見ていい代物じゃねーんだって!あと好意ってなんだよ!確かにアタシは、頭脳明晰、容姿端麗、世界一の完璧美少女ゴルシちゃんだけどよ」

 

「興味以上の対象ということさ、手を出すという意味では更々ない」

 

「お、おうそっか……いやいやいや!」

 

「それで、チームに入ってくれるのかね、このままでは君はレースには出れないぞ」

 

「ああもー!人の話はちゃんと聞けよトレーナー!」ブンブン――

 

 

――「ねえ、あの人、トレーナーよね」ヒソヒソ

 

「食べる量、すごかったね……まるでオグリ先輩みたい」ヒソヒソ

 

グラハムこと楠トレーナーの手には、大量の皿がトレーに重ねられていた。

まあ、流石にオグリキャップや、スペシャルウィークほどではないものの、その量はランチというには常軌を逸していた……

 

 


 

 

――「それで?他のメンバーに目星はついてんのかよ」

 

「まあそれなりにな」

 

「ならさっさと行こうぜー、そろそろ昼休み終わっちまうぞ」

 

「それは君が話を逸らしてきたからだ、あとここからは動かん」

 

「いや、おめーも大概だからな、トレーナー。じゃあなんで待ち伏せしてんの?」

ここの教室で二人はよく一緒に昼食をとっていると聞いた。

だからこうして階段の前で廊下を見張っているわけだが。

 

「いや何、ここ辺りで目撃情報があったらしいからな、それにゴールドシップよ、わざわざ私に付き合わんでもいいぞ。君は学生、学業という本分があるのだからな」

 

「あー気にしなくていいぜ、アーク溶接から電気士免許までは一通りとってあるからな、これでいつ悪の異星体が来ても巨大ゴルシちゃんロボで世界を守れるぜ!」

 

「そうか」「なんだよ……少しはノってくれてもいいじゃねえかー」

それはそれで興味深く面白そうだがそれどころではない、ここで下手に騒いで逃げられては困る。と、出てきたな。

 

「居たぞ、あの二人だ」コソコソ

 

「ん?ありゃ、タキオンと、マンハッタンカフェって奴か?」コソコソ

 

「ああ、特にアグネスタキオン、彼女の脚は特異でな、あの脚はいい、特にふくらはぎのヒラメ筋の発達が……」コソコソ

 

「お、おい!行っちまうぞ!」コソコソ

む、それは困る、では行くとしよう!

 

「やあ!アグネスタキオンとマンハッタンカフェ!こんにちは!」

 

「ピスピーッス!トレセン学園一の美少女!ゴルシちゃんだぞー!」

 

「やあ、こんにちはゴールドシップ君。む、なんだい、もう一人はどうやら新人トレーナーのようだが」

 

「は、はあ。こんにちは……」ペコ

 

「単刀直入に言わせてもらう、私たちのチームに入らないか!」

 

「ふうん……?すまないが、断らせてもらう」

 

「……自己紹介も無しにいきなりいわれても、困ります」

 

「おっとこれは失敬、私はグラハム・エーカー!君たちウマ娘の走りに心奪われた男だ!」

 

「それ毎回やんの?新鮮さにかけるぜー、もっと捻りを加えるべきじゃね?たくあんみてーによ」

 

「……名札に楠薫と書かれているが?」「ちょっと、苦手かも」

 

「ゴールドシップ、確かにたくあんは漬けるとき曲げて入れるが、それだけだろう。あと遠回しに封印しろと」

 

「いや、全部説明すんなし」「自覚はあるのだな」「まーなー」

 

「……はぁ、君たちの夫婦漫才に付き合っている暇はないんだがね」

 

「んだとコラァ!誰と誰が夫婦だってんだ!?」「フムン、ここに男女のペアがあるとすれば私たちだけだろう」

 

「おいおい、だれがこのトレーナーとアレだってんだ!」

 

タキオンは無視した。カフェはちょっと頭が痛くなってきた。

 

「それより、どいてくれないか。これから出なければならない授業があるのでねぇ。それにスカウトの件は断ったはずだ」

 

「私も、お断りします」

 

「むう、そうか。では放課後の時間は空いているかね」

 

「いや、どうしてそうなる、生憎今はレースよりも研究に――」

 

タキオンは自分の脚に視線を感じた。「……何かねトレーナー?私に言いたいことでも?」

 

「……問題は脚か?」「っ!?」

 

「何、今すぐレースに出てくれなどとは言わん。チームに入ってほしいだけだ。無論ただの数合わせというわけではない。君が君の脚をどうにかしたいように、私は君を、最高のウマ娘にしたいだけさ、アグネスタキオン」

 

「……ふふ、これは驚いた、君、面白いねぇ」

 

「まあ、私は周りから変人と呼ばれている身でね」「だろうなぁ」

 

「あの、私はついでってことですか」

 

カフェは自分が無視されているようでちょっとだけムキになってしまった。

 

「そんなことはない、マンハッタンカフェ。君の差しの走りもアグネスタキオンに負けず劣らず魅力的だ、好意を抱くよ」

 

流石に直球すぎる。タキオンはぎょっとした。ゴルシも若干引いた。

 

……やっぱり、苦手かな(ボソッ)――ごめんなさい、あんなこといってなんですが、チームには入れません」

 

「そうか、残念だ」「やけにあっさり引くんだなトレーナー」

 

「今回は引くだけだ。まあ気が変わったらいつでも来てくれ」

 

多分、変わらない。カフェはそう思った。

 

 


 

 

放課後になった。それまで取り敢えずトレセン学園を一通り回っておいたが、

「やはり広いな、いくら中央の威厳があるとはいえ、府中でこれだけの土地を買うのは苦労しただろうな」

「しかし秋川やよい理事長……なかなかの傑物だな、あれがただの未成年の背伸びだとは思えんが」

ついでに実技をしているウマ娘も観察していたが、何故か警備員に捕まりそうになった。何故だ……私はれっきとしたトレーナーなのだぞ!バッジもよく見える胸に着けているのにだ!

 

「そりゃ木の上から双眼鏡使ってよ、2,3時間じっくり見てたら不審者扱いもされるさ。ほれあそこ見ろ」クイ

 

「さも当然のように心を読むな、ゴールドシップよ、それとなんだね?」

言われるがまま彼女の指す方向を見る。そこには。

 

「ウエヘヘ……推しと推しが切瑳琢磨する姿……たまりませんねグフフ」ジュルリ

アグネスデジタルが双眼鏡を覗き込んで、口を弛めきって涎が垂れただらしのないその顔を隠しもせず、ウマ娘の姿を堪能していた。

 

「おめー、傍から見たらあんなんだぞ」

 

「フムン、アグネスデジタルか、彼女とは気が合いそうだ」

ガサリと鞄から書類を取り出す。

 

「え、もしかしてあいつメンバーに入れるのか!?」

 

「いや、彼女は確かに才能はある。だがそこまでレースに興味がある訳ではないと聞いた。私たちのチームは積極的にレースに参加するつもりだ。だからもう少し走ることに全力なウマ娘を選ぶ」

 

「へー意外と考えてんだな」「当然だとも、私はウマ娘のレースに魅入られた男だからな」

 

「じゃあさじゃあさ、チーム名も考えてあんのか!?」フンスフンス

 

「勿論だとも!私たちのチームの名は……」「早く早く!勿体つけずに教えろよ!」ブンブン

 

チームフラッグだ!」「ほほう、チームフラッグ、なかなかイケてんじゃねーの、理由はあんのか?」

 

「フラッグシップ、つまり旗艦からだ。そこから転じて、このトレセン学園でトップを勝ち取り、牽引する最強のチームとして君臨したいという意思の現れなのだよこの名は!」

 

「あー、へー。そうなんだ」「なっ、急に梯子を外すなゴールドシップよ」

 

「まあ、いいんじゃねーの。アタシは気に入ってるぜ」「そうか」

 

「あ、でもこういうのはどうだ!?チーム泥舟」

 

「沈む予感しかないではないか」「じゃあ、これはどうだ、大漁旗」

 

「何の大漁祈願だ、トロフィーのか」「お、いいじゃん大漁旗!そうしようぜー!」

ゴールドシップは書類を奪いに来た。

 

「やめろゴールドシップ!それはもはやチーム名ではない!」




アプリ版の狂気を再現できないので失踪します
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