史上最強のレベルカンスト~無能スキル『経験値アップ』が『自動レベルアップ』に進化したので、仲間と共に成り上がる!!~   作:蛮異未成年

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11 結論探し

 「魅阿はなんで魔王殺しに加担するの?」

 

 逃げる咲苑も時間稼ぎをしているのか、栞亜(しあ)は魅阿に疑問に思っていた事を聞く。

 

 「黙れ。この世界から逃げた者に答える答えなどない」

 「逃げた者ねぇー。まだそんな事言ってるんだ」

 「当たり前だ。私は貴様を信じていたがその信用は簡単に裏切られた。もう貴様を信じる事は二度とないだろう」

 「ってことはあの男の子を逃がす私の信用もなく、彼を確実に殺しに行くって事ね」

 「最初からそう言っている」

 「なら力ずくで私を殺しなよ」

 「最初からそのつもりだ」

 

 2人は更地になったロードアイアスのど真ん中で静かに会話をする。

 その会話は一般人が介入できるような会話ではなく、殺意のこもった空間と化している。

 そして混沌に満ちたこの空間で栞亜と魅阿の戦いが始まる。

 

 「では行くぞ。」

 「かかってきなよ」

 

 攻撃の先手を打ったのは魅阿であり、超高速な移動で1秒も経たずに栞亜の場所まで移動し、背中に背負っている剣を取り出す勢いで真上から真下に振り下ろす。

 

 「ハァァァ!!!」

 

 魅阿の攻撃を防ごうと栞亜はすでに握っている両手剣を構える。

 

 「くっ…」

 

 一撃がとても重い魅阿の攻撃に思わず声が出てしまう。

 だが強い、速い、打ちどころのない魅阿でも弱点はある。

 

 「最初から飛ばしたら、私の思うつぼだよ?」

 

 攻撃を受け止めた瞬間、余裕を見せる栞亜に驚く魅阿。

 そして何かくると勝手に頭が思い込んだ魅阿は必然的に栞亜から距離をとる。

 

 「下がったね。残念」

 

 魅阿が距離をとることを知っていたかのように笑みをこぼしながら口にし、防御態勢に入っていた栞亜は両手剣を地面に突き刺し、攻撃態勢に入る。

 両手剣を使い、攻撃してくると思っている魅阿は栞亜が剣を地面に突き刺している事を不穏に思い、距離をとったのが間違いだと気づく。

 

 「さぁ、喰らいなさい。爆獄(ばくごく) 剛巖(ごうがん)!!」

 

 一蹴り一蹴り強烈に地面を蹴りながら加速し、いつの間にか魅阿は栞亜の姿が見えなくなる。

 そしてこの時やっと栞亜が何をしようとしているのか気付いた。

 

 「その技、まさか…」

 

 だが魅阿が気付いた時には、すでに栞亜は魅阿の懐に両手を打ち付けていた。

 

 「死ね。」

 

 何もかもが一瞬である栞亜と魅阿の戦いは終わるかのように見えたが…

 

 「私はどんなに遅れても遅れを取り戻す事ができる。」

 

 唐突に放った魅阿の言葉はすぐに現実となる。

 もう魅阿の敗北は決まっていると思っていた栞亜の両腕を雷をまとった剣で魅阿は切り裂こうとし、0.1秒も満たさない時間の中で技を繰り出す。

 

 「雷同一律《らいどういちりつ》」

 

 全ての雷技で一番早いといわれている技を繰り出し、確実に栞亜の両腕を切断しようと剣を振るが、もちろんそんな簡単にはうまくいかない。

 

 「まじか、なら…爆獄 殺即(さつそく)

 

 すでに栞亜の両腕は魅阿の懐に位置していたが地面に刺さった剣はフリーなので、魅阿の攻撃が自分の腕に到達するまでに高速で剣を移動させ防がせる。

 

 「最速の技を容易く見極めるなど不可能だ。」

 「最速と思っているのは魅阿だけかもよ?」

 「冗談好きは変わってないな」

 「そっちこそ」

 

 戦闘中というのに2人とも余裕を見せるかのように話し始めた。

 その間に魅阿の雷同一律は栞亜の剣に止められ、栞亜の爆獄 剛巖は次に魅阿が何を仕出かすか分からないので一旦、近くまできた両手剣を握り攻撃をやめる。

 

 「前回戦った時は貴様のレベル不足で面白くなかったが、今回いざ戦ってみればなかなかレベルが上がっているようだな」

 「それはありがとさん」

 「だがまだ私を倒すまでは強くないようだ」

 「へぇー、さっき追い込まれそうになって発言する言葉がそれ?」

 「実際やられてはいない」

 「ほんとに結論ばっかのバカだね」

 「なんだと…?」

 「今回はあの男の子を追うのはやめなよ。この戦闘が〝神帝の勇者・ゼクシィ〟にバレたら殺されるよ?」

 「…」

 「今魅阿の置かれている状況は非常に危険。それは魅阿自身も分かってるはず」

 「貴様の言う事は信じない、よって戦闘を続ける。」

 

 魅阿自身でも今戦闘を続ければ非常にまずいと分かっているが、一度栞亜の事を信用しないと決めたからには指示には従えないと結論を出した。

 

 「結論が大事なら私の指示に従う必要はない。自分が勝手に思ったって事にすればいいんじゃないの?過程を気にしない魅阿ならそのくらいできるんじゃないか?」

 

 どうしても今ここで魅阿と戦うのを避けたい栞亜は何とかして言い聞かせようとする。

 

 「それも指示だ。貴様の指示は聞かん。だが今回は他の勇者に今、救援として呼ばれたのでそちらを優先することにする。」

 

 魅阿はそう言い残すとすぐにロードアイアスから他の街へと移動する。

 本当か嘘かは分からないが、魅阿が手を引いてくれるという事で少し安心する栞亜。

 

 「ふぅぅ…白崎咲苑君か。今回は君を助けた、今度は君が他人を助ける番だ」

 

 こうして魅阿と栞亜の戦闘は引き分けで終わる。

 

 

 

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