史上最強のレベルカンスト~無能スキル『経験値アップ』が『自動レベルアップ』に進化したので、仲間と共に成り上がる!!~ 作:蛮異未成年
「まぁ2年間も家に居てはここ最近の事情も知らないでしょう。どうせ後から知ることですし、ロードアイアスに向かいながらお話しましょう。」
彼女はそう言うと俺が目指していたロードアイアスの道に歩きだした。
俺は置いて行かれないように彼女の斜め後ろを歩きながら、話を聞く。
後ろにいる事を確認した彼女は再び話の続きをする。
「20年前、100人いた勇者の中で一人、人間族に反旗を
「確か、現在の魔王リゾルト・グリプス…」
「そうです。グリプスは世界各地の攻略されていないダンジョンをクリアするために派遣された勇者の一人でありながら、ダンジョンに潜む魔族と共闘しました。彼に何があったのか分かりませんが、確実に敵対といえるでしょう。」
険しい顔をしながら魔王グリプスについて、高校以来の説明を受ける。
高校の授業でも、もちろん魔王グリプスについての勉強をしたので一応分かっているつもりだったが、それは一部の過去に過ぎなかった。
「彼は魔族と共闘した後、20年前の魔王といわれるガバルデに勇者を殺せと命令を出されます。グリプスはその魔王ガバルデの命令に従い、その時圧倒的強さを誇った勇者フリッツ・リーシャを殺します。本当は一人で良かったのでしょうが、グリプスは勇者殺しをやめず結果的に80人の勇者を殺しました。」
「でも元勇者1人に80人もの勇者がそんな簡単に殺されるんですか?」
「そこが疑問の一つです。グリプスは元勇者であれど最強勇者と呼ばれたフリッツ・リーシャを倒すことは不可能に近い。なのになぜグリプスは80人もの勇者を殺すことができたのか、未だ分からないままです」
魔王リゾルト・グリプスがなんで最強勇者に勝てたのか…
まてよ…
ここで咲苑はふと何かに勘付いた。
もし仮に俺と同じ『自動レベルアップ』のスキルを持っていれば最強である勇者を戦闘中に殺すこと、ましてやそもそもグリプスが強かったってのもある。
しかももし本当に魔王グリプスが『自動レベルアップ』のスキル持ちなら80人もの勇者を殺せたのにも別段おかしい事はない…
想像を大きく膨らませ、一つの大きな可能性に気付くがそれを確かめる力もなければ、2年間家に閉じこもっていた男だ。
自分の想像は浅はかだと思い込み、考えをやめ、刹雷魅阿の話を再び聞く。
「そして魔王グリプスは18年前に魔族の王をガバルデから引き継ぎ魔王となり、何らかの方法で街と街の間に存在する無法地帯に魔物を出現させ、冒険者の自由を少しずつ奪っていきました。しかも2つの街の平均冒険者レベルの魔物出現なんてふざけた真似を…」
ここまでは何となく知っていたというより覚えており、さほど怒りも湧いてこなかった。
その理由としては俺が生まれて意識がしっかりするまでにはすでに無法地帯の魔物出現は当たり前だったからだ。
だが彼女は発現する言葉一つ一つに絶大な怒りが込められていた。
「ゴホン!失礼。ここまでが貴方の知っている魔王グリプスが人間族に敵対した行動です。ですが1年前、再び魔王グリプスは人間族に対して試練のように幾つかの行動を起こしました。」
「幾つかの行動…?」
「そうです。まず一つは勇者殺しです。20年前、80人もの勇者を殺した彼はそれでは飽き足らないのか1年前まで20人いた勇者の10人を殺しました。その中には前勇者から引き継いだばかりの勇者もおり、本当に無残で仕方ありませんでした。」
「魅阿さんレベルの人を10人も殺した…?」
さっきの戦いを見た俺だからこそ分かる。
あの力でなお、魔王は勇者を普通か弱いでカウントしている。
まさに魔王だ。
「何なんだそれ、そんなのが敵にいるとか…」
「まだそれだけではありません。先程の魔物のボスは魔王がダンジョンから引っ張り出した地下階の最終フロアボスです。名前と姿は変わっていますが、ステータスは基本変わっていませんでした。」
「地下階の最終フロアボス?」
「はい。
「1万!!??」
「はい。ボスでなく、通常の魔物で1万です。先程の魔物のボスのレベルは3万程度でした。」
レベル400の自分が強いと思っていたのが恥ずかしい。
確かにそんな魔物がいたら俺は勝てない。
「魔物のボスは平均冒険者レベルの影響を受けませんが、一般の魔物のレベルが上がったのは私がロードアイアスにいたからでしょう。」
「そういう事か…」
「基本的に魔王が大きく変化させたのはこの2つです。あっ、話してたらそろそろロードアイアスに着きそうですね。」
切り替えが物凄い早い刹雷魅阿に驚きながらも、一瞬魔王の話を忘れて2年ぶり見るロードアイアスに感激する。
「2年ぶりか…」
こうして物語は更にヒートアップする。
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