史上最強のレベルカンスト~無能スキル『経験値アップ』が『自動レベルアップ』に進化したので、仲間と共に成り上がる!!~ 作:蛮異未成年
「やっぱり色々変わってるなぁ…」
2年前に咲苑が来た時とは全く別の街並みになっているロードアイアス。
感動と懐かしさに浸っていると刹雷魅阿は咲苑に尋ねる。
「咲苑様、この後何かご予定はありますか?」
「様付けはやめてください!!」
「ですが、貴方のスキルは勇者レベルを超えています。」
急にこの人何言ってるの…?
俺、経験値アップのまじ使えないスキルだけど…ってあれ?
そういえば俺、スキルが進化して『自動レベルアップ』になってたんだ。
勇者の登場で自分の事をすっかり忘れていた咲苑。
でも俺フェイクのスキルを使用してたような…
スキルには自動発動と手動発動の二つがあり、基本的に戦闘で使われるスキルは自動発動でその他のスキルは手動発動とされている。
咲苑はフェイクのスキルを現在発動しているかステータスを見るが、フェイクのスキルは『発動可能』と書かれており、フェイクのスキルは発動されていなかった。
あっ、発動してなかった。
どうしよ。勇者にバレた…
誰にもこのスキルについて話すつもりはなかったが、普通にバレてしまった。
そしてそれと同時に刹雷魅阿の言動についておかしな点に気付いた。
「もしかして最初から様付けしてたのって俺の限定スキルのせい…?」
「そうですよ。」
まさかとは思ったが、結構ガチだった。
「まじか…もしこの後時間がないって言ったらどうしますか…?」
色々と面倒ごと巻き込まれると思った咲苑は刹雷魅阿にご予定の予約を入れられない場合の手段についての話を進める。
「その場合、無理やりにでも時間を作って貰いますね。」
自分の限定スキルが貴重で他の人が期待するのも分かる。
なんせ魔物を倒さずに一度攻撃するだけでレベルが上がるのだから。
だが2年ぶりに外を出た戦闘経験のない、限定スキルだけ強い男に果たして求められるものを達成できるのだろうか?
不安に思いながらもどうにかこの場を逃げようと必死に言葉を考える。
「俺、貴方にみたいに強くもなれないし、ましてや心の弱い俺なんかが戦っても迷惑になるだけです。」
自分をここまで否定するのは高校生ぶりぐらいだなと心で悲しく思いながらも最善で逃げれる言葉を並べる。
だがそんな俺を見て勇者である刹雷魅阿は厳しい言葉を投げかける。
「私は貴方の心と強さを評価しているわけじゃない。貴方は特別だ。強さとは経験で培い、それがこの世界ではレベルとなって力に現れる。でも貴方違う。限定スキルが強さの根源である貴方は心や強さに頼らずと魔物に対して剣を振るうだけで無限の力が手に入る。私はその強さの根源を必要としているだけで貴方を必要としているわけじゃない。」
刹雷魅阿の魔王を倒すための手段として咲苑は最善最高の限定スキルを持っている。
考え方としては咲苑が最強になれば魔王を倒せるし、結果的に人類のためになる。
だが咲苑は本当にそれでいいのか、迷っていた。
力が全てなら別に魔王が悪いというのもおかしい。
魅阿さんの言っていることは強い者が勝者という事だ。
そんなの悲しい…
うまく言葉にできないが何か違うと思った咲苑は刹雷魅阿の意見に反対する。
「俺は貴方の意見に反対です。貴方は世界の事を考えている。でもそれと同時に強さに固執しすぎている。そんな貴方に俺は協力できない。」
ただ俺が魔王を討伐すればいい話だが、人間の大きな失点と共に一番の正義である〝譲れないもの〟が心から言葉へと変換してしまう。
だがそんな俺の〝譲れないもの〟を刹雷魅阿は許さなかった。
「それが貴方の答えですか」
「そうだ。これが俺の答えだ」
「ならば…」
街中だというのに殺気と威圧というスキルを発動させる刹雷魅阿。
そして…
「貴方にはここで死んでもらう」
唐突な言葉に動揺する咲苑は焦りと混乱で足が震える。
「な、なんで…?」
「貴方は私に味方しない、ならば敵なる可能性もあり得る。可能性は全て100でないと確定とは言えないのだから。」
ロードアイアスの街中で発される冷酷な言葉。
そしてそれを見ているロードアイアスの住民は俺に差別的な目線を向ける。
俺はこの時、何か正しいのか分からなくなった。
この世界は狂ってる。
勇者も魔王も正義じゃないならいったいこの世界の正義は誰なんだ?
ロードアイアスの住民は刹雷魅阿の姿を見ただけで誰だか分かっている様子であり、その刹雷魅阿から発される言葉が全て正しいと思っている住民は俺と刹雷魅阿から必然と距離を取り始める。
刹雷魅阿を意識しながらも目に映る住民を見て俺はこの勇者と戦闘をしなければいけないと思ってしまった。
まじかよ…
いまさら弁解しても遅いし、もう戦うしかないのか。
でも明らかにレベルが違いすぎる。
ちっ、どうすればいいんだよ…
圧倒的レベル差である雷轟《らいごう》の勇者・刹雷魅阿との戦闘に勝つのは絶対に無理であり、逃げるのもほぼ無理である。
この状況でできる事はもうなく、最後に刹雷魅阿のステータスを見た。
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役職:勇者【雷轟】
HP:?????????/?????????
MP:???????/??????? SP:0
攻撃力:????????
耐久力:????????
速 度:??????
知 性:????
精神力:???????
幸 運:????
限定スキル:雷鬼《ジラ》LV2万
スキル:???LV2000 ???LV2000 ???LV2000
???LV2000 ???LV2000 ???LV2000
???LV2000 ???LV2000 ???LV2000
???LV2000 ???LV2000 ???LV2000
???LV2000 ???LV2000 …
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「レベル4700万だと…」
「フェイクでいつもは10万レベルくらいに設定してるから、ガチのステータスを見せるのは久しぶりだ。どうせ死ぬのだから私の凄さを知って死んでもらおう。」
こうして戦いにはならない戦いが始まる。