一芸だけじゃ生き残れない   作:冥々

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プロローグ

花沢奈々は一つの才能に特化し過ぎた人間だ。

才能というが、それはゲームである。初めて触るゲームでも一流のプレイ技術を発揮してしまうせいで友人関係は滅茶苦茶となった。小学校に入学して始めて出来た友人とやったポ〇モン対戦でも、遺憾なく発揮その才能......いやソロゲーマー特有の癖が思いっきり出てしまい。小学生ではまずはやらない厳選や努力値振りをしたポ〇モンを育成し、対戦では害悪とも言える戦術で圧勝してしまった。当然対戦した友人とは二度と遊ぶことや話すらも無くなり、初めての友人を無くしてしまうことに。

 

 

 

その出来事があっと言う間に学校中に広まった結果。「あいつとはゲームするな」と暗黙の了解が当時の私は知らずに、必死にゲームしようよと、誘って断られるのを繰り返していた小学四年生の時、両親が「ゲームが好きなら出てみない?」と言われるがままに出場したFPSのゲーム大会にて参加者に追随を許さないような差で優勝した。その様子を傍から見ていた男性にスカウトされた。その人は『ProGamingTeam〝explosion〟』を立ち上げた五島玄太こと___fighterだった。

彼にスカウトされた当時、見知らぬ大人が「うちにぜひ! 入ってみない?」「プロになって、世界を目指そう!」と明らかに不審者と違わぬ怪しい雰囲気がプンプンとしていた。我が娘を守ろうして追い返すそうと両親は親として当たり前の行動を取った。

 

今でこそ、そんな怪しい人物の言う事は気にも止めないが。当時小学生である私は「学校行かずにもっとゲームが出来るかも」「一緒にゲームが出来る人達に会えるかも」といった可能性に魅力を感じてしまった。

当然親は引き留めに掛かるが、そんなことも歯牙にもかけない勢いで「入る!」と大きな声で言った。すると、余程私が所属したいという発言が嬉しかったのかプロゲーム業界___eスポーツ、『ProGamingTeam〝explosion〟』についてをウッキウキした表情を浮かべて説明し始める。

その際に折れた両親から入る条件に「高校までは卒業して欲しい」ということで、ゲームに集中しながらでも条件を満たせるように通信制に切り替えた。

 

 いざ『ProGamingTeam〝explosion〟』に入った際にfighterから〝AVA〟という無料FPSゲームをやるように言われ、その通りにやり込んで世界大会で何連覇した後に〝AVA〟から〝OverWatch〟〝PlayersUknowBattleGround〟をやれと言われて、またそれぞれの大会にて優勝や賞を取っている時....ふと思った。

 

 

 あれ? 自分は何をしているんだろうか?

 

 

競技シーンに長年身を置いてきたけれど、いまいち満足感や達成感というものを得た感覚がない.....初優勝した時とかはあるが心の底から感じたことは本当にない。

 

いや、ゲームをしてて楽しいは楽しいと感じているよ?でも、なんていうか.....こうね?言語化しづらいけど......燃え尽き症候群に近いものを発症している感じ?

 

そんな時期にとあるyoutubeの動画を見た。動画には昔から仲のいい人と共に私が触っているゲームをプレイするという、探せば他にもありそうな動画だったが。

何故か羨ましく思った私も仲のいい人とやりたいと思った。しかし、私にはそのような関係性を築いた人は『ProGamingTeam〝explosion〟』にいなかった......いや作りづらかった。同僚のプロゲーマーは知っている限り全員男性で、同性のプロゲーマーは一人として在籍してなかった。

 

 

だったら、発想を変えてそういう事が出来る場所に行けばいいんじゃないか?

 

 

 

思い至った私の行動は過去一の行動力を発揮したと自負してもいい程だった。色々なyoutuber事務所の募集広告を見回って、決めたのはVirtualYoutuberなるものを輩出している〝Virtualサンシャイン〟のゲーマーズとやらの募集広告だった。

募集内容は「人一倍のゲームの腕前」「長時間配信しても疲れない人」を対象しているようで、これは私向けではないかと思った。応募する前に『ProGamingTeam〝explosion〟』を抜けてないと拙いなと考えた私は、ボスであるfighterに脱退の意思を伝えると腹に決めて部屋をノックして入る。

 

「何か用? nana」

「スゥーーexplosionを抜けたいです」

 

脱退の意思を伝えるとボスの優しそうな表情が真剣な表情へと変わった。

 

「どうしてか。理由を聞いてもいいかな?」

 

優しい口調でボスは話してるが、「お前、ふざけたことを言ってんじゃねぇぞ」というオーラにビクつきながら答えた。

 

「explosionに所属して大会で数々の賞や頂点を取っていく中で、自分って何をしているだろうか?と燃え尽き症候群に近い何かがチラついている時に見たyoutubeで楽しく友達とゲームをしているのが羨ましくて、そんな事ができる所へと行きたいと思い、脱退を決意しました」

 

長々と話した私の脱退理由を聞いたボスは腕を組んで視線を下に向けて考える事、数秒後に小さく息を吐いた。

 

「まず聞くけど、explosionに仲のいい人いる?仏君とか香港君は?」

「話はしますが、いません」

「そっかー......抜けていいよ。個人的には残って欲しいけど、こちら側の監督不足だからね」

 

もっと引き止められると思ってたが、思った以上に簡単に抜けられる事出来た私は肩の荷が降りた気持ちで自室へと軽やか足取りで帰っていった。

 

パソコンの画面前に座った私は〝Virtuaサンシャイン〟のホームページからゲーマーズ募集へと行き、一次選考はゲームのプレイ動画を送るとのこと。恐らく募集対象に中にあった「人一倍のゲームの腕前」を見定める為だろう。プレイするゲームのジャンルは問わないようで、私は〝PlayersUknowBattleGround〟でプレイ動画内容は39killという大量killムーブした動画を送った。

 

______________________

 

 

【悲報】nanaが脱退した事を語るスレ【Explosion】

 

 

1:名無しのゲーマー ID:tUSDw6qLd

聞いた時はマジでびっくりした

 

2:名無しのゲーマー ID:8J2gOMpxN

俺も百回も確認したわwwwww

 

3:名無しのゲーマー ID:2/MZJzret

>>2確認し過ぎwwwww

でも、わからなくもない

 

4:名無しのゲーマー ID:A0PmPnYvb

俺たちの姫が....(´;ω;`)

 

5:名無しのゲーマー ID:4AiswYiVK

姫が....(´;ω;`)

 

6:名無しのゲーマー ID:fnf6AQthd

姫が....(´;ω;`)

 

7:名無しのゲーマー ID:eaFz6rsur

>>4、5、6気持ちはわかる

よくexplosionは手放したよな

 

8:名無しのゲーマー ID:ERe0ySKwL

確かに誰も引き止めなかったんか?

 

9:名無しのゲーマー ID:OeLimBtk8

個人的に脱退した理由はexplosion内でぼっちだった説が有力説だと思う

 

10:名無しのゲーマー ID:l1MA0Z4/f

あぁ、AVA二連覇以降の集合写真な

 

11:名無しのゲーマー ID:d6+dYZDyM

>>10どういうこと?

 

12:名無しのゲーマー ID:43uPfvXhR

>>11EPがAVA二連覇した際の集合写真にnanaがいなかった事件があった

それ以降の大会の集合写真にもいたらレアってレベルぐらい写ってない

 

13:名無しのゲーマー ID:y8WCd8oR+

>>12情報サンクス

まじか、チーム仲いいと思ってた

 

14:名無しのゲーマー ID:a7j+3q8lx

いや、実際にEPのチーム仲はいいよ(nanaを除いて)

 

15:名無しのゲーマー ID:V2yVwwKEA

ほんとよ(nanaを除いて)

 

16:名無しのゲーマー ID:tySIef9vb

でも、時間の問題だったと思うな

 

17:名無しのゲーマー ID:Mv8MjJOMI

>>16それな

 

18:名無しのゲーマー ID:DcDZwelkw

>>16それな

 

19:名無しのゲーマー ID:RdgT6gfOb

nanaはどっか別のプロチームに行くんかな?

 

20:名無しのゲーマー ID:d49iY2Kpp

もし、あったら応援しようぜ

 

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